JPS6024589Y2 - 凸板輪転機を改造したｂ−ｂ型のオフセット輪転機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、既設の凸版輪転機を改造したプラン、ケラト
−ブランケット方式、いわゆるＢ−Ｂ方式のオフセット
輪転機に関する。

従来技術 近年、印刷業界、特に新聞印刷業界においては、印刷品
質の向上のために凸版印刷機から紙の両面を同時に印刷
することができるＢ−Ｂ型のオフセット印刷機を使用す
る傾向が顕著になってきた。

しかしながら、新聞輪転機は一般に大形の機械であるた
め多大の設備投資を必要とし、かつ耐用年数も長いもの
であるから、新聞社としては既設の凸版輪転機を廃却し
て新規のオフセット輪転機を設備することは大きな負担
を伴うことになり、簡単に移行できない状況にある。

現在わが国で広く使用されている新聞用凸版輪転機は、
第１図に示すように、２組の版胴、圧胴ｌａ、２ａおよ
びｌｂ、２ｂが左右対称に間隔Ｓをもって配置され、主
軸４からベベルギヤ５，６を介して監部動軸７が駆動さ
れ、監部動軸７上端に設けたベベルギヤ８と圧胴２ｂ軸
端のベベルギヤ９とがかみ合って圧胴２ｂが駆動され、
他の圧胴と版胴とは図示しない平歯車により圧胴２ｂか
ら順次駆動される構造になっている。

また圧胴２ｂの上方には単色刷装置１０が設けられ、圧
胴と接触する単色刷胴１１によって紙に墨以外の色刷を
１色加えることができるようになっている。

これに対して、第２図に示すＢ−Ｂ型のオフセット輪転
機においては、２組の版胴、ブランケット胴１ａｔ２ａ
およびｌｂ、２ｂは左右対称に、かつ両ブランケット胴
２ａ、２ｂが接触するように配置され、紙３は両ブラン
ケット胴の間で両面同時に印刷される構造になっている
。

かかる構造上の相違を有する凸版輪転機をＢ −Ｂ型オ
フセット輪転機に転用することは、上記構成になってい
るので、既設の駆動系および単色刷装置をなるべくその
まま利用してオフセット輪転機を製作する場合、圧胴２
ｂをトリップの時に移動させることは不可能である。

しかしながら、相互に離隔している圧胴の位置を変更し
て互に接触させるようにし、回転方向を逆にするための
駆動系を改造し、さらにオフセット印刷の特有の湿し水
装置の追加を行うことによって一応可能である。

このような観点から、既設の凸版輪転機の部品を可能な
限り活用して、しかもオフセット印刷に必要な機能を備
えたオフセット輪転機に転用することは、例えば、特公
昭５１−２５１６３号公報、特開昭５５−２８８８８号
公報等に記載されているように種々提案されている。

また、本出願人の一人が先に提出した特願昭５５−４１
７０３号に記載されているように、主機枠の内面に補助
機枠を取付け、同補助機枠に一組の版胴と、圧胴及び第
二組の圧胴を取り付けることによって、凸版輪転機の改
造に当っての旧設備の利用率はかなり改善され、改造コ
ストも低減した。

考案が解決しようとする問題点 しか腰かかる改造方法は、補助機枠が十分な剛性を有し
ないため、組立後の輪転作業に振動を生じる虞があるこ
と及び胴取付時に芯合わせが極めて困難であること及び
別途歯車伝動機構を用意しなけれはならないこと、等の
問題点を有していた。

本考案の目的は、既設凸版輪転機をＢ−Ｂ型オフセット
輪転機に改造するに当っての問題点を解消して、構造が
簡単で、既設凸版輪転機の部品利用率が高く、しかも、
安価に得ることができるＢ−Ｂ型オフセット輪転機を提
供することにある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本考案は片側の版胴１ｂお
よび他側のブランケット胴２ａを同時にトリップする機
構を有する既設凸版輪転機を改造したＢ−Ｂ型オフセッ
ト輪転機であって、既設凸版輪転機の部品を大巾に利用
し得る構成としている。

実施例 以下、添付図に示す実施例に基づいて、上記問題点を解
決するための手段を具体的に説明する。

既設の凸版輪転機の改造に際しては、第１図に示す片側
の圧胴２ｂを固定して、第３図に示すように片側のブラ
ンケット胴２ｂが固定したオフセット用ブランケット胴
２ａ、２ｂを形成する。

そして、第１図に示す版胴１ａを固定せしめて第３図に
示すように他側が固定した版胴１ａ、ｌｂを形成する。

さらに、前記の片側の版胴１ｂおよび他側のブランケッ
ト胴２ａを同時にトリップする機構を設けてブランケッ
ト胴２ａの外周面に固定版胴１ａを、また、固定ブラン
ケット胴２ｂの外周面に版胴１ｂをそれぞれ圧接できる
ように構成している。

基台上に立設されている各ザイドフレーム１２は、本実
施例では、オフセット輪転機の胴装置に合う形状のもの
を新製し、これに既設の各胴１ａ〜２ｂ、駆動系４〜９
、インキング装置１０ ａ。

１０ｂ等を組込み、オフセット印刷に特有の湿し；水装
置１３ａ、１３ｂを付加することによって新たなオフセ
ット輪転機を構成する。

ただし、この際、胴の回転方向が凸版印刷時とは逆にな
るので、主軸上のベベルギヤ５は従来と反対の位置に組
替える必要がある。

そして前述したトリップ機能を与えるために他側のブラ
ンケット胴２ａおよび片側の版胴１ｂの軸受部にはそれ
ぞれ偏心スリーブ１４．１５を用い、この両偏心スリー
ブを空圧シリンダ１６によってリンク機構を介して同時
に回転させる構造とする。

同図において、３０ａ、３０ｂは着肉ローラヲ示し、こ
れらの着肉ローラ３０ ａ、 ３０ ｂのトリップも
空圧シリンダ１７ａ、１７ｂによりリンク機構を介して
トリップさせるが、これらのリンク機構を用いることが
できる。

版胴１ａおよびブランケット胴２ａに対するインキはイ
ンキング装置下端にあるインキポンプ（図示せず）から
インキレール１８ａ、１８ｂ内面に吐出され、ローラ群
を経て均一に練られて版面に供給されるが、練肉効果を
良くするためにはインキレールに接触するインキシリン
ダ１９ａ。

１９ｂは胴の回転方向とは関係な〈従来通りの回転方向
を保つことが望ましい。

このために、本考案においては、上部のインキシリンダ
２０ａ、２０ｂ （いずれも版胴からギヤにより駆動さ
れる）と下部インキシリンダ１９ａ、１９ｂとの間に中
間ギヤを２組２１ａ、２１ｂ、２２ａ、２２ｂ設けて下
部インキシリンダ１９ａ、１９ｂのみ従来と同一方向に
回転させるようにし、また、両インキシリンダ１９ａと
２０ａ及び１９ｂと２０ｂの間にインキローラを２本２
３ａｔ ２３ｂｔ ２４ａ、２４ｂ設けて、各ロー
ラが接触線において同一方向に回るようにしている。

一方単色刷装置においても、同様な目的から、ファンチ
ンローラ２４、インキシリンダ２５は従来通りの回転方
向を保たせるために、従来２組設けていた中間ギヤを１
組２６とし、インキシリンダと単色刷胴１１との間のイ
ンキローラを２本２７．２８とする。

単色刷用刷版は従来通り凸版を使用しブランケット胴２
ｂにインキを転写して紙に印刷する。

したがって、単色版胴１１とブランケット胴２ｂの間に
はトリップ機構を必要としない。

なお、上記実施例では、本考案をアーチ型輪転機に適用
した場合について説明したが、゛本考案は横型輪転機、
竪型輪転機等の凸版輪転機にも適用できるものである。

総合効果 本考案は、それぞれ片側のブランケット胴と他側の版胴
をトリップさせるようにしたので１．他側のブランケッ
ト胴を固定することができるので、改造に際して、他側
のブランケット胴に駆動装置を移動することなく連結す
ることができる。

これによって、サイドフレームのみを新たに製作すれば
、既設の凸版輪転機の残りの部品を全て利用できるので
、Ｂ−Ｂ型オフセット輪転機に安価に改造することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な新聞用輪転機の概略構成説明図、第２
図はオフセット輪転機の要部構成説明図、第３図は本考
案に係るＢ−Ｂ型オフセット輪転機の概略説明図である
。 図中、ｌａ、ｌｂ：版胴、２ａ、２ｂ：圧胴、ブランケ
ット胴、４：主軸、５，６：ベベルギヤ、７：監部動軸
、８，９：ベベルギヤ、１０ａｉＯｂ：インキング装置
、１１：単色刷胴、１２：サイドフレーム、１３ａ、１
３ｂ：湿し水装置、１４．１５：偏心スリーブ、１６：
空圧シリンダ、１８，１８：インキレール、２０ａ、２
０ｂ＝インキシリンダ、２３ ａ ｖ ２３ ｂ＝
２４ａ、２４ｂ：インキローラ、２４：ファンテンロ
ーラ、２５：インキシリンダ、２７．２８：インキロー
ラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 凸版輪転機の駆動軸７から駆動力が導入されている片側
   の圧胴の位置に配設された片側のブランケット胴２ｂと
   、前記ブランケット胴２ｂ及び他側の版胴１ａに接触す
   る位置に配設された他側のブランケット胴２ａと、片側
   の版胴１ｂ及び他側の前記ブランケット胴２ａをトリッ
   プする機構とを有する凸版輪転機を改造したＢ−Ｂ型の
   オフセット輪転機。