JPS6033291Y2 - 内燃機関の排気ガス浄化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等における内燃機関の排気ガス浄化装
置、さらに詳しくは同装置における触媒コンバータの改
良に関するものである。

自動車等における内燃機関の排気ガス浄化装置は、通例
、第１図に示す構造となっている。

すなわち、該装置は、コンバータケース１、エキゾース
トマニホールド２及び排気管１２よりなる。

エキゾーストマニホールド２の入口端は内燃機関（図示
せず）の排気ポートに固定され、出口端はコンバータケ
ース１の入口端にボルト３及びナツト４により固定され
、コンバータケース１の出口端には排気管１２が接続さ
れる。

コンバータケース１の内部にはモノリス触媒５が収納さ
れており、前記ケース１とモノリス触媒５との間には緩
衝部材６が装填され、この緩衝部材６の両端には、前記
緩衝部材６の熱劣化を防ぐために熱発泡性シール材が充
填されている。

また、モノリス触媒両端の割れや欠けを防ぐためにクッ
ションリング８，８を介在させる。

図中、１０．１１は、それぞれ触媒コンバータケース６
と排気管１２とを連結するためのボルト及びナツトであ
る。

しかしながら、上記構成の排気ガス浄化装置は、高速運
転時のように高温の排出ガスが連続して長時間排出され
る場合に、モノリス触媒の排気ガスの流れに沿った上流
端（第１図中、５ａで示す）から全長の１ｎ程度下流の
位置でモノリス担体中心線と直角方向断面に亀裂が生じ
、モノリス触媒における浄化反応に支障をきたすといっ
た欠点があった。

この亀裂発生の原因は、モノリス担体軸方向での熱分布
が異なるため、担体の構成材料であるセラミックの熱膨
張に差が生じ、その結果熱応力が生じることにある。

モノリス触媒においては、その上流端から全長の１７３
の位置での触媒反応が最も激しくなるため、この部位で
のモノリス触媒担体が高温になり、亀裂が発生する。

本考案は、上述の従来技術における欠点を解消するため
のもので、触媒コンバータを、モノリス触媒の触媒床温
度が最も高温になる部分、すなわちモノリス触媒上流端
から全長の１７３の位置において熱冷却が最大となる構
造とした内燃機関の排気ガス浄化装置を提供するもので
ある。

すなわち、本考案の排気ガス浄化装置は、モノリス触媒
をケースに収納してなる触媒コンバータを、前記モノリ
ス触媒の触媒床温度が最も高くなる部分で熱冷却が最も
大きく、該部分を中心として上流及び下流に向かうに従
って熱冷却が徐々に小さくなるように構成したことを特
徴とするものである。

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は、本考案の第１実施例を示す一部断面側面図で
ある。

本実施例は、触媒コンバータケースの外周に、径方向に
突出する複数本のフィン９ａ、 ９ｂ、 ９ｃ・・・を
一体的に形威し、前記フィンのうちモノリス触媒５の上
流端５ａから全長（図中、Ｌで示す）の１ｎ程度の下流
（図中、Ｉで示す）に位置するフィン９ｂの突出巾を最
も長くし、このフィン９ｂを中心として上流側に位置す
るフィン９ａを前記フィン９ｂの突出巾よりも短か＜シ
、また、下流側に位置するフィン９ｃ、９４の突出巾を
この順序で順次短かくしたものである。

なお、図中他の番号は、第１図で示したと同じものを示
す。

本実施例においては、モノリス触媒５において最も反応
が激しく行なわれる、すなわち触媒床の温度が最も高い
位置に、最も突出巾の長いフィン９ｂを設けたので、こ
の部位での放熱量が最大となる。

前記フィン９ｂを中心として上流側及び下流側に順次突
出長さの減少するフィンを設けたので、各フィンにおけ
る放熱量はこの長さに応じて減少し、従って、モノリス
触媒の軸方向の温度分布が均一になる。

本実施例で用いるフィンを備えたコンバータケースは、
鋳造等により一体成形される。

フィンの形成位置は、図示したものに限定されず、モノ
リス触媒の熱分布に応じて、上流側にのみフィンを設け
たり、または上流側のフィンを下流側のフィンの突出巾
より長くしたりすることもできる。

第３図は、本考案の第２実施例を示す断面図である。

本実施例においては、コンバータケース１は、円筒体１
ａとこの円筒体１ａの一端に接続するテーパ部１ｂと、
円筒体１ａの前記テーパ部１ｂ接続側と反対の端部に設
けられたフランジ部ＩＣとで構成され、各部材はそれぞ
れ溶接により固定される。

そして、コンバータケースの円筒部１ａの外周には、内
径が前記円筒体１ａの外径と同じで外径がそれぞれ異な
る環状の金属製薄板１３ａｔ １３ｂ、１，３ｃ、１
３ｄが、各薄板１３ａ〜１３ｄの平面軸がモノリス触媒
５の長軸と直交するようにして、溶接等により固定され
ている。

上記各薄板１３ａ〜１３ｄのうち、モノリス触媒５の触
媒床温度が最も高くなる部分に取り付ける薄板１３ｂを
、その外径が最も大きくなるようにし１て放熱面積を広
くし、この部分における放熱量を最大とする。

また、薄板１３ａは前記薄板１３ｂより小さい外径とし
、薄板１３ｃ及び１３ｄは順次その外径を小さくして各
部位における放熱量を調整する。

第４図は、本考案装置の第３実施例を示す断面図である
。

本実施例においては触媒コンバータケース１を、モノリ
ス触媒５の上流端から全長の約１７３に当る側壁部分１
ｄの厚さが最も薄く、この側壁部分１ｄを中心に上流及
び下流に向かうに従°つて徐々にその厚さを増すように
したもので、コンバータケース１は、鋳造により底形さ
れる。

本実施例においては、触媒床温度が最も高い部分の側壁
を薄くしたので、該部位での放熱が最も大きく、他の部
位の側壁が厚いので放熱が少なく、従って、モノリス触
媒５の長軸方向の温度分布が一様となる。

この他、本実施例においては、触媒コンバータケース１
を鋳造により成形することができるので、コンバータケ
ース１の製造が容易であるという利点を有する。

第５図は、本考案装置の第４実施例を示す断面図である
。

本実施例においては、モノリス触媒５とコンバータケー
ス１との間隙に網目状のワイヤネット１４を圧入し、ワ
イヤネット１４の密度をモノリス触媒５の上流端より全
長の約１７３はど下流に位置する部位１４ａで最も高く
し、これより上流及び下流へ向かうに従って順次その密
度を減じたものである。

ワイヤネット１４の密度を上述のように変えることによ
り、モノリス触媒の最も高温となる位置でワイヤネット
１４とモノリス担体との接触面積が大きくなり、冷却損
失が増加する。

本実施例においては、熱伝導性の優れた材料を緩衝部材
として用いれば良く、特に上記ワイヤーネットに限定さ
れない。

本考案装置においては、モノリス触媒における触媒床温
度に応じて触媒コンバータの放熱量を適宜変化させるよ
うにすれば良く、図示したものに限定されない。

従って、このほかコンバータケースの外周に、その周回
わりに沿った溝を設け、この溝の形成密度を適宜変える
ようにしても良い。

また、コンバータケースにフィンを設けたりまたは肉厚
を変えたりすることも、コンバータケースの長軸方向全
範囲にわたって行なってもよく、あるいは特に触媒床温
度の高い上流側部分にのみ行なっでもよい。

また、最大熱冷却手段を施こす位置も特に限定されず、
モノリスコンバータの構造によっては、モノリス触媒の
軸方向中心としたりしても良い。

以上のように、触媒コンバータは、触媒床温度の最も高
くなる部位での放熱を最大とし、当該部分を中心として
上流及び下流に向かって放熱量が順次減少する構造とし
たので、モノリス触媒における温度分布が一様となり、
担体に部分的な熱応力が加わることなく、担体の欠は及
び割れが良好に防止される。

従って、触媒コンバータの耐久性が計られ、内燃機関の
排気ガス浄化性能が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来構造の内燃機関浄化装置を示す断面図、
第２図は、本考案構造の第１実施例を示すモノリス触媒
コンバータの一部断面側面図、第３図〜第５図は、それ
ぞれ本考案構造のモノリス触媒コンバータを示す一部断
面側面図である。 図中、１・・・・・・触媒コンバータケース、２・・・
・・・エキゾーストマニホールド、５・・・・・・モノ
リス触媒、９ａ〜９ｄ・・・・・・フィン、１３ａ〜１
３ｄ・・・・・・環状薄板、１４・・・・・・ワイヤー
ネット。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１）モノリス触媒をケースに収納してなる触媒コンバ
   ータを、前記モノリス触媒の触媒床温度が最も高くなる
   部分で熱冷却が最大となり、前記部分を中心として上流
   及び下流に向かうに従ってそれぞれ熱冷却が徐々に減る
   ように構成したことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄
   化装置。 （２＞ 触媒コンバータのケースを、モノリス触媒の
   上流端から全長の１７３ｆｔ近に当る部分の側壁厚さが
   最も薄く、該部分を中心として上流及び下流に向かうに
   従って徐々に厚くなるようにした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の装置。 （３）触媒コンバータのケース外周に径方向に突出する
   複数本のフィンを設け、前記フィンのうちモノリス触媒
   の上流端から全長の１７３付近に当たるケース外周に設
   けるフィンの突出巾を最も長くし、該フィンを中心とし
   て上流側及び下流側に設けたフィンの突出巾をそれぞれ
   の方向に徐々に減じるようにした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の装置。 （４）触媒コンバータケースとモノリス触媒との間隙に
   熱伝導性の優れた緩衝部材を充填し、該緩衝部材の成形
   密度を、モノリス担体の上流端から全長の１／３付近に
   当たる部分が最も高く、前記部分を中心として上流及び
   下流に向かうに従って徐々にその密度を減じるようにし
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置。