JPS602212Y2 - 織機のバ−テンプル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は織機用のバーテンプルに関する。

従来、バーテンプルは真鍮製の材料を所定形状に引き抜
き後、機械加工によって仕上げ精度を出していた（−例
として実公昭５６−４２３８６）。

しかし、このような構造では、バーテンプルの先端部全
体に機械加工が必要不可欠となりかつ織布のための開口
部に耐摩耗性口金の嵌着を要したりするため、製作に要
する費用が著しく割高になる失念があった。

この考案は上記欠点を解消することができるバーテンプ
ルを提供することを目的とする。

実施例について説明すれば、バーテンプルの下部体゛１
は、耐蝕性の金属板、例えばステンレス板が二枚重ねに
折り曲げられており、その折り曲げ先端部１ａは織機側
ブラケット２の上端面２ａに取付けられる後部１ｂの平
面より若干下方に位置されて、スピンドル３の載置面に
形成されている。

下部体１は、また第２図に示すように、後部１ｂの幅方
向に適当な間隔で複数個のサラ孔４が設けられ、このサ
ラ孔４に挿入されるサラネジ５とこのネジ５に螺合する
ナツト６により、サラネジ５の頭部が下部体１の後部１
ｂ上面より突出しないようにブラケット２に固設される
。

下部体１には、サラ孔４のほかにサラ孔４より先端部１
ａ寄りの幅方向に、バーテンプル組付は用の長孔７が複
数個設けられる。

下部体１の上面に取付けられる上部体８は、下部体１と
同じ材料を用い、二枚重ねに折り曲げられた先端部８ａ
が上に凸な半円弧状に、後端部８ｂが上側へ巻かれる円
弧状に成形される。

上部体８の先端部８ａは、上部体８が下部体１と結合さ
れたとき、下部体１の先端部１ａ上方に織成直後の織物
すを方向変換させるスピンドル３の収納空間部９および
織物すを通過させる開口９ａを形成する。

上部体８の中間部上面には、幅方向の長さが上部体８よ
り若干短い上部体補強板１０が重合され、上部体８の下
側から複数個のサラネジ１１により頭部が上部体８の下
側の面から突出しないように結合される。

上部体補強板１０は、下部体１と上部体８が耐蝕性の金
属を用いて作られるのと異なり、鉄を用いて作ることが
できる。

下部体１の各長孔７と対応する上部体８および上部体補
強板１０の各位置には、長孔７よりそれぞれ若干長い長
孔１２および段付長孔１３が設けられ、上部体補強板１
０の上側から役付ボルト１４により下部体１とともにブ
ラケット２の上端面２ａに取付けられる。

上記実施例では、バーテンプルの下部体１と上部体８が
ステンレスによって成形される場合について説明したが
、ステンレスの代りに真鍮、銅、アルミニュームなどの
非鉄の耐蝕性金属を用いてもよい。

上記構成のバーテンプルを織機側ブラケットに取付けて
作動させると、下部体１と上部体８の各先端部１ａと８
ａによって形成された開口９ａの手前に配設されている
オサ１５が、矢印Ｘで示す方向に移動されてタテ糸ａ、
ａの織口を打つと、織目がＸ方向に移動されタテ糸ａ、
ａの張力を増加させるとともに織物すの張力を低下させ
るため、織物すはクロスビーム１６に巻取られる。

オサ１５が矢印Ｘと逆方向に動いて後退すると、それに
したがって織目は正常の位置に復帰するので、このとき
はタテ糸ａｔ ａの張力は低下するが、織物すの張力は
増大する。

上記製織中、織物すは開口９ａを形成している下部体１
と上部体８の各折り曲げ先端部に強く押し付けられるが
、この考案のバーテンプルによれば、従来の下部体や上
部体が引き抜きや切削により製作される場合に比べて、
折り曲げ先端部の厚さ寸法を均一に形成することができ
るとともにそのアール部分をも円滑に仕上げることがで
きるため、織物すの幅全体を下部体１と上部体８によっ
て張力が急激に増加しないように抑制することができる
。

このため、織物すを介してタテ糸ａ、 ａの張力を減
少し、タテ糸切れを少なくすることができるとともに、
織物すの張力が強いときにできやすいテンプル傷または
テンプル裂けと耳の波打ちを防止することができる。

その上、下部体１と上部体８は、いずれも折り曲げプレ
ス加工の成形によって容易に大量生産することができる
ため、従来のように所定形状に引き抜き後、機械加工に
よって仕上げ精度をだしさらに耐摩耗性口金を嵌着して
いた製作方法の場合に比べて、製作に要する費用を１ａ
程度と著しく割安にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の組立状態を示す断面側面
図、第２図はバーテンプルの下部体の一部省略平面図、
第３図は上部体と下部体補強板との結合状態を示す一部
省略平面図、第４図は第３図ＩＶ−ＩＶ断面側面図、第
５図は第３図■−■断面側面図である。 １・・・・・・下部体、１ａ・・・・・・先端部、２・
・・・・・ブラケット、３・・・・・・スピンドル、８
・・・・・・上部体、８ａ・・・・・・先端部、９・・
・・・・空間部、９ａ・・・・・・開口、１０・・・・
・・上部体補強板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐蝕性金属板の二枚重ねの折曲げ端部が織機側ブラケッ
   トの上面に取付けられる後部平面より若干下方に位置さ
   れ、かつ上記後部の幅方向に設けた複数個のサラ孔とサ
   ラビスにより前記ブラケットの上面に取付けられ、耐蝕
   性金属板の二枚重ねの折曲げ端部が上方に凸な断面半円
   弧状に、また後端部が上方に巻かれた円弧に形成された
   上部体の上面の幅方向に伸びる上部体補強板を重ね、上
   部体と上部体補強板とを複数個のサラ孔およびサラビス
   により結合すると共に、下部体および上部体に配設され
   た長孔を通る段付ボルトにより上部体補強板、上部体、
   下部体を前記ブラケットに固定すべくした織機のバーテ
   ンプル。