JPS6010912B2 - 記録ヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、記録媒体液を液滴（ｄｒｏｐｌｅｔ）として
飛翻させて記録する装置に用いられる記録へッドもこ関
する。

ノンィンパクト記録法は、記録時における騒音の発生が
無視し得る程度に極めて小さいという点において、最近
関○を集めている。

その中で、高速記録が可能であり、而も所謂普通紙に特
別の定着処理を必要とせずに記録の行なえる所謂インク
ジェット記録法は、極めて有力な記録法であつて、これ
迄にも様々な装置が考案され、改良が加えられて商品化
されたものもあれば、現在も尚実用化への努力が続けら
れているものもある。この様なインクジェット記録装置
は、所謂インクと称される記録媒体液を記録ヘッドの吐
出オリフィスより吐出して、液満を形成し飛翻させて記
録部材に付着させて記録を行なうものであって、この種
の記録装置においては、前記の記録ヘッドは極めて重要
な部分となっている。斯かる記録ヘッドは、適用される
記録モード‘こよって種の構造を成しているが、記録媒
体液を信号に従って吐出し、液滴として飛翻させる方法
が原理的にはシンプルである事、高速記録用として適用
され得る事等の為に有効な記録ヘッドとして知られてい
るのは、電気、機械変換体を用い、該変換体を電気信号
に応じて機械的に振動させて記録ヘッド内部にある記録
媒体液を吐出飛翻させるもので、例えばＵＳＰ３７４７
１２０，ＵＳＰ３６８３２１２，ＢＰ１３５０８３嶺等
の公報中に詳細に述べられている。

この種の記録ヘッドで記録媒体液を吐出し、液滴として
飛翻させる原理は、電気・機械変換体にリード電極を通
じて電気的ィンパルス（電気信号）を与えて、前記変換
体を振動させて記録媒体液の存在する液室の容積を変化
させる事に基づく。即ち、前記変換体に与えられる電気
的ィンパルスに応答して前記液室の容積がパルス的に収
縮すると、記録ヘッドに設けられている吐出オリフイス
より記録媒体液は吐出され、液滴化となって飛翻し、吐
出オリフィスの前方にある記録部材上に付着する。吐出
した分の記録媒体液は、前記液室の容積が元に戻る際に
該液室に通ずる流入通路より補給される。ところが上記
の様な記録へッド‘こおいても次の様な問題点を有して
いる。即ち、第１には、記録媒体液が存し、容積変化を
起す液室と、該液室に記録媒体液を補給する為の流入通
路とが前記液室の容積変化時に運通している為に、電気
機械変換体の該液室内の記録媒体液への作用力が前記流
入通路内方向に伝達されて仕舞い、記録媒体液の液滴の
発生率が低下するという欠点を有している。

第２には、この様な液滴の発生効率の低下の傾向は、前
記変換体へ供給される電気的ィンパルスの周波数が高く
なるにつれて急激になり、ある程度以上の周波数になる
と記録媒体液の液滴の発生が前記周波数に追従しなくな
るという事態が生じ、外部より与えられる任意周波数の
電気的ィンパルスに応じて記録が行なえなくなるので甚
だ不都合である。

第３には、前記電気機械変換体の作用力が前記液室内に
ある記録媒体液に効率良く働かないと、その分だけ前記
電気機械変換体自体を大きくする必要が生じ、従って記
録ヘッドの小型化が難しくなり、更には記録ヘッドのマ
ルチノズル（吐出オリフィスを複数有する）化は一層困
難となる。

第４には、電気・機械変換体が大きければ、消費電力を
増大し、又該変換体の発生する音も大きくなって「殊に
高速用としてのマルチノズル化記３銭へッド‘こおいて
は騒音発生の原因となり、サイレントの要求されるオフ
ィスにおいては「その使用適用に難点がある。第５には
、記録媒体液の補給時に前記液室と、記録媒体液が吐出
する為の吐出オリフィスが運通３している為に記録媒体
液の補給効率をそれ程向上させることが出釆難いという
欠点を有する。

本発明は斯かる点に鑑み成されたもので、液体の補給効
率が格段に向上し得、又液滴を高効率で吐出し得、高い
周波数の電気的ィンパルス（電気字信号）にも充分応答
して記録が行なえると共に、小型化、低消費電力指向型
であって、騒音性の極めて低い記録ヘッドを提供する事
を目的とする。本発明の記録ヘッドは、液体を吐出する
為の吐出オリフィスと；該吐出オリフイスに蓮適してい
る第１の室と：液体を供給する為の流入通路に運通して
いる第２の室と；前記第１の室を満たしている液体内に
圧力波を発生させて前記吐出オリフィスより液滴を吐出
させる為の圧力手段と；該圧力手段で前記第１の室及び
第２の室との間を仕切られ、加圧流体で満たされている
第３の室と；を有し、前記圧力手段の非動作時には、前
記第１の室と前記第２の室との間が前記圧力手段で遮断
さ０れており、前記圧力手段の動作中に、前記第１の室
と前記第２の室との間が蓮通されると同時に、前言己流
入通路より前記第１の室及び前記第２の室に液体が補給
され、前記圧力手段が非動作状態に戻る動作時に前記第
１の室を満たしている液体にタ圧力波を発生させて前記
吐出オリフィスより液滴を吐出させる事を特徴とする。
以下、本発明を図面に従って詳細に説明する。

第１図には、本発明の記録ヘッドの好適な実施態様の一
例を説明する為の榛式的断面図が示され○る。第１図に
示される記録へッドーは、通常は記録へッドーとは別の
所に設けられている液体供給部から供給されて来る記録
媒体としての液体の為の流入通路２と吐出オリフィス３
と、吐出オリフイタス３に運通している第１の室４と、
流入通路２と連絡通路５及び１０を介して運通している
第２の室６と、第１の室４及び第２の室６の壁面の一部
を構成し、第１の室４を満たしている液体内に圧力波を
生じさせる為の圧力手段７と、前記流入通路２と連絡通
路８を介して運通している第３の室９と、を有するもの
である。

圧力手段７は、第１の室４及び第２の室６と第３の室９
とを仕切る様にして記録へッドーの内部に取り付けられ
ているダイヤフラム１０と該ダイヤフラム１０上に密着
して設けられたバィモルフ型の圧電素子１１、該圧電素
子１１に電気的ィンパルスを与える為の２本のりード電
極１２とで構成されている。

尚、第１図においては、バィモルフ型の圧電素子が示さ
れているが、勿論バイモルフ型でなくとも例えばュモモ
ルフ型でも良い。図の様にリード電極１２の一方がダイ
ヤフラム１川こ付設されている様な場合には、ダイヤフ
ラム１０は、金属等の導電性であると同時に可裸性の材
料で構成されるが、２本のりード電極１２が圧電素子１
１に該圧電素子を間にして２本が対向する様に付設され
ている場合には、ダイヤフラムー０１ま必ずしも導電性
とされることはなく、可裸性でさえあれば良い。ダイヤ
フラム１０と構成部分１３との間には、第１の室４と第
２の室６との間を、圧力手段７が非動作時に液体の洩れ
を防ぐ様に確実に仕切り得ると共に圧力手段７の二次振
動を防止する為に、圧力手段７の構成要素の１つとなる
ｏリング等の弾性体１４が挟持されている。

弾性体１４は、ダイヤフラム１０又は構成部分１３の何
れか一方に、適当な手段又は適当な方法、例えば接着剤
を用いる等して固設されている。リード電極１２は、構
成部分１５の背面に設けられているリード電極取出し口
１６より第３の室９から外部の電気手段と結線される為
に取り出され、取出しロー６においてェポキシ系接着剤
等の適当な接着剤で固設されると同時に、取出し口１６
は室９内の液体が取出し口１６より外部に洩れない様に
密封されている。

今、第１の室４と第２の室６との間を運遍状態にして、
流入通路２より適当に加圧された液体を記録ヘッド１内
に供給してやると、各室は各々液体で満たされる。

この後、圧力手段７を構成する圧電素子１１に電圧を印
加しない状態にして置くと、ダイヤフラム１０が弾性体
１４を介して構成部分１３を圧接した状態となって第１
の室４と第２の室６との間は完全に仕切られ、流入通路
２より供給される液体の圧力は、第１の室４からは遮断
された状態となる。

次に２本のりード電極１２間に１つの電気的ィンパルス
を与えると、先ず圧電素子１１に操曲現象が起って第３
の室９側に携み、従って圧電素子１１が固設されている
ダイヤフラム１０も第３の室９側に榛んで、第１の室４
と第２の室６との間が蓮通される。

この時、第１の室４と第２の室６の容積の増大と、第３
の室９の容積の減少と、高い液圧で液体を流入通路２よ
り供給することで第１の室４と第２の室６とには、それ
等の容積増加分だけの液体が速やかに効率良く供給され
る。

次に、電気的ィンパルスが除去されると、圧電素子１１
の擬みが解除され圧力手段７は速やかに元の非動作状態
に戻り、再び第１の室４と第２の室６との間は完全に仕
切られる。

この時、第１の室４の容積は圧力手段７の復元動作に伴
って瞬時的に減少し、第１の室４内を満たしている液体
内に圧力波が発生され吐出オリフィス３より該吐出オリ
フィス３近傍にある液体が液滴となって噴射される。

又、流入通路２へは高い液圧が加つているので、連絡通
路５及び連絡通路１０を介しての、第１の室４及び第２
の室６内で発生した圧力波の流入通路２への逃げは充分
防ぐことが出来、発生した圧力波による作用力は吐出オ
リフィス２より液滴を噴射させるのに有効に働く様にな
って吐出効率の向上を計る事が出来る。

又、液体の供給を先に拳げた公報に記載されてある如き
従来のオンデマンド型の記録ヘッドの場合の様に、毛管
現象を利用するのではなく、強制加圧によって行なえる
ので使用した分の液体の補給が従来のタイプに較べて高
効率で行なえる利点もある。

更には、強制加圧によって液体を各室に供給することが
出来るので、連絡通路５及び１０の流れ方向に関しての
垂直面積を小さくして、インピーダンスを増大させるこ
とによって、第１の室４及び第２の室６で発生される圧
力波の流入通路２方向への伝翻を阻止することも出来る
。

弾性体１４としては、例えば天然ゴム，合成ゴム等の弾
力性を有する材料又はその他の弾力性を示すプラスチッ
ク等の材料で形成されたりング状のものが使用される。

弾性体１４の切口断面は丸でも四角でも、更にはその他
の形状であっても良い。使用される液体が電気的に絶縁
性でない場合には、圧電素子１１及びリード電極１２、
更には、場合によってはダイヤフラム１０は液体を通じ
てリーク現象が生じない様に電気的な絶縁処理を施す必
要がある。例えば、圧電素子１ １、リード電極１２、
ダイヤフラム１０の液体と接触する部分を電気絶縁良好
な、例えばェポキシ、ポＩＪ塩化ビニル、ポリエチレン
等の合成樹脂でコーティングする。第２図には、本発明
の記録ヘッドの好適な実施態様の別の例を示す為の模式
的断面図が示される。

第２図に示される記録ヘッド１７が第１図に示される記
録ヘッド１と大きく相違するところは、第３の室２７が
密封されていて内部には流入通路１８より供給される液
体に加えられる圧力よりも高圧力を有する流体２８が満
たされてあることである。

高圧力流体２８は、気体でも液体であっても良いもので
あるが、経時変化及び他との化学的反応を引起さない様
な化学的に安定した物質が使用される。その様なものと
しては、例えば水、アルコール、空気、窒素等が拳げら
れる。第２図に示される記録ヘッド１７は、液滴を吐出
する為の吐出オリフイス１９と絶えず蓮適している第１
の室２０と、該第１の室２０と必要時に蓮通され流入通
路１８と絶えず運通している第２の室２１と、第１の室
２０及び第２の室２１と第３の室を完全に仕切る様に設
けられ、第１の室２０内にある液体中に圧力波を発生さ
せる為の手段である圧力手段２３とを有している。

圧力手段２３は、第１図に示した記録ヘッドの場合と同
様に、ダイヤフラム２４と、該ダイヤフラム２４の表面
に固設された圧電素子２３と、弾性体２９と、圧電素子
２３に電気的ィンパルスを与える為に付設されている２
本のＩＪード電極２５とを有する。２本のりード電極２
５は、取出し口２６より第３の室２７より外部に取り出
され、取出し口２６は第３の室２７内に満たされる流体
が外部に洩れない様にシールされている。

記録ヘッド１７の有する利点は、使用する液体が例えば
水性インクの様に比較的導電性であっても圧力手段２２
の第３の室２７側を絶縁処理しなくても済み、且つ、第
３の室２７内の圧力を常時一定に保持し得ることである
。

従って、供給する液体に与えられる圧力を調節すること
で、液滴の吐出速度及び吐出効率を制御する事が出来る
。以上においては、加圧手段の形成する第１の室の壁面
に対して垂直方向に、液体の吐出方向がある記録へッド
‘こ就いて詳述したが、本発明の技術思想は斯かる構造
の記録ヘッドのみに限定されるのでなく、例えばＢＰ１
３５０８３６１こ記載されている構造の記録へッドもこ
も適用され得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の記録ヘッドの好適な実施態
様の例の各々を説明する為の模式的構造断面図である。 １，１７……記録ヘッド、２，１８・・・・・・流入通
路、３，１９…・・・吐出オリフイス、４，２０・・・
・・・第１の室、６，２１……第２の室、９，２７……
第３の室、７，２２・・…・圧力手段、１２，２５・・
・・・・リード電極。※ｌ図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液体を吐出する為の吐出オリフイスと；該吐出オリ
   フイスに連通している第１の室と；液体を供給する為の
   流入通路に連通している第２の室と；前記第１の室を満
   たしている液体内に圧力液を発生させて前記吐出オリフ
   イスより液滴を吐出させる為の圧力手段と；該圧力手段
   で前記第１の室及び前記第２の室との間を仕切られ、加
   圧流体で満たされている第３の室と；を有し、前記圧力
   手段の非動作時には、前記第１の室と前記第２の室との
   間が前記圧力手段で遮断されており、前記圧力手段の動
   作中に、前記第１の室と前記第２の室との間が連通され
   ると同時に、前記流入通路より前記第１の室及び前記第
   ２の室に液体が補給され、前記圧力手段が非動作状態に
   戻る動作時に前記第１の室を満たしている液体に圧力波
   を発生させて前記吐出オリフイスより液滴を吐出させる
   事を特徴とする記録ヘツド。