JPS6016000Y2 - 油だめ用自動排水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は屋外に露出して設けられた各種機械装置の油だ
めに侵入する雨水を流体力学におけるサイホンの原理に
より容易に排出可能にする油だめ用自動排水装置に関す
るものである。

、従来、歯車減速装置の一部である大歯車等が屋外に露
出した状態で設置された場合、悪天候時においてその大
歯車潤滑用の油だめに、雨水や海水が混入味その結果、
大歯車の潤滑に大きな障害を与えると同時に、雨水や、
海水が油だめにあふれ、潤滑油が外部へ流出するという
事態が発生する。

例えば、船体にむき出しの状態で直接溶接付けされたジ
ヤツキアップ装置の一部である歯車減速装置の大歯車は
、屋外に対し露出した取り付けられている。

このため、海洋上において、ジヤツキアップ式オイルリ
グが嵐に遭遇した場合、波浪及び風雨を直接受け、大歯
車の潤滑用として用意された油だめの中に海水、雨水が
侵入し、前記のごとき問題が発生する。

そこで本考案は、前記従来の問題点を解消するためにな
されたものであり、屋外に露出して設置された各種機械
装置の潤滑用潤滑油の油ために侵入する雨水を自動的に
油だめ外に排出する自動Ｊ＝Ｊ１水装置を提供すること
を目的としたものである。

すなわち、本考案の油だめ用自動排水装置は、屋外に露
出して設けられた機械装置に潤滑油を付与するための油
だめに前記油だめ内の規定の油レベルと同じ高さに溢出
口を有するサイホン式排水装置を連通させ、且つ前記油
だめ内に、予め水を注入して前記サイホン式排水装置内
に水を介在させたことを特徴とする。

以下図面を参照して本考案の詳細を説明するが、第１図
は本考案の実施例１における海洋などで屋外に露出して
設けられたジヤツキアップ式オイルリグの側面図、第２
図は第１図の平面図、また、第３図は第１図のジヤツキ
アップ式オイルリグのジヤツキアップ装置４の拡大後面
図である。

まず、このジヤツキアップ式のオイルリグは、海底油田
掘削等に用いられるものであり、１はリグ本体、２はリ
グ本体１を上下に貫通して設けられた３本のレグである
。

このレグ２はジヤツキアップ装置４を介して上記リグ本
体１に取り付けられており、３はレグコード、５は掘削
用やぐら、６はヘリポート、そして７はフーチングであ
る。

第３図はオイルリグを昇降させるジヤツキアップ装置４
を後から見た後面図で、そのリグ本体１に直接溶接性さ
れたジヤツキアップ装置４において、８は歯車減速装置
における大歯車で、９は歯車減速装置、１０は大歯車８
の潤滑用潤滑油の油だめであり、１１は油だめ１０に侵
入した海水、雨水を自動的に排出する本考案のサイホン
式排出装置であり、以下このサイホン式排水装置１１に
ついて第４図から第８図に基づき説明する。

第４図はサイホン式排水装置１１が油だめ１０に取り付
けられたところを示す側断面図であり、第５図はサイホ
ン式排水装置１１を前方から見た一部断面の正面図であ
る。

サイホン式排水装置１１は、チー１２、ニップル１３、
プラグ１４、排出口３１を有する１８０゜エルボ１６、
ブッシング３７より構成されており、また、油だめ１０
とサイホン式排水装置１１とは、油だめ１０の底部に設
けられた排水穴１７によって連通されている。

更に詳しくは、排水穴１７は前記ニップル１３に、その
中心より下側に位置して設ける。

この油だめ１０に貯えられている潤滑油１８は、海水及
び雨水と分離性がよく、また海水及び雨水より比重が低
いものを使用している。

１９は油だめ１０の底にあらかじめ沈澱させている水で
あり、また２０はサイホン式排水装置１１内における水
のレベルを示しており、この水のレベル２０の高さの位
置に、このサイホン式排水装置１１の排水口３１を設け
ている。

次に、上記の構成からなる本考案のサイホン式排水装置
１１の機能を説明すると、まず、海水及び雨水が侵入す
る前の油だめ１０及びサイホン式排水装置１１の内部の
状態を第６図に示しており、ここで２１は潤滑油１８の
規定レベルであり、はた２２は油だめ１０の底にあらか
じめ沈澱させている氷１９のレベルである。

この規定レベル２１は、サイホン式排水装置１１の排水
口３１と同じ高さであるので、氷のレベル２３と同じ高
さに釣り合った状態にある。

第７図は、第６図の状態から一歩進んで海水及び雨水が
油だめ１０の中へ侵入した状態を示すものであるが、こ
の図において２４は侵入した海水及び雨水によるレベル
であり、２５は潤滑油の規定レベルを示している。

また、２６は油だめ１０の底にあらかじめ沈澱させた水
のレベルでアル。

いま、侵入した海水及び雨水によるレベル２４は、第６
図におけるサイホン式排水装置１１の水のレベル２３よ
り高いため、流体力学におけるサイホンの原理により、
レベル２３はおし上げられ、第７図の２７に示すごとく
サイホン式排水装置１１内部に充満し、ついには排出口
３１から外部へと排出される。

また、侵入した海水及び雨水は、潤滑油１８より比重が
大きく、分離性が良いため、遂時油だめ１０の底へ沈澱
してゆき、順次外部へと排出される。

海水、雨水の侵入がついには止んだ時、第８図に示すが
ごとく、最初の状態、すなわち第６図の状態へと安定す
る。

第８図において、２８は潤滑油１８の規定レベルであり
、２９は油だめ１０の底に沈澱ｌ、た海水、雨氷のレベ
ルを示し、また、３０はサイホン式排水装置１１内部の
海水及び雨水のレベルを示す。

次に、第９図は本考案の実施例２におけるセメント用ロ
ータリーキルンの側面図であり、第１０図はその正面図
であるが、このロータリーキルンはセメントを焼きなが
ら運搬する装置のため、屋外に露出して設けられるもの
であり、大口径のキルン３２の外周に取り付けられたロ
ータリーキルン回転用の大歯車３３は、基礎３４の上の
軸受３５にて軸支された駆動歯車３６で回転されるよう
になっている。

この場合、駆動モータ３７により減速機３８、カップリ
ング３９及び駆動用歯車３６を介して、ゆっくりと回転
する大歯車３３の潤滑用潤滑油の油だめ１０に溜められ
た潤滑油内に、雨水が侵入することは避けられないが、
この油だめ１０に本考案のサイホン式排水装置１１を取
り付けることにより、雨水を自動的に排水することがで
きる。

なお、上記のごとく本考案を適用可能なものとしては、
ロータリードライヤー及びドラムミキサー等陸上設置の
機械装置及び船舶、海洋構造物上に各種機械装置等、広
範囲なものが考えられる。

上記の如く、本考案は、屋外に露出して設けられた機械
装置に潤滑油を付与するための油だめに前記油だめ内の
規定の油レベルと同じ高さに溢出口を有するサイホン式
排水装置を連通させ、且つ前記油だめ内に、予め水を注
入して前記サイホン式排水装置内に水を介在させたので
、油だめに侵入した余分な海水や雨水のみ排出され、潤
滑油を外部に流失させることがない。

したがって、機械装置の潤滑に何らの支障も生じない。

更に、本考案は流体力学における圧力差により生じる力
のみを利用しており、他の人工的な動力を必要としない
という利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１におけるジヤツキアップ式オ
イルリグの側面図、第２図は第１図の平面図、第３図は
第１図のジヤツキアップ装置の拡大後面図、第４図は第
３図のサイホン式排出装置の取付部の拡大側断面図、第
５図は第４図のサイホン式排出装置の一部断面の正面図
、第６図、第７図及び第８図は、第５図のサイホン式排
出装置の機能を説明するための一連の説明図、第９図は
本考案の実施例２におけるセメント用ロータリーキルン
の要部側面図、第１０図は第９図の正面図である。 ４・・・・・・ジヤツキアップ装置、８・・・・・・大
歯車、１０・・・・・・油だめ、１１・・・・・・サイ
ホン式排水装置、１７・・・・・・排水穴、１８・・・
・・・潤滑油、１９・・・・・・水、２０・・・・・・
レベル、２１，２５．２８・・・・・・規定レベル、３
１・・・・・・排出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋外に露出して設けられた機械装置に潤滑油を付与する
   ための油だめに前記油だめ内の規定の油レベルと同じ高
   さに溢出口を有するサイホン式排水装置を連通させ、且
   つ前記油だめ内に、予め水を注入して前記サイホン式排
   水装置内に水を介在させたことを特徴とする油ため用自
   動排水装置。