JPS5952568B2 - ハイブリツド変成器装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は各種通信機器に使用され１つの信号を分岐した
り独立な複数の信号を結合するハイブリッド変成器装置
に関する。

一般にハイブリッド変成器装置は信号の分岐・結合に広
く使用されており、分岐された信号或いは結合しようと
する信号間に干渉がなく、また各負荷接続端子において
インピーダンスの整合が要求される。

従来そのようなハイブリッド変成器装置に、１個のハイ
ブリッド変成器装置で１つの信号を３分岐したり独立な
３つの信号を結合する単巻線型３分岐ハイブリッド変成
器装置がある。

この種の単巻線型３分岐ハイブリッド変成器装置は平衡
−不平衡系或いは、不平衡−平衡系用としては使用でき
るが、不平衡−不平衡系用としては使用できないことか
ら第１図に示すようにハイブリッド変成器１の平衡側の
負荷抵抗接続端子Ｔ１．Ｔ２および丁、にそれぞれ独立
する平衡−不平衡変換変成器２，３の平衡側の端子Ｔ４
．Ｔ５および丁。

、Ｔ７をそれぞれ接続し更に不平衡側の端子Ｔ４．Ｔ６
と対をなす端子Ｔ８．Ｔ９をそれぞれ負荷抵抗４，５を
通して接地し、更にＴ５．Ｔ７と対をなす端子Ｔ１ｏ、
Ｔ１１をそれぞれ接地した回路構成とすることにより、
不平衡−不平衡系の単巻線型３分岐ハイブリッド変成器
装置が実現される。

しかし本単巻線型３分岐ハイブリッド変成器装置は１個
のハイブリッド変成器１と２個の平衡−不平衡変換変成
器２，３の計３個によって構成されるので大きな実装面
積を要すると共に価格的にも不利であった。

本発明の目的は、実装面積が少なく且つ価格的にも有利
な単巻線型３分岐ハイブリッド変成器装置を提供しよう
とするものである。

本発明によれば第１図の単巻線型ハイブリッド変成器装
置の構成素子である２個の平衡−不平衡変換変成器を３
条線路からなる１個の線路型変成器に置き換えることに
よって実現するものである。

以下本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説
明していく。

第２図は本発明の単巻線型３分岐ハイブリッド変成器装
置の一実施例を示す回路図であって図において磁気回路
６に１次巻線と２次巻線が互いに共用する単一巻線９を
施した変成器１０から１次巻線の引出し用端子Ｔ１□。

Ｔ、、 Ｔ１４および２次巻線の引出し用端子Ｔ１．。

Ｔ１６．Ｔ１□カ弓１出され、それらの端子のうち１次
巻線の引出用端子Ｔ１゜、Ｔ１３．Ｔ１４はそれぞれ負
荷抵抗１１，１２，１３を通して接地する。

次に２次巻線の引出用端子のうち中央から引出された端
子Ｔ１７は負荷抵抗２１に接続され、この負荷抵抗２１
のもう一方の端子とその他の２次巻線の引出用端子Ｔ１
５．Ｔ１６は、共通な磁気回路１４に同一巻数を有する
巻線１５，１６，１７の３条線路によって形成された線
路型変成器１８０片側の端子Ｔ１８．Ｔ１９．Ｔ２ｏに
それぞれ接続され、反対側の端子で端子Ｔ１６と対をな
す巻線１５の端子Ｔ２１は負荷抵抗１９を、端子Ｔ２ｏ
と対をなす巻線１６の端子Ｔ２□は負荷抵抗２０を通し
て接地され端子Ｔ１９と対をなす巻線１７の端子Ｔ２３
はそのまま直接接地される。

尚この線路型変成器１８の各巻線の極性は「・」で示す
ように端子Ｔ１８．Ｔ１９．Ｔ２ｏが同一極性となるよ
う共通な磁気回路１４に巻線１５．１６，１７を端子Ｔ
１８９ Ｔ１９ｔ Ｔ２０側より同−向きに巻線したも
のである。

この実施例では第２図の端子Ｔ１□とアース間あるいは
端子Ｔ１３とアース間に信号供給源を接続した場合、負
荷抵抗１３，１９．２０に不平衡系の電圧が供給され、
端子Ｔ２□とアース間および端子Ｔ２２とアース間に信
号供給源が接続された場合は負荷抵抗２１に平衡系の電
圧が供給される。

第３図は本発明の他の実施例で第２図の実施例における
負荷抵抗２１を２次巻線に直接接続するのではなく３条
線路型変成器を介して接続したものである。

このようにすることにより第２図の実施例で負荷抵抗２
１に平衡系の電圧しが供給されなかったものが、この実
施例では端子Ｔ２□とアース間および端子Ｔ２２とアー
ス間に信号供給源が接続された場合においても負荷抵抗
２１に不平衡系の電圧が供給される。

次に本発明の動作原理を第４図を参照して説明する。

第４図の回路は前記第３図の負荷抵抗２０に代え、負荷
抵抗に等価な内部抵抗を有する信号源２３を接続したも
のである。

この第４図において変成器１０および線路型変成器１８
を理想変成器即ちインダクタンスは無限大、巻線抵抗は
零および磁心損失は無く、且つ各巻線間の漏れ磁束が無
いと仮定した場合、第４図の回路が理想的な３分岐ハイ
ブリッド変成器であるためには、 （１）信号源２２から送り込まれた信号電力は５個の抵
抗１２，１３，１９，２０，２１の内、３個の抵抗１３
，１９．２０で消費され、他の２個の抵抗１２．２１に
は伝達されない。

また、信号源２３から送り込まれた信号電力は５個の抵
抗１１，１２，１３，１９，２１の内、３個の抵抗１１
，１２，２１で消費され、他の２個の抵抗１３．１９に
は伝達されない。

そこで、信号源２２に対しては信号源２３の内部抵抗２
０は負荷抵抗として作用し、信号源２３に対しては信号
源２２の内部抵抗１１は負荷抵抗として作用する。

また、各信号源から送り込まれた信号電力が消費される
抵抗を負荷抵抗、信号電力が伝達されない抵抗を平衡用
抵抗と呼ぶ。

（２）信号電力が伝達される負荷抵抗の回路間には干渉
がない。

（３）全ての端子Ｔ１゜、Ｔ１３．Ｔ１４並びにＴ２□
、Ｔ２゜。

Ｔ２３の個所でインピーダンス整合が成り立つ。

ことが満足されなければならない。

そこで、変成器１０および線路型変成器１８を理想変成
器と見做し、信号源２２の内部抵抗１０の抵抗値Ｒ１、
および負荷抵抗１３．１９並びに平衡用抵抗１２．２１
の抵抗値をそれぞれＲ３゜Ｒ４並びにＲ２，Ｒ６とし、
また、端子Ｔ２゜に接続された信号源２３の内部抵抗２
０の抵抗値をＲ５とする。

更に変成器１０の端子Ｔ１５とＴ１□間、端子Ｔ１２と
タップＴ１□間、タップＴ１７とＴ１４間、タップＴ１
４と端子Ｔ１３間及び丁１３とＴ１６間の巻数とインダ
クタンス値をそれぞれＮ１＋ Ｌｉ、Ｎ２．Ｒ２，Ｎ３
．Ｌ３％Ｎ４．Ｒ４及びＮ５．Ｒ５とし、また、線路型
変成器１８の巻線１５，１６．１７の巻線とインダクタ
ンス値をそれぞれｎｌ、１１．Ｒ２，１２，Ｒ３，１３
とする。

そこで、信号源２２．２３の出力電圧をそれぞれＥｌ、
Ｒ２、端子Ｔ１２に流入する電流をＴ１、端子Ｔ１３か
ら流出する電流をＴ２、端子Ｔ２、から流出する電流を
１３、端子Ｔ２゜に流入する電流をＴ４とすると回路の
枝電流の各々は第４図の如く与えられる。

更に変成器１０の巻線９は一方の端、例えば端子Ｔ１５
側から共通な磁気回路６に同−向きに巻回され、また、
線路型変成器１８についても巻線１５，１６．１７は黒
点側から共通な磁気回路１４に同−向きに巻回され、且
つ、変成器１０における巻線間の相互インダクタンスを
巻数ＮｉとＮｊ間の場合Ｍｉｊ （ｉ〆ｊ、ｉ、ｊ＝１
〜５）とし、また、線路型変成器１８における巻線間の
相互インダクタンスを巻数ｎｉとｎｊ間の場合ｍ１ｊ（
ｉ〆ｊ、ｉ、ｊ＝１〜３）と表わし、さらに、線路型変
成器１８の巻線１５，１６，１７は３条線路によって構
成されインピーダンス変換機能を有しないものとした場
合、第４図の回路の電圧と電流の関係は下記マトリック
スで与えられる。

次に（１）式にＷＬｏ＞Ｒ１Ｃｙ／−変成器１０は理想
変成器）、Ｒ２−０を導入をすることによって、電流■
１．■２．■３．Ｉ４は（２）弐〜（５）式で与えられ
、またｗＬ。

＞Ｒ１、Ｅｌ−０を導入することによって、電流■１゜
■２．Ｉ３．Ｉ４は次の（６）弐〜（９）式で与えられ
る。

（ａ）Ｅ２＝０の場合 ここでａ） ｔ ｂ）の場合とも である。

次に第４図が３分岐ハイブリッド変成器となる構成条件
、即ち を満たす条件を（２）弐〜（１０）式から求めればよい
。

そこで（６）式、（７）式を用い１ｌ−Ｉ２二〇を満た
す条件は で与えられ （４）式、（５）式を用い、Ｉ４−１３−〇を満たす条
件は更に、Ｅ、／１１＝ ２Ｒ１を満たす条件は（２）
式を用い（３）式のＬ２＝０の条件と、（１０）式、（
１２）式の関係を導入することによって で与えられる。

同様にしてＥ２／■４＝２Ｒ５を満たす条件は（９）式
を用い、（８）式の１４二〇の条件と（１１）式、（１
２１式の関係を導入することによって で与えられる。

また、巻数（Ｎ２＋Ｎ３）と（Ｎ１＋ Ｎ２）の関係は
（３）式を用い、Ｉ２−０の条件と（１３）および（１
４Ｊ式の関係を導入することによって で与えられる。

ただしＲ２／Ｒ１−に１、Ｒ５／Ｒ４−に２とする。

なおに１〉０、Ｎ２〉０で゛あることは明らかで゛ある
。

旧）式〜（１５）式が同時に成立すれば理想的な３分岐
ハイブリッド変成器装置が得られ信号源２２から送り込
まれた信号電力は負荷抵抗１３． １９． ２０に分岐
出力され、平衡用抵抗１２，２１には供給されない。

そこで第４図において端子Ｔ１□にのみ信号源２２が接
続された場合について負荷抵抗１３，１９．２０に供給
される信号電力の分配量を定量的に判断する尺度として
、負荷抵抗１３． １９． ２０のそれぞれに供給され
る信号電力の動作減衰量ＡＩが用いられることは良く知
られており、それは で定義される。

そこで負荷抵抗１３，１９．２０のそれぞれに供給され
る信号電力の動作減衰量をそれぞれＡ１１．Ａ１２．Ａ
１３とすると（２）弐〜（５）式で与えられた各電流の
式と０１）弐〜（１５）式で与えられた／’％イブリッ
ド変成器装置の成立する構成条件を導入することによっ
て、Ａ１１〜Ａ１３は下記（１６）弐〜（１８）式で与
えられる。

以上の説明から明らかなように第４図の３分岐ハイブリ
ッド変成器装置は信号源２２の内部抵抗１０の抵抗値Ｒ
１と負荷抵抗１９．２０のいずれかの抵抗値Ｒ４ないし
Ｒ５および信号源２２から送り込まれた信号電力の負荷
抵抗１３． １９． ２０の分配量、即ち（１６）弐〜
（１８）式のＡ１１〜Ａ１３の内、いずれか２つが与え
られたならばに１．に２が求まる。

従って、（１１）弐〜（１５）式のハイブリッド変成器
装置の成立する条件からＲ２，Ｒ３，Ｒ４またはＲ５，
Ｒ６並びにＮ４． （Ｎ、＋Ｎ２）、 （Ｎ３十Ｎ
４＋Ｎ５）の全てが明らかとなり具体的に変成器１０が
実現できる。

但し、 （Ｎ２ ＋ Ｎａ ）はハイブリッド変成器装
置に要求される動作減衰量の周波数特性並びに磁気回路
形成用の磁性材料などにより定められる。

更に線路型変成器１８において第４図の信号源２３の出
力電圧Ｆ、＝Ｏの場合、Ｉ４−１３−〇であることから
線路型変成器１８の巻線１７には信号電流は流れず巻線
１５．１６からなる２条線路変成器として作用する。

また、線路型変成器１８の信号源２２の出力電圧Ｅ１−
０の場合、ｌ３＝０であることから線路型変成器１８の
巻線１５には信号電流は流れず、巻線１６．１７からな
る２条線路型変成器として作用する。

尚、２条線路型変成器は平衡不平衡モード変換機能を有
することは良く知られていることである。

次に線路型変成器１８はインピーダンス変換比は通常１
であるが、インピーダンス変換機能を持たすこともでき
る。

また第２図において１次巻線の端子Ｔ１□。

Ｔ１３．Ｔ１４と２次巻線の端子Ｔ１．、Ｔ１６．Ｔ１
７はそれぞれ巻線９の異なる位置から引出された実施例
であるが１次巻線と２次巻線の端子が巻線９の同一な位
置から引出された単巻型３分岐ハイブリッド変成器にも
同様に適用できる。

以上から明らかなように本発明によれば従来３個の変成
器で構成されていたものを２個の変成器で構成すること
によっても同一機能を有するハイブリッド変成器装置が
実現できるので、本発明は実装面積の軽減ならびに経済
的にも極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の不平衡−不平衡ハイブリッド変成器の回
路図、第２図、第３図は本発明の不平衡−不平衡ハイブ
リッド変成器の回路図、第４図は本発明の動作原理を説
明するための回路図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 共通な磁気回路に１次巻線および２次巻線が共用の
   単一巻線を形成し、該単一巻線の一次巻線および２次巻
   線から引出用端子をそれぞれ２個と中間タップをそれぞ
   れ１個ずつ引出して構成される変成器の前記−次巻線側
   の引出用端子の一方に内部抵抗値Ｒ１を有する信号源を
   、他方に抵抗値Ｒ２を有する平衡用抵抗を、中間タップ
   に負荷抵抗Ｒ３をそれぞれ接続し、それらの他端を接地
   し、更に前記２次巻線側の中間タップに抵抗値“Ｒ６を
   有する平衡用抵抗を接続し、該負荷抵抗の他端と２次巻
   線側の引出用端子２個とに３条線路からなる線路型変成
   器のどちらか一方側の３端子をそれぞれ対応させて接続
   し、もう−実測の３端子のうち前記平衡用抵抗接続端子
   に対応する端子を接地し、残りの２端子のうち一次巻線
   側端子の信号源接続端子側の端子に対応する端子は抵抗
   値Ｒ４を有する負荷抵抗を、もう一つの端子は抵抗値Ｒ
   ５を有する負荷抵抗をそれぞれ接続し、他端を接地した
   回路において、前記２次巻線側で抵抗値Ｒ４を有する負
   荷抵抗接続端子に対応する端子と１次巻線側で信号源が
   接続された端子間の巻数をＮ１．１次巻線側で信号源が
   接続された端子と２次巻線側の中間タップ間の巻数をＮ
   ２．２次巻線側の中間タップと１次巻線側の中間タップ
   間の巻数をＮ３．１次巻線側の中間タップと平衡用抵抗
   が接続された端子間の巻数をＮ４、更に１次巻線側の平
   衡用抵抗が接続された端子と２次巻線側の抵抗値Ｒ６の
   負荷抵抗接続端子に対応する端子間の巻数をＮ５とする
   とき を同時に満足するような巻数および抵抗値に実質的に設
   定されたことを特徴とする単巻線型３分岐ハイブリッド
   変成器装置。 ２ 共通な磁気回路に１次巻線および２次巻線が共用の
   単一巻線を形成し、該単一巻線の一次巻線および２次巻
   線から引出用端子をそれぞれ２個と中間タップそれぞれ
   １個ずつ引出して構成される変成器の前記１次巻線側の
   引出用端子の一方に内部抵抗値Ｒ１を有する信号源を、
   他方に抵抗値Ｒ２を有する平衡用抵抗を中間タップに負
   荷抵抗Ｒ３をそれぞれ接続し、それらの他端を接地し、
   更に、前記２次巻線側の２個の端子と１個のタップに３
   条線路からなるどちらか一方側の３個の端子をそれぞれ
   対応させて接続し、前記線路型変成器のもう一方側の３
   個の端子を前記１次巻線側の信号源が接続される側の引
   出用端子に対応する端子に抵抗値Ｒ４を有する負荷抵抗
   を、他方側の引出用端子に対応する端子に抵抗値Ｒ５を
   有する負荷抵抗を、中間タップに対応する端子に抵抗値
   Ｒ６を有する平衡用抵抗をそれぞれ通して接地した回路
   において、前記２次巻線側で負荷抵抗値Ｒ４を有する負
   荷抵抗接続端子に対応する端子と１次巻線側で信号源が
   接続された端子間の巻数をＮ１．１次巻線側で信号源が
   接続された端子と２次巻線側の中間タップ間の巻数をＮ
   ２．２次巻線側の中間タップと１次巻線側の中間タップ
   間の巻数をＮ３．１次巻線側の中間タップと平衡用抵抗
   力ｆ接続された端子と２次巻線側の抵抗値Ｒ６の負荷抵
   抗接続端子に対応する端子間の巻数をＮ５とするとき を同時に満足するような巻数および抵抗値に実質的に設
   定されたことを特徴とする単巻線型３分岐ハイブリッド
   変成器装置。