JPS6011406Y2 - 太陽エネルギの吸収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽エネルギの吸収装置に係り、詳しくは、太
陽エネルギを効果的に吸収し、しかも、このエネルギを
無駄なく遠赤外線領域の熱輻射エネルギとして利用し、
このエネルギにより水等の加熱媒体を効果的に加熱でき
る層状構造物を見える太陽エネルギの吸収装置に係る。

最近、石油エネルギの枯渇の折から、自然界に無限に存
在する太陽エネルギを集熱若しくは吸熱して利用するこ
とがさけばれ、その吸熱手段として種々の吸収装置が提
案実施されている。

これら吸収装置はある程度熱効率よく太陽エネルギを吸
収することができても、吸収熱量を大きくするには、集
光面若しくは受熱面を大きくして太陽エネルギ乃至太陽
光線の集光率を高めるため、装置が大型化し、高価にな
る。

従って、例えば、建屋等に吸熱装置を取付ける場合にも
、建屋の一部として、例えば、屋根等の一部として取付
け、これにパイプラインを接続し、水等の加熱媒体を流
動させ、太陽熱を有効利用しており、装置自体が高価で
あるほか、設置費も高くなって好ましくない。

本考案は上記欠点の解決を目的とし、具体的には、小型
で何れのところにも自由に搬送できるほか、太陽熱を効
果的に吸熱でき、しかも、この吸熱エネルギによりほと
んど熱損失なく水等の加熱媒体を加熱できる太陽熱の吸
熱装置を提案する。

すなわち、本考案は水等の加熱媒体が流動する流動溝の
開放部を、表面に黒色吸収層、裏面にジルコニア質溶着
層を持つアルミニウム板で前記ジルコニア質溶着層が内
側になるようおおい、前記流動溝上にジルコニア質溶着
層を、アルミニウム板ならびに黒色吸収層の層状構造物
を形成して戒ることを特徴とする。

以下、図面によって本考案の実施態様について説明する
。

なお、第１図ならびに第２図は本考案の一つの実施例に
係る吸熱装置の一部を破断て示す平面図とそのＡ−Ａ線
上の断面図でり、第３図は第２図のイ部分の拡大断面図
である。

まず、第１図ならびに第２図において符号１は流動溝を
示し、これら各流動溝１は第２図に示す如く通常板状の
ものとして構成すると共に上部は開放され、流動溝１は
例えば、発泡スチロール等の基台２の上において、その
全面にわたって直接形成する。

また、基台２の内部に各流動溝１に対して直交するよう
一対の主流動路３ａ、３ｂを設け、例えば、一方の主流
動路３ａから水等の加熱媒体（以下、単に媒体という）
を各流動溝１に流入させ、他方の主流動溝３ａから加熱
後の媒体が抽出できるよう構成する。

このように発泡スチロール等の断熱性で軽量の基台２の
表面ならびに内部に、各流動溝１ならびに主流動路３ａ
、３ｂを形成すると、加熱後の媒体はほとんど熱を失な
うことなく所望の場所まで流動し、しかも、装置自体を
軽量化できるため、可搬式のものとして構成できる。

次に、上記構成の各流動溝１において、その上部の開放
部が包囲されるようアルミニウム板４を配置し、このア
ルミニウム板４は工業的に純アルミニウムと云われるも
ののほか、アルミニウム合金から構成する。

更に、第３図に示す如く、アルミニウム板４の表面には
黒色酸化皮膜やあるいは黒色塗料層からなる太陽熱の吸
収層５（第３図参照）′を被着形成させる一方、その裏
面つまり媒体７の流動側にジルコニア質の溶着層６を被
着形成させる。

このように吸収層５、アルミニウム板４ならびに溶着層
６から威る層状構造において、太陽エネルギを吸収しか
つ媒体７を加熱すると、媒体は効果的に加熱昇温できる
。

すなわち、アルミニウム板４の表面は上記のように、黒
色の吸収層５によっておおわれているため、太陽エネル
ギが照射されると、該エネルギの主として熱輻射線は吸
収され、その吸収エネルギはアルミニウム板４を通って
溶着層６に達して溶着層６を加熱する。

この際、溶着層６は例えば、ＺｒＯ２，５ｉ０２の如き
ジルコニア質から戒っており、アルミニウム板が充分加
熱されていない間では、溶着層６ではその中を通過する
アルミニウム板よりの熱輻射線は遠赤外線の波長領域で
吸収されているのに対し、溶着層６が太陽熱により加熱
され高温に達すると、その温度の黒体より放射される波
長領域より長い波長赤外線、つまり、遠赤外線を媒体７
側に向けて輻射し、このたへ遠波長の高エネルギのもと
て媒体７を高効率で加熱する。

また、この熱輻射は通常の如く、アルミニウム板の表面
のみによって行なわれるだけでなく、溶射等によって形
成される溶着層のためにその層の内部においても行なわ
れ、輻射される熱エネルギは相当大きい。

また、溶着層６はアルミニウム板４に被着されているた
め、溶着層６からの輻射エネルギはアルミニウム板裏面
によりほとんど媒体７側に反射でき、媒体７への伝導効
率は一層向上する。

なお、溶着層６は通常ジルコニア物質が好ましいが、こ
れら物質以外でも上記の如く遠赤外線領域で熱輻射エネ
ルギを輻射できるものであれば、何れの物質も用いるこ
とができ、溶射法としては炎溶射その他一般の溶射法で
あれば、何れの方法でも使用でき、更に、溶射性以外に
圧着その他何れの方法でも溶着層は形成できる。

また、太陽熱の吸収層５は輻射能が大きいものとして構
成すれば十分である。

また、表面の吸収層５の上部には、間隔をおいて弾力性
シール材９を介してガラス板８を取付け、更に、基台２
の周囲は保護枠等で包囲する。

以上詳しく説明した通り、本考案は水等の媒体が流動す
る流動溝の開放部をアルミニウム板によっておおい、こ
のアルミニウム板において、表面に太陽エネルギの吸収
層を形成する一方、裏面にジルコニア質等の溶着層を被
着形成させて戒るものであって、太陽エネルギは有効に
吸収できるほか、水等の媒体は遠赤外線によって加熱さ
れ、更に、この遠赤外線はほとんど全て媒体に指向する
ため、媒体はきわめて高い熱効率で加熱できる。

更に、溶着層は溶射等でジルコニア質の粒子で表面を凹
凸に構成すると、熱伝導性等の向上により、媒体を良好
に加熱できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ならびに第２図は本考案の一つの実施例に係る吸
熱装置の一部を破断て示す平面図とそのＡ−Ａ線上の断
面図、第３図は第２図のイ部分の拡大断面図である。 符号、１・・・・・・流動溝、２・・・・・・基台、３
ａ、３ｂ・・・・・・主流動路、４・・・・・・アルミ
ニウム板、５・・・・・・吸収層、６・・・・・・溶着
層、７・・・・・・媒体、８・・・・・・ガラス板、９
・・・・・・弾力性シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水等の加熱媒体が流動する流動溝の開放部を、表面に黒
   色吸収層、裏面にジルコニア質溶着層を持つアルミニウ
   ム板で前記ジルコニア質溶着層をか内側になるようおお
   い、前記流動溝上にジルコニア質溶着層、アルミニウム
   板ならびに黒色吸収層の層状構造物を形成して成ること
   を特徴とする太陽エネルギの吸収装置。