JPS596334B2 - 油とガスを混焼する方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は油とガスを混燃する方法及び装置に係る。

重油等の油燃料はその燃焼によって比較的高い輻射能を
有する火炎を発生し、ボイラー、工業窯炉の如く主とし
て輻射を利用する加熱炉の熱源として適していると言う
利点を有するが、炉の始動に際しである比較的長い立ち
上り時間を必要とし、その間は全力燃焼が行なえないと
共に、燃料の完全燃焼が行なわれ難（、比較的多量の煤
を発生すると言う欠点がある。

又油燃焼による火炎は一般に比較的短（、より長い火炎
を要求する加熱炉に対しその要求に充分適合することが
できない場合がある。

一方、これに対し、天然ガス等のガス燃料は、その燃焼
の始動の初期から容易に全力燃焼に入ることができ、し
かも炉内が冷い状態に於ても始動の初期から殆んど煤を
発生することな（完全燃焼を行うことができると言う利
点を有するが、ガス燃料のみによる火炎はその輝度、従
って輻射能が低（、輻射加熱を必要とする加熱炉に於て
はその加熱機能が不充分であると言う欠点を有している
。

かかる油燃焼とガス燃焼の利点及び欠点に鑑み、種々の
シロ熱炉に於て、油とガスを混焼することが試みられて
いる。

しかし、従来の油とガスの混焼方式は、これら両燃料を
別個のバーナーにより実質的に独立に噴射燃焼をさせる
か、或は両焼料を只単に混合燃焼させる如きものであり
、両種の燃料の燃焼特性に於ける差異を相互に関連させ
その間の相乗的効果を最大限に達成することに関し考慮
に欠けるものである。

本発明は、従来の油とガスの混焼技術に於ける上記の如
き問題に鑑み、より改良された油とガスの混焼方法及び
その為の燃焼装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本発明によれば、油噴射ノズルより噴射
された油燃料により発生した柱状乃至筒状の油燃料噴霧
体の周囲に前記油噴射ノズルの周りに環状に開口するガ
ス噴射ノズルからガス燃料を筒状に噴射することにより
柱状乃至筒状の油燃料噴霧体とその周りに接してこれを
包むガス燃料の筒状体とからなる燃料噴霧体を形成し、
これを周囲空気との接触により燃焼せしめることにより
、油燃焼火炎とその周囲を包むガス燃焼火炎との複合火
炎を形成することを特徴とする油とガスの混焼方法及び
燃焼室内へ油燃料を柱状乃至筒状の油燃料噴霧体として
直接噴射する油噴射ノズルと、前記油噴射ノズルの周り
に核油噴射ノズルと同心に配置された第−及び第二の筒
体を有しこれらの筒体間に環状の開口を有するガス噴射
ノズルとを含み、前記ガス噴射ノズルは前記環状開口よ
りガス燃料を前記油燃料の柱状乃至筒状の油燃料噴霧体
の周りに接してこれを包む筒状体として燃焼室内へ直接
噴射するよう構成されていることを特徴とする油とガス
の混焼用燃焼装置によって達成される。

上記の如き油とガスの混焼方式によれば、燃焼の始動に
際しては、ガス燃料により直ちに全力燃焼による筒状火
炎が形成され、かかる筒状火炎の内部にこれによって包
まれた態様にて油燃料が噴射されることにより、油燃料
の着火に先立つ予熱が充分に行なわれ、炉内が冷い状態
に於ても、殆んど煤を発生することな（、始動直後から
油燃焼もまた全力燃炉状態にもたらされることができる
。

かくして炉の加熱立ち上り速度が油燃料のみの燃焼によ
る場合に比して著るしく増大され、炉の稼動率がそれだ
け増大される。

又炉の加熱立ち上りの為に費やされる燃料が低減される
ことから燃料消費率の改善がもたらされる。

父上記の如き混焼方式に於ては、柱状乃至筒状に噴射さ
れた油噴霧体が直接空気に包まれることな（ガス燃料の
筒状層体によって包まれるので、その燃焼時間が延長さ
れ、火炎は油燃料のみの燃焼に於ける場合に比して著る
しく長炎化される。

かかる火炎の長炎化によって、加熱炉内に於て充分な輻
射加熱が行なわれると同時に、短炎によるバーナ一部の
異常加熱或はそれに基くバーナーの損傷等が回避される
。

更に又、燃料、特に油燃料の完全燃焼が助長されること
によって、Ｃｏ、ＨＣ等の未燃焼成分の排出が低減され
、又燃料、特に油燃料の燃焼がより緩やかに行なわれ且
つガス燃料の筒状層体に包まれ周囲空気との直接的接触
を断たれた状態にて燃焼が進行することにより、ＮＯｘ
の発生も低減される効果が得られる。

添付の第１図は本発明による油とガスの混焼方法或はそ
れを実施する燃焼装置の構造を示す概略断面図であり、
第２図はその正面図である。

伺、第１図は第２図に於げる線Ｉ−Ｉによる断面図に相
当する。

これらの図に於て、１は油燃焼バーナーであり、その先
端部に形成された油燃料噴射口２により重油等の油燃料
を噴射するように構成されている。

又バーナー１の先端部周縁にはフランジ３が設けられて
おり、該フランジに調整リング４を介してボルトナツト
装置５によって締結された対応するフラジジ部６を有す
る第一の筒体７が設けられている。

筒体７は油燃料噴射口２に対し実質的に同心に配置され
ており、第１図に示す如く油燃料噴射口２により噴射さ
れた柱状乃至筒状の燃料噴霧体８０周縁をこれにより幾
分隔って囲むように構成されている。

筒体７の周りには第二の筒体９が設けられており、その
間に環状空間１０が郭定されている。

環状空間１０には図示の実施例に於ては二本のガス燃料
供給管１１が接続されている。

この場合、導管１１は第２図により良（示されている如
（環状空間１０の直径方向に対しある角度をなして傾斜
するよう配置されており、これによって導管１１を経て
環状空間１０内へ供給されたガス燃料は環状空間１００
周方向に沿う接線方向に運動成分を与えられ、環状空間
１０の環状開口１２より旋回しつつ噴射されることとな
る。

かかるガス燃料の旋回噴射と油燃料噴射口２より噴射さ
れる油燃料噴霧体８との共働によるエゼクタ作用により
、筒体７の内周部に沿う空間１３内には負圧が発生し、
かかる負圧によって環状開口１２により旋回噴射された
ガス燃料の一部は図にて破線矢印にて示す如（筒体７の
内周部へ周り込む。

かかるガス燃料の逆流巻き込み作用は火炎を良好に安定
保持する効果を与えるものである。

筒体９の先端外側部には更に第三の筒体或はフード１４
が設げられてよい。

環状空間１０内へ供給されその環状開口１２を経て筒状
に噴射されたガス燃料は、前述の如（油燃料噴射口より
噴射された柱状乃至筒状の噴霧体８の周囲を包むガス燃
料の筒状体１５を形成し、前述の如（油燃料噴霧体８を
加熱してその燃焼を助けると共に、油燃料による火炎を
外気空気との直接接触から遮断し、その燃焼を緩やかに
し、火炎を坤長させ、又その完全燃焼を計り、Ｃ０２Ｈ
Ｃ等の未燃焼成分の発生を低減し、更に周囲空気との直
接接触による多量の酸素の存在に於ける油燃料の激しい
燃焼が発生することを抑制し、これによってＮＯｘの発
生を低減させる。

第３図は本発明による油とガスの混合用燃焼装置構造の
他の一つの実施例を示す第１図と類似の概略図である。

第１図の燃焼装置が特に幾分広角型ノく一ナーとして構
成しているのに対し、第３図に示す燃焼装置は挟角型バ
ーナーとして構成されている。

第３図に示す燃焼装置の構造は、基本的には第１図に示
すものと同一であり、従って第３図に於ては第１図に対
応する部分を第１図に於けると同じ符号により示すこと
とし、その詳細な説明は省略する。

本発明による油とガスの混焼用燃焼装置構造は。

特に既設の油燃焼バーナーを混焼用に改造することに適
用されるに適したものである。

即ち、この場合、油燃焼バーナー１が既設の油燃焼バー
ナーであるとすれば、本発明による混焼用燃焼装置構造
を達成するためには、実質的にこれに筒体７及び９より
成る燃料ガス供給用の構成を追加すればよいものであり
、かかる構成の追加は既設の油燃焼用装置の構造に実質
的な修正を７７０えることなく容易に成されるものであ
る。

以上に於ては本発明を特定の実施例について詳細に説明
したが、本発明はかかる実施例にのみ限られるものでは
な（、かかる実施例について本発明の範囲内で種々の修
正が可能であることは当業者にとって明かであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による油とガスの混焼用燃焼装置の構造
の一つの実施例を示す解図的断面図であり、第２図の線
Ｉ−Ｉによる断面図である。 第２図は第１図に示す燃焼装置構造の端面図である。 第３図は第１図に実質的に同じであるが、本発明の他の
一つの実施例を示す解図的断面図である。 １〜油燃焼バーナー、２〜油燃料噴射ｏ、 ３〜フラ
ンジ部、４〜調整リング、５〜ボルトナツト装置、６〜
フランジ部、７〜筒体、８〜油燃料質霧体、９〜筒体、
１０〜環状空間、１１〜導管、１２〜環状開口、１３〜
筒体の内側空間、１４〜フード、１５〜ガス燃料の筒状
体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 油噴射ノズルより噴射された油燃料により発生した
   柱状乃至筒状の油燃料噴霧体の周囲に前記油噴射ノズル
   の周りに環状に開口するガス噴射ノズルからガス燃料を
   筒状に噴射することにより柱状乃至筒状の油燃料噴霧体
   とその周りに接してこれを包むガス燃料の筒状体とから
   なる燃料噴霧体を形成し、これを周囲空気との接触によ
   り燃焼せしめることにより、油燃焼火炎とその周囲を包
   むガス燃焼火炎との複合火炎を形成することを特徴とす
   る油とガスの混焼方法。 ２、特許請求の範囲第１項の方法に於て、前記ガス噴射
   ノズルから筒状に噴射されるガス燃料はその軸線の周り
   に旋回されていることを特徴とする油とガスの混焼方法
   。 ３ 燃焼室内へ油燃料を柱状乃至筒状の油燃料噴霧体と
   して直接噴射する油噴射ノズルと、前記油噴射ノズルの
   周りに該油噴射ノズルと同心に配置された第−及び第二
   の筒体を有しこれらの筒体間に環状の開口を有するガス
   噴射ノズルとを含み。 前記ガス噴射ノズルは前記環状開口よりガス燃料を前記
   油燃料の柱状乃至筒状の油燃料噴霧体の周りに接してこ
   れを包む筒状体として燃焼室内へ直接噴射するよう構成
   されていることを特徴とする油とガスの混焼用燃焼装置
   。 ４ 特許請求の範囲第３項の燃焼装置に於て、前記第二
   の筒体は前記第一の筒体の先端部えて坤びるよう前記第
   一の筒体より実質的に長（されていることを特徴とする
   燃焼装置。 ５ 特許請求の範囲第３項又は第４項の燃焼装置に於て
   、ガス燃料は前記第二の筒体の壁面に開口する導管を経
   て前記第一と第二の筒体の間の環状空間へ供給されるよ
   う構成されていることを特徴とする燃焼装置。 ６ 特許請求の範囲第５項の燃焼装置に於て、前記導管
   は前記環状空間の直径に対し傾斜した角度をなすよう配
   置されていることを特徴とする燃焼装置。 Ｉ 特許請求の範囲第３項乃至第６項のいづれかの燃焼
   装置に於て、前記第−及び第二の筒体はフランジ要素に
   よって支持され、該フランジ要素によって前記油噴射ノ
   ズルの先端部に装着されるよう構成されていることを特
   徴とする燃焼装置。 ８ 特許請求の範囲第７項の燃焼装置に於て、前記第−
   及び第二の筒体を支持するフランジ要素は調整リングを
   介してその取付面に装着されていることを特徴とする燃
   焼装置。