JPS6018174B2 - 無効電力供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電力系統に接続され、無効電力を供給する無
効電力供聯合装置に係り、特に送配電線の地絡事故、短
絡事故などのいわゆる系統事故に対する誤動作を防止し
、動作の安定化を向上させた無効電力供給装置に関する
ものである。

第１図は、従来の無効電力供Ｖ給装置の１例を単線結線
図で示すものである。

同図において、１は電力系統の送配電線、２は進相無効
電力を供Ｖ給する（遅相無効電力を消費する）手段で、
リアクトル２１と、逆並列されたサイリスタ２２とから
成る。３は遅相無効電力を供給する（進相無効電力を消
費する）コンデンサ、４はサイリスタ２２の点弧を制御
する制御装置である。

５は電力系統の電圧信号を伝える信号線である。

次にこのように構成されたものの動作について説明する
。

制御装置４は電力系統の電圧波形に同期して、サィリス
タ２２に点弧信号を印加する。又、サィリスタ２２の導
通角を拡げて供Ｖ給する進相無効電力量を増加させると
電力系統の電圧は下がり、導運角を小さくすると電圧は
上昇する。このことを用いて、電力系統の平均電圧を検
出して、その値を一定の基準値に保つ様に点孤信号を印
加する。この様な動作を行なっている従来の無効電力供
給装置では、制御装置４は、同期の基準として、電力系
統の電圧波形を使用しているので、電力系統に事故を生
じた場合、その波形が乱れて誤動作を起こし易いという
欠点があった。

又、電力系統が多相であった場合、例えば３相の時、一
線地絡事故の様に不平衡事故が生じると、第２図（第２
図にはＣ相が地絡した時の電圧をベクトル表示してある
）に示す様にその平均電圧は低下するので、電圧を維持
するため、制御装置４は電圧を上げる様に点弧信号を発
生する。従って、事故相と同時に健全相も電圧が上昇す
ると言う問題があった。本発明は、上記のような従釆の
装置の欠点を除去するためになされたもので、事故時に
おいて、順電圧印加全期間に亘つて、サィリスタをダイ
オードとして動作させることにより、電力系統の事故に
よる影響を受けない様にして、装置の動作を安定にする
ものである。

以下、この発明の一実施例を図し、ついて説明する。

第３図において、４２ａは、事故時と通常時に対応して
サイリスタ２２ａの動作モードを切替えるスイッチ手段
であり、４１ａは通常の運転時の点弧を制御する点弧制
御回路である。その他は、第１図と同じである。尚、第
３図に示される制御装置４には一方のサィリスタ２２ａ
のみについて、点弧制御回路４１ａを有しているが、他
方のサィリスタ２２ｂについても同様の点弧制御回路（
図示せず）を有している。以下、このように構成された
ものの動作について説明する。

通常時はスイッチ手段４２ａは第３図に示された状態と
は反対の状態にあり、その状態においては、サィリスタ
２２ａは点弧制御回路４１ａに接続されている。事故発
生を例えば図示しない検知手段で検知した時には、スイ
ッチ手段４２ａ接続状態を第３図に示す位置にする。

つまり、サイリスタ２２ａを点弧制御回路４１ａから切
り離し、サィリスタ２２ａのアノードとゲートとを短絡
する。尚、このスイッチ手段４２ａの切替動作に連動し
て、サイリスタ２２ｂに対して設けられたスイッチ手段
（図示せず）もスイッチ手段４２ａの接続状態（第３図
）と同様の接続状態となる。

すまりサイリスタ２２ｂもサイリスタ２２ａと同様のア
ノードとゲート間が短絡される。第３図のような接続状
態においてサィリスタ２２ａに順電圧が印加される期間
はスイッチ４２ａを介して、サイリス夕２２ａにゲート
電流が流れ、サイリスタ２２ａは順電圧印加全期闇中導
適状態となる。又、逆電圧が印加される期間は、サイリ
スタ２２ａにはゲート電流は流れないので、サィリスタ
２２ａは阻止状態となる。従って、サィリスタ２２ａは
ダイオードとして動作する。他方、サィリスタ２２ｂも
ダイオード動作するので、サィリスタ２２全体としてみ
れば、その機能は導体と等しくなる。従って、系統電圧
の状態に関係なく、リアクトル２１を全導適状態で安定
して動作させる事が出来る。又、リアクトル２１を全導
通で動作させて、進相無効電力を供孫会しているので系
統電圧は低下し、不平衡事故時においても、健全相の電
圧が上昇する恐れはない。又、電力系統の周波数に対す
るリアクトル２１のインピーダンスと、コンデンサ３の
インピーダンスとを等しくすれば、相互で打ち消し合っ
て、等価的に、この無効電力供給装置は無効電力を全く
供鎌暮しなく（出力零）なり、電力系統に対する影響も
零となり、事故時に、無効電力供聯合装置が系統に悪影
響を与えることは全くなくなる。なお切替スイッチ手段
４２ａは機械式に限らず、通常の各種半導体スイッチが
使用出釆る。第４図は本発明の他の実施例を示す。

図中４３ａ，４３ｂは論理和回路であり、４４は信号線
である。通常時は、信号線４４を〃ＬＯＷ〃レベルにし
ておけば、サイリスタ２２ａ，２２ｂは、通常時の点弧
制御回路４１の指令通りに点弧する。事故時には、信号
線４４を〃Ｈｉｇｈ〃レベルにする。すると、サィリス
タ２２ａ，２２ｂには、常にゲート入力がはいる事にな
り、ダイオード動作を行なう事が出来る。従って、第３
図の場合と同様の効果を得ることが出来る。第５図は本
発明の更に他の実施例を示す。

制御装置４以外は第３図、第４図と同様なので、符号の
説明は適宜省略する。図中、４５は基準電圧信号を後述
の信号加算手段４６に導く信号線である。４６は信号加
算手段で、基準電圧信号と系統の実際の電圧信号とで入
力とするがそれらの信号は図示の極性にて加算されるの
で、両信号の差に応じた大きさの出力信号が制御装置４
１に入力されるよう構成されている。

事故時において、電圧基準の値を十分下げれば（信号線
４５の電圧を下げれば）、第１図の動作説明で述べた様
に無効電力供給装置は、サィリスタ２２は導通角を最大
に拡げた状態、つまりゲート信号を常に入力した状態で
運転される様になり、その結果ダイオード動作を行なう
様になる。従って、この場合も第３図の場合と同機の効
果を得る事が出釆る。以上の様に、本発明によれば、電
力系統に事故が発生しても、従来の様に点弧制御が不安
定となったり、電圧が異常に上昇したりして、系統に窓
影響を与える事なく、安定した運転の出来る無効電力供
給装置を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従釆の無効電力供恩給装置の構成図、第２図は
３相の電力系統において、送電線が一線地絡した場合の
電力系統電圧のベクトル表示図である。 第３図は本発明の無効電力供Ｖ給装置の一実施例の構成
を示す図、第４図及び第５図はそれぞれ本発明の他の実
施例の構成を示す図である。図において、１は電力系統
の送配電線、２は進相無効電力供Ｖ給手段、２１はＩＪ
ァクトル、２２は逆並列サイリスタ、２２ａ，２２ｂは
サイリスタ、３はコンデンサ、４は制御装置、５は信号
線、４１ａは点弧制御回路手段、４２ａはスイッチ手段
、４３ａ，４３ｂは論理和回路、４６は信号加算手段で
ある。なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示
す。第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに逆並列に接続された逆並列サイリスタと該逆
   並列サイリスタに直列接続されたリアクトルとからなり
   電力系統に接続された直列体と、該直列体に対して並列
   関係にあり上記電力系統に接続されたコンデンサと、上
   記逆並列サイリスタの点弧角を制御する制御信号を送出
   する点弧制御回路と、系統事故時には上記逆並列サイリ
   スタに順電圧が印加される全期間に亘つて、上記逆並列
   サイリスタを導通せしめる全導通手段とを備えた無効電
   力供給装置。 ２ 逆並列サイリスタに順電圧が印加される全期間に亘
   つて上記サイリスタを導通せしめる上記全導通手段は、
   上記系統の正常時には上記点弧制御回路と上記逆並列サ
   イリスタのゲートとを電気的に接続し上記制御信号を上
   記ゲートに導き、且つ上記系統の事故時には上記点弧制
   御回路と上記逆並列サイリスタのゲートとの接続を切り
   離し上記逆並列サイリスタのカソード・ゲート間を短絡
   する切替スイツチから構成されたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の無効電力供給装置。 ３ 上記リアクトルのインピーダンスと上記コンデンサ
   のインピーダンスとは等しいことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項または第２項記載の無効電力供給装置。