JPS597405B2 - 樹木の固化改質方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、樹木特に柔かい樹木の樹質の固化改質方法に
関するものである。

昨今、日本国内においては森林資源が払底し消費される
木材の大半を輸入材に頼っている。

特に欅、花梨、紫壇、黒壇等の通称唐木と総称される高
級建築家具材が品不足によって異常な高値を呼んでおり
、それゆえこれらの唐木を用いた家具等も非常に高価な
ものとなっている。

一方、国内産の木材で建築家具材として利用されている
樹木は、主として杉、檜、松、樅、欅、栗、栂、まれに
は桑、柿、桐等である。

しかし、欅、桑を除いて内国材は総じて柔か《杉、檜、
松等は素直で後々の歪も少な《建築材としては優れてい
るか、家具材としては他の樹木と同様に柔か過ぎて堅さ
がなく、また色艶もないことから、ほとんど利用されて
いないのか現状である。

本発明はこのような点から、柔かい、歪みやすい、密度
が／」・さく色艶か悪い等々の理由により現在利用され
ていない種類の樹木に前述の唐木にもひけをとらない程
の堅さや密度を持たせることにより高級建築家具材とし
て活用することを目的に研究開発されたものである。

以下、実施例に基づいて本発明方法を説明する。

１は樹４＞１５０〜２００年位、芝付（地面よりの生え
際）２の直径１３０ＣｒｒＬ１樹高１３ｍでの切口の直
径が９０ｃｒｒＬ位のヒメシャラ（樹木）であって、そ
の芝付２から３０ｃｆＩＬの高さまで幹３の全周にわた
って表皮（皮層）部を剥皮し、その剥皮部４の最下部に
幹３の中心部を通る直径５ｃｍ．の穴５を水平に穿孔す
る。

その後、厚さ５ｃＩｎのスポンジ６を当該剥皮部４に柔
かく巻き付けて被覆材とし、ずれ落ちないようにロープ
や針金７等で固定する。

そして、樹質（堅）同化剤として３０％スルファニル酸
アンモニウム（Ｈ２ＮＣ６Ｈ４ＳＯ３ＮＨ４）溶液５０
ｋｇをスポンジ６に浸透させ、当該スポンジ６内に保持
させたまま放置する。

ヒメシャラ１は幹３の師部と導管部を貫通する穴５と師
部に外接するｔｌＪ皮部分４からスルファニル酸アンモ
ニウムを吸収して１〜２週間で完全に枯死するが、その
まま１年間放置した後伐採し、袈材して建築家具材とし
ての用途に供する。

本発明を実施したヒメシャラ１はスルファニル酸アンモ
ニウムのような樹質（堅）固化剤を吸収することによっ
て、実施前後の樹木の高さには変化はないが、生きてい
る状態の時１３０ｃＩｒｔあった直径が、枯死した１年
後には１ １ １（１１７７１に収縮し、非常に堅《引
締った樹質のものとなっている。

これを伐採して製材したところ、製材機のステライトノ
コギリ歯を使用してもなかなか板に引落すことができず
樹質の堅さか誰の目にも明白に証明された。

また、得られた板はその色沢、模様、硬度、密度のどれ
をとっても唐木に優るとも劣らず、後後の歪みも少ない
ことから正に優秀な建築家具材としての性質を示してい
る。

このように本発明は、杉、檜、松等にも充分有効だか、
特に現在パルプ用材以外に活用されていないヒメシャラ
、エノキ、タブ等の樹木に実施すれば極めて良質な建築
家具用の木材か得られる。

また、スルファニル酸アンモニウムに着色剤を添加して
同時に吸収させ、組織の堅固化をはかるとともに、より
一層色沢模様を改善することも可能である。

以上の如《本発明によれば、従来から建築用、家具用に
利用されている樹木のみならず、現在パルプ用材として
利用されている軟質の樹木を有効に堅固化、高密度化す
ることが可能なので、その実施により安価に良質の建築
用あるいは家具用の木材を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を実施したヒメシャラの剥皮部と穴
の状態を示す正面図、第２図はスポンジを巻いた状態を
示す一部正面図である。 １・・・・・・ヒメシャラ（樹木）、２・・・・・・芝
付、３・・・・・・幹、４・・・・・・剥皮部、５・・
・・・・穴、６・・・・・・スポンジ、７・・・・・・
針金。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 対象となる樹木の根元の部分の表皮部を剥皮し、次
   にこの剥皮した部分に穴をあけ、次にこの剥皮した部分
   にスポンジを巻き付けて固定し、次にこのスポンジに３
   ０％スルファニル酸アンモニウム溶液を含浸させてほぼ
   一年間放置し、それから枯死した当該樹木を伐採する樹
   木の同化改質方法。