JPS599691Y2 - 三元触媒コンバ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の排気有害戒分を浄化する三元触媒コ
ンバータの改良に関する。

機関から排出される有害戊分であるＨＣ，ＣＯを酸化す
ると同時にＮＯｘを還元する機能を併用する触媒として
、いわゆる三元触媒が知られている。

三元触媒コンバータは、例えばハニカム状触媒担体に、
白金ＰｔとロジュームＲｈとを含浸させた触媒層をハウ
ジングの内部に配置し、排気ガスをこの触媒層を通過さ
せることにより、ＨＣ，ＣＯの含まれる還元雰囲気でＮ
Ｏｘを還元処理するとともに、このとき発生した０２に
よりＨＣ，ＣＯを酸化するのである（参考文献、実公昭
５３−５９４０号公報）。

ところで、このハニカム型触媒コンバータにおいては、
触媒層断面を一様に排気ガスが通過するわけではなく、
通常は中央部分の通過密度が最も高く、周辺にいくに従
って通過流量は減少する傾向にある。

ただし、これに対して、人口部の中心附近に排気流の拡
散板（邪魔板）を設けて強制的に周辺部の流量分布を高
めるようにした場合は、この逆の分布となるが、いずれ
にしても、均一的な流量分布を得るのは困難で゛あった
。

一般に三元触媒を構戒する白金やロジュームは非常に高
価であり、資源的にも必らずしも豊富であるとは言えな
いのが現状である。

そこで、触媒の効率的な使用をはかるために、排気流量
の多い部分には触媒を多く、排気流量の少ない部分には
触媒を少なく含浸させて層状に濃度の変化する三元触媒
コンバータが特願昭５３５３１５号（特開昭５４−９９
０９０号公報）として提案された。

しかし、この場合には、触媒の含浸にあたり、触媒液を
構戊する白金とロジュームの混合比は、第１図において
、比較的転換効率の良い範囲（白金：ロジューム−６：
１〜１０ ： １）として、その混合比率を変えること
なく、全体の付着量を濃くしたり薄くしたりしている。

ロジュームと白金のコストが同一で゛あれは゛、このよ
うに含浸濃度を変えるのも有効なのだが、ＮＯｘの還元
に寄与するロジュームの方が格段に高価であることを考
えると、混合比率を一律としたまま濃度を変える手法は
、ＨＣ，ＣＯの酸化から白金の付着量に制限をうけるこ
とから稀薄側の濃度におのずと限界があって必らずしも
最善とは言えない。

ＮＯｘの排出量は低速低負荷域では極めて少なく、高速
高負荷域で増加するのであるが、とくに、上記した触媒
層に対する流量分布は、排気流量の大きい高速高負荷域
に最も顕著となり、排気流量の少ない低速低負荷域では
、概して均一的な分布が得られる傾向を考慮すると、こ
のように一律的な混合比でロジュームを含浸させるのは
、ハニカム周辺のロジュームを有効に使用しきれないこ
とにもなる。

本考案の目的は、より一層少ないロジュームの使用にも
かかわらず、ＮＯｘの還元効率の高い三元触媒コンバー
タを提供することにある。

このため本考案では、排気ガスの通過流量分布の高い領
域には白金とロジュームの混合比がベストミックス（Ｐ
ｔ／Ｒｈ＝３／１〜６／１）となり、流量分布の低い領
域には、同じく混合比がフィンミックス（Ｐｔ／Ｒｈ＝
１０／１〜２０／１）となるように、それぞれ比率は異
るが同一濃度状態で触媒を含浸させ、高価なロジューム
の絶対使用量を低減可能としたのである。

以下、図面にもとづいて実施例を説明する。

第２図において、１０はコンバータのハウジングで、入
口部１１と出口部１２とを有する。

入口部１１及び出口部１２にはテーパ状に断面が変化す
るデイフユーザ一部１３が連設され、ハニカム状の触媒
担体１４に排気ガスを拡散しつつ流入される。

触媒担体１４には、白金とロジュームからなる触媒が後
述のように含浸させてあり、触媒層を構或している。

排気ガスの流重分布の多い中央部Ａは、中心線Ｘの同心
円として、触媒担体１４の約１／２の直径をもつような
範囲が、（白金／ロジューム）混合比率が３／１〜６／
１のベストミックス（第１図参照）となるように触媒を
含浸させ、流量分布が少ない環状周辺部Ｂはご上記混合
比率が１０／１〜２０／１のマインミックスとして、Ｎ
Ｏｘの全体的な低減性能を損わない範囲で、ロジューム
の使用量を最少限に溜めるように触媒を含浸させるので
ある。

なお、含浸方法は、第４図に示すように、触媒担体１４
の両端面に二重筒状のガイド２０ Ａ，２０ Ｂを取付
け、それぞれ混合比率の異る含浸液を流して含浸させた
後、乾燥付着させるのである。

第３図のように、テ゛イフユーザ一部１３に排気ガスの
拡散板１５を設け、前記周辺部Ｂの排気流量を多くした
場合は、周辺部Ｂをベストミックス、中心部Ａをフィン
ミックスとすれば良い。

混合比率は上記した通りであるが、その絶対量について
は、第１図において、白金ｐｔが好ましくは、１．４１
ｇ／ｌ程度もしくはそれ以上となるように絶対濃度を
設定する。

ただし、これらは、機関自体の構造によりＮＯｘの発生
量がもともと少ない場合は、絶対濃度を小さくすること
が可能である。

このように構或してあるので、排気流量の大部分が通過
する部位の触媒層については、ＮＯｘの転化効率のすぐ
れた触媒混合率： Ｐｔ／Ｒｈ＝３／１〜６／１となり
、ＮＯｘをはじめとして、ＨＣ，ＣＯを効率よく反応処
理できる。

他方、排気ガスの通過流量が少なく、シたがって触媒負
担の小さい部位では、前記混合率Ｐｔ／Ｒｈ１０／１〜
２０／１とロジュームの割合を小さくしてあるが、ＮＯ
ｘの多量に発生する大排気流量時は、通過流量割合が非
常に少ないため、全体的な浄化効率は十分満足の得られ
る状態となる。

そして、ＨＣ， Ｃｏについては、白金の含浸量が流量
分布の高い部位と同一のため、とくにＨＣ，ＣＯの増加
しがちな低速、低負荷域で均一流量分布となっても、こ
れらを十分に処理できるのである。

なお、この均一流量分布時はＮＯｘの発生量はもともと
微小であるから、ロジュームの負担は少なく問題はない
。

以上のように本考案によれば、触媒を構或する白金とロ
ジュームを、排気有害戊分との関係において最も効率よ
く働かせることができ、したがって、換言するならば、
高価なロジュームの使用を可及的に低減でき、省資源的
な観点から極めて効果的といえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は三元触媒の戒分比率とＣＯ，ＮＯｘの残存転化
率（未転化率）の関係を示す説明図、第２図は本考案第
１実施例の断面図、第３図は同じく第２実施例の断面図
、第４図は触媒含浸方法の説明図である。 １０・・・・・・ハウジング、１１・・・・・・入口部
、１２・・・・・・出口部、１３・・・・・・デイフユ
ーザ一部、１４・・・・・・触媒担体、１５・・・・・
・拡散板。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．触媒担体に白金を一様に含浸させるとともに、触媒
   担体における排気流量分布の多い部位に比べて少ない部
   位で白金に対するロジュームの割合が少なくなるように
   ロジュームを含浸させたことを特徴とする三元触媒コン
   バータ。
2. ２．排気流量分布の多い部位の白金／ロジュームの比率
   が３／１〜６／１で、同流量分布の少ない部位の同比率
   が１０／１〜２０／１となるようにした実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の三元触媒コンバータ。