JPS6024675Y2 - 搬送用移動体の暴走防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、推進手段から切り離されて自由に前進移動で
きる状態のコンベア用トロリーが下り勾配部等において
ストッパー解除時に重力で暴走したり、経路間の乗り移
り箇所で後押しされるトロリーが慣性で進み過ぎたりす
るのを防止する暴走防止装置を提供するものである。

以下、添付の例示図に基づいて本考案の一実施例を説明
すると、１は吊り下げ搬送用トロリーであり、ガイドレ
ール２に移動可能に支持されている。

３はトロリー１の一側部に付設した制動用アタッチメン
トである。

４は歯車状回転体であり、固定フレーム５から垂下させ
た垂直固定軸６の下端部にラジアルベアリング７及びス
ラストベアリング８を介して回転可能に支承されている
。

９は歯車状回転体４の周部に等間隔おきに突設されてい
る突起であり、各突起９にはナイロン等から成形された
アタッチメント１０がボルトナツト１１により交換可能
に取付けられている。

前記歯車状回転体４は、各アタッチメント１０がトロリ
ー１のアタッチメント３に当接する事により矢印１２方
向に一定角度範囲で回転せしめられる位置に設けられて
いる。

１３は制動手段であり、歯車状回転体４のボス部上端面
に取替え可能に装着したブレーキライニング１４に圧接
するブレーキシュー１５と、このブレーキシュー１５を
下向きに付勢する圧縮コイルばね１６とを備えている。

前記ブレーキシュー１５は、キー１７を介して昇降のみ
可能に垂直固定軸６に嵌装されており、前記圧縮コイル
ばね１６は、垂直固定軸６のねじ軸部６ａに螺嵌され且
つロックナツト１８により固定される調整用ばね受座１
９とブレーキシュー１５との間で垂直固定軸６に遊嵌さ
れている。

上記の構成によれば、トロリー１が歯車状回転体４の側
方を通過移動するときには、第２図に示す区間２０にお
いてトロリー１のアタッチメント３が歯車状回転体４の
１つの突起９をアタッチメント１０、を介し・て押圧し
、歯車状回転体４を矢印１２の方向に一定角度（４５度
）だけ制動手段１３の制動力、即ちブレーキシュー１５
とブレーキライニング１４間の摩擦力に抗して回転させ
る事になる。

従って、制動手段１３の制動力をばね受座１９の位置調
整により、トロリー１の重力や慣性による移動力では歯
車状回転体４が回転しない程度に設定しておけば、トロ
リー１がプッシャー等で強制的に推進せしめられるとき
にはその移動を許し乍ら、重力や慣性によるトロリー１
の暴走を歯車状回転体４により防止する事ができる。

従来この種の暴走防止装置は、トロリー１に垂直軸で軸
支している振れ止め用ローラー２１をブレーキシューに
より両ガイドレール２の一方の側縁２ａに圧接させるよ
うに構成されていた。

従ってレール側縁２ａやローラー２１が摩耗して凹入腰
これに伴ってブレーキシューの押圧力、即ちはね力を増
加させるように調整する必要があり、又前記摩耗の程度
が進むとブレーキシューのばね力の調整では十分な制動
効果が得られなくなる。

このように従来の構成では、安定した制動効果が得られ
ないばかりでなく、レール自体を交換しなければならな
い不都合を伴う。

然るに本考案の構成によれば、アタッチメント３．１０
の摩耗は制動力に何等の影響も及ぼさないばかりでなく
、アタッチメント１０やブレーキライニング１４を摩耗
の程度に応じて取替えるだけで、圧縮コイルばね１６の
強さを摩耗に応じて調整する必要は殆んどなく、常に安
定した制動効果が得られる。

又、ガイドレール２を制動のために摩損させる事もない
ので、メンテナンスが容易で且つ経済的である。

さらに、歯車状回転体４の各突起９を順番に制動作用に
使用するのであるから、１つの制動片を使用するものに
比べて装置全体の耐用寿命が極めて長い。

このような暴走防止装置として例えば実開昭４７−３０
４８２’！公報に記載されているように搬送用移動体の
移動経路にそって移動し得るように掛張された無端帯状
体に搬送用移動体が当接する当り具を適当ピッチで突設
されると共に、当該無端帯状体に回転抵抗を付加する制
動手段を設けて威る装置が知られているが、このような
装置では、据え付けが大災りとなり、簡単に据え付は位
置の変更が出来ないばかりでなく、高価な装置となる欠
点があった。

更に最大の問題点は、搬送用移動体が任意のピッチで通
過するような場所には適用することが出来ない点にある
。

然るに本考案の装置は、歯車状回転体と、この歯車状回
転体に回転抵抗を付加する制動手段との組合せから威り
、前記歯車状回転体の周部の各突起に搬送用移動体に当
接するアタッチメントを交換可能に装着し、前記制動手
段は付加制動力を調整可能に構成して成るものであるか
ら、前記のような無端帯状体を掛張するタイプの装置と
比較して、装置全体が極めて構造簡単コンパクトであり
、安価に実施することが出来る。

従って、搬送用移動体の移動経路の任意の場所に極めて
簡単容易に据え付けることが出来、据え付は位置の変更
も簡単に行える。

勿論、前記アタッチメントは摩耗に応じて交換すること
が出来ると共に、制動力調整機能により、空荷の搬送用
移動体が通過する場所等、据え付は位置を通過する搬送
用移動体の負荷状況に応じて常に最適な回転抵抗を歯車
状回転体に与え、負荷の大きさに応じた走行抵抗を通過
する搬送用移動体に与えて大きなショックを伴う恐れの
ない状体で常に安全良好な暴走防止作用を行わせ得る。

更に歯車状回転体を使用したので、搬送用移動体が如何
なるピッチで通過しようとも、換言すれば搬送用移動体
の通過ピッチが一定でなくとも、常に所期の暴走防止作
用を確実に行わせ得るのである。

尚、制動手段１３はディスク形式のものに限定されず、
バンド形式等任意のものを使用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案−実施例を示腰第１図は縦断立面図、第２
図は横断平面図である。 １・・・・・・トロリー、３・・・・・・制動用アタッ
チメント、４・・・・・・歯車状回転体、６・・・・・
・垂直固定軸、９・・・・・・突起、１０・・・・・・
取替え可能なアタッチメント、１３・・・・・・制動手
段、１４・・・・・・ブレーキライニング、１５・・・
・・・ブレーキシュー １６・・・・・・圧縮コイルば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 歯車状回転体と、この歯車状回転体に回転抵抗を付加す
   る制動手段との組合せから戒り、前記歯車状回転体の周
   部の各突起に搬送用移動体に当接するアタッチメントを
   交換可能に装着し、前記制動手段は付加制動力を調整可
   能に構成して成る搬送用移動体の暴走防止装置。