JPS6028570Y2 - 射出成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は弾性成形品等を得るためのの射出成形装置の改
良に関し、殊に射出ノズルのノズル孔と成形金型のスプ
ール流路との射出成形時における連通状態の密閉性を向
上させて成形用充填材の漏出が生じないようにした射出
成形装置に係る。

従来、射出成形装置は第１図に示したように成形金型ａ
の上方に先端を半球状に曲成された射出ノズルｂが配置
され、この射出ノズルｂが射出成形時に成形金型ａの相
当部に垂直降下して圧接し射出ノズルｂのノズル孔Ｃと
成形金型ａのスプール流路ｄとを密閉的に連通させ、こ
の状態で射出ノズルｂより成形金型ａ内へ充填材を圧入
するように構成されているが、上記射出成形時において
射出ノズルｂの成形金型に対する垂直降下に狂いが生じ
ると、第１図中一点鎖線で示したように射出ノズルｂが
成形金型上面相当部に角度的に偏向した状態で当接する
。

この状態においても射出ノズルｂの先端が半球状に形成
されているためにノズル孔Ｃとスプール流路ｄとの密閉
的連通状態はある程度保ち得るものの、射出ノズルｂお
よび成形金型ａのそれぞれに当接時における衝撃力によ
りヘタリｅを生じ、このへタリｅが射出ノズルｂの降下
方向にこの状態から再度偏向を起したとき、あるいは成
形型が交換されたとき等に射出ノズルｂ先端と成形金型
ａとの当接面相互間に間隙を形成することになり、この
ため両者の密閉的連通状態が損なわれ射出成形時に充填
材の漏出を招く等の欠点を有していた。

そこで本考案は上記欠点を解消するためになされたもの
で、すなわち射出成形時に射出ノズルが当接する成形金
型相当部に略有蓋筒状に形成され、かつその蓋部中央に
上記射出ノズル先端が挿抜自在になるガイド孔を穿設さ
れたロケートリングにより、少なくとも射出ノズル先端
面と当接する部位が弾性変形するように形成されたスプ
ール流路を冠着固定腰このスプールロ体の弾性変形によ
り射出ノズルがいかなる降下状態にあってもそのノズル
孔ど成形金型のスプール流路とを密閉的に連通させるこ
とができるようにした射出成形装置を提供し、もって充
填材の漏出を完全に防止することを目的とするものであ
る。

つぎに本考案を第２図に示す一実施例にもとすいて説明
すると、成形金型１の上方には射出ノズル２が上下動可
能に装置され、この射出ノズル２は垂直降下して成形金
型１相当部に圧接し、そのノズル孔３とスプール流路４
とを密閉的に連通させるようになっている。

上述の成形金型１における射出ノズル２先端当接相当部
にはスプール流路４と同軸の円形状の凹部が形成され、
該凹部５内に後述のスプールロ体６カ釦ケートリング７
を冠着することにより固設しである。

このスプールロ体６は弾性の異なる内外側部材＆、９と
を組合せてなるもので、外側部材９はゴム等の強弾性材
により形成され、他方内側部材８は弗素樹脂材等の充填
材に対し非粘着性を備えた弱弾性材により形成されてお
り、しかも内側部材８の射出ノズル２先端面と圧接する
部位には弾性変形容易なるように薄肉縁部１０が形設さ
れている。

上述のようなスプールロ体６を固定しているロケートリ
ング７は略有蓋筒状に形成され、その蓋部中央に射出ノ
ズル２の挿抜自在なガイド孔１１が穿設され、該ガイド
孔１１は射出ノズル２の抜出方向にしたがって漸次大径
となるように形成されている。

しかして本考案は射出成形時に成形金型１の上方の射出
ノズル２が垂直降下しロケートリング７のガイド孔１１
にその先端を挿入してスプールロ体６の薄肉縁部１０に
圧接すると、スプールロ体６は射出ノズル２の圧接によ
り薄肉縁部１０が弾性変形できるように形成されている
ため射出ノズル２の先端面と薄肉縁部１０面相互が密接
状態となってノズル孔３とスプール流路４とを密閉的に
連通し得るのであり、この状態において上記ノズル孔３
より充填材を成形金型１内へ圧入充填することにより射
出成形品が成形できるもので、上記射出ノズル２が成形
金型１相当部に垂直降下せず第３図で示したように軸線
ａに対し傾斜した状態で降下圧接すると射出ノズル２の
傾斜状態にある先端面の下端側がスプールロ体６の薄肉
縁部１０を押圧変形させるが、上記スプールロ体６カ釦
ケートリング７を介して成形金型１の凹部５内に密に嵌
合されているため前記の押圧変形力が他の薄肉縁部１０
を膨出変形して射出ノズル２の先端面の上端側に密接せ
しめるのであり、このため傾斜・状態の射出ノズル２の
先端面はスプールロ体６の薄肉縁部１０において密接し
、間隙を生じさせないためノズル孔３とスプール流路４
との密閉的連通が保ち得てノズル孔３より充填材を成形
金型１内へ適確に圧入充填することができる。

以上説明したように本考案は射出ノズル先端が射出成形
時に当接する成形金型相当部に、略有蓋筒状に形成され
、かつその蓋部中央に上記射出ノズル先端が挿抜自在に
なるガイド孔を穿設されたロケートリングより、少なく
とも射出ノズル先端面と当接する部位が弾性変形するよ
うに形成されたスプールロ体を冠着固定しであるので、
射出ノズルの垂直降下がたとえ損なわれた場合であって
も上記スプールロ体の弾性変形により、ノズル孔とスプ
ール流路との連通を密閉状態にすることができることか
ら射出成形時における充填材の漏出を確実に防止するこ
とができる。

また本考案によればスプールロ体の射出ノズル先端面と
当接する部位が弾性変形できるように形成されているの
で、射出ノズルが降下して底形金型相当部に当接すると
きの衝撃力が上記スプールロ体の弾性効果により吸収さ
れることから射出ノズル先端面および成形金型相互当接
面にヘタリ等の損傷を付与するおそれがなく、射出成形
装置の耐久性を向上させ得る等の実用的効果は極めて大
きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は従来技
術を示す要部断面図、第２図は本考案の要部断面図、第
３図は同作用状態を示す要部断面図である。 １威形金型、２射出ノズル、３ノズル孔、４スプール流
路、５凹部、６スプ一ルロ体、７０ケートリング、８内
側部材、９外側部材、１０薄肉縁部、１１ガイド孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 射出成形時に射出先端ノズルが当接する成形金型相当部
   に、略有蓋筒状に形成され、かつその蓋部中央に、上記
   射出ノズル先端が挿抜自在になるガイド孔を穿設された
   ロケートリングにより、少なくとも射出ノズル先端面と
   当接する部位が弾性変形するように形成されたスプール
   ロ体を冠着固定させるごとくなしたことを特徴とする射
   出成形装置。