JPS6011474Y2 - 電子式秤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は記憶した計重値データをもとに零点を補正して
計重値表示するよう構成された電子式秤に関する。

計重値をデジタル表示する電子式秤では、アナログ・デ
ジタル変換器を介して荷重値に対応するアナログ信号を
デジタル信号に変換し、例えば電源投入による電子式秤
の動作開始に連動してその時刻の前記アナログ・デジタ
ル変換器出力を所定期間メモリに記憶し、該記憶した重
量値を前記アナログ・デジタル変換器出力の計重値から
差引いた計重値を表示するように構成される。

この場合、前記メモリの内容は、計重値の大きさにかか
わらず電源投入の度にアナログ・デジタル変換器出力の
デジタル信号値に更新されるよう構成されている。

ルかしながら実際上前記アナログ・デジタル変換器の直
線性は限られたものであるため、メモリの内容が大きな
重量値である場合には前記直線性の影響を受は秤の計重
精度が悪化する。

そのため前述のように電源投入に連動してメモリが自動
的に内容更新される場合、計重値表示には既に補正した
計重値１零ヨが表示されるため、計重値表示からメモリ
に書き込まれた重量値の程度を確認することができず、
従来では前記計重精度の悪化を知らぬまま計重値を読み
取ると云った重大な事態が発生する。

また電源投入に連動して自動的に内容更新が指示される
のでなく、メモリに適宜内容更新を指示するよう構成さ
れた場合には、例えば電源投入直後の計重値表示から内
容更新の指示によってメモリに書き込まれる重量値の大
きさを確認することができるが、操作者自身がその大き
さを判別した上で内容更新の指示を行う関係上、誤った
判別あるいは誤動作による更新の指示という事態の発生
が考えられ、操作性の低下ならびに計重精度の悪化につ
ながるものである。

そこで本考案は上記問題点に鑑みて威されたものであっ
て、計重値データが所定重量範囲外の場合に、メモリへ
の内容更新の指示を否定する判別部を設け、精度の悪化
する計重の実施を自動的に阻止することができる電子式
秤を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は電源投入に連動して補正値を記憶するよう構成
された電子式秤の構成を示し、１は荷重をアナログ電圧
に変換するストレインゲージ式ロードセルで、被計量物
を負荷するための受皿およびその周辺装置がむだ口戒分
として常に作用している。

２は励磁電源、３はロードセル１を構成するストレイン
ゲージの一辺に接続されたむだ目消し用可変抵抗器、４
は増幅器５を介したロードセル１出力をデジタル信号に
変換するアナログ・デジタル変換用ＩＣ（以下デジタル
・アナログ変換器と称す〕で、データ出力端子Ｔ１と極
性出力端子Ｔ２を有し、データ出力端子Ｔ１には増幅器
５出力のアナログ電圧Ａ１の大きさに応じたＢＣＤコー
ドのデジタル信号Ｄ□が出力され、極性出力端子Ｔ２は
アナログ電圧Ａ１の極性が正であれば論理レベル゛Ｈｔ
ｔに、負であれば“Ｌ”にそのレベルが変化する。

６は電源投入検出部で、抵抗とコンデンサの直列接続体
７と、シュミット回路８と、微分回路９とから戊り、直
列接続体７には電源投入によって電圧Ｖｏｏが印加され
、シュミット回路８の出力がコンデンサＣ端子電圧が所
定値に達したことを検出して論理レベル“Ｈパに反転す
ると、微分回路９がシュミット回路８出力の立上がりを
検出し、１つのパルスＰを出力する。

１０は判別部で、設定値と前記デジタル信号Ｄ１とを比
較し、所定範囲外の値の場合に論理レベル°゛Ｌ゛′に
反転する比較器１０ａと、比較器１０ａ出力を制御信号
として前記パルスＰの通過を阻止するアンドゲート１０
ｂとから構成される。

１１はメモリで、アンドゲート１０ｂを介して更新命令
としてのパルスＰが供給されたタイミングの前記デジタ
ル信号Ｄ□を、次いでパルスＰが供給される時刻まで記
憶する。

１２はデジタル演算器で、その時々のデジタル信号Ｄ１
からメモリ１１の内容を差引いたデジタル信号Ｄ２を出
力する。

１３は例えばセグメントタイプの表示器から成る表示器
、１４は表示制御部で、デジタル演算器１２出力信号Ｄ
２とアナログ・デジタル変換器４の極性端子Ｔ２出力電
圧とを入力し、極性端子Ｔ２が論理レベル゛Ｈｔｔの場
合にデジタル信号Ｄ２の極性とその大きさを重量値とし
てデジタル表示すべく表示器１３の点灯を制御し、極性
端子Ｔ２が“Ｌ゛′の場合にはデジタル信号Ｄ２にかか
わらず特定の表示１・−一一−ヨをすべく表示器１３の
点灯を制御する。

第２図は荷重と増幅器５出力との関係を示し、比較器１
０ａの前記設定値は増幅器５出力がレベル“零パより高
くかつレベル゛ａ”よりも低い場合に限って比較器１０
ａ出力が論理レベル°゛Ｈ゛。

に反転するように設定されている。

また前記可変抵抗器３を調整することによって特性Ｂは
破線Ｂ′で示すように上下に移動する。

以上のように構成したため、電源を投入した動作開始時
に増幅器５出力レベルＡ１がａ＞Ａ□〉０のスタート領
域Ｃにあれば、比較器１０ａ出力が論理レベル゛Ｈ゛に
反転するため、アンドゲート１０ｂを介して電源投入検
出部６からメモリ１１にパルスＰが供給され、メモリ１
１の内容が自動的に更新される。

そのため表示器１３にはむだ目戊分を補償した計重値“
零゛がデジタル表示される。

また増幅器５出力Ａ□が前記スタート領域Ｃ以外にあれ
ば、パルスＰの通過が判別部１０によって否定され、前
記補正を自動的に阻止する。

よって精度の悪化する計重の実施が阻まれることになる
。

なおむだ目消し用可変抵抗器３は、被計量物を負荷しな
い状態において増幅器５出力電圧が前記スタート領域Ｃ
の中間位置〔第２図点Ｅ〕になるよう調整され、この中
間位置のチェックは次のようにして簡単に行うことがで
きる。

電源投入後に、例えば受皿を持ち上げてロードセル１に
作用する前記むだ目威分が減少するように操作し、表示
器１３の表示が１・−ｍ−−１に変化する直前の表示値
を続み取り、これを予め求められた標準値と比較し、ず
れている場合には再度可変抵抗器１３によって調整する
。

また前記レベル゛°ａ゛′は、秤固有の最大秤量負荷時
においてもアナログ・デジタル変換器４の直線性の影響
を受けないレベルに設定される。

このように判別部１０を設けたため、動作開始時におい
て増幅器５出力がスタート領域Ｃにある場合に限って、
′メモリ１１が内容更新を行い、信頼性の低い計量の実
施を防止することができる。

またアナログ・デジタル変換器４の極性出力端子Ｔ２の
レベル変化を表示するようにしたため、前記動作点Ｅが
スタート領域Ｃの適正位置にあるか否かを容易にチェッ
クすることができ、常に安定した動作が期待できる。

上記実施例においてメモリ１１は電源投入に連動して自
動的に内容更新が行われるよう構成したが、第３図のよ
うにスイッチ１５の操作により適宜内容更新が行われる
ように構成された場合にも判別部１０は有効であって、
操作性の向上ならびに一定計重精度の確保に役立つ。

また上記実施例では極性出力端子Ｔ２のレベルが変化し
たことを計重値表示用の表示器１３を用いて表示するよ
う構成したが、報知手段としては表示部１３とは別の発
光素子あるいは発音装置によって報知することができる
。

以上説明のように本考案によると、補正値として所定の
タイミングの計重値データを記憶するメモリへの更新の
指示を、前記計重値データが所定重量範囲外の場合に自
動的に否定する判別部を設けたため、計量精度の悪化す
る計量を阻止することができ、操作性を損うことなく一
定精度を確保した信頼性のある計重値が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は電子式秤構成図
、第２図は要部説明図、第３図は他の実施例の電子式秤
構成図である。 １・・・・・・ロードセル、３・・・・・・むだ目消し
用可変抵抗器、４・・・・・・アナログ・デジタル変換
用ｉｃ、 ６・・・・・・電源投入検出部、１０・・曲
判別部、１０ａ・・・・・・比較器、１１・・・・・・
メモリ、１２・・曲デジタル演算器、１４・・・・・・
表示制御部、Ｔ１・・曲データ出力端子、Ｔ２・・・・
・・極性出力端子、Ｃ・・曲スタート領域。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内容更新が指示された時の計重値データを所定期間
   記憶するメモリを有し、該メモリの内容をもとに計重値
   デ＝りを補正するよう構成された電子式秤であって、内
   容更新が指示された時の計重値データが、所定範囲外の
   場合に、メモリへの前記内容更新の指示を否定する判別
   部を設けたことを特徴とする電子式秤。 ２ メモリは、電源投入に連動して自動的に内容更新を
   行うよう構成したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の電子式秤。