JPS595686Y2 - 競技用衣服 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として自転車競技に使用する競技用衣服に関
し、詳しくは人体形状に添合するごとくした衣服本体の
両側に袖を連設してなる競技用衣服に関する。

スピードを競う自転車競技ではスピードアップを図るに
は、競技者の身体にかかる空気抵抗を極力小さくするこ
とが重要であって、そのためには身体の表面に沿って流
れる空気の層を空気力学からみて理想的に流して前記空
気が身体後方にて渦を生じないようにしなければならな
いのである。

即ち、身体の表面、換言すれば、着用している衣服の表
面に沿って流れる空気の層が身体の後方にて渦を巻くと
、身体後方側の圧力が身体前方側の圧力よりも低くなる
結果、自転車進行方向と逆方向に働らく空気抵抗が発生
し、この空気抵抗が前進を妨げる抵抗となって競技者に
作用するのである。

本考案はこのような実情に鑑みて案出されたもので、そ
の目的とするところは競技時において前記空気抵抗の発
生を極力押さえることのできる競技用衣服を提供せんと
するにある。

更に詳しくは、両袖における付根から両袖先端側に至る
袖下部と、前記衣服本体におけるアームホール下側から
脇腹側に至る脇部との間に、前記袖及び衣服本体から連
続する空気誘導用フィンを設けたことを特徴とするもの
である。

以下本案の構或を図に示す実施例に従って説明する。

図において符号１で全体的に示す衣服は、一般にワンピ
ースウエアと称されているものであって、衣服本体２の
両側部に袖３，３を、下端部にパンツ４をそれぞれ一体
に連設してなるものである。

前記衣服１は伸縮性に富み、しかも表面をコーティング
加工した布地からなり、人体形状に添合するごとく換言
すれば着用時において体に密着するごとく縫製している
。

而して本考案は、前記両袖３，３における付根から両袖
先端側に至る袖下部３１．３１と前記衣服本体２におけ
るアームホール下側から脇腹側に至る脇部２１との間に
前記袖３，３及び衣服本体２から連結する空気誘導用フ
イン５，５を設けるのである。

即ち、図に示す実施例においては、前記フイン５，５を
一対の三角状布片５ａ，５ｂから構戊するのであって、
前記衣服本体２の前身頃２ａと後身頃２ｂの裁断時に前
記前身頃２ａと前記後身頃２ｂの両側縁に前記三角状布
片５ａ，５ｂを一体に設けて裁断しておき、前記両身頃
２ａ，２ｂの両側縁を一体に縫着する際、前記両布片５
ａ ，５ ｂの下縁部５１．５１を合わせて縫着する
とともに前記両布片５ ａ ，５ ｂの上縁部５２ ．
５２を前記袖３，３に連続させて縫着することで前記両
布片５ ａ ，５ ｂにより略々三角錐状を呈するフイ
ン５，５を形或しているのである。

６は前記衣服本体２の前身頃２ａ側に縫着されたシート
状のプロテクターであって、このプロテクター６は軟質
のプラスチック樹脂材からなり、その表面には人体のみ
ぞおちより両脇腹側に延ひる複数本の空気誘導溝６１．
６１・・・・・・が形威されている。

７は、前記衣服本体２における後身頃２ｂ側の衿部２２
に充填されたパッドであって、該パツド７の充填により
前記衣服本体２における衿部２２から背中にかけてのラ
インをなめらかに形威して人体の後頭部から背中に沿っ
て流れる空気が前記衿部２２にて乱流となるのを防止す
る如くしている。

又、前記パンツ４の尻部にはパツド８１を添合してなる
尻皮８を縫着することで前記パッド４のヒップラインを
略々楕円形状となして、背中から前記ヒップラインに沿
って流れる空気の乱流化を防止すると同時にクッション
性の向上を図っている。

図、図中２３は前記衣服本体２の前身頃２ａ側に取りつ
けられたファスナーである。

本案自転車競技用衣服は以上の構或からなり、次にその
作用効果を述べる。

即ち、前記衣服１を着用して自転車走行を行なうに、前
記袖３，３に沿って前記衣服本体２の脇部２１附近に流
れ込もうとする空気は、前記誘導フイン５，５により前
記衣服本体２の脇腹側後方にスムーズに案内される結果
、前記空気は前記衣服本体２の脇部２１附近にて渦を巻
くことがないのであり、又、前記衣服本体２の前身頃２
ａ側に沿って腹部に流れ込もうとする空気は前記プロテ
クター６に形或した誘導溝６１．６１・・・・・・に沿
って両脇腹より人体後方に誘導され、前記腹部附近にて
乱流となることがない。

更に前記衣服本体２の後身頃２ｂ側における衿部２２か
ら背中にかけてのラインがなめらがに形或されているの
で、人体の後頭部がら背中に沿って流れる空気も、前記
衿部２２附近にて乱流となることなく、楕円形状を呈す
るヒップラインに沿って人体後方にスムーズに流れ去る
のである。

尚、以上の実施例は、自転車競技用衣服について説明し
たが、その他例えばスキー競技用衣服、スケート競技用
衣服、自動二輪車競技用衣服にも適用できるのである。

以上説明した如く本案競技用衣服は、両袖における付根
から両袖先端側に至る袖下部と、前記衣服本体における
アームホール下側がら脇腹側に至る脇部との間に、前記
袖及び衣服本体から連続する空気誘導用フィンを設けた
ものであるがら、特に前記両袖に沿って前記衣服本体の
脇部に流れ込もうとする空気を前記誘導用フィンにより
前記衣服本体の脇腹側から人体後方にスムーズに案内す
ることで、前記空気が前記脇部附近にて渦を巻くのを確
実に防止でき、従って競技時人体にかかる空気抵抗の発
生をそれだけ小さく出来るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその正面図、
第２図は背面図、第３図は１部切欠側面図、又、第４図
は本案衣服の使用状態を示す側面図である。 １・・・・・・衣服、２・・・・・・衣服本体、３・・
・・・・袖、４・・・・・・パンツ、５・・・・・・空
気誘導用フィン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 人体形状に添合するごとくした衣服本体に両袖を連設し
   て或る競技用衣服であって、前記両袖における付根から
   両袖先端側に至る袖下部と、前記衣服本体におけるアー
   ムホール下側から脇腹側に至る脇部との間に、前記袖及
   び衣服本体から連続する空気誘導用フィンを設けたこと
   を特徴とする競技用衣服。