JPS6010964Y2 - 帯電防止化ベルトコンベヤ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ベルトコンベヤ装置において、そのキャリヤ
として用いられる合成樹脂製ローラに巧みな工夫を加え
ると共に、装置全体としても帯電防止の機能を奏せしめ
るようにしたものに関する。

従来のベルトコンベヤのローラは、金属、コムまたはプ
ラスチック等で製造されていたが、土木建築工事等には
一般に金属製ローラが使用される。

これはこのローラが強度的に優れ、磨耗が少なく、耐久
性に富み、また静電気を帯電しないか、または発生した
静電気を導通し易いからである。

しかし金属製ローラは運転中に騒音を発生し、回転部材
の重量が犬で回転抵抗も大きいことが欠点であった。

ローラの回転抵抗はコンベヤ全体の走行抵抗を増大し、
駆動馬力の増加をまねき設備費と運転費も増大させるも
のである。

以上の欠点を解消すべく合成樹脂製ローラやゴムローラ
の使用が試みられたが、これらは電気絶縁抵抗が大きい
材料であって、ゴム製ベルトの摩擦により容易に静電気
を発生し、この蓄積された静電気が、スパークの生起、
火災の発生等の弊害を生ずるので、静電気防止の問題は
重大且つ不可欠とされてきたものである。

この静電気防止対策としては、静電気防止塗料の塗布が
あるが、これは長期安定性に乏しく一時的な防止作用に
とどまっていた。

また電導性物質の封入、−例としてカーボンブラック顔
料とプラスチック粒子とのねり合わせたもの等が提供さ
れているが、使用に際し磨耗が甚しいという欠点があり
、いずれも完全な静電防止の実用的効果を持つローラの
出現には至っていないのが現状である。

本考案は、従来技術の上記欠点を巧みに解消し得たもの
であって、その要旨とするところは、合成樹脂製ローラ
のボスにインサート底形された金属製ハウジング（接地
可能なもの）に接触する穴用止め輪の突端から、該ロー
ラの帯電を先端放電現象によって地中電気と徐々に中和
する、騒音の少ない構造簡単な軽量にして量産容易なロ
ーラを用いたベルトコンベヤ装置にある。

以下本考案の１実施例を示す図面に基いて本考案を説明
する。

１１図において、ベルトコンベヤのフレーム１上には、
エンドレスのベルト２を挟んで両側に対向的に一対のス
タンド３がベルトの長手方向に所定間隔を隔てて設けら
れ、このスタンド３の上端附近の取付穴３ａには、一連
のキャリヤローラ４（以後単にローラと呼ぶ）を連結す
るために一端に雌形取付金具５（第５図）が、他端に雌
形取付金具６（第６図）が、それぞれ−個づつ取付けら
れている。

この取付金具はいずれもねじ部とダブルナツトとを備え
、スタンド３に対する固定及び取はすしを容易にする。

さて各ローラ４は、第３図に示すように、比較的短かい
シャフト７を軸心部に設け、その中央部にはローレット
加エフａが施されていて、ベアリングが強制圧入される
。

シャフト７の一端には凹溝を有する保合部７ｂと係合面
に直角なピン孔７ｂ′とが、他端には凸条を有する係合
部７ｃとその係合に直角なピン孔７ Ｃ／とがそれぞれ
設けられ、互に隣接するシャフト７．７は同一平面内（
垂直面内）の回動が可能な向きに配設されており、スプ
リングピン８（第１図）が互に隣接するシャフト７．７
のピン孔７ ｂ’＊ ７ ｃ’に嵌入されて両シャフ
トを相互に枢着する。

ハウジング１０は、厚さ１．０ｍｍ程度の鋼板（ｓｓ４
１ｐ）をプレス成形した薄肉円筒体で一端を内側に直角
に縁曲げされたフランジ部１０ａを有する。

（有底のカップ状態を平板からプレス成形し、底面を外
径より小さく打ち抜いて縁曲げされたフランジ部付円筒
体を造ってもよい。

）ナイロン製ローラ本体１１は、中央部のボス部１１ａ
に同心的に前記ハウジング１０をインサートして射出成
形されている。

このハウジング１０の縁曲げされない端部に、電気的な
導通を保って接続するように穴用止め輪１２が嵌着され
る円輪状凹部１１ｂが前記ボス部１１ａに穿設される。

この止め輪１２とベアリング９の外輪９ｂとの間には両
者間の間隙を満たすに十分な幅をもつナイロン製ブツシ
ュ１３が装着されている。

従って、ボールベアリング９の外輪９ｂは、−面ではハ
ウジングのフランジ部１０ａに当接し、他面ではブツシ
ュ１３を介して止め輪１２に押えられ、いずれの側への
移動も阻止されている。

ボールベアリングの内輪９ａの両側において、シャフト
７に嵌着された２個の■字形ゴムリング１４（以下単に
■リングという）は一方でローラのボス部に成形された
フランジ部１１ｃとシャフト７との間隙を油密にし、他
方ではブツシュ１３とシャフト７との間隙を油密に保つ
。

またシャフト７に嵌着されたポリアセタール製の２個の
ラビリンスカラー１５．１５は両側よりボス部を挟んで
空気中の塵埃の侵入を阻止する防塵効果を得るもので、
いずれもシャフト７と同心のリング状凹溝を有し、前記
フランジ部１１ｃ及びブツシュ１３に設けられたリング
状凸条との間に、巾狭い間隙をもって遊嵌するものであ
る。

このように構成されたローラ４は複数個がシャフト７．
７によって可撓的に結合されて、ベルトコンベヤのキャ
リヤとして駆動されるときは、各ローラ４は負荷と自重
とに従って或曲線をもって両スタンド３の間に懸垂され
、それぞれシャフト７の回りに自由に回転する。

一連のシャフト７は折線状を呈し、垂直面内では傾斜を
自在に変えて屈曲し得るが、これに直角な水平方向の屈
曲には強い抵抗を示すので、運転中はぼ安定した懸垂姿
勢を保持することができる。

ボールベアリング９に封入されたグリースは、両側の■
リング１４によって流出を防止され、ボス部の両側より
の塵埃等の侵入は、ラビリンス１５によって阻止される
。

次に本装置の帯電防止機能について詳述する。

合成樹脂製ローラは電気絶縁性が高いので、ゴム製ベル
トとの摩擦によって容易に静電気を発生し蓄積する。

このローラに生起する静電気に通りやすい導通路を与え
て、不慮の災害を生じないように安全に大地に導く働き
をするのが本帯電防止装置である。

本実施例においてローラ表面の帯電面に対して最も近距
離にある金属は、ローラ１１のボス部に嵌着されている
止め輪１２である。

しかもこの止め輪１２は金属製ハウジング１０に電気的
に接続しており、更にハウジング１０はボールベアリン
グ９、シャフト７、スタンド３及びフレーム１を経由し
て大地に接続されている。

従って金属製止め輪１２は避雷針と同様の役目をして、
ローラ表面の帯電面に対して、先端放電現象によって止
め輪の突端から放電し、帯電面の電気と地中電気とを中
和する。

若し帯電面の電荷が強大であれば、止め輪の突端に向け
て一時に放電することもあり得るが、接地に至る導通が
完全であれば、電気は他に被害を与えることなく完全に
アースすることができる。

即ち本実施例では、ローラに生起する静電気を金属製止
め輪から、ローラにインサートされたベアリング用ハウ
ジングを利用して巧みに導通し他に被害を及ぼさないよ
うに安全に大地に導くようにしたものである。

以上本実施例による説明では、ローラのシャフト相互の
係合を凹溝の係合部７ｂ及び凸条の係合部７ｃによるホ
ゾ状の嵌合としたが、本考案はこれに限定されるもので
はなく、鎖結合共催一般の可撓的な結合であってもよい
。

またシャフト７の中央部にベアリングの内輪９ａを固定
する手段として、シャフト７に対するローレット加工を
用いたが、共催の手段例えばシャフトを段付きにするこ
とも可能である。

またナイロン製ブツシュ１３は、必ずしも必要ではなく
、これを省略して止め輪１２によって直接外輪９ｂを固
定する構造でもよい。

更にまたナイロン製ローラ本体１１は共催の脅威樹脂製
であってもよく、鋼板（ＳＳ４１Ｐ）製ハウジング１０
は共催の材料の金属製ハウジングであっても差支えない
。

但しローラにインサートすることが望ましい。

本考案は、上述のように、合成樹脂製ローラに蓄積され
た静電気に対して、その帯電面に最も近い金属製止め輪
を、金属製ハウジング、ベアリング及びシャフト等を経
由して接地させることによって、止め輪の突端から先端
放電させて、帯電面の電気を中和させ、他に被害を及ぼ
さないようにし得たものである。

なお本考案に用いられるローラは合成樹脂製であるため
に騒音の発生の減少や、回転部分の重量軽減による走行
抵抗及び駆動馬力の減少などの効果も相俟って、部品数
の少ない構造簡単な、極めて量産に適した安価な、帯電
防止の完全なベルトコンベヤ装置が得られたことも、本
考案の見逃せない効果である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にか）るローラを取付けたベルトコンベ
ヤの横断面図であり、第２図はその要部側面図である。 第３図は本考案にか）るローラの縦断面図であり、第４
図はその半裁断面図である。 第５図、第６図は雌形取付金具及び雌形取付金具の側面
図である。 １：フレーム、２：ベルト、３：スタンド、４：ローラ
、５：雌形取付金具、６：雌形取付金具、７：シャフト
、７ａ：中央部、７ｂ、７ｃ：係合部、８ニスプリング
ピン、９：ボールベアリング、９ａ：内輪、９ｂ：外輪
、１０：ハウジング、１０ａ：フランジ部、１１：ロー
ラ本体、１１ａ：ボス部、１１ｂ：凹溝、１２：止め輪
、１３：フ゛ツシュ、１４：■りング、１５：ラビ゛リ
ンスカラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一個のローラを回転可能に支持する比較的短かいシャフ
   トの両端を互いに可撓的に連結してなる複数個のローラ
   の連結体が曲線状に懸垂してベルトを支持すべく、該ロ
   ーラ連結体が、その両端部において所定のフレームに固
   定のスタンドに固着された形式のベルトコンベヤ装置に
   おいて、該ローラを、 同一平面内における相対回動を可能にした前記可撓的係
   合部をそれぞれ両端に有する前記短小なシャフトと、 該シャフトのほぼ中央部に内輪を強制圧入した一個の転
   勤ベアリングと、 該転勤ベアリングの外輪に強制圧入したフランジ付薄肉
   円筒体の金属ハウジングと、 該ハウジングをボス部に同心的にインサート成形してな
   る合成樹脂製ローラ本体と、 前記ハウジングの前記フランジ部と共働して転勤ベアリ
   ングの位置を固定すべく前記ローラ本体のボス部に刻設
   された凹溝に嵌入され且つ該ハウジングに電気的に導通
   可能に当接する金属製止め輪と、 を含むように構成すると共に、該金属製止め輪を、該ハ
   ウジング、該転勤ベアリング、該シャフト、該スタンド
   及び該フレームを介して電気的に接地せしめたことを特
   徴とする帯電防止化ベルトコンベヤ装置。