JPS5952757B2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内部に配設された複数の管を使用する熱交換
器に関し、特に、管板に対して半径方向の支持を行なう
と共に該管板がら熱交換器の外側胴へ半径方向に力を伝
達する管板支持機構に関するものである。

即ち、本発明は、同心状に関連する２つの胴からなる蒸
気発生器のうちの外側胴へ半径方向の力を伝達する半径
方向支持機構に関するものである。

原子力発電系統においては、一般に熱交換器を使用して
放射性流体から非放射性流体へ熱を伝達し、後者の流体
が終局的にタービンを貫流する。

これ等の２種の流体はタービンの放射能汚染を防止する
ために互いに隔離されている。

熱交換器は、熱伝達媒体として水を用いる場合、蒸気発
生器と呼ばれており、この明細書においてもそのように
呼ぶこととする。

典型的には、この種の蒸気発生器は、独立した別個の通
路をそれぞれ貫流する放射性流体及び非放射性流体の入
っている外側胴で構成されている。

該外側胴内で蒸気発生器は区分されていて、双方の流体
が互いに物理的に接触するに至ることなく両流体間の熱
の交流を可能にしている。

これは、一方の流体を複数の熱伝導性管の内部に通すと
同時に、他方の流体を骸骨の外表面に接触させてその周
囲に流すことによって、実施することが可能である。

上述した熱交換器管は、熱交換器の同一端に位置する２
つの隣接流体区画室を流体連通状態に接続するような方
法でＵ形にしてもよいし、熱交換器の両端にある区画室
を流体連通状態に接続する直管でもよい。

いずれの場合も、熱交換器管の周りを流れる流体は、こ
れ等の管に横方向の連動や、恐らく苛酷な振動を生じさ
せる。

相当な長さの熱交換器管に対して横方向の支持を与える
ために、蒸気発生器内には管支持板が配置されている。

これ等の管支持板は円形平板であって、平らな表面を貫
通する複数の穴を有する。

熱交換器の管はこれ等の穴を可能な限り隙間を小さくし
て貫通しているので、管の横運動は管支持板によって抑
制される。

即ち、管支持板は、管の長手方向運動に対しては何の制
限もしないが、横方向の支持についてはそれを行なうよ
うに設計されていて、もし支持をしなかったら管の円筒
形外表面を通り過ぎる流体の速い流れによって生じると
思われる（管に関して半径方向の）横運動を防止する。

二つの胴を有し、その内側膜の内部に管支持板を配設し
た蒸気発生器においては、外側膜は高強度であるので半
径方向の力を該外側膜に伝達するような方法で、管支持
板を半径方向に支持することがしばしば必要になる。

外側膜への半径方向の力の伝達を必要としない場合であ
っても、内側膜は、管支持板によって加えられる半径方
向の力に耐えうるように何らかの方法で強化しておかね
ばならないのが普通である。

このような場合、管支持板からの力を受ける内側膜の領
域を局部的に強化しなければならない。

従って、本発明の主な目的は、蒸気発生器の内側膜に過
度の力をかけずに管支持板を容易に調節しうる方法で支
持する簡単な装置を提供することである。

この目的から本発明は、円筒胴と、該円筒胴内に同心に
配設される円筒形被覆体と、該被覆体内に配設される熱
交換管と、該熱交換管の側面支持を行なうように該熱交
換管を横断して前記被覆体内に配設される多数の管支持
板と、前記被覆体に関する該管支持板の位置を調節する
位置調節装置とを備える熱交換器において、前記被覆体
は、前記管支持板に対応する平面において該被覆体から
半径方向に突出するように取着された円筒形のジヤツキ
部材を有し、該ジヤツキ部材は、前記円筒胴に対して被
覆体を位置決めしうるように、該被覆体にあるねし穴に
係合される雄ねじ部を有すると共に、該被覆体内の前記
管支持板の位置を調節するべく該管支持板に衝合するね
じ部材の入るねし穴を中央に有することを特徴とするも
のである。

本発明は、管支持板に苛酷な半径方向の力が加わる期間
中に低強度の被覆体に生ずる可能性のある損傷を回避し
ながら、半径方向の力を管支持板から直接円筒胴に伝達
すると共に、蒸気発生器内の管支持板を半径方向に支持
する装置を提供する。

本発明は、添付図面に例示したその好適な実施例に関す
る次の説明から一層容易に明らかとなろう。

第１図は内部が別個の区画室に分けられている蒸気発生
器１０を示し、該蒸気発生器は内側膜１２及び外側膜１
４を備える。

外側膜１４は熱交換設備の種々の部品を閉じ込める容器
である。

内側膜１２は、管支持板１６の軸方向支持を行なうと共
に、蒸気発生器１０内の流体の流れを助けるバリヤーと
なる。

複数の管１８内を通る流体は人口から矢印■で示すよう
に入り、出口から矢印０で示すように出る。

別の流体は、蒸気発生器内を循環し、管１８の円筒外表
面の周りを流れる。

この流体は、管１８の内側を流れる流体と熱的に関係し
ており、管１８の外表面に接触することによって加熱さ
れる。

加熱された流体は管１８の近傍を移動し、矢印Ｈで示す
方向に流れる。

該流体は蒸気の形で蒸気発生器から出て、発電系統のタ
ービンに進み、低下した温度で蒸気発生器に戻る。

この冷たい流体は矢印Ｃで示すように蒸気発生器の内側
膜１２と外側膜１４との間を通り、複数の管１８の近傍
に再び運ばれて、再加熱される。

従って、この流体は蒸気発生器内において液相り及び気
相Ｇで存在する。

第１図において、複数の管１８内を通る矢印■及びＯで
示された流体は、蒸気発生器へと原子炉から直接に来た
後、放射性になっている。

また、矢印Ｃ及びＨのように進んで管１８の外表面の周
りを流れる蒸気発生器内の他の流体は非放射性であり、
蒸気発生器の機能の一つは放射性流体から非放射性流体
へと両流体間の分離を確保しながら熱を伝達することで
ある。

更に、前述したものの代りに他の設計の蒸気発生器を用
いて、非放射性水を管１８内に通し、放射性水を管１８
の周りに通すことができる。

しかし、本発明はどちらの型式の蒸気発生器にも適用可
能であり、また、第１図に示したＵ形管の代りに直管を
使用する熱交換器にも適用できる。

蒸気発生器の管支持板１６は、内側膜１２に溶接される
複数のブロック１９で軸方向に支持するのが一般的であ
る。

また、管支持板の半径方向の支持も何らかの装置（第１
図には図示しない）によって行なわねばならない。

第２図は管支持板１６に必要な半径方向の支持を行なう
一つの手段を示している。

当業者に知られでいるこの手段は特別の形に形成したブ
ロック２０を使用し、内側膜１２に半径方向に設けた穴
にこのブロックを挿入している。

しかる後、該ブロック２０を内側膜１２に符号２１で示
すように溶接し、両者間に剛な取着部を形成する。

ブロックには半径方向に延びる一つ又はそれ以上の穴が
穿孔され且つタップされており、該穴の中にねじ部材２
２が入っている。

ブロック２０は、ねじ部材２２がブロック２０から管支
持板１６へ向って延びうる方法で、管支持板１６と半径
方向に整列している。

その後、ジヤツキブロック２４をねじ部材２２と管支持
板１６との間に、管支持板１６に近接して配置する。

しかる後、ジヤツキブロック２４と管支持板１６との間
に確実な接触を与えるために、両者間にくさび２６を入
れてから、該くさび２６をジヤツキブロック２４に溶接
し、このジヤツキブロック２４を予めブロック２０に溶
接によりしつかり取着されたねじ部材２２に溶接する。

この半径方向支持構造は、ブロック２０、ねじ部材２２
、ジヤツキブロック２４及びくさび２６等の諸部品から
なり、これ等の全てが内側膜１２にしつかり結合された
剛な組体を提供する。

該半径方向支持構造の諸部品を互いに溶接する前に、該
諸部品の寸法は、管支持板１６が内側膜１２内で沖央に
くるように確保されていなければならない。

明らかなように、くさびは寸法の微調整を行なうのに一
般に適していないので、くさびを使用して管支持板１６
を蒸気発生器内の中央に正確に位置決めすることは困難
である。

また、この半径方向支持構造の他の欠点は、内側膜１２
に局部的に強度を付与するために、ブロック２０の厚さ
を内側膜１２から半径方向外方へ相当量延長させねばな
らないことである。

第２図に示すように、この延長部は矢印Ｃで示す冷却液
体の層流の邪魔になる。

更に、原子力発電系統においては、蒸気発生器内の個々
の部品数を可及的に減少させることが望ましい。

上述の記載から明らかなように、第２図に示した半径方
向支持構造は個々の部品を多数含んでおり、その何れも
が運転中にゆるんで悪い状況をもたらす可能性がある。

上述した半径方向支持構造の全ニス１−は明らかに高い
。

この高コスＩ・は、内側膜１２を半径方向に貫通する比
較的に大径の穴を設け、ブロック２０を形成し、そして
ねじ部材２２及びくさび２６の調整を繰り返し行なって
内側膜１２内に精確に管支持板１６を位置決めする必要
性から来ている。

第３図に示したブロック２０の製造は難しく且つ費用が
かかる。

このブロック２０は外側部分３２と内側部分３４とがで
きるように形成されていて、外側部分３２が内側膜（第
２図の符号１２）の円筒外表面に適合する弓形の形状を
持ち、一方、内側部分３４が内側膜１２を半径方向に貫
通するよう形成された穴内に適合する形状を持つ。

このブロックの内側部分３４及び外側部分３２は、前記
穴と内側膜１２の外表面とに適切に係合するために、精
確に形成して弓状の外形にしなければならない。

更に、ねじ部材（第２図の符号２２）を受は入れるため
、二つの穴３６をブロック２０に形成しねじを切らねば
ならない。

本発明による半径方向支持構造は第４図に、内側膜１２
、外側胴１４、管支持板１６及びブロック１９等と共に
示されている。

ブロック１９は管支持板１６の軸方向支持を行なう。

本発明のものは、内側膜１２にある穴を通り抜けて外側
胴１４の円筒形内表面に接触するジヤツキ部材４０、即
ちジヤツキねじを備える。

ジヤツキ部材４０をこのように配置して、例えば符号４
１及び４２で示すように溶接することにより、該ジヤツ
キ部材４０は内側膜１２にしつかり接続される。

外側胴１４に確実に接触した状態で内側膜１２にしつか
り取着すれば、ジヤツキ部材４０の領域において内側膜
１２が受ける全ての半径方向の力は高強度の外側胴１４
に半径方向に伝達される。

ジヤツキ部材４０は、ねじ部材４６を受は溶れるように
形成された穴４４を中央に備える。

ねじ部材４６に設けられた頭部４７は、調整を容易にす
るため、複数の平らな側辺を有する。

管支持板１６を半径方向に位置決めするには、ねじ部材
４６をジヤツキ部材４０から延ばすことにより、頭部４
７の半径方向位置を精度良く調節して行なうことができ
る。

本発明の好適な実施例ではジヤツキ部材４０にねじ係合
するねじ部材４６を使用しているが、ジヤツキ部材４０
の穴４４内に滑動可能に配設された棒を有する別の構造
でもよい。

第４図に示すように、回転させることによってねじ部材
４６の頭部４７を半径方向に関して内向き又は外向きに
容易に延長させうる。

回転はオープンエンドスパナを使用して行なうことがで
き、特別の工具を必要としない。

更に、ねじ部材４６のねし山のピッチに応じて、頭部４
７を蒸気発生器内で半径方向に精度良く位置決めするこ
とができることは明らかで゛ある。

また、明らかなように、管支持板１６が半径方向外向き
の力を出す時には、この力は内側膜１２に重大な変形を
生じさせることなく外側胴１４に直接伝達される。

かかる力の直接伝達は、管支持板１６の領域において内
側膜を実質的に強化する必要性を排除する。

また、本発明による半径方向支持構造は蒸気発生器内に
なければならない個々の構成部品の総数を可及的に減少
させる。

第２図に示した先行技術と第４図に示した本発明のもの
とを比較することによって、本発明の利点が明白になる
。

本発明の構成部品の総数はジヤツキ部材４０とねじ部材
４６の２つのみであるのに対し、先行技術ではブロック
２０と、ねじ部材２２と、ジヤツキブロック２４と、く
さび２６とを使用する。

また、本発明による半径方向支持構造の製造コストは明
らかに先行技術のものより低廉である。

前述したように、第３図に示したブロック２０の複雑な
形状は製造が難しく、従って費用が嵩むのに対し、第５
図に示したジヤツキ部材４０及びねじ部材４６は通常の
機械で比較的簡単に製造できる。

第５図はジヤツキ部材４０とねじ部材４６とを詳細に示
している。

ジヤツキ部材４０は、外側胴（第１図及び第４図の符号
１４）の円筒形内面に対して適合するように形成された
一端５０を有し、そして他端には内側膜１２の穴内で該
ジヤツキ部材を回転させるための手段が設けられている
。

この手段は第５図において一対の穴５２として示されて
おり、該穴にスパナをはめて十分なＩ−ルクを与えれば
、内側膜（第４図の符号１２）を半径方向に貫通するね
し穴内でジヤツキ部材４０を回転することができる。

従って、内側膜にある前記ねし穴にねじ係合しうるよう
に、ジヤツキ部材４０の円筒形外表面にはねじ部４８が
設けられている。

また、ジヤツキ部材４０は中央に穴４４を備えており、
ロックねし即ちねじ部材４６をλ〕じ係合の状態で受は
容れるために、該穴４４（二もねじが切られている。

前述したよう（こ、メ〕シ音りオ第４６は複数の平らな
側辺を有する頭部４７をイ浦えており、該側辺があるた
めに、通常のオーブンエンドスパナを使用して頭部を回
すことができる。

ねじ部材４６をジヤツキ部材４０内で調節して管支持板
（第４図の符号１６）を適切に位置決めした後、ねじ部
材４６をジヤツキ部材４０に溶接して、これ等の部材を
互いにしつかり取着すると共に、該部材間に据付は後何
ら相対運動が起こらないようにすることができる。

かかる溶接結合は第４図に符号４９で示されている。

当業者にとって明らかである通り、本発明は、製造が比
較的に簡単且つ低廉にでき、しかも蒸気発生器内の管支
持板の位置を精確に調節しうる管支持板の半径方向支持
構造を提供する。

更に、本発明による半径方向支持構造は、管支持板によ
る半径方向の力を、該管支持板の領域における蒸気発生
器の内側膜を実質的に強化する必要なしに、蒸気発生器
の外側胴に効果的に伝達することができる。

また、本発明は、半径方向支持を行なうために蒸気発生
器になければならない構成部品の数を可及的に減少させ
ると共に、本発明の半径方向支持構造の周りの流体の流
れに対する悪影響を可及的に減少させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は蒸気発生器を一部破断し断面で示す正面図、第
２図は管支持板の半径方向支持を行なう従来の構造の断
面図、第３図は第２図の構造で使用するブロックの斜視
図、第４図は本発明による半径方向支持構造を示す断面
図、第５図は本発明による半径方向支持構造の拡大斜視
図である。 図中、１０は熱交換器（蒸気発生器）、１２は円筒形被
覆体（内側膜）、１４は円筒胴（外側胴）、１６は管支
持板、１８は熱交換管、４０はジヤツキ部材、４４はね
し穴、４６はねじ部材、４８はねじ部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒胴と、該円筒胴内に同心に配設される円筒形被
   覆体と、該被覆体内に配設される熱交換管と、該熱交換
   管の側面支持を行なうように該熱交換管を横断して前記
   被覆体内に配設される多数の管支持板と、前記被覆体に
   関する該管支持板の位置を調節する位置調節装置とを備
   える熱交換器において、前記被覆体は、前記管支持板に
   対応する平面において該被覆体から半径方向に突出する
   ように取着された円筒形のジヤツキ部材を有し、該ジヤ
   ツキ部材は、前記円筒胴に対して被覆体を位置決めしう
   るように、該被覆体にあるねし穴に係合される雄ねじ部
   を有すると共に、該被覆体内の前記管支持板の位置を調
   節するべく該管支持板に衝合するねじ部材の入るねし穴
   を中央に有することを特徴とする熱交換器。