JPS6014957Y2

JPS6014957Y2 - 大型立軸ポンプの軸封装置

Info

Publication number: JPS6014957Y2
Application number: JP8244380U
Authority: JP
Inventors: 仁新浜
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 1980-06-12
Filing date: 1980-06-12
Publication date: 1985-05-11
Also published as: JPS575993U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は大型室軸ポンプの軸封装置に関するものであ
る。

従来の大型室軸ポンプは、第１図に示されているように
、周側一部から接線方向に沿う導水管２を取り出し、か
つ開口された中心部側にポンプケーシング３を形成した
、放射方向断面が円形で渦巻円環状をなす板金製ケーシ
ング型枠１を有し、この型枠１の外囲部にコンクリート
４を打設固化してケーシング体とすると共に、型枠中心
部側上方には軸承装置６と、ポンプ室に面して軸封装置
７とをもつケーシングカバー５を、下方にはケーシング
ライナ８をそれぞれに配賦また軸承装置６に支持させた
支軸９の下部を軸封装置７により軸封してポンプケーシ
ング３内に突出させ、かつこの突出軸端に設けた羽根車
１０を、ケーシングライナ８に僅かな間隙で対峙させて
あり、羽根車１０の回転により、吸込み口１１から流路
１２を経て吸込んだ水を、遠心作用によってケーシング
型枠１内に放出させ、導水管２から外部に送水するよう
にしたものである。

こ）でこの種の大型室軸ポンプ、特に閉水路とした大型
室軸ポンプにおいては、吸込み側の水位がり、Ｗ、
Ｌ、すなわちローウォーターレベルのときでも、軸封部
に常時水圧がかけられている場合があり、この状態で軸
封部のグランドバッキングその他の軸封部材を取換える
のには、一旦、この水圧を軸封部から取除く、換言する
と吸込側の水位を軸封部以下のレベルに低下させる必要
がある。

従って、従来においては、前記吸込側の水位を軸封部７
以下のレベルまで低下させるために、ポンプの吸込み口
１１と連通ずる吸込み流路Ａを流体供給側から開閉ゲー
ト或いは第１図に示す如き角落しゲートＢによって遮断
した上で、その遮断された流路Ａ内の流体を所要量排除
するようにしていた。

ところが、前記開閉ゲートを設けておくことは、建設費
が大巾に高くなり、これが常時使用するものでないとこ
ろから、極めて不合理であり、無駄であった。

この点、角落しゲートＢは、その構造上からいっても開
閉ゲートを設ける場合に比し安価に建設しておくことが
できるものである。

そこで、従来一般には、このような経済上の理由から、
開閉ゲートのような大掛りな遮断手段を用いず、簡易な
角落しゲートを設けるようにしているのが実状である（
財団法人日本産業機械工業会、産業機械Ｎｏ、３４１、
昭和５４２月発行参照）。

しかし、この角落しゲートＢによる場合は、ウィンチ等
で幾つもの角材ｂ・・・をガイドｃ、Ｃ間に順次挿入
して吸込み流路Ａを遮断し、その後再び各角材すを引き
上げなければならず、作業が極めて面倒になるという問
題点がある。

この考案は、従来におけるこのような問題点を解決し、
角落しゲートの如き吸込流路の遮断手段を設けておかず
とも、吸込み流路内の水位が軸封部位置よりも高い場合
においても、軸封部の軸封部材を簡便に取換えることが
できる、大型室軸ポンプの軸封装置を提供するものであ
る。

すなわち、本考案の大型室軸ポンプの軸封装置は、支軸
をポンプケーシングから軸封する構成にあって、前記支
軸の軸周面に常時摺接する軸封部材を配した装置本体を
設け、この装置本体の軸封部材よりもポンプケーシング
側の内面に、軸方向に直交する案内溝を周設させ、また
前記支軸の軸周面に対応する接圧面を有して周方向に複
数分割され、かつそれぞれの接圧面に弾性体を貼着した
各支持片を設け、これらの各支持片を前記案内溝に摺動
自在に嵌挿させてこの状態でこれら各支持片を常時拡開
方向に保持するスプリングをこれら各支持片間に介設す
ると共に、外側から螺装した各螺子杆により、各接圧面
の弾性体を該当軸周面に圧接し得るようにしたものであ
る。

従って、本考案のような構成であれば、前記軸封部材の
取換えに際しては、各螺子杆を装置本体の外側から螺進
させて、各支持片の接圧面に貼着した弾性体を該当軸周
面に圧接させることにより、この部分、すなわち軸封部
材とポンプケーシング側とを軸封することができる。

このため、軸封部材に加えられていた水圧は絶縁される
ことになるから、従来のように吸込み通路を遮断し且つ
その遮断された内部の流体を所要量排除しなくとも、こ
の状態で前記軸封部材を容易に取換えることができる。

尚、作業終了後は、前記各螺子杆を戻し操作すればよい
。

そうすれば各支持片は拡開され、その接圧面に貼着した
弾性体が軸周面から離れるから、前述の軸封部材とポン
プケーシング側との間の軸封状態は簡単に解除される。

以下、この考案の一実施例につき、第２図および第３図
を参照して詳細に説明する。

これらの第２図および第３図において、前記第１図と同
一符号は同一または相当部分を表わしている。

前記軸封装置７は、ケーシングカバー５に取付けられた
装置本体１３と、この本体１３内に上方から詰め込まれ
て、支軸９の軸周面に常時摺接させた公知のグランドバ
ッキングなどの軸封部材１４と、この軸封部材１４を押
圧保持させるバッキング押え１５とからなっており、こ
れらは一般にポンプの組立て設置を容易にするために２
つ割り構成としである。

このような軸封装置においてこの実施例では、装置本体
１３のポンプケーシング３側内壁面に、軸方向に直交す
る案内溝１６を形成させておき、また前記支軸９の軸周
面に対応する内径の接圧面１Ｂ、１８を有して周方向に
２つ割りとされ、かつ各割り面を含む接圧面１８．１８
に弾性体１９．１９を貼着した１対の支持片１７．１７
を設け、これらの各支持片１７．１７を前記案内溝１６
内に摺動自在に嵌挿させる。

しかして前記各支持片１７．１７には、その割り面部の
外側に受は片２０．２０を突設してあり、これらの受は
片２０．２０に挿通した案内杆２１．２１を本体１３に
支持させると共に、番受は片２０．２０間にスプリング
２２．２２を介在させて、その弾圧力により各支持片１
７．１７を相互に拡開方向、つまり軸周面から離れる方
向に常時保持させるようにしである。

そしてまた前記装置本体１３に外側から螺子杆２３，２
３を螺装させ、これらの各螺子杆２３，２３の内端を前
記各支持片１７．１７に係留して、その螺進、退により
各支持片１７．１７を案内溝１６内で径方向に摺動し得
るようにしたものである。

なお図中、２４．２４は各螺子杆２３，２３の突出端を
覆う取り外し可能な保護カバー、２５は清水注入口を示
している。

従ってこの実施例構成では、図示のように支持片１７，
１７を支軸９の軸周面から後退させた状態とすることで
、ポンプ装置の正常運転が可能であり、また軸封部材１
４の取換えに際しては、保護カバー２４．２４を一旦取
外した上で、各螺子杆２３，２３を本体外部から螺進さ
せ、各接圧面１８．１８の弾性体１９．１９を該当軸周
面に圧接させることにより、この部分、すなわち軸封部
材１４とポンプケーシング３側とをあらたに軸封し、こ
の軸封部材１４に加えられていた水圧を絶縁できるもの
で、この状態でバッキング押え１５を取外して、グラン
ドバッキングなどの軸封部材１４を容易に取換えること
ができ、作業終了後は再度前記とは逆の手順で元の状態
に戻しておけばよい。

なお前記実施例においては、各螺子杆２３，２３の内端
と各支持片１７．１７を係留しであるので、時に両支持
片１７．１７を拡開方向に弾圧するスプリング２２．２
２は必要でない場合があり得るが、係留部分のクリアラ
ンスが大きいことを考慮して介装させている。

また各支持片１７，１７は２つ割りとしであるが、より
以上の複数個に分割してもよいことは勿論である。

以上詳述したようにこの考案によるときは、支軸をポン
プケーシングから軸封する軸封装置にあって、支軸の軸
周面に常時摺接するグランドバッキングなどの軸封部材
と共に、この軸封部材とポンプケーシング側とをあらた
に軸封するための複数分割された各支持片を設け、その
各接圧面に弾性体を貼着しておき、これを軸周面に接圧
し得るようにしたから、従来のように軸封部材の取換え
のためだけに建設費の高い開閉ゲートを設けたり、ある
いは面倒な角落し操作を要する角落しゲートを設けたり
、更には遮断された内部の流体を排除するといった煩わ
しい作業をする必要がなく、すこぶる安価な装置で且つ
簡単に軸封部材の取換えを行うことができる。

また各支持片は軸方向に直交する案内溝内に摺動自在に
嵌挿されて、常時拡開方向に保持されているので、必要
なとき以外は支軸の回転を防げず、しかも外側からの螺
子杆の螺進、退により必要に応じて円滑に軸封作用を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は大型室軸ポンプの概要構成を示す断面図、第２
図はこの考案の一実施例を適用した軸封装置の拡大断面
図、第３図は第２図■−■線部の断面図である。１・・・・・・ケーシング型枠、２・・・・・・導水管
、３・・・・・・ポンプケーシング、５・・・・・・ケ
ーシングカバー、６・・・・・・軸承装置、７・・・・
・・軸封装置、８・・・・・・ケーシングライナ、９・
・・・・・支軸、１０・・・・・・羽根車、１１・・・
・・・吸込み口、１３・・・・・・装置本体、１４・・
・・・・軸封部材、１５・・・・・・バッキング押え、
１６・・・・・・案内溝、１７・・・・・・支持片、１
８・・・・・・接圧面、１９・・・・・・弾性体、２１
・・・・・・案内杆、２２・・・・・・スプリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

支軸をポンプケーシングから軸封する構成において、前
記支軸の軸周面に常時摺接する軸封部材を配した装置本
体を設け、この装置本体の軸封部材よりもポンプケーシ
ング側の内面に、軸方向に直交する案内溝を周設させ、
また前記支軸の軸周面に対応する接圧面を有して周方向
に複数分割され、かつそれぞれの接圧面に弾性体を貼着
した各支持片を設け、これらの各支持片を前記案内溝に
摺動自在に嵌挿させてこの状態でこれら各支持片を常時
拡開方向に保持するスプリングをこれら各支持片間に介
設すると共に、外側から螺装した各螺子杆により、各接
圧面の弾性体を該当軸周面に接圧し得るようにしたこと
を特徴とする大型室軸ポンプ軸封装置。