JPS6032597Y2 - 放射線透過試験用フイルムホルダ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば鉄鋼製のパイプなど筒状あるいは有底
筒状の被写体に対して、それの放射線透過量の測定や探
傷検査などを行なうために用いられる放射線透過試験用
フィルムのホルダーに関する。

フィルムを被写体に取付けるに、従来、ゴムバンドによ
る止着や磁力吸着、粘着テープ等による貼着などの手段
がとられているが、ゴムバンドの場合はフィルムに圧痕
がつきやすく、また磁力吸着や粘着の場合は対象とする
被写体に制限を受け、更に何れの場合もフィルム全面を
被写体周壁に確実に密着させる事が困難であり、かつフ
ィルムが脱落しやすく、殊に手の入れ込みのできないよ
うな被写体内部にフィルムを取付ける事ができない等、
何れも欠点があった。

本考案は、上述の問題を一挙に解消する事を目的とし、
官記した放射線透過試験用フィルムホルダーにおいて、
流体供給及び排出により膨張及び収縮自在なバッグに前
記フィルムを挿脱可能なポケットを付設して、前記バッ
グの膨張に伴って前記ポケット内のフィルムをその全面
にわたって前記被写体の周壁側に押圧させるべく構威し
である事を特徴とする。

即ち、収縮状態のバッグを被写体の内部に入れ込んで、
あるいはそれを被写体外部に巻付は止着して、そのバッ
グを膨張させ、その膨張押圧力としてバッグに備え付け
のフィルムを被写体周壁に取付けるようにする事によっ
て、フィルムを、圧痕が付かないように全周にわたって
ソフトに押圧密接させた状態で確実に取付ける事ができ
、その上、対象被写体の種類いかんにかかわらず、かっ
たとえ狭い空間に対しても容易にかつ確実に取付けられ
、全体として極めて便利にフィルムを被写体に取付ける
事ができるようになった。

次に、本考案の実施の態様を例示図に基づいて詳述する
。

放射線透過試験用フィルムａを設けたホルダー１を、筒
状あるいは有底筒状の被写体２の内部に取付け、放射線
照射装置３からの放射線を前記被写体２に照射させて、
その被写体周壁を透過した放射線を前記フィルムａの感
光によって検出して、その感光による放射線の強さの差
を基にして、被写体２の放射線透過量の測定や探傷の検
査などを行なうようにしである。

前記フィルムホルダー１を構成するに、第２図に示すよ
うに、ビニールやポリエチレン等の合威樹脂材やゴムな
ど、膨張並びに収縮性に富む材料によって密閉バッグ５
を成形し、このバッグ５にプラグ６を取付けて、圧搾空
気などの流体供給並びに排出によって前記バッグ５を膨
張及び収縮自在に形威し、そしてこのバッグ５の一側面
に、バッグ５を同材質の材料によって前記フィルムａを
挿脱する事のできるポケット７を付設してあり、第３図
イに示すように、収縮状態にあるバッグ５を被写体２の
内部に挿入して後に、同図口に示すように、流体供給に
よってバッグ５を膨張させる事により、そのバッグ５の
膨張に伴って、前記ポケット７内のフィルムａをその全
面にわたって被写体内周壁側に押圧状態で取付けるよう
にしである。

放射線透過試験後においては、前記バッグ５から流体を
排出させてバッグ５を収縮し、そのバッグ５をフィルム
ａと共に被写体２から取出すと共に、フィルムａを抜き
出して現像処理する。

尚、被写体２の全周壁に対して放射線透過試験を行なう
場合は、前述の手段の繰り返えし、あるいは複数個のバ
ッグ５・・・・・・の取付けによって行なえるが、バッ
グ５を円筒状にしてその周面にフィルムａを取付けてホ
ルダー１を構成すれば、全周壁に対する試験を一挙に行
なう事ができる。

また、前記ポケット７を、フィルムサイズなどに合せて
複数に区画し、必要に応じてフィルム挿入数量を変更で
きるようにするも良い。

第４図は、フィルムホルダー１の変形構造を示し、フィ
ルム挿脱用のポケット７を複数に区画して付設したバッ
グ５を、流体の供給及び排出によって膨張及び収縮自在
に形成すると共に、そのバッグ５を被写体２に巻付けた
状態で、それを止め付けるバンド８，８を設けたもので
、被写体２の内部側に放射線照射装置３を位置させて放
射線透過試験を行なう為に用いるものであり、使用に際
しては被写体２の周長さに応じた数量のフィルムａ・・
・・・・を複数区画のポケット７・・・・・・に挿入し
、そのバッグ５を被写体２に巻付けると共にバンド８．
８によって止め付けて、次いで流体バッグ５に供給して
膨張させ、その膨張によってフィルムａ・・・・・・を
その全面にわたって被写体外周壁面に押圧させる。

このフィルムホルダー１を外巻き装着する放射線透過試
験を行なう際に、放射線照射装置３を被写体２の内部に
位置させるに、フィルムａを装着しない別のホルダー１
を利用してそれを照射装置に巻付けて、それをマジック
テープ等の非金属体によって止着し、それを被写体２の
内部に挿入して後に流体供給によってバッグ５を膨張さ
せる事により、前記照射装置３を被写体２の中心部に位
置固定させる事ができ、即ち、フィルムホルダー１を別
の用途に用いる事ができる。

勿論、ポケット７を付設しないバッグ５のみによって、
前述と同様に照射装置３を被写体２の内部に装着位置さ
せる事もできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る放射線透過試験用フィルムホルダー
の実施の態様を例示し、第１図は放射線透過設備の断面
図、第２図は膨張状態にあるフィルムホルダーの破断斜
視図、第３図は４９口はフィルムホルダーの取付は説明
図、第４図はフィルムホルダーの変形構造を示す斜視図
である。 ２・・・・・・被写体、５・・・・・・バッグ、７・・
・・・・ポケット、ａ・・・・・・フィルム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状あるいは有底筒状の被写体２に、その周壁を透過し
   た放射線を検出させるフィルムａを取付けるための放射
   線透過試験用フィルムホルダーであって、流体供給及び
   排出により膨張及び収縮自在なバッグ５に前記フィルム
   ａを挿脱可能なポケット７を付設して、前記バッグ５の
   膨張に伴って前記ポケット内のフィルムａをその全面に
   わたって前記被写体２の周壁側に押圧させるべく構成し
   である事を特徴とする放射線透過試験用フィルムホルダ
   ー。