JPS598455B2 - 熱交換器用伝熱管の段付加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は熱交換器用伝熱管の段付加工装置に関する。

熱交換器用伝熱管は伝熱管の熱伝達率を高める目的で管
の表面に段付加工を施して作られるが、その段付加工は
従来押出し加工やダイス加工によるのが一般的である。

しかし、これら従来の塑性加工では、連続的には一定の
外径形状のものしか製造することができないこと、段付
加工時に管の長さ方向の変形を拘束するものが多く、成
形時に管素材に有害な材料硬化や内部応力の残存という
問題を有すること、又加工時の異常な変形を防止するた
めに管内面にスピンドルを挿入する装置では構造が複雑
となる一方、管内にスピンドルを挿入する機構を有しな
い装置では精度、外観ともに悪く低品質となる等の欠点
があつた。この発明は上記の欠点をすべて解消し得る装
置を提供することを目的とするものである。

この発明装置は管素材を水平中心線上に固定し、かつ該
素材を中心にして高速回転する回転体の加工ヘッド部に
、管素材の半径方向に進退する回転自在の１個の成形ロ
ールと同ヘッドに固定された自由回転の２個のバックア
ップロールを備え、定寸送り機構により管素材を長手方
向に順次位置決めしながら段付加工を施していく装置で
ある。

以下、この発明装置を図画について説明すると、機台１
の上面に固設したハウジング２にベヤリング３を介して
回転自在に支持したドラム状の回転体４を設け、この回
転体の先端部には管素材に絞り加工を施すための成形ロ
ール９およびバックアップロール１０を有する加工ヘッ
ド５を設け、後端においてプー１月１、ベルト１２を介
して駆動モータ２８により回転駆動する仕組みとなし、
同回転体４の中心部には管素材の送給孔１３を設け、こ
の部分には管素材をガイドするための案内部材１４を嵌
挿し、また加工ヘッド５の前方には管素材を所定寸法ず
つ間歇的に送る定寸送り機構１５を同一機台１に設ける
。上記成形ロール９および、バックアップロール１０は
、加工ヘッド５の前面に設けた案内溝６に嵌入した成形
ロールホルダーＴおよびバックアップロールホルダー８
にそれぞれ回転自在に取付けられ、かつ両ロールは回転
体４の中心部に位置する管素材１６を中心に配置すると
ともに、バックアップロールホルダー８はねじによりヘ
ツドに固定し、成形ロールホルダー７は管素材１６に対
し半径方向に摺動可能とし、その摺動機構は例えば当該
ホルダー７の左右に斜めの傾斜長孔１７を穿設し、この
傾斜長孔に遊嵌した作動機１８を回転体４に内蔵したピ
ストン１９のロツド先端に結合し、ピストン１９の作動
により作動棒１８が傾斜長孔１７内を移動することによ
り成形ロールホルダー７が上下に移動する仕組みとなし
、かつ成形ロールの送り込み量を規制できるように、ス
トツパ一当り２０を加エヘツド５に設け、これに回転体
内径方向に当接するストツパ一２１を成形ロールホルダ
ー７に螺着し、成形ロールの内径方向の動きはストツパ
一２１により拘束するとともに、成形ロールの送り込み
量はストツパ一のねじ込み量により設定可能とする。一
方、管素材の定寸送り機構１５は、例えばサーボモータ
又はパルスモータ等からなる位置決めモータ２２からギ
ヤー２３を介して回転駆動される送りねじ２４および該
送りねじによつて機台１上を軸方向に摺動する可動台２
５を設け、この可動台にシリンダー２６により作動する
固定レバー２７を設け、該レバーにより管素材１６を可
動台上部にて拘束して引き出す機構を示す。この素材定
寸送り機構および成形ロールホルダーの摺動機構、回転
体の回転駆動機構は、ここに示したものに限るものでは
なく、この考案の技術範囲を越えない同一の作用効果を
有する他の公知技術を用いることとする。上記装置にお
いて、回転体中心部の案内部材１４に沿つて送給孔１３
を通過して定寸送り機構の可動台２５に達した管素材１
６は固定レバー２７で押圧固定されると同時に、予め設
定された手順に従つて位置決めモータ２２が作動し管素
材の位置決めが行われる。

管素材の位置決めが完了すると、該素材の外径方向に逃
げていた成形ロールホルダー７がピストン１９によつて
管素材１６の内径方向に動かされ、成形ロール９を管素
材１６に押し込み、同時にバツクアツプロール１０に管
素材１６をサポートする（第３図、第４図）。この時、
回転体４は高速で回転しているので、成形ロール９は管
素材１６に対し外周から徐々に変形を加え、ストツパ一
２１により動きを拘束されるまで押し込み続ける。この
際、成形ロール９およびバツクアツプロール１０は管素
材１６との接触と同時に各ロールの支軸を中心に自由回
転するので、管素材は無理な力や摩擦力を受けることな
く、円滑に塑性加工を受ける効果がある。なお、加時間
、加速度はその駆動源が油圧シリンダーの場合には油路
にタイマー、流量弁を設けることにより容易にコントロ
ールできる。このようにして段付加工が完了すると、油
圧バルブの切換によつてピストン１９が右行し成形ロー
ルホルダー７は管素材１６の外径方向に後退し、定寸送
り機構１５により次の加位置への位置決めが行なわれて
、→の動作が繰り返される。

なお、これら→の動作はシーケンス回路によりすべて自
動的に行なわれるものである。以上説明したごとく、こ
の発明によれば、成形ロールを交換するだけで任意の形
状およびピツチの段付加を管素材に施すことができる。

また、加時の延伸に対処するため、管素材は一端を自由
端として開放し、かつ段付加工は１個所ずつ行なうよう
にしたため、塑性加工に伴なう材料硬化や内部応力残存
等の問題をほとんど解消できる。また、この発明装置は
１個の成形ロールに対し、２個のバツクアツプロールで
成形する方式をとつたことにより、構造簡単にして高品
質の加工ができる上、加すべき素材を固定し、成形ロー
ルを回転させる機構としたことにより管素材を装置へ供
給する際および装置から取出す際のハンドリングが非常
に容易となる外、管素材を装置にセツトした状態で加工
部の寸法測定、外観検査等ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例装置を示す要部破断側面図
、第２図は同上装置の回転体のヘツド部を一部破断して
示す正面図、第３図、第４図は管素材に対し段付加を施
している状態を示す説明図である。 図中１・・・・・・機台、２・・・・・・ハウジング、
３・・・・・・ベアリング、４・・・・・・回転体、５
・・・・・・加ヘツド、６・・・・・・案内溝、７・・
・・・・成形ロールホルダー、８・・・・・・バツクア
ツプロールホルダ一、９・・・・・・成形ロール、１０
・・・・・・バツクアツプロール、１１・・・・・・プ
ーリ、１２・・・・・・ベルト、１３・・・・・・送給
孔、１４・・・・・・案内部材、１５・・・・・・定寸
送り機構、１６・・・・・・管素材、１７・・・・・・
傾斜長孔、１８・・・・・・作動棒、１９・・・・・・
ピストン、２０・・・・・・ストツパ一当り、２１・・
・・・・ストツパ一、２２・・・・・・位置決めモータ
、２３・・・・・・ギヤー、２４・・・・・・送りねじ
、２５・・・・・・可動台、２６・・・・・・シリンダ
ー、２７・・・・・・固定レバー、２８・・・・・・駆
動モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転機構により支持され、中心部には管素材を軸線
   方向に挿通する送給孔を有し、該送給孔の一端側に形成
   した加工ヘッド部には上記送給孔と一致する中心に管素
   材を挿通し、摺動機構により管素材の半径方向に進退自
   在で、かつストッパー機構によりその動きを規制される
   １個の回転自在の成形ロールとこの成形ロールに相対し
   定位置に固定された２個の回転自在のバックアップロー
   ルを備え管素材回りに回転自在の回転体と、上記加工ヘ
   ッドに対向して管素材の一端を固定し、その軸線方向に
   往復運動する定寸送り機構とよりなる熱交換器用伝熱管
   の段付加工装置。