JPS6035587Y2 - バイスの移動調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばフライス盤、ボール盤等におけるバイス
の移動調節装置に関する。

すなわち、固定のバイス口金と移動自在のバイスとの間
に被加工物を挟持して切込、切削あるいは穿孔加工等を
行なうことができるように構成するフライス盤、ボール
盤等において、従来は第１図に示すように、テーブル２
上において固定のバイス口金７とバイス６との間に被加
工物１を挟持し、固定の雌ねじ体３に螺挿したハンドル
４付きのねじ杆５をバイス６に連結して構成していたか
ら、寸法差のある被加工物１の取付けに際してはハンド
ル４の回転によるバイス６の移動操作には時間を要し設
置面積も多く必要とし、作業性も良くないという欠点が
あった。

本考案はその欠点を解消し、しかも従来に比し短時間で
正確にバイスを固定でき、簡単な構造にして好適に実施
できるよう提供するものである。

次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図及び第３図において、テーブル８上の一方側に固
定したバイス口金９とテーブル８上のＴ溝２１をガイド
として移動できるバイス１０との間に被加工物１を挟持
し固定できるように装設し、そのバイス１０の背面側か
らはねじ杆１９を延設して構成する。

また、テーブル８の他方側にはボルト１１により軸受１
２を固定し、一端側にハンドル２０を装着したスライド
軸１３を軸受１２の透孔に軸方向に摺動できると共に回
動できるよう嵌挿し、スライド軸１３の長手方向に間隔
をおいて複数形成した周溝１４，１４’、１４″には板
状の爪１６を上方から係合できるように装設すると共に
爪１６の一端側は軸受１２に設けた透孔に達する溝１５
内ニヒン１７を介して枢支し、スライド軸１３の先端側
より内方に形成した雌ねじ部１８には前記ねじ杆１９を
螺合するが、ねじ杆１９の先端部２２はねじを無くして
ねじ内径と遊合しねじ杆１９の外れ防止ができるように
形成して構成する。

従って、爪１６をピン１７を中心にして矢印で示すよう
に上方に回動させてスライド軸１３の周溝から外し、そ
のまま被加工物１の大きさに合わせてスライド軸１３を
軸受１２に摺動させながらバイス１０を移動させ、はぼ
見合うところでスライド軸１３の周ｉ１ｉ！１４．１４
’、１４″の合致する１つに爪１６を係合させてスライ
ド軸１３は回転できるが軸方向には移動できないようセ
ットし、バイス口金９とバイス１０の間に被加工物１を
挟持してバンドル１４を回動させると、スライド軸１３
とねじ杆１９の螺合によりバイス１０は被加工物１側に
押しつけられて締付は固定することができる。

すなわち、第４図ａに示すように従来ではバイス移動長
りがバンドル移動長Ｓ□にに等しくなって設置面積を広
く必要とするばかりか作業性も悪かったが、第４図すに
示すように本考案ではバイス移動長りに対しバンドル移
動長Ｓ２はねじ杆の移動長１だけ短くなり、バンドルの
突出を短くさせることができる。

このように本考案は、バンドルによって回動できるスラ
イド軸を固定の軸受に嵌挿すると共に、スライド軸の長
手方向に複数形成した周溝の部分でもってスライド軸を
スラスト方向に適宜係止できるように装設し、前記バイ
スから延出するねじ杆にスライド軸を螺合して構成した
から、頭記のような従来の欠点は解決できて短時間に正
確に被加工物を挟持することができ、バンドルの突出を
短くすることができて設置面積を広く必要とせずまた作
業性も良好となり、簡単な構造にして好適に実施できる
特長を有する。

また、バンドルの操作時にはスライド軸は板状の爪によ
って軸方向の摺動が拘束されているのでバンドルは前後
方向に移動することなく定位置で操作することができそ
れだけ操作の安全が図れる。

さらに、スライド軸にはバンドルが固定されているので
スライド軸の軸方向の摺動はバンドルを持って行うこと
ができるので操作が容易となる。

またさらに、スライド軸の軸方向の摺動を拘束するには
板状の爪を単にスライド軸の周溝に係合することによっ
て行うので操作が極めて簡単であるとともにその拘束の
解除も上記周溝から板状の爪を離脱させるだけで良いか
ら簡単に行うことができる。

その上、本考案のバイスから延出するねじ杆はスライド
軸の円筒体内に螺合されて連結しているのでねじ杆を短
くすることが可能でその分軽量化することができるとと
もに、被加工物が大きくなってもねじ杆のみをスライド
軸の円筒体内に収納することができるのでバンドルの突
出はそれ程ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例を示し第２図は、本考案の実施例であ
る要部の側面図、第３図は、第２図の一部の側断面図、
第４図ａは、従来例を、第４図すは、本考案の実施例を
それぞれ示す比較のための説明図である。 ９・・・・・・バイス口金、１０・・・・・・バイス、
１・・開被加工物、２０・・・・・・バンドル、１３・
・・・・・スライド軸、１２・・・・・・軸受、１４．
１４’、１４″・曲・周溝、１９・・・・・・ねじ杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定のバイス口金と移動自在のバイスとの間に被加工物
   を挟持して切込、切削あるいは穿孔加工等を行うことが
   できるように構成するフライス盤、ボール盤において、
   円筒体の外側面に軸方向に適宜の間隔をおいて複数の周
   溝を形成し、かつ一端にハンドルを固着し他端内側面に
   上記バイスから延出するねじ杆を螺合する雌ねじ部を形
   成したスライド軸と、上記スライド軸を軸方向に摺動で
   きると共に回動できるように嵌挿する透孔と、該透孔に
   達する溝とを形成した固定軸受と、上記固定軸受の溝内
   に着脱自在に嵌入すると共に上記スライド軸の周溝に係
   合してスライド軸の軸方向の摺動のみを拘束する板状の
   爪とからなり、上記ハンドル操作によりスライド軸を回
   動させるとともに、上記ねじ杆を介してバイスを摺動さ
   せるようにしたことを特徴とするバイスの移動調節装置
   。