JPS6031662Y2 - ミシンの偏心輪微調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はミシンの偏心輪微調節装置に関するものであ
る。

従来、ミシンことにオーバーロックミシン等の工業用ミ
シンにおいては、布送り装置に布送り運動を付与するた
めに可動の偏心輪装置が設けられているのが一般的であ
る。

このような可動偏心輪装置の一例としては、ミシン主軸
に挿嵌され、かつ一側にあり溝が形成された支持体と、
その支持体のあり溝に嵌合される摺動板部を一側に有し
、他側に偏心輪が形成された可動体と、常にはバネの作
用により前記支持体に押圧され、かつ偏心量の調節のた
め前記摺動板部に突設のピンが嵌合されるうずまき状の
カム溝が形成された調節盤と、ミシンフレームに設けら
れ、その調節盤の回動を阻止する固定ピンとを備え、偏
心輪の偏心量の調節にあたってはその固定ピンにより前
記調節盤を固定し、ミシンの主軸端に固定のプーリを介
してその主軸を回転させることにより、偏心輪の偏心量
を調節する装置が提供されている。

しかしながらこのような可動偏心輪装置においては調節
盤がバネにより支持体に押圧されていること及び可動体
がミシン主軸の軸線に対して半径方向に移動されるよう
に構成されていることなどもあり、さらにはミシンこと
にオーバーロックミシンなどにおいては、ミシン主軸に
各種の運動機構が連結されていることなどもあり、前記
プーリの操作はきわめて重いものであり、その改善が望
まれていたものであった。

この考案はこのような問題点を解消して、プーリの回動
操作を小さな力で容易に行ない得るプーリの手動回転装
置を提供するのが目的である。

以下、この考案をオーバーロックミシンに具体化した一
実施例を図面に基づいて説明すると、図面中１はそのミ
シンフレーム２内に回転可能に支承されたミシン主軸で
あって、その端部にはプーリ３が固定され、さらにその
プーリ３はベルト４を介して適宜の駆動装置（モータ）
と連結されている。

５はミシン主軸１に挿嵌固定された支持体であって、円
筒部６と、その円筒部６の一端に形成されたフランジ部
７とにより構成されている。

８は第４図にも示すように、前記フランジ部７の一側面
に形成され、かつ前記ミシン主軸１の半径方向に延びる
あり溝である。

９は前記円筒部６の外周に回動可能に取付けられた調節
板であって、その外周面の一部には、第３図及び第４図
に示すように切欠凹部１０が形成されている。

１１は前記調節盤９の前記フランジ部７と対向する側面
に形成されたカム溝であって、軸心側から外周側にうず
まき状に形成されている。

１２は前記支持体５の円筒部６端部に固定したカラー１
３と、前記調節盤９との間において、円筒部６の外周に
巻装されたスプリングであって、調節盤９を強い力で前
記フランジ部７に圧接させている。

１４は前記ミシン主軸１に挿嵌される貫通孔１５が形成
された可動体であって、一側に前記あり溝８に嵌合し得
る摺動板部１６が、他側に偏心輪１７が形成されており
、前記あり溝８に沿に、前記ミシン主軸１の半径方向に
摺動された時、その偏心輪１７の前記ミシン主軸１の軸
心に対する偏心量が変更されるようになっている。

１８は前記摺動板部１６の前記フランジ部７対向する面
に突設されたピンであって、第２及び第５図に示すよう
にフランジ部７に透設したスロット１９を通って前記カ
ム溝１１内に挿入係合されている。

２０は一端において前記偏心輪１２を抱擁する偏心輪抱
きであって、他端が公知の布送り機構（図示しない）に
連結され、その偏心輪１７の回転に従って布送り運動を
付与するようになっている。

２１はミシンフレーム２に固定した支持筒２２内に挿入
支持された固定ピンであって、常にはスプリング２３に
より上方に付勢されており、このスプリング２３の作用
に抗して押圧操作することにより、下方へ移動され、支
持筒２２から下方へ突出して前記調節盤９の切欠凹部１
０内に嵌合してその調節盤９の回動を阻止し得るように
なっている。

このような構成からなるため、今、偏心輪１７の偏心量
をかえ、ミシンの布送り量を調節するには、まず固定ピ
ン２１を操圧操作腰調節板９外周の切欠凹部１０内に嵌
合してその調節盤７を回動できないように固定して、ミ
シン主軸１を前記プーリ３により回動操作すれば、その
ミシン主軸１に固定された支持体５が回動され、カム溝
１１とピン１８との係合位置が変化して可動体１４が前
記アリ溝８の沿って移動し、従って偏心輪１７がカム溝
１１に沿って前記ミシン主軸１の軸線に対して半径方向
に移動し、その偏心輪１７のミシン主軸１の軸心に対す
る偏心量が変化して布送り量が変更される。

次に前記プーリ３の手動操作を軽く行なうための機構を
説明する。

３１は前記プーリ３のフランジ部であって、その内周面
には内歯歯車３２が形成されている。

３３は前記プーリ３を下方から覆うようにミシンフレー
ム２の外周面に固定されたブラケット、３４は前記ミシ
ン主軸１の延長軸線上において、ブラケット３３に設け
た軸受３５によって回動及び、軸線方向移動可能に支持
された操作軸であって、その内端には第６図にも示すよ
うに、摺動歯車３石が固定されている。

３７は駆動歯車３６の両側において、中間部が前記操作
軸３４に相対回転可能に支持された一対のアームであっ
て、その両端部間には前記駆動歯車３６と噛合する中間
歯車３８が支持されている。

そして、この中間歯車３８は前記操作軸３４が第１図の
左方へ移動されると前記内歯歯車３２に噛合され、右方
へ移動されてその操作軸３４に形成した段部３４ａが前
記軸受３５の内端面に係止されると内歯歯車３２との噛
合が解除されるようになっている。

従って、雨中間歯車３８．駆動歯車３６及び内歯歯車３
２により減速機構が構成されている。

３９は中間歯車３８の軸であって、前記ブラケット３３
に形成したガイド孔４０に摺動可能に貫通され、前記ア
ーム３７及び中間歯車３８の操作軸３４を中心とした回
動を阻止している。

４１は操作軸３４の外端に固定された手動操作部材とし
ての手動操作円盤であって、操作軸３４を回動及び軸線
方向へ移動操作するためのものである。

４２は前記軸受３５と手動操作円盤４１との間において
、操作軸３４に巻装されたスプリングであって、前記中
間歯車３８が内歯歯車３２から離脱するように常にミシ
ンフレーム２に対して外方向へ付勢している。

従って、常にはスプリング４２の付勢力によって中間歯
車３８は内歯歯車３２から離脱しているため、プーリ３
の回転により手動操作円盤４１が高速で回転されること
はなく安全である。

布送り量を変更する場合には、手動操作円盤４１を操作
し、スプリング２の付勢力に抗して操作軸３４を第１図
の左方へ押圧移動させて中間歯車３８を内歯歯車３２に
噛合させた後に、手動操作円盤４１を回動操作すれば、
駆動歯車３６及び中間歯車３８を介してプーリ３が減速
回転され、ミシン主軸１を小さな力で容易に回動させて
前記偏心輪１７の偏心量の微調節を行ない得る。

このように、この考案は可動偏心輪装置のようにミシン
主軸の回動操作に大きな力を要する機構が設けられてい
ても、そのミシン主軸の回動操作を少ない力で容易に行
ない得るとともに、安全性に優れたものとなる優れた効
果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のミシンの偏心輪微調節装置を有する
ミシンの要部断面図、第２図は可動偏心輪装置を第１図
の断面図と直交する方向に切断して示す断面図、第３図
は第１図の３−３線にほぼ沿った断面図、第４図は調節
盤、支持体及び偏心輪を示す分解斜視図、第５図はカム
溝とピンとの関係を示す断面図、第６図は第１図の６−
６線に沿った断面図である。 ミシン主軸・・・・・・１、ミシンフレーム・・曲２、
プーリ・・・・・・３、内歯歯車・・・・・・３２、操
作軸・・・・・・３４、駆動歯車・・・・・・３６、ア
ーム・・・・・・３７、中間歯車・・・・・・３８、手
動同操作円盤・・・・・・４１、スプリング・・・・・
・４２゜

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンの主軸１を手動にて調節回動させることにより、
   主軸１に設置された偏心輪１７の偏心量が調節される可
   動偏心輪装置を備えたミシンにおいて、 前記主軸１に固定されると共に、駆動装置に連結されて
   回転され、外方端に内歯歯車３２が形成されたプーリ３
   と、 そのプーリ３よりも外方において前記主軸１と同軸上に
   配置されると共に、ミシンフレーム２に対して回転且つ
   軸方向に移動可能に設置された操作軸３４と、 その操作軸４の一端に固定された手動操作部材４１と、 前記操作軸３４の他端に固定された駆動歯車３６と、 前記操作軸３４の他端において、前記ミシンフレーム２
   に対して回動不能に設置されたアーム３７と、 そのアーム３７に支持されると共に、前記駆動歯車３６
   の回転を前記プーリ３の内歯歯車３２に伝達し得る中間
   歯車３８と、 前記手動操作部材４１を前記ミシンフレーム２に対し常
   に外方へ付勢し、前記中間歯車３８内歯歯車３２の噛合
   を解除するばね４２とを有し、前記手動操作部材４１が
   前記ばね４２の付勢力に抗して押圧された時、前記中間
   歯車３８と内歯歯車３２が噛合し、手動操作部材４１の
   回転が減速して前記プーリ３に伝達されるように構成さ
   れたこと を特徴とするミシンの偏心輪微調節装置。