JPS6018179Y2 - 圧力調理器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧力釜、圧力鍋等の圧力調理器において、容器
内の蒸気圧が十分に減圧されない限り、蓋を外すための
回動操作ができないような安全装置に関する。

このような安全装置としては、従来法のようなものが見
受けられる。

すなわち、第１図に示すように、バヨネット係合方式の
容器ａ、蓋す及び密封バッキングＣより成る圧力調理器
の蓋すに配設された安全装置Ａは、容器ａの内周壁上部
に設けられた回動規制板１と協動する受圧板２を含むも
のである。

而して、受圧板２は蓋すに嵌着された案内筒３の貫通孔
４内に昇降自由に遊挿される昇降杆５の下端に弾性バッ
キング６と共にねじ止めされており、また昇降杆５の上
端には落下防止板７が形成されている。

なお、８は貫通孔４の上端に形成された落下防止板７が
当接する係合段部である。

かかる安全装置を備えた圧力調理器で調理とする場合に
は、 （１）初期において、容器ａ内の蒸気圧力が低いため受
圧板２は降下し、したがって落下防止板７は係合段部８
に当接し、受圧板２の上面は回動規制板１の係止部１ａ
の下方に位置する状態にある。

（２）調理が進み、容器ａ内の温度が上昇して圧力が高
まると、受圧板２は上昇し、昇降杆５の上昇に伴い落下
防止板７が断続的に保合段部８より浮き上る。

したがって容器ａ内の低温乾燥空気（非飽和空気）は貫
通孔４の内周壁４１と昇降杆５の外周壁５１との間隙を
通して外部に排出される。

（３）調理がさらに進んで容器ａ内の蒸気圧が高まると
、受圧板２は押し上げられて第２図に示す如く弾性バッ
キング６が案内筒３の下面に密着する。

したがって貫通孔４が密閉され、容器ａ内の温度及び圧
力を上昇せしめて圧力調理が行われる。

この際、昇降杆５及び落下防止板７が案内筒３の上面よ
り突出することをもって容器ａ内が所定の高温高圧状態
であることを表示すると共に、受圧板２の外周壁は回動
規制板１の係止部１ａに対向した状態にある。

（４）調理が終了してバヨネット係合を解くべく蓋すを
回動しようとしても、容器ａ内の蒸気圧が十分減圧され
ない間は受圧板２はなお上昇しており、回動規制板１の
係止部１ａと衝合するためｉｂの回動操作は不可能であ
り、容器ａ内の蒸気圧が十分に減圧して受圧板２が回動
規制板１の係止部１ａの下方に降下したとき始めて蓋す
の回動操作が可能となるものである。

以上のように、容器内の蒸気圧力が十分に減圧されない
限りは、回動規制板と受圧板の協動作用により蓋の回動
操作ができないので、残存蒸気の噴出という危険を防止
しうる安全装置であるが、上記調理過程における受圧板
２への蒸気印加圧に伴う昇降杆５の上昇、下降、特に上
記調理過程（２）のように低温乾燥空気を排除するため
の排出通路の形成が昇降杆５の円滑な上昇、下降を期待
することから、案内筒３の貫通孔４の内周壁４１と昇降
杆５の外周壁５１との僅かな環状間隙をもってなされて
いるため、両者の寸法精度が要求され製作に手数がかか
るという問題があった。

また、第３図のように、案内筒３の貫通孔４の内周壁４
１に複数の凹溝３１を縦方向に形成し排出通路の拡大を
図ったものもあるが、これも前者と同様に寸法精度の要
求と共に内周壁４１への加工であるため容易でない。

本考案は上記の点に着目して威されたもので、昇降杆の
円滑な上下動作と低温乾燥空気の排出通路の形成を容易
とすることを目的としたものである。

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第４図に示すように、昇降杆５を略四角形状に形成し、
案内筒３の貫通孔４の内周壁４１と昇降杆５の外周壁５
２との間に４個の低温乾燥空気排出通路４２を形成した
ものである。

而して、その他の構成は従来例と変りはない。

したがって、排出通路４２は比較的大きく形成され、調
理初期の低温乾燥空気の外部への排出が迅速となり、ま
た昇降杆５の四隅が案内筒３の貫通孔４の内周壁４１に
対する摺動案内となるので、その昇降動作がブレなく極
めて円滑に行われるものである。

なお、本実施例は昇降杆を略四角形に、案内筒の貫通孔
を円形に夫々形成したものであるが、これとは逆に、昇
降杆を円形に、案内筒の貫通孔を四角形に形成しても同
様のことがいえる。

以上のように、本考案の安全装置は、その構成要素の一
部である昇降杆を特に略四角形に、該昇降杆の上下動作
を案内する案内筒の貫通孔を円形に夫々形成（この逆も
可）したので、従来のように両者の寸法精度に格別な考
慮を要することなく、極めて簡単な加工で、調理初期の
低温乾燥空気の排出通路を大きく形成することができ、
迅速な排出を可能とすると共に、昇降杆の動作も極めて
円滑にすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の安全装置を備えた圧力調理器の要部縦断
面図、第２図はその安全装置の作動状態を示腰第３図は
従来の他の例の第１図のＸ−Ｘ線に相当する拡大横断面
図を示す。 第４図は本考案に係る安全装置の一実施例にして、第３
図に対応する拡大横断面図を示す。 Ａ・・・・・・安全装置、ａ・・・・・・容器、ｂ・・
・・・・蓋、Ｃ・・・・・・密封バッキング、１・・・
・・・回動規制板、２・・・・・・受圧板、３・・・・
・・案内筒、４・・・・・・貫通孔、５・・・・・・昇
降杆、６・・・・・・弾性バッキング、７・・・・・・
落下防止板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バヨネット係合方式に係る圧力調理器の容器内周壁に設
   けた回動規制板と、蓋に嵌着した案内筒の貫通孔に昇降
   自由に遊挿され、上端に落下防止板を、下端に弾性バッ
   キングと共に前記回動規佑１板と協動する受圧板を夫々
   設けた昇降杆とより成る安全装置において、前記貫通孔
   と昇降杆の何れか一方を略四角形状に形成し、貫通孔の
   内周壁と昇降杆の外周壁とを四点において摺動支持せし
   め、低温乾燥空気の排出を容易とし、かつ昇降杆の上下
   動作を円滑にしたことを特徴とする圧力調理器。