JPS5947130B2 - 流体機械用の渦巻型ケ−シング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、殊に排ガスターボ過給機における流体機械用
の渦巻型ケーシングであって、渦巻型ケーシング内壁の
、半径方向で内側に向いている表面に沿って摺動案内さ
れる少なくとも１つの舌状片を有し、該舌状片の周方向
の移動により、羽根車への又は羽根車からの羽根車外側
の流体流入範囲の横断面又は流出範囲の横断面が可変に
なっており、この場合舌状片がその自由端部に半径方向
内側へ延在する範囲を有している形式のものに関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第２３４２９９８号明細
書によれば、上記の形式の渦巻型ケーシングであって、
舌状片が長い、曲げ弾性を有する変向条件より成るもの
が既に公知である。

この舌状片は、２分割構造の渦巻型ケーシングの両半部
に形成されている溝内で案内される。

このような渦巻型ケーシングはしかし、製作技術的にみ
て、複雑で高価な製作費を要する構造物となる。

それというのは上記の溝は比較的狭幅で深く、かつまた
渦巻線状にフライス削りしなげればならないからである
。

またこの場合製作精度に極めて高い要求が課される。

それというのは、ターボ機械、殊に排ガスターボ過給機
において発生する振動に基き、溝内における可動の舌状
片のルーズな弛い案内はターボ機械の早期の破壊をもた
らすことになるからである。

またこの渦巻ケーシングも２分割構造にしか製作できな
い。

このためフライス盤による付加的な加工工程が必要とな
る。

さらに、流体力学的観点からの欠陥も有している。

それは、変向条片の形の舌状片はたんに一平面内におい
てしか曲げることができず、これにより、はぼ長方形の
流動横断面が生じる。

渦巻型ケーシング内では、二重渦巻又は単純な柱状渦巻
を発生させる流動力成分が発生するという事実に基き、
このような長方形の流動横断面は死角により著しい流動
損失を生じる。

本発明の課題は、はじめに述べた形式の渦巻ケーシング
を改良し、調節部材の製作、整備及び交換が簡単な構造
を有すると共に、全調節範囲にわたって渦巻流動運動に
とってもつとも良好なケーシング内部形状を有するよう
にすることにある。

この課題は本発明によれば、はじめに述べた形式の渦巻
型ケーシングにおいて、舌状片が、渦巻型ケーシング内
に同軸的に回動可能に支承されているケーシング挿入体
に取付けられており、該ケーシング挿入体が、流体機械
ケーシングの、流体流路中において渦巻型ケーシングに
対して軸方向で向かい合って位置する、管状の、同軸的
な排出接続部又は供給接続部を形成していることによっ
て、解決されている。

本発明によれば、端面側から容易に接近可能であるケー
シング挿入体及び排出接続部又は供給接続部により、調
節装置の取付は並びにケーシング挿入体の交換もしくは
整備を特に良好に行なうことができる。

有利な一実施態様によれば、渦巻型ケーシングの内壁の
、半径方向で内側に向いた表面及び、該表面に沿って摺
動案内される舌状片が、それぞれ、ケーシング挿入体に
おける舌状片の簡単な不動の固定を達成するために、比
較的簡単に製作することのできる同心的な案内面を有し
ている。

有利な一実施態様によれば、舌状片はケーシング挿入体
に取外し可能に結合されている。

この場合には、種々異なる舌状片形状により、舌状片端
部と羽根車への流体の流入範囲との間の間隔、ひいては
また羽根車に進入する流体の流入角度（これはタービン
の効率にとって大きな意義を有する）を変化させること
ができる。

このことはまた振動モーメントを減少させるためにも有
意義である。

この場合比較的小型で安価な舌状片だけを貯蔵すればよ
い。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図に示されている幅流タービン用渦巻型ケーシング
は２つの渦巻通路１，２を有し、これらの両通路には２
つの、はぼ１８０ずらされた位置にタービン羽根車への
流体の流入範囲３及び４が所属している。

渦巻通路１はこの場合渦巻通路２の流入範囲４を取囲ん
で延びており、内側の内壁５により流入範囲４から仕切
られている。

内壁５に続いている、渦巻通路１の流入範囲３は、はぼ
、渦巻通路２０半径方向内側へ向いている内壁６（ここ
から、所属の流入範囲４が始まっている）のところまで
達している。

内壁５及び６の延長線上にそれぞれ１つの舌状片７，８
が設げられている。

両舌状片７，８は、図面を判り易くするために図示され
ていない調節装置により、周方向に移動可能である。

このために、舌状片７，８は同心的な案内面９を有して
おり、これらの案内面は所属する内壁５，６の相応する
案内面１０に沿って摺動して案内される。

舌状片当接範囲における流動損失を少なくするために、
舌状片及び隣接した内壁の表面は互いにできるだけフラ
ットに移行している。

このため内壁５は舌状片Ｉの範囲で周方向に先細に形成
されている。

調節可能な舌状片７゜８は、流入範囲３，４の始端を前
進又は後退させることができ、これにより、流入するガ
スに与えられる渦型運動を変化させることができる。

これにより、就中、流入範囲の流動横断面を変化させる
ことができる。

舌状片１，８の第１図に実線で示されている位置では上
記の流入範囲の横断面は最大になっている。

この横断面が最小になるときの舌状片の位置は破線で示
されている。

実地においてはこの最大値及び最小直の間で流入範囲３
゜４の横断面は無段階的に調節することができる。

この調節位置を固定してしまうこともできるが、調節位
置の連続制御も可能であり、この後者は、例えば、良好
なトルク特性を必要とする貨物自動車にとって有利であ
る。

図示の装置によれば従って、舌状片７，８を周方向に調
節することにより、各渦巻通路１，２のそれぞれの流動
状態を所期の流動状態に適合させることができる。

舌状片７゜８は渦巻型ケーシングの内部にあるから、外
部に対するシール上の諸問題は存在しない。

舌状片７，８は流体機械軸線に対して同軸的に流体機械
ケーシング内に支承されているケーシング挿入体１１に
取付けられている。

第２図から判るように、ケーシング挿入体１１は、流体
流路中におゆる渦巻型ケーシングの流体の排出接続部を
形成する。

ケーシング挿入体１１は旋削加工した鍔１２で流体機械
ケーシングに支承されている。

第２図の実施例では鍔１２は締付げリング１３によって
、流体機械ケーシングの環状面に不動に圧着されている
。

このような構成は、舌状片の位置調節をたんに一回しか
必要としないような場合に、有利である。

しかし舌状片７，８を有するケーシング挿入体１１を回
転可能に支承し、かつ例えば歯又はブツシュロッドを介
して流体機械運転中連続的に自動制御装置を介して調節
することも考えられる。

図示の実施例では舌状片Ｉ及び８はケーシング挿入体１
１と一体の鋳造部品としてまとめられている。

しかし貯蔵管理を容易にするためには、舌状片７，８を
回動可能なケーシング挿入体１１に取外し可能に結合し
ておく方が有利である。

このようにした場合には、いろいろ大きさ及び曲率の舌
状片を貯蔵倉庫に保管し、必要に応じて選択的に使用す
ることができる。

従って舌状片の構造の態様の範囲は著しく太き（なる。

第３図に図示されている装置の基本構造は既に述べた実
施例と同一である。

従って同じ部分には同じ符号が付されている。

軸流タービンの場合には、渦巻型ケーシング内に導入さ
れたガスは軸方向に案内される。

従って羽根車への流入範囲を形成するため、各舌状片７
はその自由端部に軸方向に開口する範囲１４を有してい
る。

各舌状片７はこの第３図の実施例の場合にも、ケーシン
グ挿入体１１と一体にまとめられており、該ケーシング
挿入体１１は流体機械ケーシング内に回動可能に支承さ
れておりかつ排出接続部を形成する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は２つの接
続部を備えた輻流タービンの供給渦巻ケーシングの略示
断面図、第２図は第１図の■−■線による断面図、第３
図は軸流タービン用の供給渦巻ケーシングの別の一実施
例の第２図に相応する略示断面図である。 １・・・・・・渦巻通路、２・・・・・・渦巻通路、３
・・・・・・流入範囲、４・・・・・・流入範囲、５・
・・・・・内壁、６・・・・・・内壁、７・・・・・・
舌状片、８・・・・・・舌状片、９・・・・・・案内面
、１０・・・・・・案内面、１１・・・・・・ケーシン
グ挿入体、１２・・・・・・鍔、１３・・・・・・締付
はリング、１４・・・・・・軸方向に開口する範囲。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体機械用の渦巻型ケーシングであって、渦巻型ケ
   ーシング内壁の、半径方向で内側に向いている表面に沿
   って摺動案内される少なくとも１つの舌状片を有し、該
   舌状片の周方向の移動により、羽根車への又は羽根車か
   らの羽根車外側の流体流入範囲の横断面又は流出範囲の
   横断面が可変になっており、この場合舌状片がその自由
   端部に半径方向内側へ延在する範囲を有している形式の
   ものにおいて、舌状片γ、８が、渦巻型ケーシング内に
   同軸的に回動可能に支承されているケーシング挿入体１
   １に取付げられており、該ケーシング挿入体１１が、流
   体機械ケーシングの、流体流路中において渦巻型ケーシ
   ングに対して軸方向で向かい合って位置する、管状の、
   同軸的な排出接続部又は供給接続部を形成していること
   を特徴とする、流体機械用の渦巻型ケーシング。 ２ 渦巻ケーシングの内壁５，６の半径方向で内側へ向
   いている表面及び該表面に沿って摺動案内される舌状片
   ７，８が同心的な案内面９，１０を有している、特許請
   求の範囲第１項記載の渦巻型ケーシング。 ３ 舌状片γ、８がケーシング挿入体１１に取外し可能
   に結合されている、特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の渦巻型ケーシング。 ４ 複数の渦巻通路１，２を有し、各渦巻通路１゜２に
   それぞれ１つの、ケーシング挿入体１１に取付げられた
   舌状片７，８が所属している、特許請求の範囲第１項か
   ら第３項までのいずれか１項記載の渦巻型ケーシング。 ５ 流体が軸方向で流れる羽根車を有し、舌状片７．８
   が自由端部に軸方向に開口する範囲を有している、特許
   請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項記載の
   渦巻型ケーシング。