JPS6014343Y2 - 刈払機の安全吊具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈払機の作業中に、刃部に草等が巻き込み、
あるいは刃部が破損する等の事故により作業者が刈払機
を保持することが危険な状態となったとき、作業者の肩
に懸吊するベルトから刈払機本体を離脱せしめるための
刈払機の安全吊具に係るものである。

一般に、刈払機の作業においては、作業者の肩に装着し
たベルトに刈払機の本体を懸吊して、刈払機のエンジン
と刃部とを接続する連結管に設けた握り部と、連結管に
設けたハンドルの握り部とを両手で把持して作業を行な
っている。

作業中に草等が巻き込まれ、あるいは刃部の破損等の事
故により刈払機が異常振動を生じて作業者が保持するこ
とが危険な状態になったとき、ベルトを作業者の肩から
取り外ずすことは困難であるために、従来、第３図に示
すような安全具が用いられていた。

すなわち、刈払機の本体を懸吊するフック３に環体５を
設け、また作業者の肩にかけるベルト７には係合片９が
懸吊され、係合片９の下部に、斜め下方に傾斜する係合
部１１が設けられている。

係合部１１に環体５が係脱自在に係合している。

係合部１１に設けた係合孔１３に挿脱自在に挿入された
係止片１５により、保合部１１との間に環体５を係止す
る。

係止片１５は弾性体１７を介して係合片９に支持され、
また係止片１５を係合孔１３から離脱せしめるための引
手１９が設けられている。

この構成においては、引き手１９を側方または上方に引
くと、係止片１５が係合孔１３から離脱し、環体５が係
合部１１の傾斜面を滑落して、係合片９が離脱し、刈払
機の本体はベルト７から離脱する。

しかるに、この構成によると、引き手１９がベルト７側
に装着されているので、刈払機の本体は、ベルト７から
離脱すると、作業者の手をはなれて作業者の足元に落下
するので、作業者はまだ危険から脱れることができず、
作業自身が刈払機から遠ざかる方向に逃げる必要があっ
て、安全に対して不充分な欠点があった。

本考案は、従来刈払機の本体側に設けられた環体をベル
ト側に設け、従来ベルト側に設けられた係合片を本体側
に設け、係止片を弾性体を介して係合片に支持せしめる
ことにより、引き手が本体側に装着されているので、引
き手を把持して係止片を係合孔から離脱せしめて刈払機
の本体をベルトから離脱せしめた瞬間には、刈払機の本
体は引き手により作業者に保持されており、作業者は引
き手をもって本体を作業者の足元から離れた位置に投げ
出すことができ、危険から完全に脱れることかできる刈
払機の安全吊具を提供しようとするものである。

以下、第１図、第２図により本考案の１実施例について
詳細な説明を行なう。

図において、２１は刈払機の本体を示すもので、つぎの
ように構成されている。

すなわち、２３は刃部２５を回転自在に軸支する支持体
、２７は支持体２３とエンジン２９とを連結する連結管
で、内部にエンジン２９の動力を刃部２５に伝達するた
めの伝動軸（図示せず）が貫通して設けられている。

３１は連結管２７に設けられた握り部、３３は連結管２
７に固着されたハンドル３５に設けられた握り部、３７
はハンドル３５に設けられたスロットルレバーである。

３９は連結管２７に固着する吊環４１に係脱自在に係合
するフック、４３は軸４５によりフック３９に回転自在
に枢着された係合片で、上部に斜め上方に傾斜する係合
部４７が設けられている。

４９は作業者の肩にかけるベルトで、下部に環体５１が
装着されている。

環体５１は係合部４７に係脱自在に係合する。

５３は係合部４７に設けた係合孔５５に挿脱自在に挿入
された係止片で、係合部４７との間で環体５１を係止し
ている。

５７は弾性体（本実施例では合成樹脂製の帯体）で、１
端は係合片４３にリベット５９により固着され、他端は
リベット６１により係止片５３に固着され、中央部は折
り返されてリベット６３により固定されている。

６５は１端を係止片５３にリベット６１により固着され
た引き手で、他端は折り返されてリベット６７により固
定されて握持部６９が設けられている。

以上の構成において、作業者はベルト４９を肩にかけて
、握り部３１、握り部３３を両手で把持し、エンジン２
９の駆動により回転する刃部２５により草等の刈り払い
作業を行なうものである。

作業者に刃部に草等を巻き込み、あるいは刃部の破損等
により異常な振動を生じて作業者が刈払機を保持するこ
とが危険な状態となったときは、作業者は片手で引き手
６５を側方向に引いて係止片５３を係合孔５５から引き
抜くと、環体５１は係合部４７の傾斜面に沿って相対的
に上方に移動して離脱し、刈払機の本体２１はベルト４
９から離脱するが、引き手６５はフック３９、係合片４
３を介して本体２１に装着されているので、作業者は引
き手６５を把持して本体２１を足元から遠ざかる位置に
投げ出すことができるものである。

以上のように本考案は、本体を懸吊するフックと、ベル
トに装着された環体とを設け、前記フックに装着された
係合片の上部に斜め上方に傾斜する係合部を設け、前記
係合部に前記環体を係脱自在に係合して設け、前記保合
部に設けた係合孔に挿脱自在に挿入され、前記係合部と
の間に前記環体を係止するための係止片を設け、前記係
止片を弾性体を介して前記係合片に支持せしめるととも
に、前記係止片を前記係合孔から離脱せしめるための引
き手を前記係止片に設けた刈払機の安全吊具であるから
、刈払作業中に異常な事故により作業者が刈払機を保持
することが危険な状態となったとき、引き手を引くこと
により、刈払機をベルトから容易に離脱せしめることが
できるとともに、引き手を把持して作業者の足元から遠
ざかる位置に刈払機を投げ出すことができ、人身事故か
ら安全に逃れることができるものである。

また、１個の環体を係合片とベルトとの両方に係合せし
めることが可能となり構造簡単にして安価に製作するこ
とができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるものではなく
、他の態様においても実施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る安全吊具を備えた刈払機の斜視説
明図、第２図は本考案の１実施例の斜視説明図、第３図
は従来の安全吊具の斜視説明図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、２１・・・・・
・本体、３９・・・・・・フック、４３・・・・・・係
合片、４７・・・・・・係合部、４９・・・・・・ベル
ト、５１・・・・・・環体、５３・・・・・・係止片、
５５・・・・・・係合孔、５７・・・・・・弾性体、６
５・・・・・・引き手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈払機の本体２１を懸吊するフック３９と、作業者の肩
   に懸吊するためのベルト４９に装着された環体５１とを
   設け、前記フック３９に装着された係合片４３の上部に
   斜め上方に傾斜する係合部４７を設け、前記係合部４７
   に前記環体５１を係脱自在に係合して設け、前記保合部
   ４７に設けた保合孔５５に挿脱自在に挿入され、前記係
   合部４７との間に前記環体５１を係止するための係止片
   ５３を設け、前記係止片５３を弾性体５７を介して前記
   係合片４３に支持せしめるとともに、前記係止片５３を
   前記係合孔５５から離脱せしめるための引き手６５を前
   記係止片５３に設けたことを特徴とする・刈払機の安全
   吊具。