JPS6026216Y2 - ２元燃料機関の液体燃料可変装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＡ重油や軽油等の液体燃料と、消化ガスや天然
ガスのガス燃料とを使用する２元燃料機関に関する。

一般にこの種の２元燃料機関において、液体燃料は着火
用（パイロット用）に利用されており、ピストンを作動
させるための大部分の力はガス燃料の燃焼により得てい
る。

そのため液体燃料の噴射量は機関の負荷変動とは関係な
しに常に着火に必要な一定量だけが噴射されるようにな
っている。

ところがガス燃料に関して、たとえガス燃料の供給量が
変わらなくてもガス燃料中のメタン濃度が低下してくる
とガス燃料の発熱量が低下してくるため、機関の出力が
低下する不具合が生じる。

本考案の目的は上述のような不具合を解消することがで
きる装置、即ちガス燃料の発熱量が低下しても機関の出
力を所定値に正確に維持できる装置を提供することであ
る。

以下図面に関連して本考案を説明する。

２元燃料機関の側面を示す図面において、１はシリンダ
ブロック、２はシリンダヘッドであって、シリンダヘッ
ド２には各シリンダ毎に吸気マニホルド３が接続され、
各吸気マニホルド３は空気供給管５を介してエアクリー
ナ等空気取入装置に接続されている。

６は各シリンダ毎に配置されたガス燃料用ガス弁であっ
て、吸排気弁駆動用のカム軸を利用して開閉駆動するよ
うになっており、カム室蓋７を介してシリンダブロック
１に取り付けられている。

各ガス弁６の入口側は横向きのガス燃料供給管（ガス主
管）８に接続され、ガス燃料供給管８は縦向きのガス燃
料供給元管９に接続され、ガス燃料供給元管９はガスボ
ンベ等を介してガスタンクに接続されている。

ガス弁６の出口側にはガス燃料供給枝管１０が接続され
ており、この枝管１゜は吸気マニホルド３内に突出して
いて吸気マニホルド３内でシリンダヘッド２側へ向いて
開口している。

即ちガスタンクからガスポンプ等により送られてくるガ
ス燃料（消化ガス、天然ガス等）は、ガス燃料供給元管
９、供給管８、ガス弁６及び枝管１０を通って吸気マニ
ホルド３内に供給されて空気と混合し、吸気弁を介して
燃焼室に送られる。

１１は液体燃料用の集合型燃料噴射ポンプであって、そ
の入口側は第３燃料油管１２、オイルフィルター１３及
び第２燃料油管１４を介してフィードポンプ１５に接続
され、フィードポンプ１５は第１燃料油管１６を介して
燃料油タンク１７に接続されている。

噴射ポンプ１１の出口側にはそれぞれ液体燃料用高圧管
１８が接続されており、各高圧管１８は各シリンダの燃
料噴射ノズル（図示せず）に接続されている。

即ち燃料油タンク１７の液体燃料（Ａ重油、軽油等）は
フィードポンプ１５により第２燃料油管１４、オイルフ
ィルター１３及び第３燃料油管１２を介して噴射ポンプ
１１に送り込まれ、噴射ポンプ１１により高圧下され、
高圧管１８及び噴射ノズルを介して燃焼室内に噴射され
る。

噴射ポンプ１１にはラック作動ケース部１１ａか一体に
形成され、ケース部１１ａにはラックレバー１９が回動
自在に支持されており、ラックレバー１９はケース部り
１ａ内から噴射ポンプ１１内に至る噴射量調節用ラック
に連動連結されている。

即ちラックレバー１９を実線で示す位置から矢印Ａ方向
に回動させると、ラックを介して噴射ポンプ１１内の各
プランジャが回動して、液体燃料噴射量が増加するよう
になっている。

２０はラック作動ケース部１１ａの近傍に配置された電
子ガバナ、２３は上記ガバナ２０に信号用ケーブル２５
を介して信号を送る制御機構（但し模式図で示す）であ
る。

電子ガバナ２０には制御レバー２１が回動自在に支持さ
れており、制御レバー２１の先端とラックレバー１９の
先端は連結ロッド２２の両端にそれぞれ枢着連結されて
おり、制御レバー２１及びラックレバー１９は矢印Ａ及
び反矢印Ａ方向に一体的に回動するようになっている。

制御レバー２１及びラックレバー１９は例えはケース部
り１ａ内の戻しはねにより図面の実線の位置に反矢印Ａ
方向に付勢されている。

制御機構２３は切替バルブ２６、ウォータートラップ（
フィルター）２７及びガス感知部２８を備えており、切
替バルブ２６の入口側はガス取入管２９を介してガス燃
料供給元管９に接続され、切替バルブ２６の一方（図面
の右方）の出口側はウォータートラップ２７を介してガ
ス検知部２８に接続され、また切替バルブ２６の他方（
図面の下方）の出口側は逃がし管３０を介してガス取入
管２９より下流側へ一定距離隔てたガス燃料供給元管９
部分に接続されている。

制御機構２３を使用するときには検知部２８側へガス燃
料が流れるように切替バルブ２６を切り替え、制御機構
２３を使用しないときには逃がし管３０側へガス燃料が
流れるように切替バルブ２６を切り替える。

ガス検知部２８はガス燃料内のメタン（ＣＨ４）濃度を
検出するものであって、メタン濃度が所定値以下になっ
たときにケーブル２５を介して電子ガバナ２０に信号（
例えば電流）を送って、制御レバー２１が矢印Ａ方向に
回動するように電子ガバナ２０を作動させるようになっ
ている。

またメタン濃度が所定値より小さくなるに従って検知部
２８からの電流の大きさが増加し、制御レバー２１の矢
印Ａ方向への回動量が増加するようになっている。

３１はガス放出管である。

一般にガス燃料、例えば消化ガスに６０〜６５％のメタ
ンが含まれておれば、液体燃料を着火用のみに利用して
も消化ガスの燃焼力により機関を所定の出力で回転させ
ることができる。

従って本考案において消化ガスをガス燃料として使用す
る場合には、検知部２８の濃度設定値を６０％としてお
き、メタン濃度が６０％より少なくなったときにケーブ
ル２５を介して電子ガバナ２０に電流を流し始めるよう
にセットしておく。

機関が回転中、メタン濃度が６０％以上のときには、即
ち消化ガスの発熱量が充分であるときには、ラックレバ
ー１９及び制御レバー２１は実線で示す状態に維持され
ており、液体燃料は着火に必要な量だけ送られる。

メタン濃度が６０％より少なくなると検知部２８から電
子ガバナ２０へ信号が送られ、制御レバー２１及びラッ
クレバー１９が矢印Ａ方向に回動し、噴射ポンプ１１か
ら噴射される液体燃料の量が増加する。

制御レバー２１の矢印Ａ方向の回動量はメタン濃度が６
０％より小さくなるに従ってしだいに増加するようにな
っているので、常に消化ガスの発熱量の低下量を補える
程度に液体燃料を増加させることができ、機関の出力を
常に一定値に維持することができる。

以上説明したように本考案によると、２元燃料機関に液
体燃料の噴射量を増減するガバナ２０と、シリンダに供
給されるガス燃料のメタン濃度を検知してメタン濃度が
低くなったときに液体燃料の供給量を増加させるように
ガバナ２０に信号を送る制御機構２３を備えているので
、ガス燃料の発熱量（メタン濃度）が低下しても液体燃
料の増加により自動的にガス燃料の発熱量の不足分を補
うことができ、機関の出力を常に一定値に維持すること
ができる。

ガス燃料の発熱量の大部分の要素を占めるメタンの濃度
を検知するので、発熱量の低下量を簡単かつ正確に調べ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による液体燃料可変装置を備えた２元燃料
機関の側面図である。 ２０・・・・・・電子ガバナ、２３・・・・・・制御機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体燃料の噴射量を増減するガバナと、シリンダに供給
   されるガス燃料のメタン濃度を検知してメタン濃度が低
   くなったときに液体燃料の噴射量を増加させるようにガ
   バナに信号を送る制御機構とを備えたことを特徴とする
   ２元燃料機関の液体燃料可変装置。