JPS6033036Y2 - 石鹸用スライド転写紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライド法によって石鹸の表面に絵柄をつける
転写紙に係り、特に石鹸表面に対する絵柄印刷層の密着
性を改善し、かつ遊離アルカリにより絵柄を退色又は変
色させいようにした石鹸用スライド転写紙に係るもので
ある。

吸水性台紙に設けた水溶性糊料層上に絵柄印刷層を設け
、その絵柄印刷絵柄層上に透明カバーコート層を形成し
て絵柄が崩れないように支持してなる従来公知の転写紙
により、スライド法を以て絵柄を石鹸の表面に転写して
模様を現すことはできるが、石鹸表面に直接状に密着す
る印刷絵柄層を構成する微粒子が石鹸生地に馴染まない
から接合が不安定であって摩擦により剥離し易く、また
、石鹸のもつ遊離アルカリにより絵柄が冒されて変色し
たり退色することが多い。

本考案はかかる欠点を改善することを目的とするももの
である。

本考案の一実施例を添付図面について説明する。

１は上面に水溶性糊料層２を被膜状に形成した吸水性台
紙であって、転写紙のスライド台紙として公知のもので
ある。

３は水溶性糊料層２上に印刷形成した下側層であて、ア
クリル系樹脂に石油系混合溶剤とステアリン酸とを加え
て印刷適性をもつ粘りと硬さに調整した透明ベヒクルを
以て充てる。

４は下側層３上に耐アルカリ性インクを以て印刷した印
刷絵柄層、５はその印刷絵柄層を覆って印刷を施した１
０〜２０μ厚程度の透明カバーコート層であって、アク
リル系樹脂を石油系混合剤で溶解した公知のベビクル状
印刷インクからなり、前記の下側層３は透明カバーコー
ト層５の印刷インクにステアリン酸を添加したものに相
当する。

前記において下側層３には石油系混合溶剤揮発後の残留
成分中にステアリン酸を２０％〜３０％を残存させ得る
ように調製しその厚さを１０〜２０μの程度とする。

印刷絵柄層に耐アルカリ性をもたせるためには、耐アル
カリ性色素又は顔料からなる印刷インクを選ぶものであ
って、その厚さを１５〜２０μ程度にする。

カバーコート層の厚さは２０μ程度とする。

本考案の転写紙は前記に例示した構成になり、吸水性台
紙１を水若しくは稀アルコール溶液により濡らして水溶
性糊料層２を溶かし、下側層３と透明カバーコート層５
を印刷絵柄層４とともに吸水性台紙１上からスライドさ
せて石鹸の表面に下側層３を接着するスライド転写を施
し、透明カバーコート層５の上からスポンジゴム等で押
えて気泡を逃がし、下側層３の下面に残留する水溶性糊
料と水分とによって密着する。

然るに下側層３には石鹸生地と親和性が極めてよいステ
アリン酸を含み、前記した水分により密着して微量の遊
離アルカリと結合するから、乾燥後に剥離するおそれが
なく、また下側層３を通って透過する遊離アルカリによ
り、耐アルカリ性インクで印刷された印刷絵柄層４が冒
されて変色若しくは退色するおそれはなく、更に印刷絵
柄層４は下側層３と透明カバーコート層５により挟まれ
て支持されているので摩擦により絵柄を崩すおそれもな
い。

前記した印刷絵柄層４は透明カバーコート層上に透明石
鹸を被覆して石鹸内の上層に少し沈んで現わされたよう
にすることができる。

本考案は前記の説明により明らかにしたように、石鹸の
表面に記号、文字、模様などからなる模様をスライド転
写によって耐久性よく表示するに適したスライド転写紙
を提供できる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示した拡大断面図である。 １・・・・・・吸水性台紙、２・・・・・・水溶性糊料
層、３・・・・・・下側層、４・・・・・・印刷絵柄層
、５・・・・・・透明カバーコート層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸水性台紙に設けた水溶性糊料層上に、ステアリン酸を
   合成樹脂溶液に混入して印刷により形成した下側層を設
   け、その下側層上に耐アルカリ性インクによる印刷絵柄
   層と、透明カバーコート層とを順次に重ね刷してなる石
   鹸用スライド転写紙。