JPS6029030B2 - ピストン油調整リング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はピストンリング、特にピストン油調整リング
用の改良されたスリップラツチとスベーサ・エキスパン
ダに関する。

米国特許第３６９５６２２号（デービス等）および第総
３４７１６号（オカダ）明細書に総体的に示される形態
を有し、かつ構造が簡単で経済的で、エキスパンダとラ
ッチをエンジンに装着する際、スベーサ・エキスパンダ
端部が重なるのを防止して、信頼できる作動をする割ス
ベーサ・エキスパンダとスリップラツチを提供すること
が、この発明の目的である。

取扱いの際および装着作業中エキスパンダの割端部を広
く離すことができる、前述の形態のスベーサ・エキスパ
ンダとスリップラッチを提供することが、この発明の別
の目的である。この発明の特徴と考えられる新規な形態
は特に特許請求の範囲に記載してある。しかし、発明自
体はその追加的な目的、特徴および利点と共に、図面を
参照した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図面、特に第１、２図において、ピストンリング２川ま
略環状のスベーサ・エキスパンダ２２と、上部および下
部環状金属レール２４，２６からなる。

第１図はピストン３０の周緑に延びるリング溝２８に装
着されたピストンリング２０を示す。スベーサ・エキス
パンダ２２はしール２４と２６を内燃エンジンのシリン
ダ３２へ押圧偏俺して、それらの間にシールを形成する
と共に、ピストン３０がシリンダ３２の内部で往復動す
る際、シリンダ３２の壁をぬぐう。スベーサ・エキスパ
ンダ２２は金属ストリップを総体的に円形で、半径方向
に波状をなす形状にプランキング（打抜）加工と曲げ加
工をすることにより形成され、割端部３４はエキスパン
ダの自由状態において接触係合するようになっている。

端部３４は第２図に示すようにエキスパンダ２２がピス
トン３０に組立てるのに開かれると離れ、スベーサ・エ
キスパンダ２２が溝２８内にある時接触状態に戻る。ス
ベーサ・エキスパンダ２２は複数の内部冠頂部３６と外
部冠頂部３８からなる。外部冠頂部３８は内部冠頂部３
６から半径外方へ隅層され、また各外部冠頂部３８は円
周方向に隣接する内部冠頂部３６の間に円周方向に挿入
されている。この構造により、スベーサ・エキスパンダ
２２の周囲に交互に展開または連続する外部および内部
冠頂部が形成される。外部冠頂部３５と内部冠頂部３６
は脚部４４により連結される。脚部４４は半径方向に額
斜し、端部において屈曲して冠頂部３６と３８へ合体し
、半径方向から見た場合、エキスパンダ２２に総体的に
波形の外観を与えている。油ドレーン閉口４８が各脚部
４４に設けられる。

第１−３図に示すエキスパンダの実施例において閉口４
８は長方形スロットの形状を有し、各スロットは対応脚
部４４の軸中心の回り‘こ配置され、スロット軸は総体
的に半径方向に延びている。油ドレーン閉口４８は対応
する外部および内部冠頂部３８，３６の間を延びる実質
的に同一の半径方向寸法を有する。ここに説明したスべ
−サ・エキスパンダは実質的に米国特許第２８９３７９
８号（オルソン）明細書に記載されているものと同一で
ある。組立作業中エキスパンダ端部３４を整合状態に保
持するためのスリップラッチ（係止体）５０が設けられ
る。スリップラッチ５０‘ま好ましくはナイロンまたは
他の高温プラスチック材料で形成された曲がり。ツドか
らなり、これは第３図に示すように閉鎖または自由状態
のエキスパンダ２２の曲率半径に等しいか、または好ま
しくはそれより少し小さい自然または自由状態の曲率半
径を有する。ラツチ５０の第一端部５１は少なくともス
ロット４８ａを通り、好ましくは一つのエキスパンダ端
部３４に隣接する幾つかの油ドレーン開□４８を通って
延び、軸方向に形成された停止部または変形部５２で終
っている。停止部５２はラッチ５０が円周方向に２つの
隣接脚部４４の間の距離より大き〈摺動するのを防止す
る。反対側のエキスパンダ端部３４１こおいて「ラツチ
５０の第２端部５４はエキスパンダの自由状態において
、接触するエキスパンダ端部から少なくとも７５ｏの弧
にわたり、そして好ましくは９ぴ〜１３６０の範囲の弧
にわたって、複数のスロット４８を通って延びる。端部
５４は何ら停止部または変形部を包含せず、したがって
油ドレーン閉口４８を通って自由に摺動できる。ラッチ
第２端部５４は内向きに傾斜した斜面５６に終り、第２
端部が対応する閉口４８を通して沼動される際、内部冠
頂部３６の対向端上に乗ることができるようにされる。
ラッチ５川ま第１図に示すようにその半径方向断面が、
好ましくは実質的にＤ字形を有し、その横断面の平坦端
部はラツチの内半径部に配置される。スリップラッチ５
川ま前述のデービス等およびオカダの米国特許明細書に
記載された形態の従来のラッチに対して、幾つかの重要
な利点を有する。たとえばこの発明の一つの重要な形態
において、長い第２端部６４とエキスパンダの曲率半径
に等しいか、あるいはそれより小さいラッチの自然曲率
半径との組合わせにより、その屈曲軸の回りの回転に抵
抗するラッチが得られる。そして、停止部５２はエキス
パンダ軸に対して半径方向よりむしろ軸方向に形成され
、それにより前記デービス等およびオカダの米国特許明
細書に記載されるように、エキスパンダ織部３４付近に
おいて小さくされた開口の必要性が除去される。さらに
、長くされた第２端部５４を設けることにより、組立作
業中エキスパンダ２２は広く閉口でき、傾斜面５６は通
常はラッチの自然の曲率により起こる、エキスパンダの
閉鎖中の突っ掛かりを防止する。さらに、停止部５２は
前記デーピス等の米国特許明細書に記載されている形態
の、複雑で多段の工程を利用することなく容易に形成で
きる。さらに特に、ラッチ５０がエキスパンダ２２に装
着された後で、ラッチが所定位置に保持されている間、
停止部５２が隣接するエキスパンダ脚部４４の間のラッ
チ端部５１の一部を、単に機械的にひだつけ、あるいは
半径方向に圧縮することにより形成され、開□４８の軸
方向幅より大きい軸方向寸法を有する停止部が形成され
る。また、停止部５２はラッチの周囲部分が溶融し半径
方向に圧縮されるように、高温アイロンをラッチの露出
された半径方向外端部に接触させることにより形成する
ことができる。また、平坦で円形の耳状部６０または球
状体が第５図に示すようにラッチ端部に形成できる。こ
の発明を前述オルソン、デービス等、およびオカダの米
国特許明細書に記載された形態の、油調整リングおよび
スべ−サ・エキスパンダに関連して説明してきたが、明
らかなようにスリップラッチ５０は多くの他の形態のエ
キスパンダにも同様に有用に組合わされる。

たとえば、第６図は米国特許第３１２４３６４号（バー
ンズ等）明細書に記載された形態のエキスパンダ６２と
共に利用されるラッチ５０を示す。エキスパンダ６２に
おいて、レール２６（第１図）は内部冠頂部３６ａから
半径外方へ延びる、円周方向に並ぶ総体的に弧状の支持
パッド６４に置換され、各パッド６４はその内端に沿っ
て、パッド脚部６６により対応する内部冠頂部３６ａヘ
ー体連結される。各パッド６４の外周緑端部は外部冠頂
部３８ａの外方に配置され、かつシリンダ３２（第１図
）の直径に等しい直径を有する弧に屈曲され、したがっ
てパッド６４は調整リングの組立ておよび作動状態にお
いて油かき要素の作用をする。パッド６４の周縁端部は
シリンダ壁にキズをつけないように少し傾斜される。外
部冠頂部３８ａは６８においてパッド６４の方向に延び
、パッドを外部冠頂部から隔遣し、それによりパッドと
スプリング波形の間に、共働してエキスパンダ脚部４４
ａに油ドレーンスロット即ち閉口７０を形成する閉口領
域が形成される。スリップラッチ５０はエキスパンダ端
部３４ａの対向側の脚部閉口７０を通って延びる。好ま
しいナイロン以外の材料からなるスリップラッチも考え
られる。たとえば、ラッチ５川ま金属スプリング線体で
形成することができ、その場合停止部５２はラッチの端
部を軸万向に屈曲することにより形成できる。また、ラ
ッチは脚部の間でエキスパンダの冠頂部に接合または溶
接できる。これはラツチをエキスパンダに取付ける際、
エキスパンダ装置のコストを増大する余分な製造工程を
包含するから、現在は好ましくない。しかし、この発明
はこの発明の範囲内の前述ならびに他のすべての実施例
および修正例を包含する。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃エンジンに装着されたこの発明のスベーサ
・エキスパンダとスリップラッチを包含する、油調整リ
ングの半径方向断面図、第２図はこの発明の改良された
スベーサ・エキスパンダとスリップラッチを示す斜視図
、第３図はスベーサ・エキスパンダへの装着前のスリッ
プラツチの立面図、第４図は第２図のラッ升こ設けられ
た停止部または変形部を示す、第２図の４一４線に沿う
断面図、第５図はラッチ停止部の別の実施例を示す、第
４図と同機の断面図、第６図は別の実施例のスベーサ・
エキスパンダに配置されたこの発明のスリップラッチを
示す斜視図である。 ２０．．．．．．ピストン油調整リング、２２．．・．
．・スベーサ・エキスパンダ、３６・・・・・・内部冠
頂部、３８・・…・外部冠頂部、４４・・…・脚部、４
８・・・・・・油ドレーン開□、５０・・・・・・スリ
ップラツチ、５１…・・・スリップラッチの一端部、５
２・・・摺動限定装置、５４・・・・・・スリップラッ
チの第２端部。 ＦＩＧ，ュＦＩＣ己．２ ＦＩＧ．３ ＦＩＧ．４ ＦＩＧ．５ ＦＩＧ．６

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自由状態の曲率半径とエキスパンダ割端部３４を有
   する環状のスペーサ・エキスパンダ２２を含むピストン
   油調整リング２０であつて、同心で同周方向に交互に隔
   置された複数の内部冠頂部および外部冠頂部３６，３８
   と、内部冠頂部と外部冠頂部を一体に相互連結する半径
   方向に広がつた複数の脚部４４と、脚部４４の各々に形
   成された油ドレーン開口４８と、前記割端部３４の油ド
   レーン開口４８を通つて延びる曲がりロツドからなるス
   リツプラツチ５０とを有し、前記油ドレーン開口４８は
   すべて実質的に同一寸法であり、前記スリツプラツチ５
   ０はスペーサ・エキスパンダ２２の曲率半径と等しいか
   それ以下の曲率半径を有し、前記ロツドの一端５１はス
   ペーサ・エキスパンダ２２の一方の割端部３４に隣接す
   る少なくとも１つの油ドレーン開口４８を通つて延び、
   脚部４４の間にある前記一端５１にはスペーサ・エキス
   パンダ内での前記スリツプラツチ５０の摺動を限定する
   よう軸方向に拡大した寸法の停止部５２が形成されてい
   ることを特徴とするピストン油調整リング。 ２ 前記油ドレーン開口４８の各々は脚部４４の中央に
   配置されたスロツトからなり、該スロツトの軸は略半径
   方向に延伸し、前記停止部５２の半径方向の寸法は前記
   スロツト４８内の通過を妨げるのには十分でないことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載のピストン油調整
   リング。 ３ 前記スリツプラツチ５０はスペーサ・エキスパンダ
   の他方の割端部３４の複数の油ドレーン開口４８を通つ
   て延び且つこれらの油ドレーン開口４８を通る摺動が自
   在な第二の端部５４を有し、該第二の端部５４は自由状
   態のスペーサ・エキスパンダ２２の弧の少なくとも７５
   °にわたつて延伸することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載のピストン油調整リング。 ４ 前記第二の端部５４は９０°から１３５°の範囲の
   弧にわたつて延伸することを特徴とする特許請求の範囲
   第３項に記載のピストン油調整リング。