JPS6022985Y2 - 電磁フイルタ−を上部に突設した復水脱塩装置の通水塔 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、火力発電所あるいは原子力発電所における復
水脱塩装置の通水塔に関するものであり、通水塔の上部
に電磁フィルターを突設することによって、通水塔と電
磁フィルターを同一塔内に構威し、通水塔と電磁フィル
ター、およびその周辺の配管設備の簡略化を計り、また
これらの簡略化により、設置面積を縮少することを目的
とする。

従来は火力発電所や原子力発電所の復水の処理において
、復水中の酸化鉄クラッドを除去するために、セルロー
ズ系の濾過助剤や粉末イオン交換樹脂をプレコートして
使用するプレコート型濾過器を使用し、その後段に不純
物イオンを除去するために混床式イオン交換樹脂塔を設
けている。

この酸化鉄クラッドは磁性を有するので、これを効率よ
く除去するために最近では電磁フィルターが着目されて
いる。

電磁フィルターは、従来のプレコート型濾過器の場合に
逆洗排水中に多量の濾過助剤や粉末イオン交換樹脂が排
出され、後処理操作や繁雑であるのに比べて、それがま
ったく無いこと、またプレコート型濾過器は濾過塔断面
積に対する線流速がせいぜい１５０〜３００７７１．／
Ｈ程度であるが、電磁フィルター、特に高勾配の電磁フ
ィルターの場合は７００〜１ 、０００ｍ／ Ｈの高線
流速で復水を処理できること、さらに、たとえば電磁フ
ィルターの磁性充填材としてステンレスウールを用いた
場合、磁性充填性の濾過層高が１００〜４０ｏｒｒｒＩ
ＩＬ程度で充分であり、小型であることなど、電磁フィ
ルターは復水処理において種々の優れた性能を有する。

しかし従来は、電磁フィルターが以上のような比較的小
型で高性能を有し、その操作も簡単であるにもかかわら
ず、プレコート型濾過器のように復水脱塩装置の前置フ
ィルターとして独立した装置として電磁フィルターを設
けており、電磁フィルターおよびそのための配管設備、
およびこれらの装置占有の設置場所を必要とするため、
復水脱塩装置の設置場所が狭いことから、これらの簡略
化が望まれている。

本考案はこのような従来装置の欠点を補うものであり、
復水脱塩装置の通水塔の上部鏡板の一部を開口し、当該
開口部に通水塔の直径より小さい直径の円筒の下部を接
続し、当該円筒の上部を密閉するとともに、当該円筒内
の下方に水が通水可能な支持床を設け、当該支持床の上
方に磁性充填材を充填腰かつ円筒の外周に電磁コイルを
配設することによって電磁フィルターを形威し、さらに
当該電磁フィルターの上部に復水入口管を接続したこと
を特徴とする電磁フィルターを上部に突設した復水脱塩
装置の通水塔に関するものである。

以下に本考案を実施態様の一例をあられした図面にした
がって説明する。

１は復水脱塩装置の通水塔であり、通水塔１の下方に水
は通すが、イオン交換樹脂は通さないイオン交換樹脂支
持床１１を設け、当該支持床１１の上にイオン交換樹脂
１０を充填する。

また通水塔１の上方に通水塔バッフル８および通水塔整
流板９を設ける。

通水塔１の上部鏡板部２の一部分を開口し、その開口部
に通水塔１の直径より小さい直径の円筒３の下部を接続
し、当該円筒３の上部を密閉するとともに、当該円筒３
内の下方に水が通水可能な支持床４を設け、当該支持床
４の上部に磁性充填材５を充填し、かつ円筒３の外周に
電磁コイル６を配設することによって電磁フィルター１
９を形成する。

また電磁フィルター１９の上部にバルブＶ１を有する復
水入口管１２およびバルブＶ２を有する逆洗排水管１３
を接続し、通水塔１の下部にバルブ■、を有する処理水
出口管１４を接続する。

またイオン交換樹脂支持床１１にバルブ■５を有する樹
脂出口管１５を接続する。

さらに電磁フィルター１９の支持床４の下方に分配管７
を設け、当該分配管７にバルブＶ６を有する逆洗水管１
７およびバルブＶ７を有する空気管１８を接続する。

また通水塔１の上部にバルブＶ３を有する樹脂入口管１
６を接続し、かつ当該樹脂入口管１６の開口部を通水塔
整流板９とイオン交換樹脂１０の上面との間に位置する
ように設ける。

次に本考案装置の操作、作用を説明する。

バルブＶ３を開いて、再生済みイオン交換樹脂を樹脂入
口管１６より通水塔１内に充填し、通水塔１および電磁
フィルター１９内を満水と腰バルブＶ３を閉じる。

次に電磁コイル６を励磁し、パルスＶ１およびバルブ■
、を開いて被処理水を復水入口管１２より電磁フィルタ
ー１９内に通水し、原水中に含まれる磁性を有する酸化
鉄クラッドを電磁フィルター１９の磁性充填材５に捕捉
し、次いで通水塔１内に流入する原水を通水塔バッフル
８および通水塔整流板９によって整流し、不純物イオン
をイオン交換樹脂１０で除去する。

この時の被処理水の通水速度は通常の復水脱塩装置にお
ける通水塔のそれと同じであり、たとえば８０〜１２０
ｍ、／ Ｈで通水し、処理水を処理水出口管１４から流
出させる。

なお、復水入口管１２と電磁フィルター１９との差圧を
復水入口管１２と電磁フィルター１９内の支持床４の下
方に接続した差圧計（図示せず）によって測定し、差圧
がたとえば約１．５〜２ｋｇ／ｃｔ！に達した時点で、
バルブＶ１およびＶ、を閉じ、電磁コイル６を消磁した
のち、バルブＶ６．Ｖ７およびＶ２を開いて、逆洗水管
１７より逆洗水、および空気管１８より空気を分配管７
をへて上昇流で電磁フィルター１９内に導入し、磁性充
填材５を逆洗し、磁性充填材５内に捕捉した酸化鉄クラ
ッドを逆洗排水とともに逆洗排水管１３より排出する。

逆洗水の通水速度および空気の通気速度は、通常の電磁
フィルターにおける逆洗と同様であり、たとえば逆洗水
を線速度で２００〜３００ｒｒＬ／Ｈ１空気を同じ＜６
００〜１，００ＯＮｒｒＬ／Ｈで導入する。

電磁フィルター１９の逆洗時間は約５〜ｍ分間であり、
この間通水塔１からの採水を停止する。

電磁フィルター１９の逆洗工程終了後、満水とし、バル
ブ■２．Ｖ６およびＶ７を閉じ、次いでバルブＶ１およ
びＶ４を開き、再び被処理水を復水入口管１２から通水
し、通水塔１から採水する。

また通水塔１のイオン交換樹脂１０の不純物イオンの除
去能力が低下したら、バルブＶ、およびＶ４を閉じ、バ
ルブ■５を開け、イオン交換樹脂１０を樹脂出口管１５
をへて再生塔（図示せず）に移送し、再生を行なう。

本考案における電磁フィルター１９としては磁性充填材
５が、球状、ウール状、スパイラル状あるいはウール充
填物とスパイラル充填物を交互に積層させたものなどの
従来の各種の電磁フィルターを用いることができる。

たてえば、磁性充填材５としてステンレスウールを用い
た場合、ステンレスウールは５μｍ〜８０μ肌の線径の
ものが良く、その濾過層高は１００〜４００Ｔｒｒｍ程
度が良好である。

また電磁コイル６の内部磁場は、１．ＯＯＯ〜５．００
０ガウスの範囲で可変のものがよいが、使用範囲は一般
に１，５００〜３，０００ガウスが適当である。

本考案によれば、通常の電磁フィルターにおいて磁性充
填材の充填部分の直径は、復水脱塩装置の通水塔の約２
分の１以下であり、その外周に電磁コイルを設けても、
通水塔の直径の幅以内に電磁フィルターを設けることが
でき、本考案装置のように通水塔の上部に電磁フィルタ
ーを突設することによって、通水塔の電磁フィルターを
同一塔内に構成し、コンパクト化することができる。

また通水塔および電磁フィルターにそれぞれ接続する復
水入口管および処理水出口管を共有することができ、通
水塔および電磁フィルターの配管設備を簡略化すること
ができる。

このように電磁フィルターを設置するための新たな面積
を必要とせす、設置面積を縮少することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の電磁フィルターを上部に突設した復水脱塩
装置の通水塔の実施態様の一例を示した説明図である。 １・・・・・・通水塔、２・・・・・・鏡板部、３・・
・・・・円筒、４・・・・・・支持床、５・・・・・・
磁性充填材、６・・・・・・電磁コイル、７・・・・・
・分配管、８・・・・・・通水塔バッフル、９・・・・
・・通水塔整流板、１０・・・・・・イオン交換樹脂、
１１・・・・・・イオン交換樹脂支持床、１２・・・・
・・復水入口管、１３・・・・・・逆洗排水管、１４・
・・・・・処理水出口管、１５・・・・・・樹脂出口管
、１６・・・・・・樹脂入口管、１７・・・・・・逆洗
水管、１８・・・・・・空気管、１９・・・・・・電磁
フィルター、■１〜７・・・・・・バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 復水脱塩装置の通水塔の上部鏡板の一部を開口し、当該
   開口部に通水塔の直径より小さい直径の円筒の下部を接
   続し、当該円筒の上部を密閉するとともに、当該円筒内
   の下方に水が通水可能な支持床を設け、当該支持床の上
   方に磁性充填材を充填し、かつ円筒の外周に電磁コイル
   を配設することによって電磁フィルターを形威し、さら
   に当該電磁フィルターの上部に復水入口管を接続したこ
   とを特徴とする電磁フィルターを上部に突設した復水脱
   塩装置の通水塔。