JPS601874B2 - タバコフイルタ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタバコフィルターに関するものである。

タバコの蛭中には多くの有害ガスが含まれているが、本
発明はタバコ本来の味を落とさずに体内に吸引される煙
中の全ての含有物の濃度を空気により希釈して減少させ
るとともに、特に一酸化炭素（以下ＣＯと記す）を効果
的に除去することを目的とするものである。

近年タバコの健康に及ぼす影響が大きな問題として取上
げられ、愛煙家の間では、なるべく健康に悪影響を及ぼ
さない軽いタバコもしくはタバコホルダーが人気を集め
ている。

ところでタバコの鰹中にはタール・ニコチンの他にエチ
レン等の炭化水素、アセトアルデヒド、アセトン、シア
ン化水素、Ｃ○、Ｎ○×等多くの有害ガスが含有されて
いる。特にＣＯは主流煙中では４〜６％と高濃度に含ま
れており、このＣＯの毒性は血液中の赤血球と容易に結
合して中枢神経の麻癖をひき起こすなどよく知られてい
る所である。しかしタバコが燃焼するとＣＯや他の有害
ガスが発生するのは避けられないものであり、従釆体内
に吸引されるＣＯを含めた有害ガスの量を減少させるた
めに主流煙を二次空気により希釈する方法があった。と
ころが、この場合ＣＯ濃度の減少のみならず煙中の全て
の含有物をも同時に希釈してしまうので味覚が低下する
欠点があり、味覚の観点からＣＯ濃度をそれほど希釈で
きなかった。本発明はタバコ本釆の味を落とさずに主流
煙を希釈して有害ガス濃度を低減させ、さらにＣＯの除
去剤によりタバコ中のＣＯを低減させるものであり、以
下本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明する。

第１図はフィルター付タバコへの応用例である。

第１図において、１はタバコ、２はそのフィルター、３
は空気通気孔、４はＣＯの除去剤である。上記空気通気
孔３は除去剤４の上流に位置し、フィルター２の周辺に
多数の孔をもつ構成であり、ここから流入した二次空気
は煙流路を流れるタバコの煙を希釈して各種有害ガス濃
度を低減させる。第２図はタバコホルダーへの応用例で
ある。

第２図において、５はタバコホルダー、６はタバコ、７
は空気通気孔、８はＣＯの除去剤、９は高分子繊維、１
川ま煙流路、１１は吸い口である。上記空気通気孔７は
ＣＯの除去剤８の上流に１個、もしくは複数個設けられ
、この空気通気孔７から流入した二次空気はタバコ６に
より発生した煙を希釈して各種有害ガス濃度を低減させ
る。上言己第１、第２図の除去剤４，８としては吸収剤
、吸着剤、酸化触媒等があるが最も実用的なものとして
酸化触媒が上げられる。この酸化触媒としては金属酸化
物触媒または貴金属担持触媒等があり、これらの触媒は
ＣＯを無害なＣ０２に酸化する。またこの貴金属担持触
媒でも特にアルカリとセメント材と粉末活性炭を混線成
型した担体に、パラジウムを単独で、あるいは白金・ル
テニウム・ロジウムの群より選んだ１種以上とパラジウ
ムを同時に担持させた触媒は常温多湿下でもＣＯを酸化
してＣ０２とするので、３０〜４０ｏｏの温度で多湿状
態にあるタバコに、ＣＯの除去剤として用いるのは最適
である。一方、上記吸着剤としてはヘモグロビンがあり
、これはＣＯとの親和力が強く、カルボニルヘモグロビ
ンとなる。

また他の吸収剤としてはニッケル・コバルトがあり、こ
れらはＣＯと反応してニッケルカルボニル・コノゞルト
カルボニルのＣＯ化合物を生成する。また酸化触媒とし
ては上述のごとく金属酸化物触媒・貴金属迫持触媒があ
るが、金属酸化物触媒としては酸化鋼、二酸化マンガン
の混合物に銀・コバルトなどの酸化物を混合したホプカ
ラィト触媒があり、さらに賞金属坦持触媒としては活性
炭アルミナなどの担体に白金・パラジウム・ルテニウム
・ロジウムなどの貴金属を担持させたものがある。次に
酸化触媒、特にアルカリと粉末活性炭とセメント材の混
練成型物に、白金・ロジウム・ルテニウムの群より選ん
だ一種以上とパラジウムを同時に担持させた触媒でタバ
コの煙を浄化した実験について説明する。先づ、触媒の
調整方法について説明する。アルカリとして炭酸カリウ
ム、セメント材としてアルミナセメントを用意した。な
お、炭酸カリウムは１００メッシュ全通、粉末活性炭は
３００メッシュ全通の粒度のもの、アルミナセメントは
その組成がアルミナが４５％以上、酸化第二鉄が１０％
以下のものを使用した。担体は重量比で炭酸カリウム１
碇都、粉末活性炭３の郭、アルミン酸石灰６の誠こバイ
ンダーとしてカルボキシメチルセルロースナトリウム（
ＣＭＣ）０．５部を添加して水とともに混練成型した。
混練物は充分に乾燥した後５０〜８０メッシュに分級し
て担体とし、これを充分に乾燥した後パラジウムと白金
を溶かした溶液に浸潰して吸着をおこなわせた。パラジ
ウムと白金は挺体に対して各０．３れ％吸着される様に
その量を調整した。吸着された担体は水素化ホウ素ナト
リウムで還元した後十分に水洗し、その後８０００で数
時間乾燥し、次に３００００で１時間焼成した。上記の
方法で調整した触媒の特性を第３図、第４図に示す。

第３図はＣＯ濃度と転換率との関係を示すものであり、
ガス流速は３４．８伽／秒、触媒層の厚さは１５．８側
である。なお、Ａ線は触媒層の温度が３０℃の特性、Ｂ
線は同温度４０ｑｏの時の特性を示す。第４図は触媒層
温度とＣＯ転換率との間係を示すものであり、ＣＯ濃度
が１７００ｐｐｍ、ガス流速が２４．８肌／秒の状態で
触媒層の厚さ日を変えた場合での特性である。なお、Ａ
線は日が１５．８側、Ｂ線は日が９．仇岬、Ｃ線は日が
４．５側の特性である。第３、第４図から明らかなよう
にこの触媒は同一層厚さおいて触媒層温度にはそれほど
関係なくＣＯの濃度が低濃度になるほどＣＯ転換率が高
くなる特性を示すので、本発明の様にタバコの煙を希釈
した後に浄化するものは好都合である。

第５図は上記貴金属担持触媒を第２図のタバコホルダー
５に充填してその効果を判定した実験装置を示しており
、図において１２はタバコ、５はタバコホルダー、１４
はトラップ、１５は流量計、１６はポンプ、１７は三方
コック、１８はサンプリングバックである。

上記横成において、タバコ１２により発生した燃焼ガス
はホルダー５に設けられた空気通気孔７を通過した二次
空気によつて希釈され、その後トラップ１４、流量計１
５、ポンプ１６、三方コック１７を順に通過してサンプ
リング１８に採取され、これで分析した。トラップ１４
は流路にポリプロピレン繊維に充填したものであり、タ
バコ１２より発生するタールやニコチン等の粘着物を除
去するものである。なおこの実験は第２図に示すタバコ
ホルダー５に０．４０夕（層厚１７側）の上記触媒を除
去剤８として充填し、市販のタバコ１２を０．５０〆／
分の流量で吸引して先端より１仇岬まで燃焼させ、その
煙をサンプリングバック１８に採集したもので、その結
果を下表に示す。上表について説明すると空気通気孔７
が「無」で触媒が「無」の時にはＣＯ濃度が２１５０の
ｐｍであった。

次に空気通気孔７が「有一で、触媒が「無」の時、つま
り従来例ではＣＯ濃度が２０００ｐｐｍとなった。

これに対して本発明実施例である空気通気孔７と触媒が
「有一の時にはＣＯ濃度が１５００ｐｐｍとなり、上記
従来例に比較して２５％ものＣＯ除去率が得られた。な
お、上記ＣＯ濃度２０００ｐｐｍ、１５００ｐｐｍは実
験の上での値であり、もちろん実際に吸う場合には煙と
共に大量の空気を吸うので大きく低下するものであるが
、いづれにしてもこの２５％ＣＯ除去率は人体に対して
きわめて有益な効果である。

また、この触媒によってニコチン等も多少減少するが、
多数の人に実際に喫煙してもらった結果タバコ本来の味
覚はあまり落ちずにマイルドな味であると好評を博した
。以上のように本発明によればタバコ本来の味を落さず
に、人体に対して有害なＣＯを大幅に減少させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の−実施例にかかるタバコフィルターの
概略図、第２図は本発明の他の実施例にかかるタバコフ
ィルターの断面図、第３図、第４図は特性図、第５図は
本発明の効果を説明するために用いた実験装置の構成図
である。 ３，７・・・・・・空気通気孔、４，８・・・・・・除
去剤。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 煙草の主流煙に、二次空気を導入して希釈するため
   の１個もしくは複数個の空気通気孔を有し、かつその下
   流に、炭酸カリウムとアルミン酸石灰と粉末活性炭の混
   練成型物にパラジウムと白金を同時に担持した触媒を配
   置したタバコフイルター。 ２ 炭酸カリウムとアルミン酸石灰と粉末活性炭の比が
   、１０部：６０部：３０部の組成からなる混練成型物を
   用いた特許請求の範囲第１項記載のタバコフイルター。