JPS6025259Y2 - 低周波治療器用導子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、低周波治療器用導子、更に詳しくは、絶縁
板の一端に支点を設は他端に導電性針を取り付けて絶縁
板の中間部で皮膚面に固定し低周波パルス電流を流して
除痛・麻酔を行なうことのできる低周波治療器用導子に
関するものである。

バリ麻酔を行なうために患部へ針を挿入しこの針に低周
波パルス電流を流すことは従来より行なわれているが、
針に対する恐怖感を取り除くためこの針（通電用導子）
を改良することが種々試みられている。

従来の低周波治療器用導子としては第１図に示すものが
ある。

第１図ａはＴＮＳ電極と呼ばれ欧米で広く用いられてい
る導電ゴム製の電極であり、第１図すは日本国内で生産
されている同様の電極である。

ＴＮＳ電極は、リード線２を通して絶縁カバー１内に組
込まれた雌形ホックへ低周波パルス電流を導き、その雌
形ホックと電極主体４に埋設された雌形ホック３とを合
着させることによって電極主体４と突起５へ電流を導く
。

電極主体４および突起５を皮膚面へ押当てると突起５が
皮膚にくい込み主として突起５を通して皮下へ電流が流
れる。

皮膚面への固定は電極主体４の外縁を粘着テープによっ
て貼付する。

この方法では、電極と皮膚との接触状態、皮膚の乾湿状
態等で通電量が変わり、抵抗熱のため痛みを伴なう。

接触状態を良好にするため電極と皮膚との間にペースト
を塗布する場合もあるが、長時間使用していると保湿度
容量が小さいため、乾燥が早く接触抵抗が増大して治療
効果が減少する欠点がある。

第１図Ｃは、ｓｓｐ電極と呼ばれ、黄銅に銀メッキした
逆円錐形電極である。

ｓｓｐ電極は、円盤状の電極主体４の下面に一体形成し
た円錐状の突起５を設け、電極主体４の上面に一体形成
した導電端子３を設けたものである。

突起５をツボに押しつけ電極主体４を粘着テープによっ
て皮膚に固定しそれに低周波を通電する。

ＳＳＰ電極は突起５が針のように皮膚表面にくい込むた
め、第１図ａおよびｂの電極に比し接触状態が改善され
、また非導通時でも針に近い刺激が得られる。

しか腰柔らかい皮膚に突起５を支点として電極主体４が
当接するため、固定が不安定であり、治療中の患者の体
位移動によって抵抗が変わり、治療効果の変動、痛みの
発生を招く欠点がある。

この考案は、除痛・麻酔効果を得るための低周波治療器
において、導通時に患者に違和感や不快感を与えること
なく、安定した治療効果の得られる通電用導子を得るた
めになされたものである。

上記の目的を遠戚するため、この考案による導子は、患
者の体の動きがあっても電極と皮膚との接点の位置およ
び接触状態が変化しない構造にされる。

またこの考案は、中国より古来から伝わる七星針を低周
波治療器用導子に適用することも目的としている。

以下、この考案による低周波治療器用導子をその一実施
例につき添付図面に基づいて詳細に説明する。

図中、第２図〜第４図はこの考案による低周波治療器用
導子の一実施例を示すもので、第２図ａは導子の斜視図
、第２図すは導子の平面図、第３図ａは導子の正面図、
第３図すは導子の底面図、第３図Ｃは第３図すのＡ−Ａ
線に沿った半断面図、第３図ｄは導子の側面図、第４図
ａは使用状態での平面図、第４図すは使用状態での断面
図である。

ステンレスまたは黄銅に銀メッキしたほぼ正方形状の電
極台１１の底面には、円の中心に１本、円周上に６０°
刻みで等間隔に６本、計７本の導電性針１２が植込まれ
ている。

７本の導電性針１２は互いに同じ長さで電極台１１と同
一材料で電極台１１に一体成形されている。

針１２の先端は丸みを帯びており、針１２の太さは０．
７Ｎｎであり、円周の直径は７．５ｗＩＬである。

これは概略、経穴（ツボ）の大きさに相当する。

電極台１１の上面には導電端子１３が電極台１１と同一
材料で電極台１１と一体成形されている。

電極台１１と導電性針１２と導電端子１３とから成る導
電性電極は、適度の弾力性と柔軟性とを有する合成樹脂
製の絶縁板１４に取り付けられている。

絶縁板１４は、長方形状をしており、その短辺は正方形
の電極台１１の辺と等しくなっている。

絶縁板１４の一端ではその底面に先端を丸くした逆円錐
状の突起から成る２つの支点１５，１６が設けられてい
る。

支点１５．１６は絶縁板１４の同一面でその短辺につい
て対称的に絶縁板１４と同一材料で絶縁板１４と一体成
形されている。

支点１５．１６は互いに同一高さ、同一形状である。

導電性電極は、絶縁板１４の支点１５，１６と反対側の
端部で、針１２と支点１５，１６とが同一面に配置され
るように、絶縁板１４に取り付けられている。

電極と絶縁板１４とを取り付けた状態では、円の中心に
位置する針１２と２つの支点１５．１６とで二等辺三角
形を形成しており、７本の針１２と２つの支点１５．１
６とはそれらの高さが互いに等しくなっている。

上記のように構成された導子を用いて低周波治療を行な
うには、導子を皮膚１８に当接した後、絶縁板１４の中
間部に粘着テープ１７を張って、そのテープ１７を皮膚
面に接着させることにより導子を固定する。

更に、導電端子１３をリード線１９およびプラグ２０を
介して低周波発生器２１に接続する。

この状態では、７本の針１２と２つの支点１５．１６と
が粘着テープ１７の圧力によって皮膚１８にくい込む（
第４図す参照）。

針１２と支点１５，１６とを支点とする両支持ぼり構造
となっているため、上下左右方向への動きに対して安定
である。

７本の針１２と２つの支点１５．１６があるために、針
１２を中心とする回転および支点１５．１６を中心とす
る回転の発生が防止される。

導子を腕や足の経穴（ツボ）に固定する等の場合には、
腕等を１回りするバンドを用いて固定しても導子の移動
を防止することができる。

これは欧米人のように毛深い患者に導子を取り付ける場
合に粘着テープを用いると体毛のひっばりによる不快感
が生じるので、それを避けるのに有効である。

以上の説明から明らかなように、この考案による導子を
用いると、電極から離れて支点が設けられているため、
使用時には電極と支点との両者が使用者の皮膚に圧着さ
れ、複数点で支持されるので、患者の体の動きがあって
も電極は移動せず、治療効果の変動や皮膚の通電による
痛みが発生することはない。

導電性針が複数段けられ通電路が分散しているため、針
の一部が不導通になっても皮膚抵抗に大きな変動はなく
皮膚の痛みが生じない。

針と支点の中間部に巾広いテープ当接箇所が設けられて
いるため、粘着テープ以外の固定手段を用いて導子を皮
膚に固定することもできる。

導電性針の配置を中国より古来から伝わる七星針とする
と、ツボに対する押圧力とも相俟って治療効果を更に上
げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の各種の低周波治療器用導子の斜視図で、
ａ、 ｂはＴＮＳ電極、Ｃはｓｓｐ電極を示すものであ
る。 第２図〜第３図はこの考案による低周波治療器用導子の
一実施例を示すもので、第２図ａは導子の斜視図、第２
図すは導子の平面図、第３図ａは導子の正面図、第３図
すは導子の底面図、第３図Ｃは第３図すのＡ−Ａ線に沿
った半断面図、第３図ｄは導子の側面図である。 第４図は第２図〜第３図に示す低周波治療器用導子を使
用する状態を示すもので、第４図ａは平面図、第４図す
は皮膚断面図である。 １１・・・・・・電極台、１２・・・・・・導電性針、
１３・・・・・・導電端子、１４・・・・・・絶縁板、
１５，１６・・・・・・支点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に丸みを有する複数本の一軒の導電性針１２を突設
   した電極台１１を、絶縁台１４の一方の面に固定し、か
   つ上記導電性針１２を絶縁台１４の他方の面に突出させ
   るとともに、この絶縁台１４の上記他方の面には上記導
   電性針１２の群から離れた位置に、少なくとも１つの突
   起状の支点１５．１６を設けたことを特徴とする低周波
   治療器用導子。