JPS6021832Y2 - タイマ−に於ける輸列切換機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はアラーム機構を有するゼンマイ止タイマーに
関するものである。

このゼンマイ式タイマーは簡易タイマーと呼ばれ、安価
でしかもある程度時計機能としての精度も要求されてい
た、しかし、時計の精度に近い機能を持つには機構的に
ある一定数の時計機構としての部品点数が必要とされて
しまう。

そこで、部品点数を削減する為に合成樹脂にて部品を一
体化する方法も種々知られているが、精度的には満足す
べき機能は望めなかった。

そこで、本考案では従来の簡易タイマーの部品点数を削
減腰なおかつ精度としである一定の水準を保ち、市場の
要求に答える様な安価なタイマーを提供するものである
。

以上の様な欠点に鑑み本考案の一実施例に付いて図面を
参照しながら以下説明して行く。

ゼンマイ軸１にはタイマー駆動用とアラーム機構を作動
させる為の兼用ゼンマイ２が取付けられ、同軸に香箱歯
車３がスリップする為のスリップ機構４を取付け、さら
にゼンマイ軸１の両端を上板５と下板６より突出させ、
上板５側には時間設定用の指針を有するつまみ（図示せ
ず）を取付け、下板６側にはアラーム機構の鳴りカム７
が取付けられている。

香箱歯車３は二番車８の二番カナ９と噛合い、二番車８
の二番歯車１０は三番車１１の三番カナ１２と噛合って
いる。

三番車１１の上段にはアラームガンギ歯車１３そして下
段には三番歯車１４が取付けられ、三番車１１の両端を
受ける一方の上板は先端の柄を受ける単なる軸受穴であ
るが、反対側の下板は三番車１１を傾ける為の長穴の軸
受１５と戊っている。

タイマーが作動している状態の輪列では三番歯車１４が
脱進機のガンギ車１６のガンギカナ１７と噛合わされて
いる、そしてガンギ歯車１８によってアンクル１９のア
ンクルピン２０を作動し、ヒゲゼンマイ２１、テン輪２
２、振りピン２３より成る調速機を作動させる。

上記構造は概略の一般的に知られているタイマーの構造
を示したに過ぎないが、以下本考案の特徴となるべき構
造をさらに説明する。

本考案はタイマー作動用とアラーム機構を作動する為に
一個のゼンマイ２のみしか使用せず、タイマー作動とア
ラーム機構を兼しているので、夕イマーのセット時間が
経過するとアラーム機構が作動しハンマーレバー２４の
打ち玉２５が鳴り体２６をたたき時間を報らせるが、そ
の時三番車１１全体を傾けてタイマー作動時の輪列状態
からアラーム機構を作動させる為の輪列に切換えるので
、ゼンマイは一個で兼用出来る。

タイマーの時間セットを行うにはゼンマイ軸１をつまみ
にて回転させ、任意の時間に指針を合せると鳴りカム７
も連動し回転する、この状態は第１図に示されている。

又、鳴りカム７の外周を倣うカムレバー２７を取付け、
バネ２８にて常時鳴りカム７の外周にカムレバー２７の
突起部２９を圧接する様にして設け、タイマーのセット
時間が終了するとつまみ指針がＯに戒り、同時に鳴りカ
ム７の凹部３０にカムレバー２７の突起部２９が陥り、
カムレバー２７の先端３３が三番車１１の上板５側に突
出した柄を押して三番車１１を傾ける。

この状態を示した図が第３図に示されていて、想像線で
書かれた三番車１１がタイマーの作動時を示している。

上記状態に戒ると、アラーム機構が始動するが、この時
三番車１１の三番歯車１４とガンギ車１６のガンギカナ
１７との噛合いは三番車１１の柄がカムレバー２７によ
って押されて長大の軸受１５に沿って移動し三番車１１
が傾くので噛合いが外れる、しかし三番車１１は傾斜し
た状態でアラームガンギ歯車１３とノ＼ンマーレバー２
４の噛合い部３１との噛合いが保たれているので兼用ゼ
ンマイ２のほぐれる力が直接二番車８より伝達され三番
カナ１２と二番歯車１０との噛合いは外されていないの
で三番車１１を作動シ、ハンマーレバー２４の打ち玉２
５によって鳴り体２６を打ち鳴らしタイマーの時間を報
らせる。

アラーム機構の停止は鳴りカム７の凹部３０部分がアラ
ーム時間に設定されているので、アラーム機構が始動し
ても鳴りカム７は停止する事なく回転を続け、カムレバ
ー２７の突起部２９が鳴りカム７のストッパ一部３２に
当る迄回転は停止せず、ストッパ一部３２と突起部２９
が係合した状態にてアラーム機構の作動が停止しタイマ
ーの一サイクルが終了する。

タイマーを再度セットするにはゼンマイ軸１を回し、時
間セットするとカムレバー２７の突起部２９は鳴りカム
７の凹部３０を通過するので、カムレバー２７の先端３
３にて三番車１１の軸を押し付けて三番車１１を傾けて
いた状態が解かれるので三番車１１は起立してタイマー
作動の輪列に切換わる。

本考案を実施するに際し三番車１１を起立・傾斜させて
輪列の切換えを行っているか、三番車に特に限定しなく
ても良い。

以上の様に本考案は三番車１１を起立・傾斜させてタイ
マー作動の輪列とアラーム機構の作動輪列に切換える事
により従来アラーム機構として別個に持ったゼンマイや
その他アラーム機構を作動させる為の伝達歯車部品が不
用になり、部品点数を削減させ簡易タイマーとしての安
価なコストを追求する上で貢献出来、精度上の問題も十
分満足する機能を具備する事が出来るので、従来にない
簡単なる構造のタイマーを提供する事が出来る等実用効
果上天なる考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のタイマー構造を示す平面図でタイマー
の時間セットをした状態である、第２図は本考案−実施
例図の側断面図、第３図は本考案の要部を示す側断面図
でアラーム機構が作動している状態を示している。 １・・・・・・ゼンマイ軸、２・・・・・・ゼンマイ、
５・・・・・・上板、６・・・・・・下板、７・・・・
・・鳴りカム、８・・・・・・二番車、１１・・・・・
・三番車、１３・・・・・・アラームガンギ歯車、１５
・・・・・・長穴の軸受、１６・・・・・・ガンギ車、
２４・・・・・・ハンマーレバー、２７・・・・・・カ
ムレバー、２９・・・・・・突起部、３０・・・・・・
凹部、３１・・・・・・噛合い部、３２・・・・・・ス
トッパ一部、３３・・・・・・先端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アラーム付きタイマーに於いて、タイマー輪列中のアラ
   ームガンギ歯車を有する一つの車を起立した状態では通
   常のタイマー作動輪列とし、タイマーセット時間経過後
   はアラームガンギ歯車を有する車を傾斜移動する様に威
   し、タイマー作動輪列より故事を外しアラーム機構の輪
   列に切換える構造にてアラーム機構を作動させ、一個の
   ゼンマイによるタイマー作動とアラーム機構の作動とを
   兼用する様にした特徴としたタイマーに於ける輪列切換
   機構。