JPS6031120Y2 - 抄合せ抄紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は本考案者が特許第１０１９０６８号（特公昭
５５−８６４咥公報）で提案した抄合せ抄紙装置の改良
に関する。

上記先行特許は無端のワイヤー１の略々横向き（勿論、
少し勾配を付して斜上向き或いは斜下向きのこともある
。

）に走行し、その上で紙層Ｐ１を形成する直線状の紙層
形成区間１ａの前端上にフォーミングロール２を回転可
能に配置すると共に、前段の抄紙装置で抄造して予備脱
水した紙層Ｐ２を下面に付着した無端のフェルト３をフ
ォーミングロール２とワイヤー１の間に導き、これによ
りフェルトと場合によってはワイヤーによりフォーミン
グロールを回転させながら紙層Ｐ１．Ｐ２を重ねてフェ
ルト３とワイヤー１を挟んでフォーミングロール２の回
りを下から上に略々１／４〜１７２周めぐらせ、ワイヤ
ー１の張力でフェルト３を介して両紙層Ｐ１．Ｐ２をフ
ォーミングロール２の外周に押付ケ、この押付力と、フ
ォーミングロル２の回転に基ずく遠心力で主として紙層
形成直後のまだ水分が多い紙層Ｐ□の水分をワイヤー１
の網目を通じ振切って脱水し、次にフォーミングロール
２から離れたワイヤー１、フェルト３をワイヤー内面で
クーチロール４に接触させてクーチロールに折返し状に
掛け、両紙層Ｐ□、Ｐ２をフェルト３の下面に転着させ
てフェルトはプレスパートＰ或いハ次ノ抄紙装置のフォ
ーミングロールに導き、又、ワイヤー１は直線状の紙層
形成区間１ａに回帰させる様にしている。

この装置は抄速が高速になる程、フォーミングロールの
遠心力が大になるので脱水効果が高まること、ワイヤー
、フェルトがフォーミングロールに掛ってロールを回転
させながら一緒に進む間中、加圧、脱水が行われるので
その作用時間が長く、両紙層Ｐ１．Ｐ２の境界面では各
紙層の繊維が互いに絡み合い、よりよく接着するために
プレスパート、ドライパートを経て乾燥した紙の層間剥
離が生じない等の優れた効果を有する。

しか腰テスト装置を運転した結果、次の様な問題点を含
むことが見出された。

即ち、フォーミングロール２は外周が円筒面からなるス
ムースロールないしプレーンロールであるためフェルト
がフォーミングロールに向は導かれてロールと接触する
ときフェルトとロールの間に形成された楔状の隙間の中
に空気が巻込まれ、この空気は逃げ場がないためにフェ
ルト中に含まれ、フォーミングロールの周面にワイヤ１
が張力で両紙層Ｐ□ｖ Ｐ２を押付ける際にフェルト中
から紙ｔ２に押出され、抄き合わせた湿紙にその跡を残
して、所謂ツブレ現象を生じ易く、紙の品位を低下させ
るのである。

これを解消するために本考案者はシリンダーセルの外周
に網材を張設してフォーミングロールを構威し、巻込ま
れる空気を網目を通じロールの内部に抜くことを試みた
。

これによりツブレ現象の発生は生じなくなったが、本来
、フォーミングロールの猿心力で外周に振り切るべき紙
層中の水分の一部はフェルトに吸水されて次第にロール
の内部に貯り、脱水効率を低下させる。

又、ロール内部に貯った水分は、抄速か低速であればロ
ールの軸方向に両端から排水することも可能であるが、
高速の場合は排水が無理なため、高速である程脱水が効
率よく行われる装置の特長を失わせて低速で運転せざる
を得なくなる。

更にフェルトがロールの局面に導かれる接線の角度が水
平に対して小さいとフェルトとロール間の楔状の隙間に
ロール内の水分が出て未だロールに掛らない前にフェル
トに吸水され、ワイヤーが紙層Ｐ１．Ｐ２、フェルトを
フォーミングロールの周面に押付けたときフェルトから
紙層Ｐ２に向は押出され、空気によらないで押出された
水分によるツブレ現象が発生する。

その上、外周面に網材を張設したロールは構造上、真円
度を出し難く、精度が悪いと共に、成る期間運転後に網
材は張替える必要がり、又、価格も鋼管を利用して製作
するロールに比し著しく割高になる。

そこで本考案は先行特許の特長をそのま）活かしながら
フェルトとフォーミングロール間の楔状空間に空気が巻
込まれるのを防止することを目的とし、フォーミングロ
ールの鋼管からなる外周に環状或いは螺旋状に溝５を加
工したのである。

溝５は深さが２〜３ ｒｒａｎ程度、溝幅が１〜３ｒＩ
ｒＩｎ程度であればよく、環状に形成する場合はロール
の軸方向に約２〜３ｍｍ位の間隔とし、又、螺旋状に形
成する場合は同程度のピッチとする。

こうして本考案に則りフォーミングロールの外周面に環
状或いは螺旋状に溝５を形成すると巻込まれた空気はフ
ェルト３がワイヤー１によってフォーミングロールの周
面に加圧される際にこの溝５を通じ逃げるのでフェルト
３中には含まれず、巻込まれた空気による紙層のツブレ
現象は発生しない。

又、溝は前述の様に幅が狭いのでワイヤーが両紙層及び
フェルトをフォーミングロールの周面に押付けても溝中
に紙層の水分が入ることは殆どないので紙層からの脱水
効率を低化させることもない。

尚、フォーミングロールの外径は０．７〜１．８７ＦＬ
で、綱管或いはステンテレ綱管製か、鋼管の外周に厚さ
１０〜２−のゴム層をライニングし、溝はその外周に旋
削によって形成すればよいのでコストも大してか）らず
、容易に加工することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案による抄合せ抄紙装置の一例を示す概略全
体図、第２図は同上の要部の拡大断面図で、図中、１は
ワイヤー １ａはその紙層形成区間、２はフォーミング
ロール、３はフェルト、５は溝、Ｐｌ、Ｐ２は紙層を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 無端のワイヤーの略々横向きに走行してその上で紙層を
   形成する直線状の紙層形成区間の前端上にフォーミング
   ロールを回転可能に配置すると共に、前段の抄紙装置で
   抄造して予備脱水した紙層を下面に付着した無端のフェ
   ルトを上記フォーミングロールとワイヤーの間に導き、
   これにより二つの紙層を重ねてフェルトとワイヤー間に
   挟んでフォーミングロールの回りを下から上にめぐらせ
   、ワイヤーの張力で両紙層をフェルトを介してフォーミ
   ングロールの外周に押付け、ワイヤー上の紙層形成区間
   で抄造した紙層を予備脱水すると同時に、フェルト下面
   に付着した紙層と接着して抄合わせる抄合せ抄紙装置に
   おいて、 上記フォーミングロールの外周には環状又は螺旋状に溝
   を形成味フォーミングロールと、これに向かって導かれ
   るフェルトとの間の楔状隙間に巻込まれる空気を上記溝
   を通じ逃出させる様にしたことを特徴とする抄合せ抄紙
   装置。