JPS6017282Y2 - 木材支持台における芯出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、製材装置に使用する支持台に木材を乗せて
固定する際に、後方にいる作業員が容易に芯出しをする
ことができるようにした、芯出し装置に関する。

ツイン帯鋸盤において支持台に丸太等を固定してツイン
の帯鋸間に支持台を走行させながら、丸太等の両側を一
挙に挽くようにしたものが知られているが、従来におい
てはこのような支持台に丸太等を固定する際の芯出しは
、勘に頼りながら手作業により行なっていたため、時間
のかかる面倒な作業となるばかりでなく、あまり正確な
芯出しができないものであった。

この考案は、きわめて容易にしかも正確に芯出しできる
ようにした、木材支持台における芯出し装置を提供する
ことを目的とする。

以下、この考案の１実施態様を図面を参照しながら説明
するが、第１図はこの考案の１実施態様の平面図、第２
図は第１図の■−■断面図、第３図は第１図のものの側
面図である。

１と２はそれぞれ対向させて配置した帯鋸盤であり、帯
鋸盤１及び帯鋸盤２はそれぞれ前進後退ができるように
なっている。

３は帯鋸盤１に取付けた帯鋸であり、４は帯鋸盤２に取
付けた帯鋸である。

なお、図示は省略したが帯鋸盤１側には定規装置を取付
けていて、その定規装置は前進させて使用状態にしたり
後退させて格納状態にしたりできるようになっている。

また帯鋸盤２側には、木材をその定規装置に押圧しなが
ら送るための送りローラーを取付けているが、この送り
ローラーも前進させて使用状態にしたり後退させて格納
状態にしたりできるようになっている。

以上のようなツイン帯鋸盤の前後に送材ラインを配置し
ているが、その送材ラインの送込み側には１本の長い支
持台５を配置している。

支持台５は中空としていて、その上に木材を乗せて支持
するものであるが、ここでまず支持台５の構造の詳細を
第４図〜第６図により説明する。

支持台５の前端に支柱６を立て、支柱６の上端と支持台
５の上面との垂直位置にそれぞれベアリングを取付け、
それらベアリングの間に固定金具７を回動自在に取付け
ている。

固定金具７の後面には後方に向けて多数の釘８．訃・・
・・・を植え込んでいる。

固定金具７の下端には偏心させてレバー９の一端をピン
により止めている。

レバー９の他端側は摺動ブロック１０にピンにより止め
ているが、摺動ブロック１０は支持台５内を前進後退が
できるようになっており、摺動ブロック１０には孔をあ
けて孔の内面に雌ねじを切っている。

そして、支持台５内の前端から後端付近にまで１本の長
い回動棒１１を回動自在にかけ渡しているが、回動棒１
１の前端付近には雄ねじを切っていて、その雄ねじに摺
動ブロック１０の雌ねじをねじ込んでいるのである。

回動棒１１の後端側はユニバーサルジヨイント１２を介
して操作棒１３に連結しており、操作棒１３の後端側は
支持台５外へと出して、操作棒１３の後端にはつまみ１
４を取付けている。

以上に説明した支持台５の機構は、支持台５上に木材を
支持させる際の芯出しのためのものである。

すなわち、木材を支持台５上に乗せて木材の後端側を持
上げながら前方へ押し、木材の前端を固定金具７の釘８
，８・・・・・・に押し込んだ後、前方にある２つの帯
鋸３，４をにらみながらつまみ１４を回動させると、ユ
ニバーサルジヨイント１２を介して回動棒１１が回動し
、摺動ブロック１０が前進又は後退してレバー９を前進
又は後退させ、固定金具７を右方向又は左方向へ回動さ
せることにより、木材の先端を左右に振って帯鋸３゜４
による切断に適する位置にするのである。

この芯出しのための作動状況については第６図がはっき
り示している。

支持台５の上面には間隔をおいて、上面を■字形の溝と
した支持ブロック１５．１５を取付け、木材をしつかり
固定させるようにしている。

支持台５の後端付近にはかすがい金具１６は支持する木
材の長さに合わせながら前後方向の位置調節ができるよ
うにしている。

かすがい金具１６は、後方へ回動させて待機させたり、
前方へ回動させてかすがいを木材の後端上部に打ち込ん
だりできるようにしている。

この支持台５は、上に木材を乗せたままツイン帯鋸盤を
通過して送出し側にまで前進し、またふたたび元の位置
にまで後退できるようになっているのであるが、ここで
支持台５の送込み側のガイド機構を説明する。

送込み側の送材ラインの中央にはガイド台１７を配置し
ているが、ガイド台１７の上面には数箇所にコロ１８，
１８・・・・・・を取付け、両側には上方に向けて２組
のガイドローラー１９．１９・・・・・・をそれぞれ対
向させて取付け、さらに前端付近には同じく上方に向け
てガイドローラー２０と駆動ローラー２１とを対向させ
て取付けている。

ガイド台１７のコロ１８，１８・・・・・・上であって
ガイドローラー１９．１９・・・・・・間やガイドロー
ラー２０と駆動ローラー２１との間に支持台５を乗せ、
油圧モーターにより駆動ローラー２１を駆動させて支持
台５を前進後退させるのである。

送出し側にも対向させてガイドローラー２２と駆動ロー
ラー２３とを配置していて、前進してきた支持台５の前
端がそれらの間に達した後はそれらも同じく支持台５を
前進後退させる働きをする。

なお、ガイドローラー２２や駆動ローラー２３は支持台
５を使用せずに板挽き等をする際には下方へ格納できる
ようになっている。

そして図示は省略したが、送出し側のラインの中央には
レール上を台車が走るようにしているのであるが、前進
してきた支持台５の前端がガイドローラー２２と駆動ロ
ーラー２３との間を通過した後にその台車上に乗って、
台車は支持台５の前端を乗せたまま前進し、後退時も支
持台５の前端を乗せたまま後退して、その前端が帯鋸盤
１，２の近くに達したところで台車だけ置いていくよう
にしているのである。

送り出し側には仕分装置や返送装置などがついているが
、２４．２４は仕分板であり、仕分板２４．２４は上方
へ回動して挽き終った材をはねのけるものである。

なお仕分板２４．２４は、支持台５を使用せずに板挽き
等をする際は下方へ回動して格納できるようにしている
。

２５，２５・・・・・・は返送ローラーであるが、返送
ローラー２５，２５・・・・・・は送込み側にも設けて
いる。

送出し側の返送ローラー２５，２５・・・・・・は、支
持台５を使用しながら挽く場合には上昇させていて、仕
分板２４からの背板がそれらの上に落下するようになっ
ており、支持台５を格納して手作業により挽く場合には
、下方へ回動させて返送ローラーとして使用するように
なっている。

送込み側に配置したガイド台１７は支持台５を乗せたま
ま側方へ格納できるようにしているのであるが、次にそ
の格納機能を説明する。

ガイド台１７の側面に摺動部材２６，２６・・・・・・
の前端を取付けているが、摺動部材２６，２６・・・・
・・は固定台２７．２７・・・・・・に取付けたガイド
体２８．２８・・・・・・によりガイドさせている。

摺動部材２６，２６・・・・・・の後端は１本の摺動枠
２９により連結しているが、固定台２７に１端を支持さ
せたシリンダー３０から伸びるロッドの１端を摺動枠２
９に取付けている。

シリンダー３０に油圧をかけたとき摺動枠２９が後退し
てガイド体２８．２８・・・・・・にガイドされながら
摺動部材２６，２６・・・・・・も後退して、支持台５
を乗せたままガイド台１７を後退させて格納するのであ
る。

３１．３１・・・・・・は木材を送材ラインの方へ送る
ためのチェーンコンベアであり、３２，３２・・・・・
・はストッパーであり、３３．３３は木材を支持台５上
に移す前に一時的に置くためのローラーである。

以上に示した送材装置は、次のようにして使用する。

丸太はチェーンコンベア３１，３１・・・・・・により
運んでローラー３３．３３を経由して支持台５上に移す
。

支持台５の後方にいる作業員が丸太の後方を持上げたま
ま丸太の前端を固定金具７の釘８，８・・・・・・に押
しつけた後、前方にある帯鋸３．４を見ながら操作棒１
３のつまみ１４を左又は右へ回動させて丸太の前方を左
右へ振って芯出しをする。

そして、丸太の後方側を支持台５へ落して支持ブロック
１５．１５上へ乗せて固定し、後方のかすがい金具１６
を前方へ回動させて丸太の後端上方に打ち込むと、支持
台５上に丸太を固定したことになる。

ここで帯鋸３や帯鋸４を回転させながら駆動ローラー２
１や駆動ローラー２３を駆動させると、支持台５が送ら
れて支持台５上に固定された丸太の両側が帯鋸３や帯鋸
４に切り落とされていく。

切り落とされた端板は仕上装置により仕分けられ、その
後支持台５はそのまま後退して元の位置に帰る。

そこで木材を９０度回転させて支持台５上に固定してふ
たたび両側を切り落とすと、角材が得られる。

つぎに、支持台５を格納させてしまって手作業により板
等を挽く場合の手順を述べる。

シリンダー３０に油圧をかけるとガイド体２８，２８・
・・・・・にガイドされながら摺動部材２６，２６・・
・・・・等が一後退して支持台５を乗せたままガイド台
１７等も後退して、送材ラインの位置を外れて格納され
てしまう。

送出し側のガイドローラー２２、駆動ローラー２３、仕
分板２４．２４等も格納させてし；まう。

そして、帯鋸盤１側において格納させていた定規装置を
出してセットし、帯鋸盤２側において格納させていた送
りローラー装置を出して定規装置と対向させ、帯鋸３と
帯鋸４の位置を決めた後に定規に沿わせながら木材を送
って帯鋸３及び１帯鋸４により一挙に２板の板を挽く。

この考案の構成は以上の通りであるが、この考案は以下
のようなすぐれた効果を奏するのである。

この考案に係る芯出し装置においては、作業員は支持台
５の後端側にいて丸太等の後端側を持上げ、丸太等の先
端を、支持台５の前方側に上方へ突出させた状態で垂直
方向に取付けた固定金具７へ押しつけた後、前方にある
帯鋸を見ながら支持台５の後端側にあるつまみ１４を回
転させる。

っまみ１４が回転すると、回動棒１１が回動して回動棒
１１にねじ込まれている摺動ブロック１０を前後動させ
る。

摺動ブロック１０が前後動すると、レバー９を引いたり
押したりして、固定金具７を右方向又は左方向に回動さ
せ、丸太等の先端側を左右に振って芯出しをする。

作業員の手元にあるつまみ１４を右方向又は左方向に回
すだけで芯出しができるので、芯出し作業はきわめて容
易である。

また、前方にある帯鋸の位置を見ながら丸太等の先端を
左右に振って芯出しをするのであるから、正確な芯出し
ができる。

なお、支持台の前方側に固定金具を垂直方向にかつ回動
自在に取付け、同じく固定金具を回動させながら丸太等
の先端側を左右に振って芯出しをするようにしたものは
、すでに知られている（実公昭５６ ５０８８１号公報
）。

ところでこのものは、支持台を固定していて、逆に鋸の
方を走行させながら支持台上に固定した丸太等を挽くも
のである。

そして、固定金具の下端に一端を取付けたレバーの他端
を長いロッドの先端に取付けている。

支持の後方にいる操作員が、ロッドの後端を押したり引
いたりすることにより、レバーを回動させ固定金具を回
動させて芯出しをするようにしている。

ところでこのものは、レバーやロッドが支持台の方向に
張り出していて、何かと作業の邪魔になるものである。

そしてこのものは、そもそも支持台を固定しているので
、レバーやロッドを張り出した状態で取付けておくこと
ができるのであり、支持台を走行させるものにはこの機
構は適用しにくい。

なぜなら、支持台走行行程の左右にはたくさんの装置を
配置しておく必要があって、張り出したレバーやロッド
の走行に必要な空間を確保することがむずかしいからで
ある。

しかもこのものは、ロッドをわずかに前後動させるだけ
でレバーを大きく回動させ、したがって固定金具を大き
く回動させるので、芯出しの精度がだしにくいものであ
る。

レバーを長くすればする程、ロッドを大きく前後動させ
ても固定金具の回動確度を小さいものとすることができ
、芯出しの精度を上げることができる。

しかし、レバーを長くすればする程、レバーやロッドの
走行に必要な空間もいよいよ広く必要となって、不都合
である。

これに対してこの考案に係るものにおいては、回動棒１
１、摺動ブロック１０、レバー９等よりなる固定金具７
の回動機構は、中空とした支持台５内に収容しているの
で、支持台５の走行に支障となることもなく、作業の邪
魔になることもない。

さらに、固定金具７の回動機構は、回動棒１１を回動さ
せて摺動ブロック１０をねじ送り腰レバー９を介して固
定金具７を回動させるものとしている。

このため、回動棒１１をかなり大きく回動させても、固
定金具７をごくわずかしか回動させないので、芯出しの
精度をだすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施態様の平面図、第２図は第１
図の■−■断面図、第３図は第１図のものの側面図、第
４図はその実施態様の要部の部分断面正面図、第５図は
第４図の■−■断面図、第６図はその要部の部分断面平
面図である。 ５・・・・・・支持台、６・・・・・・支柱、７・・・
・・・固定金具、８・・・・・・釘、９・・・・・・レ
バー、１０・・・・・・摺動ブロック、１１・・・・・
・回動棒、１２・・・・・・ユニバーサルジヨイント、
１３・・・・・・操作棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に木材を乗せて帯鋸盤に対して、前後動するように
   した中空の支持台５内に、前後側外周に雄ねじを切った
   長い回動棒１１を長手方向にかつ回動自在に取付けて、
   回動棒１１の後端部にはつまみ１４を連結し、また、孔
   をあけてその内側に雌ねじを切った摺動ブロック・１０
   のその雌ねじに前記回動棒１１の雄ねじをねじ込んだ状
   態で回動棒１１に摺動ブロック１０をはめており、そし
   て、前記支持台５の前方側に上方へ突出させた状態で固
   定金具７を垂直方向にかつ回動自在に取付け、固定金具
   ７の下端には偏心させてレバー９の一端を止めてレバー
   ９の他端側は前記摺動ブロック１０に止めた、木材支持
   台における芯出し装置。