JPS60220068A - 生体被覆膜 - Google Patents

生体被覆膜

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JPS60220068A
JPS60220068A JP59075073A JP7507384A JPS60220068A JP S60220068 A JPS60220068 A JP S60220068A JP 59075073 A JP59075073 A JP 59075073A JP 7507384 A JP7507384 A JP 7507384A JP S60220068 A JPS60220068 A JP S60220068A
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water
membrane
graft copolymer
layer
biological coating
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岩田 光夫
晃 高橋
梅本 照子
重郎 青柳
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ■2発明の背景 技術分野 本発明は新規な生体被覆膜に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は水溶性重合体と可溶化ケラチ
ンとのグラフト共重合体膜からなる生体被覆膜に関する
ものである。
皮膚が創傷、火傷などにより損傷を受けたときには、他
の部位から自己の皮膚を採取してこれを移植して治療す
るのが理想的である。しかしながら採取できる部位、量
には限りがあるので患部が大きいときには通常人工被覆
膜が使用される。本発明の被覆膜はこのように損傷した
皮膚の保護・治療に使用される。
先行技術 上記の目的のための生体被覆膜としては、従来、凍結乾
燥豚皮、ナイロンシート、シリコーン製カーゼ、シリコ
ーンゴム膜、血漿を固めてつくった膜、フィシリン膜、
油加工したガーゼ等が使用されていた。しかし、これら
は患部とのなじみ、水蒸気透過性、細菌感染に対する防
止能力などの点で種々の問題があった。また最近では、
コラーゲンを使用した被覆膜が提案されている(米国特
許第4280954号)。コラーゲン製の被覆膜は生体
適合性の点で優れた性質を有している。しかしながら、
コラーゲンは抗原性を有し、また水に溶解しない。抗原
性を消失させる処理を施したものにはアテロコラーゲン
があるがこれは膜の調整が容易でないという欠点を有す
る。即ち、アテロコラーゲンは高濃度の水溶液をつくる
ことができず、P)(3付近でないと水に溶解しないの
で後で中和操作を必要とする。また高粘性のため取シ扱
いにくく、不溶化させる場合には、その架橋反応のコン
トロールも容易でない。また皮膚′\の密着性も良くな
いとともに高価である。
■9発明の目的 そこで本発明の目的は、水蒸気透過性(透湿性)、皮膚
へのなじみや密着性、細菌感染に対する防止効果等が優
れ、安価でかつ製膜が容易である生体被覆膜を提供する
ことにある。さらに本発明の目的は、生体への吸収性に
優れ、かつ抗原性のない生体被覆膜を提供することにあ
る。上記目的を達成する本発明の生体被覆膜は、分子量
500以上の水溶性重合体と可溶化ケラチンとのグラフ
ト共重合体膜からなる。さらに、本発明の生体被覆膜は
、上記グラフト共重合体膜とその上に形成された生体適
合性支持膜層とからなる。また、本発明の生体被覆膜は
、上記グラフト共重合体膜層と、その上に形成された生
体親和性支持膜層と、該支持膜層の上または該支持膜層
と上記グラフト共重合体層との間に形成された水分透過
調節層とからなる。
さらに、本発明の生体被覆膜は前記グラフト共重合体膜
が、厚さ5〜1000μm、透湿度01〜200 wQ
/art2・hrおよび吸水性0.1〜150 f/、
2を有する。さらに本発明の生体被覆膜は上記水溶性重
合体がポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコール、水溶性セルロース誘導体およびアル
ギン酸からなる群から選択された重合体である。
さらに本発明の生体被覆膜は、上記支持膜層がナイロン
、Iリグロビレン、ポリエチレン、ポリエステル、ウレ
タン、SBS、、If!Jm化ビニル化上ニルース、ア
クリル、天然また祉合成ゴム、熱可塑性ニジストマーか
ら選択された重合体で形成されている。
さらに本発明の生体被覆膜は上記水分透過調節層が天然
ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性エラストマー好ましくは
シリコーンゴム、ウレタンゴム、SBSまたはEPDM
で形成されている。
■9発明の詳細な説明 本発明の生体被覆膜は、先ず、分子量500以上の水溶
性重合体と可溶化ケラチンとのグラフト共重合体膜から
なる。
上記可溶化ケラチンはそれ自体公知の方法、例えはオ・
トンネル(0’Donell )等の還元法(1,J。
0’Donell at al Auat−J、 Bi
ol、 Se1.第17巻、973頁、1964)に従
って調製される。即ち、羊毛を尿素液に加え、メルカゾ
トエタノール次いでヨード酢酸で処理し、濾過後透析し
、遠心分離処理することによって得られる。あるいは、
羊毛を過ギ酸で処理する酸化法(S、 Moore+ 
Journal of BiologiChemigt
ry+第238巻、235頁、1963年)によって可
溶化することもできる。
また上記水溶性重合体の好適な例としては、ポリエチレ
ングリコール、ポリクロビレンクリコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、水溶性セルロース誘導体およびアルギン酸等があげ
られる。「これらの重合体は分子量が500以上である
ことが必要であり、分子量2000〜1.0000の重
合体が好ましい。
分子量が500よシ小さい水溶性重合体をケラチンとグ
ラフト重合させたものは、抗原性を保持している。
本発明のグラフト共重合体はそれ自体公知の方法によっ
て調製される。例えば、水溶性重合体がポリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、水溶性セルロース誘導体、
アルギン酸等である場合には、これらの水溶性重合体を
カップリン。
グ剤例えば塩化シアヌールと反応させ、次いで反応生成
物を可溶化ケラチンとカッシリングすることによってグ
ラフト共重合体を得る。また水溶性重合体がポリビニル
アルコール、アルギン酸、水溶性セルロース誘導体等で
ちる場合には、放射線の照射下で該水溶性重合体を可溶
化ケラチンとグラフト共重合させることができる。さら
に、アクリルアミド、アクリル酸、ビニルピロリドン等
の単量体を可溶化ケラチンと反応させて上記グラフト共
重合体を得ることもできる。
かくして得られる水溶性重合体と可溶化ケラチンとのグ
ラフト共重合体は水溶性であるのでこれを架橋し、水不
溶性にして被覆膜を製する。水不溶性のグラフト共重合
体は以下に示す種々の方法によって製造することができ
る。
(1)水溶性グラフト共重合体を水又は水とアルコール
の混合液に溶解し、該溶液を皿に入れて乾燥し、得られ
た膜をグルタルアルデヒド溶液やホルムアルデヒド溶液
等のアルデヒド溶液、特にグルタルアルデヒド溶液に浸
漬して不溶化する。
水溶性グラフト共重合体は、水に約10%まで溶解可能
であるが、5%濃度に溶解し、皿に入れて乾燥するのが
望ましい。生成した膜は25%程度のグルタルアルデヒ
ド溶液に2時間以上浸漬した後水洗し、乾燥する。乾燥
は風乾でもよいし凍結乾燥でもよい。
水としては簡便には蒸留水を使用できるが、さらに高濃
度グラフト共重合体溶液を作製したい場合、声を酸性若
しくはアルカリ性側に調整することによって溶解性を上
げることが出来る。例えばカルビキシメチルケラチング
ラフト共重合体の場合pHl〜2もしくはpH8〜9で
溶解性が大変高くなる。
(2)水溶性グラフト共重合体の溶液にアルデヒド溶液
、特にグルタルアルデヒド溶液を加え、該混合液を皿に
入れて乾燥する。グルタルアルデヒドは約0.5%濃度
となるように加えるのが望ましい。
(3)水溶性グラフト共重合体の溶液を皿に入れて乾燥
し、得られた膜を水蒸気中でゆっくりと15〜5倍(好
ましくは25〜4倍)に延伸し、その状態に30分間以
上、好ましくは3時間以上保持する。
(4)水溶性グラフト共重合体の溶液を皿に入れて乾燥
し、得られた膜を脱酸素下で4 Mrad以上(好まし
くは6〜’10Mrad)のγ線を照射するかまたは窒
素雰囲気下で紫外線を照射する。
(5)水溶性グラフト共重合体水溶液をカルビン酸、特
にギ酸、トリノ・口酢酸(例えばトリクロロ酢酸、トリ
ブロモ酢酸)またはツノ・口酢酸(例えばソクロロ酢酸
、ノブロモ酢酸)に約5%の割合で溶解し、該溶液を皿
に入れ乾燥する。他のカルボン酸も使用可能であるが、
上記カルビン酸は溶解度が高く、特に好ましい。
(6) ケラチン分子の架橋部分を切断して得た可溶化
ケラチンを再び架橋させて不溶化する。即ち、羊毛ヲト
リーn−ブチルフォスフインによって還元し、この羊毛
にギ酸を加え、超音波処理する。
遠心分離後上澄液を製膜することによって被覆膜が得ら
れる。又はO’Donellの方法に従い、羊毛を還元
し、この可溶部をPH5に調整し、透析したキャスト製
膜することによっても得られる。
(7)水溶性グラフト共重合体を水又は水とアルコール
の混合液に溶解し、該溶液を乾燥し、得られた膜を45
℃以上の温水で処理することによって得られる。
(8)水溶性グラフト共重合体を水又は水とアルコール
の混合液に溶解し、該溶液を加熱脱水することによって
得られる。加熱脱水処理は、45℃以上の温度で行なう
のが望ましい。
上記の不溶化処理において架橋度変化させることにより
グラフト共重合体膜の不溶化度や生体吸収度を調節する
ことができる。
かくして得られるグラフト共重合体の被覆は厚さ5〜1
000μm1透湿度0.1〜200 mQ/> ・hr
および吸水性01〜150 f/cIn2を有するのが
望ましい。
グラフト共重合体膜の上記の厚さは一定以上の強度と被
覆効果を維持するために必要である。透湿度は創面の組
織破壊を防止するために必要であり、密着単位面積の膜
を通して単位時間に蒸発する水蒸気の量によって表わさ
れる吸水性は、浸出した余分の体液を吸収して除くため
に必要であり、膜の単位面積当りの吸水量で表わされる
グラフト共重合体膜が有すべき前記の物理的性状の数値
は必ずしも臨界的ではないが、被覆膜としての機能を果
すためには上記の数値の範囲内にあることが必要であり
、その範囲内でそれが使用される状況に応じて適宜選択
される。例えば火傷の初期においては体液の浸出が盛ん
であるので吸水性および透湿性の大きいグラフト共重合
体膜を使用して、水分、熱を蒸散させる。
上記グラフト共重合体膜は、それ自体で被覆膜とするこ
とができるが、長期にわたり創傷を保護することを要請
される場合には、上記グラフト共重合体膜の上に生体適
合性支持膜層を形成して、膜を強化することが望ましい
。生体適合性支持膜層は生体に対し毒性を示したり炎症
を起こさせるものでなければよく、長期に亘り使用した
場合に体液を吸水してダル化した被覆膜を支持するもの
である。このような支持膜層の材質としては、ナイロン
、ポリゾロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ウレ
タン、SBS、ポリ塩化ビニル、セルロース、アクリル
、各種ゴム、熱可塑性ニジストマーが適当であり、これ
らはメツシュ、不織布、織布、ベロア−スポンジ膜など
生体組織が入りこめる形態の膜であることが望ましい。
グラフト共重合体の上に上記支持膜層を形成させるには
、グラフト共重合体水溶液中に支持膜を浸漬し、乾燥後
グルタルアルデヒドで架橋するか、あるいはグルタルア
ルデヒドをグラフト共重合体水溶液に加えておき、これ
に支持膜を浸漬し、乾燥架橋する。支持膜がぬれにくい
場合にはゾラズマ処理を施して親水化する。さらに本発
明においては、上記生体適合性支持膜層の上、または該
支持膜層と前記グラフト共重合体膜層との間に水分透過
調節層を形成することも望ましい。上記水分透過調節層
の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、SB
SXEPDM等が好ましい。この水分透過調節層は、被
覆膜全体の透湿度が01〜100mQ/ca ・hrと
なるように形成される。
次に本発明の被覆膜の製造例を示す。
製造例 ■ 可溶化ケラチンの調製 (その1) 羊毛(Wool Top ) 1.79に塩酸でPH7
,4に調整した8M尿素液95−を加え、この混合物に
トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン0.02Mお
よびエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−
2Na)0.001Mを加え、窒素ガスに置換した後メ
ルカゾトエタノール1 mlを加え、5 NKOHでp
H10,3に調整する。3〜4時間攪拌し、ヨード酢酸
2682を加え5 N KOHでpH8,5に調整する
。−夜攪拌した後ヌッツェを用いて濾過し、ろ液約10
0〜11〇−を5日間透析する。透析残留物を1000
 Orpmで1時間遠心分離し、上澄液を凍結乾燥する
と可溶化ケラチン0.68F(収率40〜60%)が得
られる。
(その2) ギ酸27−に過酸化水素水3−を冷却下で滴下し、次い
で常温で2時間攪拌する。得られた過ギ酸溶液に羊毛1
02を浸漬する。24時間遮光下で放置した後、ガラス
フィルター(G、)を用いて濾過する。残渣をpi−1
11アンモニア$150艷に加え2時間攪拌する。アン
モニアでPH10,3に調整し、24時間攪拌した後1
0.00 Orpmで1時間遠心分離し、上澄液を凍結
乾燥すると可溶化ケラチンが得られる(収率40〜50
%)。
2 グラフト共重合体の調整 ポリエチレングリコール−ケラチングラフト共重合体(
以下PEG−8CMKという)の調整1)シアヌル化ポ
リエチレングリコールの合成塩化シアヌル36.79 
(0,2モル)を無水ベンゼン800ゴに溶解する。こ
の溶液に無水炭酸ナトリウム202およびポリエチレン
グリコール(ユニオンカーバイト社製片末端PEG 、
分子量5000 )100F(0,02モル)を加え、
30℃40時間攪拌する。反応終了後、無水炭酸ナトリ
ウムをろ別し、石油エーテル5にで再沈させる。沈澱物
を分取し、ベンゼン500−に溶解し、石油エーテルを
加えて再沈させる。この操作を液体クロマトグラフィー
で塩化シアヌルが確認されなくなるまでくり返し、反応
生成物は真空乾燥する。
2) PEG−3CMKの合成 羊毛から抽出し、カルビキシルメチル化した可溶化ケラ
チン301を0.1 Mホウ砂溶液(6NKOHでPH
9,6に調整したもの)300ゴに溶解し、5℃に冷却
する。この溶液にシアヌル化ポリエチレングリコール1
0tを30分間かけてゆっくり加え、5℃で6時間攪拌
する。反応液を一晩透析して生成した塩化水素を除去す
る。透析外液としてリン酸2水素カリウム−リン酸水素
2ナトリウム溶i (pH7,1) 、透析膜としてビ
スキングチューブ30/32(ビスキング社製)を用い
る。次いで反応液に硫酸アンモニウムをllr/100
−となるように加えて塩析する。沈澱物を遠心分離(8
500rpmX1.5時間)によシ分取した後−晩透析
し溶解させる。透析外液として水、透析膜として前出の
ものを用いる。未反応のポリエチレングリコールが除去
されたことを確認した後透析内液を凍結乾燥して所望の
生成物(PEG−8CMK )を得る。収率は498%
であった。この生成物の05%溶液について細胞毒性試
験を行なった結果はマイナスであった。
3、生体被覆膜の調整 (1) グラフト共重合体膜からなる生体被覆膜(a法
) 上で得られたPEG−8CMKを蒸留水に溶解し、5チ
水溶液とする。これをテフロン皿に0.16ψ−2にな
るように分注し風乾し、厚さ約50〜60μmのPEG
−8CMK膜を得る。
カくシて得られた膜を25チグルタルアルデヒド液に4
時間浸漬する。十分に水洗して目的とする生体被覆膜を
得る。
(b法) 5 % PEG−8CMK溶液に約05%となるように
グルクルアルデヒド溶液を加え、得られた溶液をテフロ
ン皿に0.16 m17cm2になるように分注し、風
乾する。
(a法) a法と同様にして得られたPEG−SCMK膜を水蒸気
中でゆっくりと4倍に延伸し、その状態で3時間保持す
る。
(d法) 8法と同様にして得られたPEG−8CMK膜に脱酸素
下で6時間r線を照射する。または窒素雰囲気下で4W
の紫外線ラングを用い10CrrLの距離から片面3時
間紫外線を照射する。
(e法) PEG−3CMKをギ酸に溶解し、5%ギ酸溶液とする
。該溶液をテフロン皿に0.16 ml/crnに々る
ように分注し風乾蝙する。
(f法) 0’ Donellの方法に従い、羊毛を還元し、この
可溶部をpH5に調整し、透析した後キャスト製膜する
(g法) PEG−3CMKを蒸留水に溶解し、該水溶液を皿に入
れて風乾する。得られた膜を80℃の温水に15分聞入
れ、ひき上げた後、乾燥する。
(h法) PEG−8CMKを蒸留水に溶解する。これを皿に入れ
て温度80℃下で脱水・乾燥する。
上記(a法)乃至(h法)で得られた被覆膜の物理的性
状を表1に示す。
表 1 被覆膜の物理的性状 測定法 透湿度 力、ゾ法(JIS Z1504 )に基き、試験を行っ
た。
但し、水が常に膜に接しているように、ちょうど膜に接
する厚みを有するスポンジを器に入れ、蒸留水を分注す
る。又、放置条件は温度37℃、湿度45%で行った。
吸水性 蒸留水中に24時間以上放置した膜を取り出し、表面の
水分を除いた後、温度37℃、湿度45チに恒量になる
まで放置し、放置前後の重量差を表面積で割る。
(2) グラフト共重合体膜層と生体適合性支持膜層と
からなる生体被覆膜 PEG−8CMKを蒸留水に溶解し、5%水溶液とする
。これをテフロン皿に0.16 ml/am2になるよ
うに分注する。ナイロンメゾシュ(NBCA330)を
テフロン皿犬に切りこの上に静かにのせ風乾する。
得られた膜を25チグルタルアルデヒド液に4時間浸漬
する。十分に水洗する。
(3) グラフト共重合体膜層と、生体適合性支持膜層
と水分透過調節層とからガる生体被覆膜グラフト共重合
体膜は前述(2)と同様な操作で作製する。十分な水洗
後乾燥する(風乾)。
水分透過調節層としては、いわゆるシリコンゴム膜(ジ
メチルポリシロキサン)であればどの様なものでも良い
。ここでは東芝シリコン製YE3085を用い、薄膜を
作製する。(10〜300μm厚でOJ)ここでは10
0μ。
支持膜層はナイロンメツシュ(NBCA330 ) を
用いた。支持膜層はグラフト共重合体膜と予じめ結合さ
せても良いが、シリコンゴム層に先に結合させても良い
。ここでは後者。グラフト共重合体膜にシリコンシーリ
ング材(ダウ891)を薄く塗布し、直ちに、ナイロン
メゾシュ入り7リコンゴム膜を密着、貼り付は荷重をか
け放置。(1夜)実用上、充分な接合強度をもった複合
膜ができる。
■1発明の作用効果 本発明の生体被覆膜は、分子量500以上の水溶性重合
体と可溶化ケラチンとのグラフト共重合体膜からなり、
生体の異物反応がなく皮膚へのなじみや密着性に優れて
いる。本発明で使用するグラフト共重合体膜はその調整
方法によシ生体に同化吸収させることができ、一方、傷
口に対する密着性に優れ、細菌が侵入する隙間を生じな
い。また、生体へ吸収された場合、剥がす必要がなく、
剥がす場合でも軟化しているので容易に剥がすことがで
きる。さらに、ガーゼのように形成された肉芽中に入り
込んだりしないので傷をいためることなく剥がすことが
できる。
さらに本発明の生体被覆膜は、蛋白質を原料としている
にもかかわらず、抗原性を有しないという特長を有し、
従って創傷面にくり返して適用することができる。
さらに本発明の生体被覆膜は、グラフト共重合体膜が厚
さ5〜1000μm1透湿度0.1〜200rn9/c
rrL2・hrおよび吸水性01〜150秒賞 を有し
、これらの物理的性状は、傷の状態、部位等により、本
発明の範囲内で適宜合目的的に選択される。例えば、火
傷の初期段階では体液の分路が盛んでおるので吸水性、
透湿性の高い被覆膜が選択される。
また、傷が乾いた段階では保水性の高いものが選択され
、これに溶液状の薬剤を含浸させて治癒効果を促進させ
ることができる。この場合も適度の透湿性をもたせるこ
とにより創面の組織破壊を防止することができる。
また、本発明の生体被覆膜は、細菌の透過を許さないの
で、傷を無菌状態に保持することができ、治療上極めて
有用である。
さらに本発明の生体被覆膜は、分子量500以上の水溶
性重合体と可溶性ケラチンとのグラフト共重合体膜層と
その上に形成された生体適合性支持膜層とからなり、膜
の物理強度が補強されている。
さらに本発明の生体被覆膜は、分子量500以上の水溶
性重合体と可溶化ケラチンとのグラフト共重合体膜層と
、該グラフト共重合体膜層の上に形成された生体適合性
支持膜層と、該支持膜層の上または該支持膜層と前記グ
ラフト共重合体膜層との間に形成された水分透過調節層
とからなり、創傷の状態、使用期間等に応じて透過性を
適宜調節することができる。
次に試験例を示して、上述した本発明の作用効果を具体
的に説明する。
l)抗原性試験 シュルツデール試験法により本発明のグラフト共重合体
の抗原性を試験した。即ちモルモット(雄性200〜2
502)に0.5 W/V %試験液2nd、を1日お
きに3回投与し、感作を成立させる。1ケ月後、モルモ
ットの回腸約7crnを取りただちに02を通気したリ
ンゲルロック液に入れ注射器で内部を洗浄する。その3
Crnを切り取り手術用絹糸で結ぶ。これをリング9ル
浴内に入れて、わずかに力がかかる状態に両端をひっば
る。片端は収縮が記録できるように記録計にとりつける
。試料を、リンゲル浴内濃度がI X 10 it’/
rntとなるように加えて、回腸の収縮を記録する。
回腸が収縮した場合を抗原抗体反応有り(−+)、収縮
しなかった場合を抗原抗体反応無しく→とする。
結果を表2に示す。
表 2 A:可溶化ケラチン B、ポリエチレンクリコール(Mn=2000 )−ケ
ラチングラフト共重合体 C:ポリエチレンクリコール(Mn==5000)−ケ
ラチングラフト共重合体 D:ポリヒニルビロリドy (Mn =40,000)
−ケラチングラフト共重合体 E:ポリヒニルピロリドン(Mn =9.000 )−
ケラチングラフト共重合体 F:ポリハイドpキンエチルメタアクリレー) (Mn
 =5,000 )−ケラチングラフト共重合体 G:ポリアクリルアミド(Mn=3,000 )−ケラ
チングラフト共重合体 H:ポリエチレングリコール(Mn=300)−ケラチ
ングラフト共重合体 表2から、可溶化ケラチン(6)およびポリエチレング
リコール(Mn=300)−ケラチングラフト共重合体
(81は抗原性を示し、他の水溶性重合物−ケラチング
ラフト共重合物娘抗原性を示さないことが明らかである
メスのモルモット(約200f )の背部皮下に皮膚ポ
ケットを作る。ICIrL×1cInの試料を埋植した
後、かすがいで皮膚を合わせる。
一定期間経過後、モルモットの皮膚を切断剥離し、試料
の状態を観察する。結果を表3に示す。
表 3 (1) 吸収度 1 試料に変化なし 2 強度が少し落ちているが形状変化なし3173〜1
/2吸収されている。または完全に弱化 4 わずかに残存。
5、 試料が全く残っていない。
(2)異物反応 −全く反応なし ± 軽微な異物反応 十 激しい異物反応 (3) 肉芽形成 1、全くなし 2、 わずかに肉芽形成 3 試料全面にわたり肉芽形成 4、試料全面にわたり厚い肉芽形成 衣3から、本発明の生体被覆膜は、皮下に埋植した場合
、対照と同様に異物反応を全く示さないことが明らかで
ある。生体内への吸収度は製法によっても異なるが対照
と同等またはそれ以上である。尚、「吸収」とは、数週
間以上、生体内に埋没あるいは傷口等に密着維持された
時、膜として機能しなくなることを意味する。例えば強
度が極度に低下したり一部融解したりする事をいう。肉
芽形成は、異物が埋植されたときに生体が示す反応の一
つであり、埋植後盛んに形成され、異物が同化吸収され
るとともに消失する。肉芽が残存すると、傷跡が残るこ
とになるので、できるだけ消失するのが望ましいが、表
2は、本発明の被覆膜はこの点からも優れていることを
示している。尚、表に示さない範囲外の厚さ5〜100
0μIn 、透湿度01〜20011v/crrL2・
hr1吸水性0.1〜l 50 t/an2 について
も同様な結果が得られた。
寒 天 1502 塩化ナトリウム 502 大豆粉末の・ぐパイン分解物 5.02カゼインのノ5
ンクレアチン分解 150v上記の成分からなるTSA
培地の上に表3に示した被覆膜試料をのせ、10個/艷
のセラチアマルセッセンス(5erratia mar
cescens ) 恩濁液を1m1分注した。3時間
後、菌液を膜ごと取り去り、培地を31℃で培養した。
24時間後、菌の生育を観察した結果、いずれの膜を使
用した場合も菌の生育は全くみられなかった0 4)密着性試験 ラットの背部の皮膚を2×2工の大きさで全層除去する
。これを十分覆う大きさの試料をのせ、ガーゼでおさえ
た上、テープで生体に固定する。
72時間後、この試料の密着している力を測定する。測
定方法は、一定の速度で(20cm/min )試料の
片端を垂直方向に引張り、その時の応力を測定する。
結果を表4に示す。
表 4 表4からグラフト共重合体膜層とその上に形成された生
体適合性支持膜層とからなる本発明の生体被覆膜が皮膚
への適度な密着性を有し、人工被覆膜として優れている
ことがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)分子量500以上の水溶性重合体と可溶化ケラチ
    ンとのグラフト共重合体膜からなる生体被覆膜。 (2)前記水溶性重合体がポリエチレングリコール、ポ
    リプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
    アクリルアミド、ポリビニルアルコール、水溶性セルロ
    ース誘導体およびアルギン酸から選択された重合体であ
    る特許請求の範囲第1項記載の生体被覆膜。 (3)前記グラフト共重合体膜が厚さ5〜1000μm
    1透湿度0.1〜20011Q/、2・brおよび吸水
    性0.1〜150む−2を有する膜である特許請求の範
    囲第1項記載の生体被覆膜。 (4)分子量500以上の水溶性重合体と可溶化ケラチ
    ンとのグラフト共重合体膜層と該グラフト共重合体膜層
    の上に形成された生体適合性支持膜層とからなる生体被
    覆膜。 (5)前記水溶性重合体がポリエチレングリコール、ポ
    リプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
    アクリルアミド、ポリビニルアルコール、水溶性セルロ
    ース誘導体およびアルギン酸からなる群から選択された
    重合体である特許請求の範囲第4項記載の生体被覆膜。 (6)前記支持膜層がナイロン、ポリゾロピレン、ポリ
    エチレン、Iリエステル、ウレタン、SBS、ポリ塩化
    ビニル、セルロース、アクリル、天然または合成ゴム、
    熱可塑性エラストマーから選択された重合体である特許
    請求の範囲第4項記載の生体被覆膜。 (7〕 分子量500以上の水溶性重合体と可溶化ケラ
    チンとのグラフト共重合体膜層と、該グラフト共重合体
    膜層の上に形成された生体適合性支持膜層と、該支持膜
    層の上または該支持膜層と前記グラフト共重合体膜層と
    の間に形成された水分透過調節層とからなる生体被覆膜
    。 (8) 前記水溶性重合体がポリエチレングリコール、
    ぼりプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポ
    リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、水溶性セル
    ロース誘導体およびアルギン酸からなる群から選択され
    た重合体である特許請求の範囲第7項記載の生体被覆膜
    。 (9) 前記支持膜層がナイロン、ポリプロピレン、ポ
    リエチレン、ポリエステル、ウレタン、S”1’t”’
    [化ビニル、セルロース、アクリル、天然または合成ゴ
    ム、熱可塑性エラストマーから選択された重合体で形成
    されている特許請求の範囲第7項記載の生体被覆膜。 C1O前記水分透過調節層が天然ゴム、合成ゴムまたは
    熱可塑性エラストマーで形成されている特許請求の範囲
    第7項記載の生体被覆膜。 αや 前記水分透過調節層がノリコーンゴム、ウレタン
    ゴム、SBSまたはEPDMで形成されている特許請求
    の範囲第10項記載の生体被覆膜。
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