JPS6019972B2 - 搾乳機のミルククロ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パイプラインミルカ−用の搾乳装置において
搾乳真空圧が安定し、かつ低真空の状態を保持すること
により乳牛への悪影響を減少するためのミルククローに
関するものである。

従来のミルククローにおいては、搾乳前、搾乳中及び搾
乳後の乳頭にかかる真空圧は変動し、搾乳前後と搾乳中
との筆圧は約６仇奴Ｈｇであった。

また搾乳中においても搾乳真空圧は微妙に変化し最大圧
力と最小圧力との差は、８０脚Ｈｇ程であった。この場
合に搾乳後の圧力が変化して上昇するため、この状態が
長時間にわたると乳頭傷害が起こり細菌に汚染されやす
くなっていた。また搾乳時における搾乳真空圧が大きく
変動することは、ティートカップ及びミルククロー内の
ミルクが乳競先端までで逆流する原因となり前述同様乳
顕揚害及び細菌汚染の原因となっていた。従って搾乳前
、搾乳中及び搾乳後における蓋圧が生ぜず、さらに搾乳
中における搾乳圧が変化しないような装置が望まれてい
た。そこで、ミルク量の変化に応じて真空圧を調節する
装置（米国特許第４０３３２９５号）が発明されたが、
該装置では、搾乳前後と搾乳時との間の急激な圧力変化
をおさえることができる利点を有するものの従来のもの
に比較して搾乳時における圧力の変動幅が、より大きい
ために、むしろ悪影響を及ぼす懸念があり、かつ、構造
が複雑となり取り扱いに不便であるという欠点があった
。そこで、本発明者は、かかる従釆のミルククローにお
ける欠点に鑑み、これらを鱗消すべくダイヤフラムを介
して隔離されたミルク流入口を有するミルク溜室及び真
空パイプと運通する低真空圧室と、ミルク溜室と中央に
調圧孔を有するプレートによって隔離され、ミルク流出
口を有する高真空圧室とからなり、前記ダイヤフラムに
、ミルク溜室と低真空圧室との差圧が一定レベル以上の
ときに調圧孔を塞ぐ鋼圧棒が接続されていることを基本
構成とするミルククローを発明したものである。

以下添付した図面に従って本発明を詳細に説明する。

第１図において１はミルククローでありゴム等から出来
た調圧用のダイヤフラム２を介してミルク流入口３を有
するミルク溜室４及び図示しない真空パイプに運通する
低真空圧室５に区画されており、さらに中央に調圧孔６
を有するプレート７によってミルク溜室４と高真空圧室
８とに区画されている。高真空圧室８はミルク流出口９
を有しており、該流出口９は、その近傍に設けられた圧
力差で作動する開閉弁１０により開閉されるように構成
されている。ダイヤフラム２には、低真空圧室５とミル
ク溜室４の圧力差が所定のレベル以上になったときに前
記プレート７の鯛圧孔６を塞ぐように調圧棒１１がネジ
１２等の手段により接続されている。また、ミルク溜室
４の壁には、該室４に徴量の空気が流入するようにブリ
ードホール１３が穿孔されている。第２図に示されてい
るミルククローにおいては、第１図における開閉弁２０
の代わりに低真空圧室５の接続口１４と接続されたパイ
プ１５に図示しないミルク検知手段からの信号に応じて
作動する切替弁１６が設けられている。そして、これら
のミルククローは、搾乳に際して以下のように使用され
る。

すなわち第１図に示されるフロート弁付ミルククローの
場合は、第３図に示すように真空ポンプ１７と蔓通され
４００肋Ｈｇ（負圧）に調圧された真空パイプ１８と該
真空パイプ１８にサニタリ÷トラツプ１９及びレリーザ
ー２０を介して連結された４００雌Ｈｇ（負圧）に調圧
されたミルクパイプ２１とからなる二系統を設け、ミル
ク流出口９をミルクチューブ２２を介してミルクパイプ
２１に接続して４０仇廠Ｈｇ（負圧）に保持し、ミルク
流入口３をミルクチューフ２３を介してティートカツプ
２７と接続し、該ティートカツプ２７をパルスチューブ
２６を介して４０仇奴Ｈｇ（負圧）に調圧された真空パ
イプ１８に設けられた調圧装置２４に接続されたパルセ
ータ２５に接続し、接続口１４をエアーチューブ２８を
介して前記２５仇肋Ｈｇ（負圧）に減圧する調圧装置２
４に接続する。また、第２図に示される切替弁２６を有
するミルククローの場合には、前述第３図に図示された
２系統のパイプラインミルカーにおいて、ミルク流出口
９を中途に遅延回路を有するミルク量検知装置２９が設
置されたミルクチューブ２２を介して４０Ｇ舷Ｈｇ（負
圧）に調圧されたミルクパイプ２１と接続し、ミルク流
入口３をミルクチューブ２３を介してティートカツプ２
７と接続し、該ティートカップ２７をパルスチューブ２
６を介して真空パイプ１８に設けられた２５０側Ｈｇ（
負圧）に減圧する調圧装置２４に接続されたパルセータ
２５と接続し、さらに低真空圧室５の接続口１４をパイ
プ１５を介して切替弁１６に接続し、該切替弁１６をエ
アーチューブ２８を介して真空パイプ１８の圧力を２５
０肋Ｈｇ（負圧）に減圧する減圧装置２４と接続する。
尚、切替弁１６は、ミルク量検知装置２９によって弁切
替の制御を受けるように構成されている。第３図のよう
に接続された開閉弁付ミルククローにおいて搾乳前の場
合には、ミルクチューブ２２までは高真空４００肌Ｈｇ
（負圧）になっているが、開閉弁１０が下降しているた
め高真空圧室８及びミルク溜室４は大気圧の状態が保持
されており、低真空圧室５は調圧装置２４を介して真空
パイプ１８と蓮通されてるため低真空２５仇舷Ｈｇ（負
圧）の状態にある。

そして搾乳を開始するときには、開閉弁１０を上方に押
し上げると、高真空圧室８及びミルク溜室４が高真空２
７０肋Ｈｇ（負圧）の状態になり、圧力差により開閉弁
１川ま上方に保持されるのでミルク流入口３及びミルク
チューブ２３を経てティートカツプ２７も高真空２７０
側Ｈｇ（負圧）の状態となる。従って乳頭からミルクが
流出し、該ミルクはミルクチューブ２３、ミルク流入口
３、ミルク溜室４、高真空圧室８、ミルク流出口９、ミ
ルクチューブ２２を経てミルクパイプ２１に至る。そし
て搾乳中にミルクが間けっ的に流れるとミルク溜室４内
の圧力が大きく変動しようとするが、ミルク溜室４内の
真空圧Ｐ４が低真空圧室５内の真空圧Ｐ５よりも所定レ
ベル以上高くなった場合（Ｐ４＞Ｐ５）には、ダイヤフ
ラム２に接続された調圧棒１１が下降し調圧孔６を塞ぐ
ミルク溜室，４内の圧力が高真空３００側Ｈｇ（負圧）
になるのを防ぐ、そして調圧棒１１が調圧孔６を塞いで
いる間ミルク溜室４にブリードホール１３から徴量の空
気が流入し、該室４内の真空圧が下がり低真空圧室５内
の真空圧との圧力差が所定レベル以下（例えば１仇吻Ｈ
ｇ）となる。すると調圧棒１１が上昇し高真空圧室８と
蓮適するようになる為にミルク溜室４内の真空圧は、ミ
ルクの流量に関係なく一定２７仇奴Ｈｇ（負圧）に保た
れかつ変動も最小限（２０〜３仇岬日勤屋）に抑えるこ
とが出釆る。また搾乳中に乳牛がユニットを足で落した
ような場合には、ミルク溜室４及び高真空圧室８の内部
に大量の空気が流れ込む、そのとき高真空圧室８内の真
空圧が減少するために開閉弁１０が自重で下降し、ミル
ク流出口９が閉塞されるので汚物等を吹し、込むのを防
ぐことができる。

さらに搾乳を停止するときには、開閉弁１０を指で引き
下げれば、前述同様ミルク流出口９が閉塞されるためミ
ルク溜室４内の圧力は大気圧１柳Ｈｇ（負圧）となりテ
ィートカップ２７を容易に牛体より引き離すことができ
るようになる。第４図のように接続された切替弁を有す
るミルククローにおいて搾乳前の場合には、切替弁１６
により低真空圧室５内は大気圧０肋Ｈｇ（負圧）の状態
に保持されており、高真空圧室８内は高真空２７仇岬Ｈ
ｇ（負）の状態にあるため調圧棒１１が調圧孔６を塞い
でいる。

そして搾乳を開始するときには、ミルク量検知装置２９
の電源を入れて所定時間ミルクチューブ２２にミルクが
流れていない場合でも功替弁１６を２５仇凧Ｈｇ（負圧
）に減圧する鯛圧装置２４に接続した状態を維持させる
。すると低真空圧室５内の真空圧がミルク溜室４内より
も高くなるので調圧棒１１が上昇しミルク溜室４と高真
空圧室８とが連通されミルク溜室４が高真空２７仇奴Ｈ
ｇ（倉圧）の状態となり、ついでミルク流入口３及びミ
ルクチューブ２３を経てティートカップ２７も高真空２
７仇舵Ｈｇ（負圧）を状態となる。すると乳頭からミル
クが流出し、該ミルクはミルクチューブ２３、ミルク流
入口３、ミルク溜室４、高真空圧室８、ミルク流出口９
及びミルクチューブ２２を経てミルクパイプ２１に至る
。従ってミルクチューブ２２に所定のミルクが流れてい
るので、ミルク量検知装置２９は、所定時間経過後にお
いても切替スイッチ１６を真空パイプ１８に接続した状
態を維持させる。そして搾乳中にミルクが間けつ的に流
入するとミルク溜室４内の真空圧が大きく変動しようと
するが前述の開閉弁付ミルククローの場合と同機に低真
空圧室５内とミルク潔室４内の圧力差により調圧綾１１
が作動してミルクの流量に関係なくミルク溜室４内の真
空圧を一定２７仇奴Ｈｇ（負圧）に保持すると共に変動
を最４・限（２０〜３０側Ｈｇ）に抑えることが出来る
。また搾乳中に乳牛がユニットを足で落したような場合
には、ミルクがミルクチューブ２２に流れなくなるので
、それをミルク量検知装置２９が検知し切替弁１６に伝
え、切替弁１６が作動し低真空圧室５内を大気圧の状態
にする。

すると低真空圧室５内とミルク溜室４内との間に所定レ
ベル以上の圧力差が生るので、調圧棒１ １が下降して
調圧孔６を塞ぎミルク溜室４等に汚物が流入するのを防
ぐことが出釆る。さらに搾乳が終了したときには、ミル
クチューブ２２内にミルクが流れなくなるので、この状
態をミルク量検知装置２９が検知し切替弁１６に伝えら
れ、該切替弁１６が作動し低真空圧室５内を大気圧の状
態にする。

すると低真空圧室５内とミルク溜室４内との間に所定レ
ベル以上の圧力差が生じるので調圧榛１ １が下降して
調圧孔６は塞がれる。調圧孔６が塞がれるとミルク溜室
４内にプリードホール１３から徴量の空気が流入し最終
的に大気圧の状態になる為、容易にユニットを牛体より
離すことが出来るようになる。以上説明したように本発
明のミルククローによれば、従来のものに比較して極め
て簡単な構造でありながら、搾乳前と搾乳中及び搾乳中
と搾乳後の真空圧の変化が少ないものを提供できると共
に搾乳時における搾乳真空圧の変動を微少に抑えること
とが出来る。

従って搾乳時におけるミルクの逆流といった事態の発生
もなくなり、乳頭が所定以上の高真空とならず乳頭傷害
の発生を防ぐことが出釆ると共にミルクパイプ等が大気
中の細菌などによって汚染されることを防ぐことが出来
る。また切替弁を有するミルククローの場合には搾乳終
了後は自動的に切替弁が作動して調圧孔を閉塞するため
にミルク溜室４内が大気圧の状態になる為ユニットの取
りはずしが容易であると共に、乳頭に不必要な真空圧が
かかるのを防止することが出来る。また本発明に係る切
替弁を有するミルククローの場合には、牛体からティー
トカップを取りはずす装置に応用することが出釆る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にかかる開閉弁付ミルククロ一の断面
図、第２図は、本発明にかかる切替弁を有するミルクク
ローの一部断面図、第３図は、開閉弁付ミルククローを
二系統のパイプラインミルカーに使用した状態を示す概
略図、第４図は、切替弁を有するミルククローを二系統
のパイプラインミルカーに使用した状態を示す概略図で
ある。 １…ミルククロー、２…ダイヤフラム、３…ミルク流入
口、４・・・ミルク溜室、５・・・低真空圧室、６・・
・調圧孔、７・・・プレート、８・・・高真空圧室、９
・・・ミルク流出口、１０・・・開閉弁、１１・・・調
圧榛、１２・・・ネジ、１３・・・ブリードホール、１
４・・・接続口、１５パイプ、１６・・・切替弁。 第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ダイヤフラムを介して隔離されたミルク流入口を有
   するミルク溜室及び真空パイプと接続される低真空圧室
   と、ミルク溜室と中央に調圧孔を有するプレートによつ
   て隔離され弁により開閉されるミルク流出口を有する高
   真空圧室とからなり、前記ダイヤフラムにミルク溜室内
   と低真空圧室内との差圧が一定レベル以上のときに調圧
   孔を塞ぐ調圧棒が接続されていることを特徴とする搾乳
   機のミルククロー。 ２ 前記高真空圧室に設けられた弁が圧力差で作動する
   開閉弁であり、高真空圧室内の圧力が下がつたときにミ
   ルク流出口を閉塞するように構成されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のミルククロー。 ３ 前記ミルク溜室の壁にブリードホールが穿孔されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項
   記載のミルククロー。 ４ ダイヤフラムを介して隔離されたミルク流出口を有
   するミルク溜室及び切替弁を介して真空パイプと連通す
   る低真空圧室と、ミルク溜室と中央に調圧孔を有するプ
   レートにより隔離されミルク流出口を有する高真空圧室
   とからなり、前記ダイヤフラムにミルク溜室内と低真空
   圧室との差圧が一定レベル以上のとき調圧孔を塞ぐ調圧
   棒が接続され、切替弁がミルク流出口から流出するミル
   ク量を検知する制御手段からの信号により低真空圧室の
   圧力を変化させるように構成されていることを特徴とす
   る搾乳機のミルククロー。 ５ 前記ミルク溜室の壁にブリードホールが穿孔されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第４項記載のミル
   ククロー。