JPS602817Y2 - 傘 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、いわゆるワン・タッチ操作で開閉されるよう
にした傘の構造に関するものである。

実施態様を例示した図面について説明すると、１は、下
方部を柄部２に形成した管状の軸管、３は、軸管１内に
嵌挿された６杆、４は、後記張布用肋材６・・・・・・
・・・６を支承する上部摺動環、５は、後記下部連結材
８′・・・・・・・・・８′を支承する下部摺動環であ
って、これら上部摺動環４および下部摺動環５は夫々軸
管１の外周に嵌合されて軸方向へ移動し得るようになっ
ている。

６・・・・・・・・・６は、根部６ａを上部摺動環４の
外周に定間隔に枢着させた張布用肋材であって、各張布
用肋材６・・・・・・・・・６間は張布（図示省略）で
覆われる。

７は、軸管１の管壁上方部に穿設された縦溝であり、該
８溝７を通して上部摺動環４を６杆３の先端部に連繋す
る。

８・・・・・・・・・８は、各張布用肋材６・・・・・
・・・・６の中間部６ｃより上方へ向けて求心状に導出
された線状の上部連結材であって、この導出上端部８ａ
は、軸管１の上端部近くの外周へ定間隔に枢着させる。

８′・・・・・・・・・８′は、各張布用肋材６・・・
・・・・・・６の中間部６ｃより下方へ向けて求心状に
導出された線状の下部連結材であって、その導出下端部
８’ａは、下部摺動環５の外周へ定間隔に枢着させる。

９は、柄部２と６杆３の下方部との間に附設せられた押
釦式の掛外し機構であって、例えば、柄部２に直交状に
挿通せられた係止体９ａの縁部９ｂを、バネ状舌片９ｃ
の作用によって、６杆３の下方部に凹設された係止窓９
ｄに係止させ、また、係止体９ａの頭部９ｅを押圧する
ことにより上記係止状態が解除せられるようになってい
る。

１０は、６杆３の導出下端部に形成せられた引き手であ
る。

１１は、下部摺動環５の摺動上限規制用ストッパー １
２は、軸管１の周側へ畳み込まれた張布用肋材６・・・
・・・・・・６の先端部６ｂを集束させておくための環
体、１３は、環体１２を下方から支承する押圧バネであ
る。

次に、本考案傘の操作方法について述べると、傘を開く
場合には、一方の手で柄部２を把持したまま、他方の手
で引き手１０を牽引する。

そうすれば、６杆３と共に上部摺動環４が下方へ摺動す
るため、第１図Ａおよび第２図Ａに見られるように、上
部連結材８・・・・・・・・・８によって各張布用肋材
６・・・・・・・・・６の中間部６Ｃにテンションが加
わり、根部６ａが支点となって各肋材６・・・・・・・
・・６は放射状に拡げられ、同時に下部摺動環５は下部
連結材８′・・・・・・・・・８′により引き上げられ
て上方へ摺動し、下部連結材８′・・・・・・・・・８
′が各肋材６・・・・・・・・・６を下方から支えるか
たちとなり、この状態において係止体９ａの縁部９ｂが
心杆下方部の係止窓９ｄに係止して、掛外し機構９が閉
成されることになる。

また、傘を畳む場合には、第１図Ｂおよび第２図Ｂに見
られるように、バネ状舌片９Ｃの弾力に抗しつつ係止体
９ａの頭部９ｅを押圧して掛外し機構９の閉成を解除さ
せると共に、引き手１０を押し上げる。

そうすれば、６杆３と共に上部摺動環４が上方へ摺動す
るため、上部連結材８・・・・・・・・・８による中間
部６Ｃへのテンションが弛るめられ、張布用肋材６・・
・・・・・・・６は根部６ａを支点として下方へ回動す
ることになり、下部摺動環５を下降方向に摺動させつつ
各肋材６・・・・・・・・・６は軸管１の周側へ畳み込
まれるのである。

現在市販されているワン・タッチ傘は、傘先を下方へ向
けた状態で柄部の掛外し機構を押圧して肋材を開かせる
という方式である。

この式のワン・タッチ傘は、傘先を上に向けたままの状
態で開かせることができないため、使用時に頗る不便を
感じるものである。

また、畳まれた傘を提げている場合などに、柄部の掛外
し機構の押釦が僅かな外力を受けただけで内装バネが弾
発して、傘が不用意に開いてしまうという欠点もある。

本考案では、引き手１０を引き下げることにより張布用
肋材６・・・・・・・・・６を拡げさせるという独自の
機構を有しているので、傘先を上方へ向けたままの状態
で開かせて即座に使用できるという利点がある。

また、本考案傘における掛外し機構９の押釦は、傘を畳
む場合に押圧するものであり、これを押圧しても傘は開
くことがないので、不使用時に畳まれた傘を提げていて
押釦部に外力を受けても、所持者の意に反して傘が突然
に開くというような虞れは全くない。

上述のように本考案傘は、使用上きわめて便利であり、
しかも構造が頗る簡潔であって、張布用肋材以外の部品
は全て合成樹脂で作られるため、低コストに製造し得ら
れるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図のＡは本考案傘を開いた状態における側面図、第
１図のＢは本考案傘を畳んで状態における側面図、第２
図のＡは第１図のＡにおけるＹ −Ｙ線の断面拡大図、
第２図のＢは第１図のＡにおけるＹ’−Ｙ’線の断面拡
大図であり、各図面はいずれも構造を明示するために張
布を除いた状態で画かれている。 １・・・・・・軸管、２・・・・・・柄部、３・・・・
・・６杆、４・・・・・・上部摺動環 ５・・・・・・
下部摺動環、６・・・・・・張布用肋材、６ａ・・・・
・・根部、６ｃ・・・・・・中間部、７・・・・・・縦
溝、８・・・・・・上部連結材、８ａ・・・・・・導出
上端部、８′・・・・・・下部連結材、８’ａ・・・・
・・導出下端部、９・・・・・・掛外し機構、１０・・
・・・・引き手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方部を柄部２に形成した管状の軸管１内に６杆３を嵌
   挿させ、軸管１の外周には上部摺動環４および下部摺動
   環５を夫々嵌合させると共に軸管１の管壁上方部に穿設
   された縦溝７を介して上部摺動環４を６杆３の先端部に
   連繋し、上部摺動環４の外周には張布用肋材６・・・・
   ・・・・・６の根部６ａを定間隔に枢着すると共に各肋
   材６・・・・・・・・・６の中間部６ｃより上部連結材
   ８・・・・・・・・・８および下部連結材８′・・・・
   ・・・・・８′を導出させ、上部連結材８・・・・・・
   ・・・８の導出上端部８ａを軸管１の先端部附近に枢着
   すると共に下部連結材８′・・・・・・・・・８′の導
   出下端部８’ａは下部摺動環５の外周へ定間隔に枢着し
   、柄部２と６杆３の下方部との間に押釦式の掛外し機構
   ９を附設して６杆３の導出下端部を引き手１０に形成し
   、引き手１０を引下げることにより上部摺動環４が下降
   方向に摺動すると共に下部摺動環５を上昇方向へ摺動さ
   せつつ張布用肋材６・・・・・・・・・６が放射状に張
   出して掛外し機構９を閉成させ、また、掛外し機構９の
   閉成を解除して引き手１０を押上げることにより上部摺
   動環４が上昇方向に摺動すると共に下部摺動環５を下降
   方向へ摺動させつつ張布用肋材６・・・・・・・・・６
   が軸管１の周側へ畳み込まれるよう構成せられた、傘。