JPS602048Y2 - 車両のトランク構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両のトランク構造、特に下見切りトランクの
改良に関するものである。

更に詳細には、トランク空間を開閉する如く車体側に前
端をアームを介して取り付けた上側外板に折曲垂下片を
形成し、これと別体に成形し、後端部に設けられた折曲
垂下片を前記上側外板の折曲垂下片と接合する縦外板と
からなり、下見切トランクの製作の容易化、トランク外
板の成形の容易化、確実化、軽量化等を企図し得る如く
した車両のトランク構造に関する。

トランク上側外板の後端下方に縦端部を垂下した所謂下
見切り式のトランクリッドは側断面が略くの字型となり
、従来のトランクリッドは上側外板と縦板とを一枚の鋼
板からプレス成形していた。

そして縦板にはナンバープレート、ライトの取付部等は
絞り成形で形成され、ために一枚の板材から各部を成形
することは仲々難かしく、又直角度、絞り部等の精度も
得られ難く、外観性や法規制の点でも最良のものは得ら
れ難い。

そして以上の成形の困難性等によりコストも高くなる。

本考案者は下見切りトランクのトランクリッド外板部成
形における以上の問題点を解決すべく本考案をなしたも
ので、その目的とする処は、上側外板と縦板とを別体に
成形七で接合する如くし、成形、製作の容易化、コスト
ダウン、精度の向上、外観性の向上、更には法規性の適
合等を企図し得る車両のトランク構造を提供するにある
。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図はトランクを開いた状態の車両後部の斜視図を、
第２図はトランクリッドをなす外板の斜視図を、第３図
はトランク閉塞状態の要部縦断面図を示している。

車両１の後部にはトランク２が形成され、トランク２は
車体３の後部側面４，４及びフロアパネル５の後部と、
車内室の区画板との間に形成される。

トランク２を形成した車体後部の幅方向内側に所定長さ
対称的に入り込んだ部分６，６にはテイルライト、ブレ
ーキライト、ウィンカ−ライト、リバースライト等のラ
イトユニット７．７が付設され、この部分６，６間の間
は下方に凹部８が形成され、凹部８は部分６，６上、更
にはトランク２の左右に繋がって上方に開放され、後端
下部でライトユニット７．７及び凹部８の下部には幅方
向にリャバンパ９が付設されている。

以上のトランク２の開口２ａを閉じるトランクリッド１
０が設けられ、トランクリッド１０は外板１１と内板１
６とからなる。

外板１１は上側外板１２ど縦外板１３とからなり、上側
外板１２は開口２ａの上側を閉じる如き形状に鋼板素材
のプレス成形により得られ、略々フラットで、後端部に
は下方に折曲垂下部１２ａを備え、この下端部の一部で
幅方向全部に亘り垂下片１２ｂを備え、これらは全一体
的に成形される。

縦外板１３は既述の凹部８の幅及び高さに適合する如く
鋼板素材のプレス成形品で形成され、これの上端部には
後下方に折曲垂下された片１３ａが形成され、幅方向及
び高さ方向の中間部にはナンバープレート取付用凹部１
３ｂが絞り成形等により形成され、又凹部１３ｂの略々
水平な前後方向の横部１３ｃにはナンバープレート照射
用ランプユニット１４が取り付けられる孔１３ｄが設け
られ、ランプユニット１４は第３図で示される如く孔１
３ｄに嵌装されたレンズ１４ｂ１ランプ１４ａ１ハウジ
ング１４ｃ等からなる。

以上の上側外板１２の垂下片１２ｂの中央部と縦外板１
３の垂下片１３ａとを溶接、ろう付等で接合一体化し、
この場合上側外板１２の垂下片１２ｂを外側にする。

この接合された垂下片１３ａの部分を含んで上側外板１
２の下端及び外面にはモール１５を貼設等し、モール１
５は合成樹脂、或は装飾性に優れた金属等を用い、この
モール１５の外表面を上側外板１２後端部の垂下部１２
ａと面一とするため垂下片１２ｂを一段前方にもぐらせ
るべく段部１２ｃを成形した。

以上の外板１２．１３の内面にはこれに沿う如く内板１
６を配設し、内板１６は前後端部１６ａ、１６ｂを外板
１２の前端部及び縦外板１３の下端部の折り返し部１２
ｄ、１３ｅで挟着等する。

かかるトランクリッド１０の前部は左右のアーム１７．
１７を介して車体側に取り付けられ、トランク２を開閉
する。

本考案は以上の如くであるから、先ず下見切りタイプの
トランクリッドの外板が上側と縦と二分割されて成形さ
れ、従って個々の成形が容易であり、特にくの字型に成
形を行わないためコーナ一部や縦部の絞り成形が個々に
行え、精度良好で法規制に適うものが容易に得られ、ト
ランクリッドを製作する上で好ましく、且つ安価なもの
が得られる。

特に絞り成形を伴うナンバープレート部やライトユニッ
ト取付部の成形も確実に、精度良好になされ、これによ
り成形の容易化と外観性の向上とを図ることができ、且
つ二部材の接合部もモールを付設することにより隠され
、外観上のアクセントとして車両後面のデザイン性を向
上せしめ得る。

更にさ程の強度、剛性を有しない縦部分を上部分と別個
に成形するためこの部分を薄肉化でき、成形の一層の容
易化と軽量化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はトラン
クを開いた状態の車両後部の斜視図、第２図はトランク
リッドの斜視図、第３図はトランク要部の縦断面図であ
る。 尚図面中１は車両、２はトランク、１２は外板、１３は
縦外板、１２ｂ、１３ａは折曲垂下片、１７はアームで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外板とこれの後端部に垂下した縦板部を備えるトランク
   リッドの前端を車体側にアームを介して取り付け、トラ
   ンク空間を開閉するように下見切り型の車両のトランク
   構造において、前記トランクリッドの外板を上側外板と
   これとは別体の縦板部とで構威し、上側外板の後端部に
   形成された折曲垂下片の内側に縦外板の上部後方に形成
   された折曲垂下片を接合一体化するとともに、縦外板に
   は車体前方に凹部を形成し、上記各外板の内面にはこれ
   に沿う如く内板を配設し、内板の前後端部を上側外板の
   前端部及び縦外板の下端部に結着したことを特徴とする
   下見切り型の車両のトランク構造。