JPS602515B2 - 海水からエネルギ−転換を行うための浮構造体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は海水からの熱エネルギーを電気エネルギーのよ
うな他の形態のエネルギーに転換するための浮構造体に
関するものである。

この構造体はエネルギーを転換するための装置が据つけ
られている浮躯体とエネルギー転換処理工程に使用する
冷い水を上方に吸上げるために相当な深さにわたって水
面下を下方に延長している管を備えている。地殻中の鉱
物資源と無関係な、例えば太陽熱エネルギーの利用と云
った附加的なエネルギー源の調査の中において、蒸気タ
ービンを駆動する蒸気を発生させるため減圧下において
水面近くにある温かい海水を蒸発させ、その後凝縮及び
凝縮された水を海に戻すという概念の研究がなされて来
た。

可能な限り非常に大きい温度差が凝縮に際しては利用さ
れねばならないので下方約９０仇ｍ‘こ達する管によっ
て水面下の相当深い処から冷し、水を吸上げることが必
要となる。エネルギー転換を実施するに必要な装置の装
備を可能にするには、これら装置を支えるための構造体
の設計に種々の問題が提起される。

この構造体は温かい水及び冷し、水が流れるのに必要な
流路、これに沿ってエネルギー転換装置のための空間及
び操作員の宿泊のための空間を含んだ浮雛体を備えなけ
ればならない。さらにこの浮躯体は９０比ｈ長にも達す
るであろう管に結合されなければならない。外海に浮ぶ
他の構造物と同様、最も苛酷な波浪及び風の条件に抵抗
する規模のものでなければならない。若し浮鍵体及びこ
れから垂れ下る管が互に岡山に結合されているならば、
管の長さ‘こよって技術的に実行しうるという可能性が
あるものであるが、その管の長さのため浮鯛体の動きは
非常に拘束される。結果として極めて大きい曲げモーメ
ントが、管が浮躯体に固定される処に且つ浮躯体の頂部
のプラットフオームに生ずる。これらの曲げモーメント
の規模はその浮樋体が使用される。外海のその場所で普
遍的である波浪の高さ及び頻度に係わる。大方の場所で
は波浪の高さは特に管が浮躯体に固定されている位置で
重大な応力が生ずる程大きい。現在知られている構造物
ではその様な応力に耐えることは不可能である。従って
本発明の第１の目的は予想される応力状態に抵抗しうる
浮構造物を作ることにある。

本発明によれば浮構造体はプラツトフオームを有し、水
面上に浮いており、下方に延長する管に曲げに抵抗する
ように結合されている浮躯体を備えている。管はプラツ
トフオームに対し垂直に延長している。加うるに、環状
壁によって取囲まれエアークッションの役割をする空室
が浮灘体の下面に設けられる。管が躯体に結合する領域
では浮躯体及び管は鉄筋コンクリートかプレストレスト
コンクリートで建造されるのが好ましい。

本発明によれば、全構造体の重量は、浮躯体の下面に位
置し下方に開放されている環状の空室に封入されている
エアークッションによって支持される。

浮雛体の下面の大部分はこのエアークッションを介して
海水と接するためプラツトフオーム下の荷重分布は波浪
作用の影響には無関係に一定に保たれるので、プラット
フオームには外海の波浪作用によって惹起される重大な
曲げの力は発生しない。さてたとえば片側に生じた波に
よって海水面が上昇すると、片側に拡大された浮力が生
じる。先づ片側にアタックするこの浮力は海の深い所に
固定された管に対して浮躯体を浮力の方向に回転させる
。その場合管と浮躯体の結合領域に極めて大きな曲げモ
ーメントが生じる。浮躯体は直接水面に浮いているので
はなく、空気クッション上に浮いているので、片側の浮
力は浮駆体の下側に直接は作用しないで、空気クミショ
ンの空気を僅かに動かす。

その場合空気クッションから浮騒体の下側に及ぶ圧力は
完全に一定である。水面領域におけるその慣性モーメン
トによって浮雛体はローリング運動に関しては半潜水形
式の浮構造物に類似した挙動を示す。従って管に現われ
る曲げモーメントは小さくローリング運動もまた小さい
。浮鍵体は水面部において大きな面積をもっているので
プラットフオームはうねり運動に関してボンッーンと類
似の挙動で対応する、即ち、この種構造物のうねり運動
はさもまど重大ではない。概してこの種の浮腫体は安定
した平衡状態を必要とする。

非常に長い曲げに抵抗する管の相互作用を有する本発明
の構成ではか）る安定性は何等問題なく達成されうる。
第１図には本発明の実施例による浮構造体１が、外海に
おけるような海水と一緒に示されている。

構造体１は平面図では円形をしている浮雛体２を備えて
おり、その上面はプラツトフオーム２′を形成している
。この浮躯体２は鉄筋コンクリートまたはプレストレス
トコンクリートから建造されうる。垂直外壁３は浮雛体
の周外面を定め、そしてこの壁の一部は水面または水位
４上に延長し、残りの部分は水面下に延長している。第
２図及び、第３図から見られるように管５は浮雛体２の
中央から垂直に下方に延長している。この管は相当な長
さのものであり、水面から下方に少くとも数百メートル
延長している。管５は浮躯体から下方に突出しており鉄
筋コンクリートまたはプレストレストコンクリートのい
ずれかで形成されている上部部分５′と上部部分５′の
下端からさらに下方に延長しゴムで作られている下部部
分５″とからなっている。第２図には、第１図に図示さ
れている浮構造体１の部分的な断面図が示されている。

第２図において垂直外壁３は水位４下を下方に延長し、
浮腫体２の内部にある環状の空間６の外側の境界を筒状
に形成していることが判る。空間または空室６の下端は
構造体１が浮いている水に対して開放されており、そし
て空室６の筒状の内側境界は垂直壁７で定められ、一方
空室の上端は空室上に位置する環状の蒸発器空間９の底
板８で閉塞されている。蒸発器は空間９内に装置されて
いる。図示されているように環状の空室６には一部水が
入れられ、残りの空室の上方部分には空室内の水面と底
板８との間の容積のエアークッションができる。空室６
内のこのエアークッションが浮蝿体２を担つ。海水の熱
エネルギーを他のエネルギー形態に転換するための種々
の構成要素は本発明の主題ではないので、それらについ
ては概要のみを記述する。

垂直壁３の内面には水面４近くからの温かい海水を構造
体１の中に運びこむための周万向に間隔をあげてそれぞ
れ離れた多数の管１１が設けられている。温かい海水は
垂直壁３の下端で水面下に位置する取水口１２を通って
それぞれの管１１に入ってくる。図に示されていないが
、ポンプが温かい海水を、減圧によって水が蒸発させら
れる蒸発器空間９中へ吸い上げる。結果として蒸気が発
生し、固定子１３を通って導びかれ、ローター１４が回
転し発電機１５を駆動する。発電機１５は構造体１の中
央部分１６に設備されている。タービン構造を通って流
れた後、蒸気は分散器１７を通り凝縮器１８中に流れ込
む。凝縮器１８から凝縮された温かい海水は、出口１９
を通り海へ戻される。凝縮器１８での必須の冷却効果を
供給するため、図示されていないがポンプによって冷し
、海水が管５を通って汲み上げられ、凝縮器を通過した
後冷水排出ライン２０を通って下方に運ばれ排水口２１
から海に戻される。

第１図から、第３図に示す最初の実施例では、温かい海
水の取水流のための通路は、垂直外壁３の内側面に設け
られた管１１と言う形態で用意されている。

これと対照的に、第４図及び、第５図に図示されている
実施例では、最初の実施例における外壁３に対応する外
壁３０が、円筒状に間隔をあげて配置され、二重壁を形
成している円筒状の外壁３１と円筒状の内壁３２から構
成されている。外壁３１と内壁３２間の環状空間は垂直
方向かつ放射状に延長している仕切壁３３によりそれぞ
れ別個の流路３４に分割されている。それぞれ垂直方向
に延長する通路３４の下端にある温かい水の取水口３５
は、第２図の管１ １と同様漏斗の格好に形成されてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す浮構造体の透視図である
。 第２図は、第１図に図示されている浮構造体の一部を断
面で示した側面図である。第３図は、第２図のｍ−ｍ線
に沿った水平断面図である。第４図は、第２図の浮構造
体と類似の、本発明のもう一つの具体例を図示するもの
で、一部を断面で示した側面図である。第５図は、第４
図のＶ−Ｖ線に沿った水平断面図である。図中符号 １
…浮構造体、２・・・浮射体、３…垂直外壁、４・・・
水位、５・・・管、６・・・室間、７・・・垂直壁、８
・・・底板、９…蒸発器空間、１２，３５・・・取出口
、１３・・・固定子、１４…ロータ−、１５…発電機、
１７…分散器、１８…凝縮器、１９…出口、２０…排出
ライン、２１…排出口、３０，３１…外壁、３２・・・
内壁、３３・・・仕初壁、３４…通路。 ＦＩＧ。 量Ｆ！Ｇ．２ ＦＩＧ．３ ＦＩＧ４ ＦＩＧ．５

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水面近くに位置する温かい海水の熱エネルギーを他
   の形態のエネルギー特に電気エネルギーに転換するため
   、浮躯体を備え、温かい海水の熱エネルギーを他の形態
   のエネルギーに転換するための装置を前記浮躯体内に備
   え、前記装置に冷い海水を運ぶための管が水面下相当な
   深さにわたって前記浮躯体から下方に垂れ下っている浮
   構造体において、波浪作用によって浮躯体と管との結合
   箇所に生じる異常に大きな曲げモーメントを軽減するよ
   うに前記浮躯体がその浮躯体の上面を形成しかつ水面か
   ら上方に位置するプラツトフオームを備え、前記の管が
   浮躯体から垂直に延長し、この管は前記浮躯体に曲げに
   抵抗するように結合し、前記浮躯体は下端が開放されて
   いる空気室をそなえ、その浮躯体の下側に前記空気室を
   形成するための壁を備え、前記の壁は前記のプラツトフ
   オームから下方に延長し、前記の空気室の側方外側の境
   界を定める環状壁として構成されていることを特徴とす
   る、浮構造体。 ２ 前記プラツトフオームが周縁方向に広がった境界を
   有し、この境界から前記環状壁体が下方に延長している
   、特許請求の範囲１に記載の浮構造体。 ３ 前記プラツトフオームの周縁方向の広がりの境界が
   多角形である、特許請求の範囲２に記載の浮構造体。 ４ 前記プラツトフオームの周縁方向の広がりの境界が
   アーチ形である、特許請求の範囲２に記載の浮構造体。 ５ 前記プラツトフオームの周縁方向の広がりの境界が
   円形である、特許請求の範囲２に記載の浮構造体。６
   前記環状壁体がプラツトフオームから下方に垂直に延長
   し、水平断面では、前記プラツトフオームの周縁方向の
   広がりの境界に対応する形状を有している、特許請求の
   範囲１〜３の何れか一に記載の浮構造体。 ７ 管が円形の横断面を有していることを特徴とする、
   特許請求の範囲１に記載の浮構造体。 ８ 管の長さが少くとも前記の浮躯体の直径のほゞ２倍
   である、特許請求の範囲１に記載の浮構造体。 ９ 前記の浮躯体がプレストレストコンクリートで造ら
   れることを特徴とする、特許請求の範囲１に記載の浮構
   造体。 １０ 前記管の上部部分の長さが前記浮躯体の直径の少
   くともほぼ２倍であることを特徴とする、特許請求の範
   囲１に記載の浮構造体。