JPS60162999A - 使用済イオン交換樹脂の処理方法 - Google Patents
使用済イオン交換樹脂の処理方法Info
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- JPS60162999A JPS60162999A JP1760184A JP1760184A JPS60162999A JP S60162999 A JPS60162999 A JP S60162999A JP 1760184 A JP1760184 A JP 1760184A JP 1760184 A JP1760184 A JP 1760184A JP S60162999 A JPS60162999 A JP S60162999A
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- exchange resin
- gas
- reaction vessel
- resin
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- Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は、原子力発電所などから発生する使用済イオン
交換樹脂(以下、廃樹脂ともいう)の処理方法に係り、
さらに詳しくは、熱分解によりg樹脂の量を減少させる
とともに安定な無機化合物に処理する方法に関する。
交換樹脂(以下、廃樹脂ともいう)の処理方法に係り、
さらに詳しくは、熱分解によりg樹脂の量を減少させる
とともに安定な無機化合物に処理する方法に関する。
原子力発電所などの運転に伴い種々の放射性物質を含む
廃液が発生するが、これらの廃液はイオン交換樹脂を用
いて処理されることが多い。この際に発生する使用済の
放射性廃樹脂の処理が原子力発電所の運転上の課題とさ
れている。例えば、沸騰水型原子力発電所においては、
発生する放射性廃棄物量のかなりの部分が使用済イオン
交換樹7脂で占められている。
廃液が発生するが、これらの廃液はイオン交換樹脂を用
いて処理されることが多い。この際に発生する使用済の
放射性廃樹脂の処理が原子力発電所の運転上の課題とさ
れている。例えば、沸騰水型原子力発電所においては、
発生する放射性廃棄物量のかなりの部分が使用済イオン
交換樹7脂で占められている。
従来、この使用済イオン交換樹脂はセメントあるいはア
スファルト等の固化剤と混合してドラム缶中に固化され
、施設内に貯蔵保管されている。
スファルト等の固化剤と混合してドラム缶中に固化され
、施設内に貯蔵保管されている。
しかしながら、これらの放射性廃棄物の量は年々増加す
る傾向にあり、その保管場所の確保および保管中の安全
性の確保が重要な問題となっている。
る傾向にあり、その保管場所の確保および保管中の安全
性の確保が重要な問題となっている。
さらに、使用済樹脂は有機物のため、長期間保管すると
゛これが分解・腐敗する可能性もある。このため、使用
済樹脂を同化処理するに際しては、容積を可能な限シ小
さくする(減容)と共に、これを安定な無機物とする(
無機化)ことに大きな関心が払われてきている。
゛これが分解・腐敗する可能性もある。このため、使用
済樹脂を同化処理するに際しては、容積を可能な限シ小
さくする(減容)と共に、これを安定な無機物とする(
無機化)ことに大きな関心が払われてきている。
使用済樹脂の減容・無機化処理法として例えば酸分解に
よる方法が提案されている。その酸分解法の一つとして
HEDL法(Hanfor’d Engingerin
gDevelopment Laboratory法)
と呼ばれるものがある。これは、150〜300Cの温
度にて濃硫酸(97重量%程度)と硝酸(60重量%程
度)を用いて前記廃樹脂を酸分解する方法である。酸分
解法の他の例として、特開昭5g−1sssoo号公報
に示されているものもある。これは濃硫酸と過酸化水素
(30係程度)を用いて樹脂を酸分解する方法である。
よる方法が提案されている。その酸分解法の一つとして
HEDL法(Hanfor’d Engingerin
gDevelopment Laboratory法)
と呼ばれるものがある。これは、150〜300Cの温
度にて濃硫酸(97重量%程度)と硝酸(60重量%程
度)を用いて前記廃樹脂を酸分解する方法である。酸分
解法の他の例として、特開昭5g−1sssoo号公報
に示されているものもある。これは濃硫酸と過酸化水素
(30係程度)を用いて樹脂を酸分解する方法である。
しかし表から、これらの酸分解による方法では、樹j指
を溶解して分解し、その分解液を蒸発濃縮するので、減
容比は大きくとれるが、強酸性液のハンドリング、濃縮
された強酸性液による装置の腐食、回収された濃縮液の
固化技術等の未確立など多くの困Hな問題点がある。
を溶解して分解し、その分解液を蒸発濃縮するので、減
容比は大きくとれるが、強酸性液のハンドリング、濃縮
された強酸性液による装置の腐食、回収された濃縮液の
固化技術等の未確立など多くの困Hな問題点がある。
そこで、特開昭57−’1446号公報に示されるよう
に、強酸性液の使用を避け、鉄触媒の存在下で過酸化水
素を用いて廃樹脂を分解する方法が提案されている。し
かし、この方法は、大量の過酸化水素を必要とするため
、過酸化水素が高価であることを考えると、コスト高に
なるとともに、廃樹脂の分解も不十分で有機物のまま残
留してしまうという問題がある。
に、強酸性液の使用を避け、鉄触媒の存在下で過酸化水
素を用いて廃樹脂を分解する方法が提案されている。し
かし、この方法は、大量の過酸化水素を必要とするため
、過酸化水素が高価であることを考えると、コスト高に
なるとともに、廃樹脂の分解も不十分で有機物のまま残
留してしまうという問題がある。
他方、特開昭57−124. O0号公報に示されるよ
うに廃樹脂を流動床を用いて燃焼する方法に代表される
乾式法を用いれば、この問題は解決される。
うに廃樹脂を流動床を用いて燃焼する方法に代表される
乾式法を用いれば、この問題は解決される。
しかし、流動床を用いた場合には、次のような問題点が
ある。
ある。
(1)残渣や放射性物質の飛散量が大きい。すなわち、
流動気体下で廃樹脂を分散・燃焼させるため、残渣や放
射性物質が111:ガス中へ随伴・飛散される。このた
め、排ガス処理用のフィルタ等の負荷が大きくなる。
流動気体下で廃樹脂を分散・燃焼させるため、残渣や放
射性物質が111:ガス中へ随伴・飛散される。このた
め、排ガス処理用のフィルタ等の負荷が大きくなる。
(ii) 6oo〜900℃の温度で燃焼させるため、
(5) 長期使用に伴い反応容器の劣化が起こる。
(5) 長期使用に伴い反応容器の劣化が起こる。
これらの問題点を解決するため、先に本出願人は触媒を
添加する廃樹脂の熱分解法を%願昭58−232478
号明細書で提案した。すなわち、イオン交換樹脂バー
般にスチレンとジビニルベンゼンの共重合体を基体とし
、これにイオン交換基としてスルホン酸基もしくは4級
アンモニウム基を結合させた構造を有する芳香族系有機
高分子化合物であるところ、上記出願においては、24
0℃以上、420℃以下の温度で、イオン交換樹脂のイ
オン交換基のみを不活性雰囲気中で熱分解した後、樹脂
基体を酸化性雰囲気中で酸化分解する廃樹脂熱分解法が
記載されている。しかし、この場合、樹脂基体の分解が
発熱を−伴う酸化反応であるため反応容器内温度が上昇
し、反応容器の劣化および放射性物質の飛散の問題の十
分な解決には到らなかった0 〔発明の目的〕 本発明の目的は、放射性廃樹脂の熱分解処理を、低温で
行わせることにより、反応容器の高温での(6) 劣化を抑え、さらには、分解の際に発生する廃ガス中へ
の放射性核種の飛散を未然に防止し、排ガス処理用のフ
ィルタ、及びアルカリスクラバ等の負荷を軽減し、廃樹
脂の処j114能力を向上させる使用済イオン交換樹脂
の処理方法を提供することにある。
添加する廃樹脂の熱分解法を%願昭58−232478
号明細書で提案した。すなわち、イオン交換樹脂バー
般にスチレンとジビニルベンゼンの共重合体を基体とし
、これにイオン交換基としてスルホン酸基もしくは4級
アンモニウム基を結合させた構造を有する芳香族系有機
高分子化合物であるところ、上記出願においては、24
0℃以上、420℃以下の温度で、イオン交換樹脂のイ
オン交換基のみを不活性雰囲気中で熱分解した後、樹脂
基体を酸化性雰囲気中で酸化分解する廃樹脂熱分解法が
記載されている。しかし、この場合、樹脂基体の分解が
発熱を−伴う酸化反応であるため反応容器内温度が上昇
し、反応容器の劣化および放射性物質の飛散の問題の十
分な解決には到らなかった0 〔発明の目的〕 本発明の目的は、放射性廃樹脂の熱分解処理を、低温で
行わせることにより、反応容器の高温での(6) 劣化を抑え、さらには、分解の際に発生する廃ガス中へ
の放射性核種の飛散を未然に防止し、排ガス処理用のフ
ィルタ、及びアルカリスクラバ等の負荷を軽減し、廃樹
脂の処j114能力を向上させる使用済イオン交換樹脂
の処理方法を提供することにある。
本発明による使用済イオン交換樹脂の処理方法は、使用
済イオン交換樹脂の少くとも高分子基体を、反応容器内
において、ベンゼン環部分の燃焼反応が起きない程度に
燃焼反応を抑制する物質を加えて酸化性雰囲気下で35
0℃〜420℃の温度で熱分解し、このとき発生する低
分子芳香族化合物のがスを該反応容器外にてアフターバ
ーナーで完全燃焼させることを%徴とするものである。
済イオン交換樹脂の少くとも高分子基体を、反応容器内
において、ベンゼン環部分の燃焼反応が起きない程度に
燃焼反応を抑制する物質を加えて酸化性雰囲気下で35
0℃〜420℃の温度で熱分解し、このとき発生する低
分子芳香族化合物のがスを該反応容器外にてアフターバ
ーナーで完全燃焼させることを%徴とするものである。
上記方法の実施においては、前記燃焼を抑制する物質と
して不活性ガスを用い、これを加えることにより反応容
器内雰囲気の酸素濃度を18係以下とするか、または、
上記燃焼を抑制する物質として難燃剤を用い、これを添
加することができる。
して不活性ガスを用い、これを加えることにより反応容
器内雰囲気の酸素濃度を18係以下とするか、または、
上記燃焼を抑制する物質として難燃剤を用い、これを添
加することができる。
イオン交換樹脂は一般に、スチレンとソビニルベンゼン
(D、V、B、)の共重合体を基材とし、これにイオン
交換基として、陽イオン交換樹脂の場合にはスルホン酸
基を、また鴎イオン交換樹脂の場合には4級アンモニウ
ム基を結合させた構造を有する芳香族系有機高分子化合
物である。
(D、V、B、)の共重合体を基材とし、これにイオン
交換基として、陽イオン交換樹脂の場合にはスルホン酸
基を、また鴎イオン交換樹脂の場合には4級アンモニウ
ム基を結合させた構造を有する芳香族系有機高分子化合
物である。
すなわち、陽イオン交換樹脂は、スチレン基体とし、こ
れにイオン交換基であるスルホン酸基(5O5H)を結
合させた架橋構造をもち、かつ立疹構造を有し、次のよ
うな構造式であられされる。
れにイオン交換基であるスルホン酸基(5O5H)を結
合させた架橋構造をもち、かつ立疹構造を有し、次のよ
うな構造式であられされる。
又、分子式は、(C16H15o3s)nであられされ
る。
る。
また、隘イオン交換樹脂は、陽、イオン交換樹脂と同じ
高分子基体にイオン交換基である4級アンモニウム基(
NR30H)を結合させたもので、次のような構造式で
あられされる。又、分子式は、(’C20H260N)
nであられされる。
高分子基体にイオン交換基である4級アンモニウム基(
NR30H)を結合させたもので、次のような構造式で
あられされる。又、分子式は、(’C20H260N)
nであられされる。
R50H
このような分子構造を有する廃樹脂を熱分解すると、高
分子基体は炭素と水素から構成されているためにCO2
、R2等のガスを、イオン交換基は硫黄または窒素から
構成されているため、SOX rNOxなどのガスを発
生し分解する。このようなイオン交換樹脂の分解の反応
式を下記に示す。
分子基体は炭素と水素から構成されているためにCO2
、R2等のガスを、イオン交換基は硫黄または窒素から
構成されているため、SOX rNOxなどのガスを発
生し分解する。このようなイオン交換樹脂の分解の反応
式を下記に示す。
陽イオン交換樹脂;
(CI6H1,503S)n、−> 4CO2+mH2
O+rsoX(9) 陰イオン交換樹脂: (C2oH26ON)n−+ A’CO2−4−m’H
20+r’Noxこの分解反応のうち、高分子基体の分
解過程が酸素を必要とする酸化反応、かつ発熱反応であ
シ、反応容器内温度上昇の原因となるものである。一方
、後述のように、反応容器内の温度を420℃以下に維
持すれば廃樹脂中に含まれている CBなどの揮発性の
放射性核種の飛散が抑えられることが確認された。
O+rsoX(9) 陰イオン交換樹脂: (C2oH26ON)n−+ A’CO2−4−m’H
20+r’Noxこの分解反応のうち、高分子基体の分
解過程が酸素を必要とする酸化反応、かつ発熱反応であ
シ、反応容器内温度上昇の原因となるものである。一方
、後述のように、反応容器内の温度を420℃以下に維
持すれば廃樹脂中に含まれている CBなどの揮発性の
放射性核種の飛散が抑えられることが確認された。
従って、反応容器内の温度を420℃以下に維持するこ
とができれば、放射性核種の飛散を防止し排ガス処理用
のフィルタの負荷を著しく軽減できると共に、420℃
以下という反応炉の温度としては比較的低い温度となる
ため、反応容器の材嶺選定が容易にな木ばかりでなく長
期使用に伴遅う反応容器の劣化も防止できることに々石
。
とができれば、放射性核種の飛散を防止し排ガス処理用
のフィルタの負荷を著しく軽減できると共に、420℃
以下という反応炉の温度としては比較的低い温度となる
ため、反応容器の材嶺選定が容易にな木ばかりでなく長
期使用に伴遅う反応容器の劣化も防止できることに々石
。
本発明は、この反応容器内の温度を420℃以下にする
ことを可能にするものである。
ことを可能にするものである。
前述したように、廃樹脂の熱分解反応中く部分(10)
子基体の分解過程が発熱を伴なう酸化反応であシ、これ
が反応容器内温度上昇の原因となっている。
が反応容器内温度上昇の原因となっている。
この反応の際の発熱量は、10 k、A/に9程度であ
ることが知られている。反応容器内温度上昇を防ぐには
、この樹脂の発熱を抑えることが考えられ、そのために
は、大きく分けて次の二つの考え方がある。
ることが知られている。反応容器内温度上昇を防ぐには
、この樹脂の発熱を抑えることが考えられ、そのために
は、大きく分けて次の二つの考え方がある。
(1)樹脂分解にとも々う発熱量を制御する。
(2) 反応熱を何んらかの形で取シ去る。
(2)の考え方に基づく方法として吸熱物質の添加が考
えられるが、しかしそれを添加することによシ減容比が
悪化するため実用的ではない。また水が分解するときの
吸熱反応(水性ガス反応)を利用する方法が既に提案さ
れているが、しかし、この方法では加熱水蒸気を供給し
彦ければならず、水蒸気発生装置、水蒸気予熱器などが
必要となり装置が大がかジになる欠点がある。
えられるが、しかしそれを添加することによシ減容比が
悪化するため実用的ではない。また水が分解するときの
吸熱反応(水性ガス反応)を利用する方法が既に提案さ
れているが、しかし、この方法では加熱水蒸気を供給し
彦ければならず、水蒸気発生装置、水蒸気予熱器などが
必要となり装置が大がかジになる欠点がある。
そこで本発明者らは(1)の考え方を採ることにし、廃
樹脂の基礎的な熱分解特性の検討を行なった。
樹脂の基礎的な熱分解特性の検討を行なった。
まず、廃樹脂を熱分解したときの放射性物質及び分解残
渣の排ガス中への飛散挙動を調べた。
渣の排ガス中への飛散挙動を調べた。
第1図は、熱分解温度を変化さゼたときの放射性物質の
飛散率変化の調歪結果の一例である。ここで飛散率とは
、熱分解時に排ガス中へ飛散した放射性物質の量を、イ
オン交換樹脂に吸着されていた放射性物質の量で割った
値である。本図においてC,Pは腐食生成物、F、Pは
核分裂生成物を意味する。実線で示す Coはすべての
温度範囲で飛散率10 %(検出限界)以下であシ、破
線で示す137CI+は470℃以下で飛散率10 ≠
以下、470℃以上で飛散率が0.2係となった。なお
、桟面の飛散率は Co + C8ともすべての温度範
囲で10−5%以下であった。 C8が470℃以上で
飛散するのはイオン交換基にr!J1.着した CSが
空気中の酸素によシ酸化されてCs2O(融点490℃
)となシこれが蒸発したことによる。これを確認するた
め他の放射性物質についてもその飛散率を調べた結果、
第1表に示すように、それぞれの酸化物の融点以上で飛
散の始まることを確認した。
飛散率変化の調歪結果の一例である。ここで飛散率とは
、熱分解時に排ガス中へ飛散した放射性物質の量を、イ
オン交換樹脂に吸着されていた放射性物質の量で割った
値である。本図においてC,Pは腐食生成物、F、Pは
核分裂生成物を意味する。実線で示す Coはすべての
温度範囲で飛散率10 %(検出限界)以下であシ、破
線で示す137CI+は470℃以下で飛散率10 ≠
以下、470℃以上で飛散率が0.2係となった。なお
、桟面の飛散率は Co + C8ともすべての温度範
囲で10−5%以下であった。 C8が470℃以上で
飛散するのはイオン交換基にr!J1.着した CSが
空気中の酸素によシ酸化されてCs2O(融点490℃
)となシこれが蒸発したことによる。これを確認するた
め他の放射性物質についてもその飛散率を調べた結果、
第1表に示すように、それぞれの酸化物の融点以上で飛
散の始まることを確認した。
第 1 表
以上の結果より、420℃以下で廃樹脂の熱分解を行な
えば1、放射性物質及び分解残渣の排ガス中への飛散が
抑えられることがわかった。
えば1、放射性物質及び分解残渣の排ガス中への飛散が
抑えられることがわかった。
次に、イオン交換樹脂の各成分間の結合部の結合エネル
ギーを説明する。第2図は、陽イオン交換樹脂の骨格構
造を示したものであるが、陰イオン交換樹脂の場合でも
基本的に同じであり、イオン交換基が異なるだけである
。第2図における各成分間の各結合部分1,2,3.4
の結合エネルギーを第2表に示す。
ギーを説明する。第2図は、陽イオン交換樹脂の骨格構
造を示したものであるが、陰イオン交換樹脂の場合でも
基本的に同じであり、イオン交換基が異なるだけである
。第2図における各成分間の各結合部分1,2,3.4
の結合エネルギーを第2表に示す。
第 2 表
イオン交換樹脂の熱分解を行なった場合、結合エネルギ
ーの最も小さいイオン交換基がまず分解し、次に高分子
基体の直鎖部分が、最後にベンゼン環部分が分解する。
ーの最も小さいイオン交換基がまず分解し、次に高分子
基体の直鎖部分が、最後にベンゼン環部分が分解する。
第3図は、示差熱天秤を用いてイオン交換樹脂の熱重量
分析(TGA )を行なった結果を示す。ただし、70
℃〜110℃で起こる水の蒸発に伴う重量減少は示され
ていない。実線は陽イオン交換樹脂の熱重量変化を示し
、破線は陰イオン交換樹(14) 脂のそれを示す。また、各結合部分の分解温度を第3表
に示す。
分析(TGA )を行なった結果を示す。ただし、70
℃〜110℃で起こる水の蒸発に伴う重量減少は示され
ていない。実線は陽イオン交換樹脂の熱重量変化を示し
、破線は陰イオン交換樹(14) 脂のそれを示す。また、各結合部分の分解温度を第3表
に示す。
第 3 表
ココテ、イオン交換樹脂の熱分解メカニズムは陽イオン
交換樹脂の場合を例にとれば(1)式のように示される
。
交換樹脂の場合を例にとれば(1)式のように示される
。
イオン交換樹脂は結合エネルギーの小さい部分からj瞳
に分解していく。まず、結合エネルギーの最も小さいイ
オン交換基が分解し、イオン交換基の分解生成物として
硫黄酸化物ガス(SOx)が発生する(反応■)。次に
、高分子基体はその直鎖部分が酸化によ多切断され、ス
チレンなどの低分子芳香族化合物になる(反応■)。次
にこの低分子芳香族化合物が燃焼(酸化)シ、二酸化炭
素と水になる(反応■)。隈イオン交換樹脂についても
陽イオン交換樹脂と同様なメカニズムで分解する。
に分解していく。まず、結合エネルギーの最も小さいイ
オン交換基が分解し、イオン交換基の分解生成物として
硫黄酸化物ガス(SOx)が発生する(反応■)。次に
、高分子基体はその直鎖部分が酸化によ多切断され、ス
チレンなどの低分子芳香族化合物になる(反応■)。次
にこの低分子芳香族化合物が燃焼(酸化)シ、二酸化炭
素と水になる(反応■)。隈イオン交換樹脂についても
陽イオン交換樹脂と同様なメカニズムで分解する。
第4表に各反応に伴なう発熱量を示す。
第 4 表
イオン交換基の分解反応は吸熱反応であるのに対して、
直鎖部分の分解およびベンゼン環の分解は酸化反応であ
るため、夫々98 kd/molおよび1100 kd
/mo 1発熱する。
直鎖部分の分解およびベンゼン環の分解は酸化反応であ
るため、夫々98 kd/molおよび1100 kd
/mo 1発熱する。
ところで、本発明者らは、反応容器内の温度上昇の原因
となる高分子基体の分解が直鎖部分とベンゼン環の二段
階で分解し、かつ直鎖部分の分解に伴なう発熱量が、ベ
ンゼン環のそれに比べて1/11であることに着目し、
反応容器内での高分子基体の分解を直鎖部分のみにおさ
えれば、反応容器内の温度上昇を防止することが可能に
なると考え、この考えに基づき以下二つの方法を検討し
た。
となる高分子基体の分解が直鎖部分とベンゼン環の二段
階で分解し、かつ直鎖部分の分解に伴なう発熱量が、ベ
ンゼン環のそれに比べて1/11であることに着目し、
反応容器内での高分子基体の分解を直鎖部分のみにおさ
えれば、反応容器内の温度上昇を防止することが可能に
なると考え、この考えに基づき以下二つの方法を検討し
た。
(f) ベンゼン環部分が燃焼(酸化)反応を起さない
程度の酸素濃度下で反応容器内で高分子基体を分解する
。
程度の酸素濃度下で反応容器内で高分子基体を分解する
。
(ロ) ベンゼン環の燃焼反応を抑制する難燃剤を添加
して反応容器内で高分子基体を分解する。
して反応容器内で高分子基体を分解する。
(イ)の方法について検討するため、熱天秤にょシ40
0℃で反応容器内雰囲気の酸素濃度を変化させたときの
イオン交換樹脂の分解速度を測定した。
0℃で反応容器内雰囲気の酸素濃度を変化させたときの
イオン交換樹脂の分解速度を測定した。
結果を第4図に示す。この図から、分解速度は酸素濃度
18q6を界とし急激に上昇することがわかる。これは
18%以上の酸素濃度ではベンゼン環の燃焼反応が起き
ていることによるものである。
18q6を界とし急激に上昇することがわかる。これは
18%以上の酸素濃度ではベンゼン環の燃焼反応が起き
ていることによるものである。
雰囲気の酸素濃度が18チ以下のときはベンゼン環の燃
焼反応は起らず、直鎖部分の酸化によシステレン等の低
分子芳香族化合物に分解される。この低分子芳香族化合
物は揮発する。よって、酸素濃度18%以下の雰囲気中
では、従来の空気中(酸素21チ)での分解よりも発熱
量を1/11に低減することができる。
焼反応は起らず、直鎖部分の酸化によシステレン等の低
分子芳香族化合物に分解される。この低分子芳香族化合
物は揮発する。よって、酸素濃度18%以下の雰囲気中
では、従来の空気中(酸素21チ)での分解よりも発熱
量を1/11に低減することができる。
そこで、この方法の有効性を確認するために、第5図に
示す実験装置でイオン交換樹脂分解時の反応容器内の温
度変化を測定した。第5図において、ステンレス製反応
容器5内に廃樹脂6を150g入れ、下部よシ分散板7
を介して、雰囲気ガス8を均一に流すと共に、電気炉9
によシ廃樹脂6を熱分解した。この際、放射性物質の飛
散を配属して反応容器上部にはフィルター10を取シ付
けた。反応容器内の温度をモニターするため、反応容器
内の上部、中部、下部の三ケ所に熱電対11を配置した
。
示す実験装置でイオン交換樹脂分解時の反応容器内の温
度変化を測定した。第5図において、ステンレス製反応
容器5内に廃樹脂6を150g入れ、下部よシ分散板7
を介して、雰囲気ガス8を均一に流すと共に、電気炉9
によシ廃樹脂6を熱分解した。この際、放射性物質の飛
散を配属して反応容器上部にはフィルター10を取シ付
けた。反応容器内の温度をモニターするため、反応容器
内の上部、中部、下部の三ケ所に熱電対11を配置した
。
本装置を用い、反応容器内の設定温度を400℃として
8時間熱分解したときの反応容器内の最高温度(三つの
熱電対の検知温度の最高のもの)の経時変化を第6図に
示す。実線は雰囲気として酸素濃度15チのガスを、゛
まだ破線は雰囲気として空気を流したときの最高温度の
変化を示している。酸素濃度15チのガスでは最高温度
が420℃であるのに対して、空気(酸素濃度21g6
)の場合にはそれは600℃以上であった。また、発生
ガスをガスクロマトグラフにより分析を行なった結果、
酸素濃度15チの雰囲気を供給した場合にはスチレン等
の芳香族化合物のガスが大量に発生しているのに対して
、空気を供給した場合では発生ガスは二酸化炭素、水が
主成分であった。
8時間熱分解したときの反応容器内の最高温度(三つの
熱電対の検知温度の最高のもの)の経時変化を第6図に
示す。実線は雰囲気として酸素濃度15チのガスを、゛
まだ破線は雰囲気として空気を流したときの最高温度の
変化を示している。酸素濃度15チのガスでは最高温度
が420℃であるのに対して、空気(酸素濃度21g6
)の場合にはそれは600℃以上であった。また、発生
ガスをガスクロマトグラフにより分析を行なった結果、
酸素濃度15チの雰囲気を供給した場合にはスチレン等
の芳香族化合物のガスが大量に発生しているのに対して
、空気を供給した場合では発生ガスは二酸化炭素、水が
主成分であった。
さらに発明者らは←)の方法、すなわち、反応容器内雰
囲気の酸素濃度を下げずに難燃剤の添加によりベンゼン
環の燃焼反応を抑制する方法を検討した。すなわち、空
気を供給して反応容器内で樹脂を分解するときに難燃剤
(燃焼反応を抑える物質)の添加を行なう方法を検討し
た。この方法は、難燃剤を樹脂分解時に添加すると、(
])式において反応(n)を抑制することなく反応佃〕
を抑制することができるとの考えに基づくものである。
囲気の酸素濃度を下げずに難燃剤の添加によりベンゼン
環の燃焼反応を抑制する方法を検討した。すなわち、空
気を供給して反応容器内で樹脂を分解するときに難燃剤
(燃焼反応を抑える物質)の添加を行なう方法を検討し
た。この方法は、難燃剤を樹脂分解時に添加すると、(
])式において反応(n)を抑制することなく反応佃〕
を抑制することができるとの考えに基づくものである。
そこで、との難燃剤を用いる方法の効果を確認するため
に、第5図の実験装置による実験を行なった。廃樹脂1
50gに難燃剤としてトリアリルホスフェート10!9
を添加して反応容器に入れ、空気を供給し、設定温度を
400℃として樹脂の分解を行なった。第7図に、反応
容器内の最高温度の経時変化を示す。この図から反応容
器内の最高温度はやはり420℃以下に抑えられること
がわかる。難燃剤としてトリアリルホスフェートの他ニ
、パークロロペンタシクロデカン、テトラブロモエタン
、臭化アンチモン等を用いても効果があることを確認し
た。
に、第5図の実験装置による実験を行なった。廃樹脂1
50gに難燃剤としてトリアリルホスフェート10!9
を添加して反応容器に入れ、空気を供給し、設定温度を
400℃として樹脂の分解を行なった。第7図に、反応
容器内の最高温度の経時変化を示す。この図から反応容
器内の最高温度はやはり420℃以下に抑えられること
がわかる。難燃剤としてトリアリルホスフェートの他ニ
、パークロロペンタシクロデカン、テトラブロモエタン
、臭化アンチモン等を用いても効果があることを確認し
た。
以上の実験結果および省察に基づいて、次のような使用
済放射性イオン交換樹脂の熱分解方法を案出した。
済放射性イオン交換樹脂の熱分解方法を案出した。
すなわち、該使用済イオン交換樹脂の少くとも高分子基
体を、反応容器内において、ベンゼン環部分の燃焼反応
が起きない程度に不活性ガスまたは難燃剤を添加した状
態下で酸化性雰囲気中で350℃〜420℃の温度で熱
分解し、このとき゛発生する低分子芳香族化合物のガス
を該反応容器外のアフターバーナーで完全燃焼させる。
体を、反応容器内において、ベンゼン環部分の燃焼反応
が起きない程度に不活性ガスまたは難燃剤を添加した状
態下で酸化性雰囲気中で350℃〜420℃の温度で熱
分解し、このとき゛発生する低分子芳香族化合物のガス
を該反応容器外のアフターバーナーで完全燃焼させる。
該イオン交換樹脂は、高分子基体の上記熱分解時にその
イオン交換基も共に熱分解せしめてもよいが、好ましく
は高分子基体の熱分解に先立って不活性雰囲気中で30
0〜350℃に熱することによシイオン交換基のみを予
め選択的に熱分解せしめておくのがよく、このようにす
れば、イオン(21) 交換基の熱分解で発生する有害なSOXやNOx等のガ
スを選択的に分離することができ、排ガス処理に有利で
ある(この点については特願昭58−232478参照
)。
イオン交換基も共に熱分解せしめてもよいが、好ましく
は高分子基体の熱分解に先立って不活性雰囲気中で30
0〜350℃に熱することによシイオン交換基のみを予
め選択的に熱分解せしめておくのがよく、このようにす
れば、イオン(21) 交換基の熱分解で発生する有害なSOXやNOx等のガ
スを選択的に分離することができ、排ガス処理に有利で
ある(この点については特願昭58−232478参照
)。
前記の使用済放射性イオン交換樹脂の熱分解方法によれ
ば、放射性核種は酸化物として反応容器内の残渣中に残
り、放射性核種やそれを含んだ残渣の飛散は殆んどなく
、また反応容器内温度も420℃以下の温度に保たれる
ので反応容器の劣化を防止することができる。反応容器
内雰囲気の流動は放射能飛散を少しでも減らすためなる
べく小であるのがよい。
ば、放射性核種は酸化物として反応容器内の残渣中に残
り、放射性核種やそれを含んだ残渣の飛散は殆んどなく
、また反応容器内温度も420℃以下の温度に保たれる
ので反応容器の劣化を防止することができる。反応容器
内雰囲気の流動は放射能飛散を少しでも減らすためなる
べく小であるのがよい。
高分子基体分解時に添加する不活性ガスとしては窒素ガ
ス、希ガス、水蒸気、炭酸ガス、四塩化炭素ガス又は臭
化メチルガス等を用いることができ、これを添加するこ
とによシ反応容器内の雰囲気の酸素濃度を空気のそれよ
りも低い18襲以下に抑える。
ス、希ガス、水蒸気、炭酸ガス、四塩化炭素ガス又は臭
化メチルガス等を用いることができ、これを添加するこ
とによシ反応容器内の雰囲気の酸素濃度を空気のそれよ
りも低い18襲以下に抑える。
また前記添加する難燃剤としてはトリアリルホスフェー
ト、パークロロペンタシクロデカン、テ(22) トラブロモエタン、トリスノプロモゾロビルホスフェー
ト、含ハロケ9ンリン酸エステル、臭化アンチモン、又
ハネ飽和フロム化アルコールエステルを用いることがで
きる。
ト、パークロロペンタシクロデカン、テ(22) トラブロモエタン、トリスノプロモゾロビルホスフェー
ト、含ハロケ9ンリン酸エステル、臭化アンチモン、又
ハネ飽和フロム化アルコールエステルを用いることがで
きる。
なお前記のアフター・ぐ−ナーでの低分子芳香族化合物
ガスの燃焼においては、たとえ高温を生じても、その燃
焼炎から周囲器壁を十分離すことができるから、器壁劣
化の問題は生じない。
ガスの燃焼においては、たとえ高温を生じても、その燃
焼炎から周囲器壁を十分離すことができるから、器壁劣
化の問題は生じない。
次に本発明の具体的実施例について以下説明する。
実施例1
原子力発電所から発生する使用済放射性イオン交換樹脂
を本発明に基づき熱分解法によυ減容無機化する実施例
を第8図のシステムのフロー線図を用いて説明する。
を本発明に基づき熱分解法によυ減容無機化する実施例
を第8図のシステムのフロー線図を用いて説明する。
第8図において、廃樹脂はスラリー状態であり、スラリ
ー輸送管12を経て廃樹脂貯蔵タンク13に供給される
。この廃樹脂は、放射性核種として60Co 、 ”4
Mn ftどの腐食生成物および137C1I、 90
sr。
ー輸送管12を経て廃樹脂貯蔵タンク13に供給される
。この廃樹脂は、放射性核種として60Co 、 ”4
Mn ftどの腐食生成物および137C1I、 90
sr。
106Ruなどの核分裂生成物を各々10μCi/g(
乾燥重量)含むもので、その陽イオン交換樹脂と陰イオ
ン交換樹脂の割合は2:1である。廃樹脂は脱水器14
によシ遠心脱水され、密閉型反応器15内に乾燥重量と
して2 Q kg供給される。反応容器15は内容積1
00ノである。次いで、まず、不活性気体として窒素ボ
ンベ16より窒素ガスを反応容器15に供給し、加熱ヒ
ータ17で反応容器15の温度を350℃に加熱しイオ
ン交換基を選択的に分解する。この際発生するイオン交
換基の分解生成物である硫黄化合物(Sox、 H2S
等)と窒素化合物(NOx、 NH5等)はガス状であ
υ、約1.57)+、3発生する。これらの排ガスはア
ルカリスクラバー18で除去される。上記温度では放射
性核種の排ガス中への飛散がないのでアルカリスクラバ
ーよ多発生する廃液は非放射性であるから、原子力発電
所内の非放射性化学廃液処理工程によ多処理し得る。ア
ルカリスクラバー廃液を乾燥処理して得られた固形Na
2SO4等の二次廃棄物は、放射能濃度10 μC1/
9以下であシ、非放射性廃棄物として取り扱える。
乾燥重量)含むもので、その陽イオン交換樹脂と陰イオ
ン交換樹脂の割合は2:1である。廃樹脂は脱水器14
によシ遠心脱水され、密閉型反応器15内に乾燥重量と
して2 Q kg供給される。反応容器15は内容積1
00ノである。次いで、まず、不活性気体として窒素ボ
ンベ16より窒素ガスを反応容器15に供給し、加熱ヒ
ータ17で反応容器15の温度を350℃に加熱しイオ
ン交換基を選択的に分解する。この際発生するイオン交
換基の分解生成物である硫黄化合物(Sox、 H2S
等)と窒素化合物(NOx、 NH5等)はガス状であ
υ、約1.57)+、3発生する。これらの排ガスはア
ルカリスクラバー18で除去される。上記温度では放射
性核種の排ガス中への飛散がないのでアルカリスクラバ
ーよ多発生する廃液は非放射性であるから、原子力発電
所内の非放射性化学廃液処理工程によ多処理し得る。ア
ルカリスクラバー廃液を乾燥処理して得られた固形Na
2SO4等の二次廃棄物は、放射能濃度10 μC1/
9以下であシ、非放射性廃棄物として取り扱える。
反応容器15内で約1時間かけてイオン交換基のみが分
解して残った廃樹脂(高分子基体)は、次に同一反応容
器内で、設定温度を400℃とし酸化雰囲気下で酸化分
解される。この場合、コンプレッサー19よシ空気を2
1.51/分で、且つ、窒素がンペ16よシ蟹素ガスを
8.51/分の流量でガス混合タンク20に供給し、ガ
ス混合タンク20よ)酸素濃度15襲のガスを流量30
1/分で反応容器15に供給する。この低酸素濃度ガス
によυ高分子基体は低分子芳香族化合物に分解され揮発
する。この揮発した低分子芳香族化合物のガスをアフタ
ーバーナ21で完全燃焼させる。この燃焼により発生し
たC02々どのガスはフィルター22を介して大気中に
放出される。分解終了後フィルター22の放射能の量を
測定したが、検出限界以下であシ放射能の飛散は見られ
なかった。
解して残った廃樹脂(高分子基体)は、次に同一反応容
器内で、設定温度を400℃とし酸化雰囲気下で酸化分
解される。この場合、コンプレッサー19よシ空気を2
1.51/分で、且つ、窒素がンペ16よシ蟹素ガスを
8.51/分の流量でガス混合タンク20に供給し、ガ
ス混合タンク20よ)酸素濃度15襲のガスを流量30
1/分で反応容器15に供給する。この低酸素濃度ガス
によυ高分子基体は低分子芳香族化合物に分解され揮発
する。この揮発した低分子芳香族化合物のガスをアフタ
ーバーナ21で完全燃焼させる。この燃焼により発生し
たC02々どのガスはフィルター22を介して大気中に
放出される。分解終了後フィルター22の放射能の量を
測定したが、検出限界以下であシ放射能の飛散は見られ
なかった。
このように、揮発した1氏分子芳香族化合物をアフター
バーナで燃焼させつつ、約8時間、反応容器内の酸化雰
囲気中で廃樹脂の高分子基体を分解した結果、高分子基
体は完全に分解し、放射性の(25) 分解残渣のみとなった。また反応容器内の温度は、熱分
解中420℃以下に抑えられていた。
バーナで燃焼させつつ、約8時間、反応容器内の酸化雰
囲気中で廃樹脂の高分子基体を分解した結果、高分子基
体は完全に分解し、放射性の(25) 分解残渣のみとなった。また反応容器内の温度は、熱分
解中420℃以下に抑えられていた。
上記実施例において、アフターバーナとして発明者らが
開発した三軸バーナ(特許出願昭57−166451号
)を用いたところ、特に製筒の小型化が図れると共に、
アフターバーナからの廃ガス量の低減が可能であった。
開発した三軸バーナ(特許出願昭57−166451号
)を用いたところ、特に製筒の小型化が図れると共に、
アフターバーナからの廃ガス量の低減が可能であった。
実施例2
実施例1の装置において、高分子基体の分解時に反応容
器15内に空気を供給し且つ難燃剤としてトリアリルホ
スフェレートを1.3 kg添加した以外は実施例1と
同様に廃樹脂の熱分解を行なったところ、実施例1と同
様な結果を得た。
器15内に空気を供給し且つ難燃剤としてトリアリルホ
スフェレートを1.3 kg添加した以外は実施例1と
同様に廃樹脂の熱分解を行なったところ、実施例1と同
様な結果を得た。
実施例3
実施例1の装置において、陽イオン交換樹脂に鉄イオン
を、陰イオン交換樹脂にフェロシアンイオンを触媒とし
てイオン交換処理により予め吸着させておくことによシ
、分解温度350℃でも実施例1と同様々結果が得られ
た。
を、陰イオン交換樹脂にフェロシアンイオンを触媒とし
てイオン交換処理により予め吸着させておくことによシ
、分解温度350℃でも実施例1と同様々結果が得られ
た。
(26)
本発明によれば廃樹脂を熱分解処理する方法において、
樹脂の高分子基体の酸化分解時の反応容器内の温度上昇
を抑え且つ排ガス中への放射性物質の飛散を抑えること
が可能になシ、反応容器の長期使用に伴なう劣化を最小
限に抑えることができると共に、放射性排ガス処理用の
フィルター等の浄化装置の負担を大幅に軽減することが
できる。
樹脂の高分子基体の酸化分解時の反応容器内の温度上昇
を抑え且つ排ガス中への放射性物質の飛散を抑えること
が可能になシ、反応容器の長期使用に伴なう劣化を最小
限に抑えることができると共に、放射性排ガス処理用の
フィルター等の浄化装置の負担を大幅に軽減することが
できる。
第1図は廃樹脂を熱分解したときの放射性物質の飛散率
の温度依存性を示す線図、第2図は陽イオン交換樹脂の
分子構造図、第3図は空気雰囲気中でのイオン交換樹脂
の熱分解特性を示す線図、第4図は400℃における拌
囲気酸素濃度を変化させたときの廃樹脂(高分子基体)
の分解速度定数を示す線図、第5図は樹脂分解時の反応
容器内の温度を測定するだめの実験装置の概要断面図、
第6図および第7図は夫々雰囲気酸素濃度を調整したと
き、および難燃剤を加えたときの廃樹脂熱分解時の反応
容器内の最高温度の経時変化を示す線図、第8図は本発
明の方法の一実施例を実施する装置のシステムフロー線
図でアル。 5・・・ステンレス鋼製反応容器 6・・・廃樹脂 7・・・分散板 8・・・供給ガス 9・・・ヒータ 10・・・フィルタ 11・・・熱電対12・・・廃樹
脂供給管 13・・・廃樹脂貯蔵タンク14・・・遠心
脱水機 15・・・反応容器16・・・窒素ホンペ 1
7・・・ヒータ18・・・アルカリスクラバー 19・・・コンプレッサー 20・・・ガス混合タンク
21・・・アフターバーナ 22・・・フィルタ第1図 第2図 り 50s月 第3図 過度(0Q) 噸 ・躯ε 第1頁の続き 0発 明 者 森 和 彦 日立市幸町。
の温度依存性を示す線図、第2図は陽イオン交換樹脂の
分子構造図、第3図は空気雰囲気中でのイオン交換樹脂
の熱分解特性を示す線図、第4図は400℃における拌
囲気酸素濃度を変化させたときの廃樹脂(高分子基体)
の分解速度定数を示す線図、第5図は樹脂分解時の反応
容器内の温度を測定するだめの実験装置の概要断面図、
第6図および第7図は夫々雰囲気酸素濃度を調整したと
き、および難燃剤を加えたときの廃樹脂熱分解時の反応
容器内の最高温度の経時変化を示す線図、第8図は本発
明の方法の一実施例を実施する装置のシステムフロー線
図でアル。 5・・・ステンレス鋼製反応容器 6・・・廃樹脂 7・・・分散板 8・・・供給ガス 9・・・ヒータ 10・・・フィルタ 11・・・熱電対12・・・廃樹
脂供給管 13・・・廃樹脂貯蔵タンク14・・・遠心
脱水機 15・・・反応容器16・・・窒素ホンペ 1
7・・・ヒータ18・・・アルカリスクラバー 19・・・コンプレッサー 20・・・ガス混合タンク
21・・・アフターバーナ 22・・・フィルタ第1図 第2図 り 50s月 第3図 過度(0Q) 噸 ・躯ε 第1頁の続き 0発 明 者 森 和 彦 日立市幸町。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、 使用済イオン交換樹脂の少くとも高分子基体を、
反応容器内において、ベンゼン環部分の燃焼反応が起き
ない程度に燃焼反応を抑制する物質を加えて酸化性雰囲
気下で350℃〜420℃の温度で熱分解し、このとき
発生する低分子芳香族化合物のガスを該反応容器外にて
アフターバーナーで完全燃焼させることを特徴とする使
用済イオン交換樹脂の処理方法。 2、前記燃焼を抑制する物質は不活性ガスである特許請
求の範囲第1項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法
。 3、不活性ガスを加えることにより反応容器内の上記雰
囲気の酸素濃度を18係以下とする特許請求の範囲第2
項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。 4、 前記不活性ガスは窒素ガス、希ガス、水蒸気、炭
酸ガス、四塩化炭素ガス又は臭化メチルガスである特許
請求の範囲第2項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方
法。 5、 前記燃焼を抑制する物質は難燃剤である特許請求
の範囲第1項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。 6、 難燃剤はトリアリルホスフェート、パークロロペ
ンタシクロデカン、テトラブロモエタン、トリスジブロ
モプロピルホスフェート、含ハo)fンリン酸エステル
、臭化アンチモン又は不飽和ブロム化アルコールエステ
ルである特許請求の範囲第5項記載の使用済イオン交換
樹脂の処理方法。 7、 前記高分子基体の熱分解に先立ち、使用済イオン
交換樹脂のイオン交換基全不活性雰囲気中で300℃〜
350℃で予め熱分解する特許請求の範囲第1項記載の
使用済イオン交換樹脂の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1760184A JPS60162999A (ja) | 1984-02-02 | 1984-02-02 | 使用済イオン交換樹脂の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1760184A JPS60162999A (ja) | 1984-02-02 | 1984-02-02 | 使用済イオン交換樹脂の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60162999A true JPS60162999A (ja) | 1985-08-24 |
JPH0257879B2 JPH0257879B2 (ja) | 1990-12-06 |
Family
ID=11948400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1760184A Granted JPS60162999A (ja) | 1984-02-02 | 1984-02-02 | 使用済イオン交換樹脂の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60162999A (ja) |
-
1984
- 1984-02-02 JP JP1760184A patent/JPS60162999A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0257879B2 (ja) | 1990-12-06 |
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