JPS6037910Y2 - 軽量船舶に於けるスクリユ−プロペラ及び舵の同時昇降機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、軽量船舶に於けるスクリュープロペラ（以下
、単にプロペラと云う）及び舵の昇降機構に関する。

水深の深い港湾や航路を利用する大型船舶と異り、漁船
・作業船等の軽量特殊船は、その停泊地、作業地が浅瀬
であることが多く、プロペラや舵を海底との接触から防
止する為に船底より上方へ引上げ得る構成とする必要が
ある。

又、船外機を用いる小型のモーターボート以外の船は発
動機を船体内部に設置しているので、特別な昇降装置を
必要とする。

プロペラと舵とを同時に昇降させる機構としては昭和２
年実用新案出願公告第９４８８号公報、実開昭５３−７
３６９８号公報のものが知られているが、これらでは充
分にプロペラシャフト、プロペラを上昇出来ず、又プロ
ペラによる造波抵抗が多いという欠点があった。

又従来前とプロペラシャフトとを同時昇降させる構造の
ものが昭和２年実用新案出願公告第９４８８号公報に知
られているが、プロペラシャフトを船底に陥凹形成した
シャフトトンネルを通じて海中に突出させるものでない
ため推進効率が悪いという問題点がある。

又シャフトトンネルを通じてプロペラシャフトを海中に
突き出し、シャフトトンネルに整流板を設けたものとし
て実開昭５１−８０８９３号公報に記載のものが知られ
ているが、プロペラシャフトの昇降と舵の昇降が同時に
なされるものでなく軽量船舶には採用しにくいものであ
る。

本願考案はかかる問題点を解消したものであって、舵と
プロペラシャフトが近接していてしかもプロペラシャフ
トをシャフトトンネルを介して引き出す構造の軽量船舶
において有効なスクリュープロペラ及び舵の同時昇降機
構を提供せんとするものである。

本願考案の要旨は、船体内部に発動機を有する軽量船舶
に於いて、プロペラシャフトをプロペラシャフト昇降杆
によって揺動自在とし、しかも同シャフト昇降杆に設け
た機枠に舵を取付け、更に船底にプロペラシャフトを上
昇時収納するシャフトトンネル２３を陥凹形威し、又機
枠底部にフラップ板２２を枢支し、シャフトトンネル２
３の後部からフラップ板に流れを連絡する整流板２４を
船底に枢支し、更に機枠６上方のプロペラシャフト昇降
杆の外周に筒状操舵軸を遊嵌腰同操舵軸の下端を舵とリ
ンク機構を介して連動し、又同操舵軸の上端に舵取付ア
ームを突設し、同舵取付アームに舵柄をその基端付近に
おいて上下動自在に枢支し、又フラップ板に一端を固着
した垂直のフラップ駆動杆の自由端と舵柄の先端とを舵
取付アームに枢支したリンクで連接したことを特徴とす
る軽量船舶に於けるスクリュープロペラ及び舵の同時昇
降装置にある。

以下、本考案を図面に示した一実施例に基き詳述する。

本考案の昇降機構を応用すべき船舶は、船体Ａの略中央
部に発動機Ｂを有し、プロペラシャフトＣを介してプロ
ペラＤを駆動する型式のものであって、プロペラシャフ
トＣは自在継手Ｅにより揺動自在な構成となっている。

又、船体Ａの船尾端のトランソンＦには、プロペラ収納
用の切欠部Ｇが設けられている。

以下、昇降機構１について述べる。

プロペラシャフトＣはプロペラＤ近傍に於いて自在軸受
２を介して昇降杆３により支持されている。

該昇降杆は、切欠部Ｇ内に軸受４，４′により上下摺動
自在に支持されており、船体内部に該昇降杆３と並設さ
れた油圧シリンダー５等の昇降機に上端に於いて連結さ
れており、該油圧シリンダを駆動することにより、プロ
ペラＤ及びプロペラシャフトＣを昇降させることが出来
る。

さらに、昇降杆３の中途には、はぼ切欠部Ｇの平面形状
に等しい平板状の機枠６が固設されており、昇降杆３の
昇降にともなって切欠部Ｇ内を上下する。

なお、該機枠は下降時には切欠部Ｇの下端部に周設され
たフランジ７により支持される。

機枠６先端部には舵軸受８が垂設されており、舵９の舵
軸１０が回動自在に枢支されている。

昇降杆３の機枠６固着部分より上方は二重管構造となっ
ており、外管は操舵軸１１となっている。

なお、上方の軸受４は外管を支持している。

操舵軸１１はリンク機構１２を介して前記舵軸１０と係
合しており、操舵軸１１上端に設けられた舵柄１３の動
きを舵９に伝達する。

リンク機構１２は操舵軸１１下端に突設された駆動アー
ム１４と舵軸１０上端に突設された従動アーム１５、及
び機枠６に回動自在に枢着された揺動アーム１６とより
なり、駆動アーム１４及び従動アーム１５先端部にそれ
ぞれ植設された係合ビン１７，１７’と揺動アーム１６
両端部に穿設された長孔１８，１８’とがそれぞれ係合
してリンク機構１２を構成するものである。

図中１９は舵柄１３にリンク２０を介して昇降自在に設
けられたフラップ駆動杆であり、枢軸２１により機枠６
に揺動自在に枢着されたフラップ板２２を舵柄１３の上
下により角度調節自在としている。

２３はプロペラシャフトＣ上昇時に同シャフトの収納さ
れるシャフトトンネル、２４はプロペラシャフトＣ下降
時にシャフトトンネル２３内を流れる流体をフラップ板
２２へ導く整流板である。

なお、該整流板及びフラップ板２２の調整によりプロペ
ラＤ近傍の造波ロスが防止出来るとともに、船体Ａのピ
ッチングも防止可能である。

本考案は上記構成により戊るので、単一の昇降機により
プロペラ及び舵の昇降が同時に行い得ると共に、プロペ
ラＤ外周と船体Ａとの間には機枠６が近接しているので
プロペラによる造波を押えるので推力のロスが少く、又
プロペラ及び舵を上昇させた状態に於いても船体の駆動
、操舵が可能であると云う効果がある。

更に船底にプロペラトンネル２３を陥凹形威しているの
でプロペラシャフトＣ１プロペラＤを可及的に上方に持
ち上げることが出来て浅瀬でも充分に対応できる様にで
きるばかりか整流板２４とフラップ板２２によって流れ
を円滑として推力のロス、造波抵抗を抑えて推進効率の
よいものとできるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る同時昇降機構の一例を示す縦断側
面図、第２図は第１図Ｉ−Ｉ線に於ける断面図である。 Ａ：船体、Ｂ：発動機、Ｃ：プロペラシャフト、Ｄ＝プ
ロペラ、Ｅ：自在継手、Ｆ：トランソン、Ｇ：切欠部、
１：昇降機構、２：自在軸受、３：昇降杆、 ４゜ ４′：軸受、 ５：油圧シリンダ ６：機枠、 ：フランジ、 ８：舵軸受、 ９： 舵、 １０：舵軸、 ：操舵軸、 １２：リンク機 構、 １３：舵柄。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船体内部に発動機を有する軽量船舶に於いて、プロペラ
   シャフトをプロペラシャフト昇降杆によって揺動自在と
   し、しかも同シャフト昇降杆に設けた機枠に舵を取付け
   、更に船底にプロペラシャフトを上昇時収納するシャフ
   トトンネル２３を陥凹形成し、又機枠底部にフラップ板
   ２２を枢支し、シャフトトンネル２３の後部からフラッ
   プ板に流れを連絡する整流板２４を船底に枢支し、更に
   機枠６上方のプロペラシャフト昇降杆の外周に筒状操舵
   軸を遊嵌し、同操舵軸の下端を舵とリンク機構を介して
   連動し、又同操舵軸の上端に舵取付アームを突設し、同
   舵取付アームに舵柄をその基端付近において上下動自在
   に枢支し、又フラップ板に一端を固着した垂直のフラッ
   プ駆動杆の自由端と舵柄の先端とを舵取付アームに枢支
   したリンクで連接したことを特徴とする軽量船舶に於け
   るスクリュープロペラ及び舵の同時昇降装置。