JPS5945399B2 - 脱水洗濯機のバランス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗濯兼脱水槽を備えた脱水洗濯機において、脱
水時に洗濯兼脱水槽のバランスを保って異常振動を起こ
さないようにするバランス装置に関する。

従来よりこのバランス装置としては種々のものが考えら
れており、最近では洗濯兼脱水槽の口縁に液体を封入し
た中空の環状体を装着して、環状体内の液体をバランサ
ーとして働らかせるようにしたものが主流となってきて
いる。

しかしこのようなものは、環状体内に液体を水密的に封
入しなければならないので、環状体の成形に精度や時間
を要しコストが高くなるものであった。

又液体を環状体内に封入した状態で出荷するので製品重
量が重くなる等の問題があった。

そこで洗濯兼脱水槽の口縁外周に環状貯水体を設け、脱
水時に脱水槽口縁より放出される液体をこの貯水体内に
一時的に貯えてこの貯えた液体をバランサーとして働ら
かせるものが考えられているが、このようなものでは脱
水初期にはまだ貯水体内には液体がないのでバランサー
としては充分に作用せず、脱水初期の異常振動を抑制す
る力が弱いという欠点があった。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、成形が容易
でコストが安くなり、出荷時における製品重量を軽くで
きしかも脱水初期においても充分にバランサーとして作
用することのできるバランス装置を得んとするものであ
る。

以下図面に基き説明する。

１は外槽で、内部に多数の脱水用小孔２を有する洗濯兼
脱水槽３を内装している。

この脱水槽３の底部中央に設けられた開口４内に、回転
翼軸５に取付けられた回転翼６が配設され、この回転翼
６の裏面には複数の裏羽根７が形成されている。

脱水槽３の外底面には、第２図から明らかな如くその一
部分８が開放された環状リブ８と、複数のボス９が垂設
されている。

１０は脱水槽３の駆動軸１１に固定された脱水槽基板で
、この基板１０上に前記環状リプ８とボス９とが当接し
、ボス９にネジ１２を締付けて基板１０と脱水槽３とを
結合している。

そして回転翼６の裏側には、基板１０と環状リブ８とで
ポンプ室１３が形成されている。

基板１０には複数の透孔１４が設けられ、回転翼６の回
転時、裏羽根７のポンプ作用で外槽１と脱水槽３間の液
（結局脱水槽３内の液になる）が、第１図矢印の如くこ
の透孔１４を通ってポンプ室１３へ吸込まれる。

１５は軸受ケース、１６はモーターで、これらは機枠（
図示せず）に防振的に吊下された外槽１の底部に取付け
られている。

前記脱水槽３の外底面には、前記環状リプ８の開放部８
に連設したポンプ室１３の吐出口１７が形成されている
。

１８は吐出口１７を形成するため、脱水槽外底面のコー
ナ一部に装着されたカバーである。

１９はカバー１８の上端フランジ２０を脱水槽３へ装着
するネジである。

脱水槽３の内側壁には下端が前記吐出口１７と連通され
た縦溝２１が形成され、との縦溝２１内には、ブロー成
形により造られた送水管２２が嵌め込まれている。

この送水管２２の下端は吐出口１７に接続され、一方上
端は、脱水槽３０口縁に装着された中空の環状体２３内
で開口している。

即ち送水管２２の先端は、環状体２３の下面の内側寄り
環状体２３内の中程Ａまで突出せしめられている。

環状体２３の内側面の上部には、環状体内の液を脱水槽
３へ戻す戻し口２４が開口されテオリ、この戻し口２４
に袋状のリントフィルター２５が取付けられている。

この戻し口２４の下端は前記送水管２２の上端開口より
高くなっている。

前記環状体２３は上下二つの環状凹溝体２６゜２７の開
口部を溶着することにより造られている。

環状体２３内には、その上下壁より複数の抵抗板２８が
一体成形されている。

図で２９は脱水槽底面に隆起された突部で、洗濯物の回
転を促進し洗浄力を向上させるためのものである。

次に動作を説明する。

洗濯兼脱水槽３へ水位Ｈまで給水して回転翼６を回転す
る洗濯やすすぎ時は、裏羽根７のポンプ作用によりポン
プ室１３へ吸引された外槽１と脱水槽３間の液は、吐出
口１７及び送水管２２よりなる送水路を通って前記環状
体２３内へ送り込まれ、環状体２３内の水位が増してく
ると、戻し口２４よりリントフィルター２５を介して図
矢印の如く脱水槽３内へ戻される。

この際液中に含まれた糸屑等はリントフィルター２５に
て捕獲されてゆく。

又脱水槽３内の水流は、回転翼６による渦巻水ＫＢに加
え、戻し口２４から放出される水流Ｃが重なって複雑な
ものとなり、衣類の反転を促して洗浄力を向上させる。

洗濯やすすぎが終了すると環状体２３内には送水管２２
の先端までの水位Ａの液体が貯えられる。

そして脱水時はこの液体がバランサーとして働くのであ
る。

即ち脱水時はこの液体が遠心力により外側側面へ向って
点線の如く立ち上がり、脱水槽３内の衣類の不拘−分缶
を補正する如く移動してバランスをとる。

この際戻し口２４が環状体２３の内側面に設けられてい
るので、液体がこの戻し口２４から脱水槽３内へ出るよ
うなことはなく、又送水管２２の先端も環状体内の内側
側部寄りに開口しているので、この部分から液体が洩れ
出ることもほとんどない。

脱水が終了すると液体は遠心力を受けなくなって環状体
２３の底部に溜められる。

以上の如く本発明によれば、洗濯兼脱水槽の口縁に装着
した中空の環状体内へ、洗濯やすすぎの度毎に所定量の
液体を貯えるようにし、この貯えだ液を脱水時にバラン
サーとして作用させるようにしたので、従来の予じめ環
状体内へ液体を水密的に封入したものと異なり、環状体
の成形にさほどの精度や技術を必要とせず製作コストが
安くなり、又出荷時においては環状体内には何も入って
いないので製品重量が軽くなる。

その上脱水前には環状体内に液体７５毛動的に貯えられ
るようになっているので、従来の環状体内に液体を封入
したものと同様脱水初期からバランサーとしての機能を
充分に発揮できるものである。

更に洗濯やすすぎ時には、環状体内へ液体を送り込むと
共に戻し口より脱水槽へ戻すようにしているので、この
戻し口より放出される液体により、洗濯兼脱水槽内の水
流を複雑にして衣類の反転を促すことかでき洗浄力が向
上する等種々の唆れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明を示し、第１図は脱水洗濯機の要部縦断面
図、第２図は第１図■−■線に沿う断面図である。 ３・・・洗濯兼脱水槽、２３・・・環状体、６・・・回
転翼、２２・・・送水管（送水路）、１３・・・ポンプ
室、２４・・・戻し口、２５・・・リントフィルター。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯兼脱水槽の口縁に中空の環状体を装着し、前記
   脱水槽の底部に設けた回転翼の裏側に、脱水槽内の液を
   吸込んで脱水槽上方へ延びた送水路へ吐出するポンプ室
   を形成し、前記送水路の先端を前記環状体内で開口せし
   めると共に、環状体には環状体内の液を前記脱水槽へ戻
   す戻し口を設け、この戻し口と前記送水路先端開口の位
   置を常時環状体内に所定量の液が溜まるように定めてな
   る脱水洗濯機のバランス装置。 ２ 前記戻し口にリントフィルターを装着してなる特許
   請求の範囲第１項記載の脱水洗濯機のバランス装置。 ３ 前記戻し口を前記環状体の内側側面に設けると共に
   、前記送水路の先端を前記環状体内の内側菌寄りに開口
   してなる特許請求の範囲第１項記載の脱水洗濯機のバラ
   ンス装置。