JPS5944551B2 - 石油業用パイプジヨイント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はパイプジヨイントに関するもので、特に石油業
に用いられるスチールパイプを対象にしている。

石油業で従来から用いられているジヨイントにおいては
、２個の雄部材の先端が１個の雌部材で連結されるもの
で、雄部材各々には例えば円錐台状のネジ山があって、
これが雌部材の対応したネジ山と噛み合う。

この型のジヨイントでは、雄部材のネジ外しトルクが締
付はトルクに比例している。

比例定数は、ネジ込みに用いられるグリースの種類や部
材の表面状態などのパラメーターによって定まり、一般
的に言ってこの数値は１〜１−０３０間である。

然しなから成る種の用途には、ジヨイントのネジ外しト
ルクを増大することが望ましく、このため様々な解決方
法が既に提案されてきた。

既に公開されている最初の解決策によれば、ネジ込みト
ルクは増大するが、ジヨイントの機械的強さ、締付は手
段の機械的強さ或いは単にネジ込みの噛口跡が部材に付
くことなどに基づく限界が、上記方法に内在する。

別な方法は接着性のグリースを用いることにあるが、こ
の方法によれば乾燥時間を伴なった表面の特別準備が要
求されるから、成る種の場合、上記乾燥時間は取付は時
間と両立し得ないものになっている。

更に、ネジ切り部の接着された上記ジヨイントのネジ外
しには、特別な手段と方法の干与が要求される。

本発明はネジ外しトルクが自然のネジ外しトルクよりも
太き（なるパイプジヨイントを、提供しようとするもの
である。

このため本発明は、ネジ切りされた先端部を持つ雄部材
が、対応のネジ山を持つ雌部材内にネジ込みされる型式
のパイプジヨイントにおいて、雄部材はその外面に円周
上の溝を持ち、雌部材はその内面のネジ込み位置に、雄
部材の溝と向い合う円周上の溝を持ち、ネジ込まれた状
態で上記２つの溝に同時に入り込む弾性リングが取付け
られ、上記溝の少な（とも１つがラジアル方向に充分深
いことから、雄部材を雌部材に入れる時、上記リングを
縮少させることを特徴としたパイプジヨイントを目的と
したものである。

それ故、ネジ外しは弾性リングをせん断しない限りでき
ないから、ネジ込みトルクの１．３〜２０倍程度のネジ
外しトルクを得ることができる。

注意すべきは上記のような構成によって、定格化された
ネジ外しトルクを得ることができ、しかも上記トルクは
ジヨイントの自然ネジ外しトルクに取って代わるのでは
なく、むしろこのトルクに付加されるのである。

弾性リングは雄部材先端部近辺か、或いは雌部材先端部
の近辺かに置（ことができる。

同じく、ネジ切り部の先端部近辺に弾性リングを置けば
、同じジヨイントに本発明による多数の弾性リング装置
を設けることができる。

このようなジヨイントが、例えば曲げ応力もしくはねじ
れ応力、或いは自然ネジ外しトルクが比較的容易に達せ
られるような衝撃などを長い期間受ける導管類に、特に
用いられるものであることは知られている。

上記諸応力を受ける導管類が完全なシール性を維持しな
ければならず、しかも炭化水素類の水中供給管のように
、一般に配管後は最早管に近付くことができない場合に
は、特に上記のようなジヨイントが有用になる。

本発明によるジヨイントにはその他の長所もあり、ネジ
外しトルクの増大が主要な目的でない場合にも、上記ジ
ヨイントを使用することで利点が得られる。

例えば、石油業で用いられるネジ切りジヨイントの場合
、締付は過剰トルクによるジヨイントの永久ひずみを避
けるため、締付はトルクの限定手段を持つことが有益で
あると考えられている。

このため金属製ストッパの設けられることが多い。

本発明による弾性リングは、雄部材と雌部材の溝に同時
に入り込むように設計されていることで、ネジ込み中に
もせん断力の作用を受けるから、このリングがストッパ
ーの代りをするという利点がある。

更に、本発明による構成は、１つもしくは多数のストッ
パーを有するジヨイントにも使用されるから、補足的な
安全性が確保され、ジヨイントの最大ネジ込みトルクを
増大させることができる。

雌部材が２つの雄部材を連結するジヨイントに対しては
、本発明により、一方の雄部材のネジ込み中もしくはネ
ジ外し中、他方の雄部材の雌部材内での確定位置が維持
される。

本発明がジヨイント側にのみ適用されるなら、ネジ外し
を常に他方の側から行うのが好ましい。

本発明の長所の一つは、締付後における雌部材内での雄
部材の確定位置を維持することである。

上記のことは、雄部材が工場で雌部スリーブに取付けら
れ、他方の雄部材が現場で取付けられるジヨイントの場
合、特に必要なことである。

現場で取付けられる雄部材が、工場で取付けられたブロ
ック内に正確に位置できるためには、工場で取付けられ
た雄部材それ自体が、正確に位置付けられていることが
必要である。

本発明によるジヨイントでは弾性リングが、ネジ込み位
置で、雄部材の溝と雌部材の溝に同時に入り込むことか
ら、雌部材内での雄部材の位置が精密に確定されること
がわかる。

その理由は、上記リングが影響されるのは、溝の機械加
工上の許容範囲のみだからである。

本発明の好ましい形状による雌部材の溝は、その深さが
弾性リングのラジアル厚さより大きいことである。

それ故、雌部材内に雄部材を挿入するには、雄部材のネ
ジ込み中、雌部材の溝内部で弾性リングを縮少させ、ネ
ジ込み終了時に雄部材の溝に上記弾性リングが入り込む
ようにする。

このように弾性リングを雌部材の溝で縮少させるのが、
雄部材自身であるということも長所である。

上記を行うため雄部材には、雄部材の先端に向は細くな
った円錐面があって、雄部材を雌部材内に挿入する時、
雌部材の溝内に予じめ置かれた弾性リングを、上記円錐
面が拡げるのである。

特定の実施例では、この雄部材の円錐面はシール面とな
り、ネジ込み位置で雌部材の補足面と係り合う。

但し、シール面が弾性リングの内面で摩擦により損傷さ
れるのを避ぐため、これ専用の円錐面を設けることが可
能である。

別な実施例では、弾性リングのラジアル方向内面は円錐
形である。

その大きい方の隙間が、雌部材の溝内で雄部材挿入側に
設けられて、雄部材の挿入時、この部材面と係り合い弾
性リングを拡げる。

勿論、円錐面は雄部材と雌部材の双方に取付けられるか
ら、雄部材挿入時、リングを一層簡単に拡げることがで
きる。

好ましくは弾性リングの内径が、静止状態で雄部材の溝
底部の直径より小さく、雄部材の溝の深さが、弾性リン
グのラジアル方向厚さより小さいことである。

こうして弾性リングはその使用中において、そのラジア
ル方向の内周を雄部材の溝底部で支持される。

この様な構成によって弾性リングのセンタリングが確保
されるから、ネジ外しの時そのせん断力が、リングの周
上全体に作用する。

好ましくは弾性リングがその周上の１点で割れたリング
であることだが、リングにラジアル方向膨張を与えるそ
の他の形状も可能であることは言う迄もない。

弾性リングはジヨイントと同じスチールで作られるが、
この事は決して必要なことではない。

弾性リングは全ての材質特に合成材から作成することが
できる。

特に、本発明によるジヨイントの基本的な目的が、大き
なネジ外しトルクを得ることにある場合、溝の付けられ
る材質の弾性限界よりも低い弾性限界のスチールで、弾
性リングを作るのが好ましく、これによりネジ外しの時
ジヨイントの軸心に垂直な溝面の劣化を防止することが
できる。

本発明の基本的な目標が、雌部材に対する雄部材の厳密
な位置付けを得ることにあるような、その他の適用例で
は、溝の付けられる材質の弾性限界よりも高い弾性限界
のスチール、例えばバネ鋼を用いることができる。

本発明の特定実施例での弾性リングは、環状バイメタル
材で構成され、室温では前述したような型のリングと同
じ様に挙動するが、温度が上昇すると自然に変形して、
他方の部材が入る時には、リングを全体的に含む溝の底
部を押当てる。

このようにしてジヨイントは、ネジ込み状態で上記の性
能を全て示し、そのネジ外しは、通常のリングとして挙
動するリングをせん断するか、或いはネジ外し前にジヨ
イントを充分な温度にして行われ、後者の場合はバイメ
タルの作用により、リングがその全体を含む溝の底部を
押当て、摩擦力だけに対応するトルクでジヨイントのネ
ジ外しを行うことができる。

さて、ここで添付の図面に略図的に示された本発明の多
数の実施方式を、非限定的な単なる例として説明するこ
とにする。

添付の図面を見易くするため、全般的に各部分の大きさ
相互の間にはプロポーションをとってない。

この事は特に、弾性リングとこれを受ける溝との間隙に
ついて当てはまる。

第１図は本発明によるジヨイントを示し、雄部材１は雌
部材２の中にネジ込まれている。

外側の円錐ネジ山３は、雄部材１の先端部に切られ、雌
部材２の内面に切られた対応の円錐ネジ山４に係わる。

上記ネジ山を台形にして、雄部材１の外面で消えるのが
好ましい。

雌部材２は例えば、スリーブで、その他端（図示してな
い）にネジ山４と対称な別なネジ山を持ち、別な雄部材
の先端と係わり、この別な雄部材と雄部材１との間でジ
ヨイントを形成する。

本発明によるジヨイントは、雄部材１の先端にスラスト
面５を持ち、雌部材のスラスト面６に係わる。

シールは雄部材の円錐シール面７と、雌部材の対応した
円錐シール面８とで与えられる。

雄部材１は、ネジ山３の先端とシール面７との間の円筒
部に、外周上の溝９を持つ。

同様に雌部材も、ネジ山４の先端とシール面８との間の
円筒部に、外周上の溝１０を持つ。

雄部材１が雌部材２に完全にネジ込まれると、即ちスラ
スト面５と６とが接触すると、溝９と１０とは第１図が
示すように向い合う。

この位置で溝９と１０は環状の空間１１を形成し、この
中に弾性リング１２が置かれる。

上記弾性リングは、溝９と１０の双方に同時に入り込む
ように置かれる。

弾性リング１２に環状空間１１に入れる方法に関しては
、図面３〜５を参照して後の方で詳細に説明する。

ここ迄の説明では、第１図に示された位置になると、本
発明によるジヨイントは、弾性リング１２をせん断しな
い限り、雄部材１からネジ外すことができない、という
ことを理解すれば充分である。

第２図は本発明による前述とは別なジヨイントを示す。

上記ジヨイントの雄部材２１は、その先端部の円筒外面
に２段位置のネジ山２３と２３′が切られる同様に雌部
材２２は、その先端部の円筒内面に上記と対応した２段
位置のネジ山２４と２４′が切られる。

このネジ山２３，２３’と２４，２４’は例えば台形で
ある。

雄部材の外側スラスト面２５は、雌部材の対応スラスト
面２６に係わり、シールは雄部材の円錐シール面２７と
、雌部材の対応した円錐シール面２８とにより、内側ラ
ジアル方向に得られる。

前述の例と同じく外周溝２９が、ネジ切り部２３′の先
端とシール面２Ｔとの間の雄部材２１の円筒部に作られ
る。

同様に外周溝３０が、ネジ切り部２４′の先端とシール
面２８との間の雌部材２２０円筒部に作られる。

２つの表面２５と２６が押付は合うと、溝２９と３０は
向い合って環状空間３１を形成するから、この中に弾性
リング３２を入れ、溝２９と３０の双方に同時に入り込
むように置く。

前述の例と同じく部材２１と２２のネジ外しは、弾性リ
ング３２をせん断しない限りできない。

さて、ここで第５図を参照しながら、本発明によるジヨ
イントの弾性リングと、雄部材および雌部材の円周溝と
について詳細説明を行うことにする。

第５図に示されたジヨイントには、前述の例と同じく雄
部材４１と雌部材４２とが含まれる。

雄部材４１の外側円筒部４３には円周溝４４が、雌部材
４２の内側円筒部４５には円周溝４６が作られている。

円錐面４７は、溝４４に対し雄部材４１の先端に付けら
れる。

上記円錐面は例えばこれをシール面になって、雌部材４
２に付けられた対応の円錐シール面４８と係り合うこと
もできるが、この事は義務的なものではない。

ジヨイントの取付位置例えば第１図と第２図に示された
位置では、溝４４と４６とは向い合って環状空間を形成
し、その中に弾性リング５０を入れる。

雄部材４１の溝４４には、ジヨイントの軸心に垂直な２
つの側面５１および５２と、ジヨイントと同軸の円筒底
面５３とが含まれる。

この実施例では、底面５３は環状面を通して側面５４と
５５に接続している。

同様に溝４６には、図示の実施例ではジヨイントの軸心
と垂直な２つの側面５４および５５と、ジヨイントと同
軸の円筒底面５６とが含まれる。

底面５６は環状面を通して側面５４と５４とに接続して
いる。

弾性リング５０とは環状部の一点で切れたリングのこと
で、２つの側面５７および５８と、この側面５７および
５８に垂直な円筒面である外面５９とを含む。

他方、リング５０の内面６０は円錐面で、その頂点は雄
部材の先端側に位置する。

円錐面６０は、その小さい直径側では丸（なった部分を
通し側面５８へ、大きい直径側ではペベル６１を通し側
面５７に接続される。

その外、雌部材４２の溝４６は、リング５０のラジアル
厚さｋより大きい深さ色を持つから、雄部材４１の溝４
４は、上記ラジアル厚さＦより小さい深さＣを持つこと
になる。

それ故、割りリング５０は静止状態（即ち、リングを開
かせようとする外側に向う応力が存在しない場合）で、
溝４４の底面５３の直径より小さい内径を持つから、第
５図に示された位置になった場合、その円錐面６０は面
５３でその小さい径の面により支持される。

上記ジヨイントの取付けは第３図および第４図で示され
た方法で行われる。

第３図に示された如く、先ずリング５０の挿入は、円筒
面４５を通り過ぎ溝４６内で緩む迄、これを内部ラジア
ル方向に押し込む。

そこで雄部材４１は、例えば第１図と第２図が示すよう
に、対応するネジ山を締め込んで矢印７０の方向で、雌
部材４２に係わる。

雄部材の円錐面４Ｔが、内面６０とベベル６１との間に
形成されるリング５０の稜線と接触するようになると、
上記円錐面はジヨイントの軸上でリング５０のセンタリ
ングを行い、次にこれをラジアル方向に膨張させる。

この膨張は第４図に示された位置迄継続し、この位置に
なると、リング５００円錐面６０が、円筒部４３と円錐
部４７とで形成される雄部材４１の稜線に接触して、膨
張が行われる。

この様な膨張も、上記稜線が円錐面６０の小径部レベル
に来ると停止する。

雌部材４２の中を雄部材４１が矢印７０に向けて進行す
る間、而６０の上言臣」へ径部は、雄部材の溝４４が雌
部材４２の溝４６と向い合うようになる迄、面４３に沿
って移動する。

弾性的に膨張していたリング５０ば、ここにおいて、溝
４４に入り込みながらラジアル方向に縮少し、第５図に
示された位置に来る。

本発明によるジヨイントの分解作業は、第２図型のジヨ
イントの一部分を示す第６図記載の方法で行われる。

雌部材７２に対して雄部材７１を回転させるには、一般
にネジ込みトルクの１〜１．３倍である自然のネジ外し
トルクを先ず与えねばならぬ。

溝４４と４６内におけるリング５０の軸心方向間隙程度
に、両部材を相互に軸心方向移動させるため、はんの僅
か回転すると、リングは雌部材の溝４６の側面５４と、
雄部材の溝４４の側面５２とで支持されるようになる。

それからネジ外しトルクを増大して、先ずリングを潰し
次にせん断力を与えて切断すれば、ジヨイントの完全な
ネジ外しが可能になる。

勿論、シール・コーン（錐体）４７と４８は計算に基づ
き固定されているから、第６図に示され位置のようにネ
ジ外しトルクが急激に増大する場合でも、なおシールは
確保される。

更に、ネジ外しトルクは、弾性リング５０材のせん断強
さとこのリングの軸方向寸法とに応じて、精密に検定さ
れる。

第７図には本発明によるジヨイントの別な適用例が図解
されており、雄部材８１と雌部材８２によるジヨイント
を示し、上記部材は対応する２段位置の円筒部ネジ山８
３，８３’と８４，８４’とを各々を含む。

上記ジヨイントにはいかなるスラスト面も付げられてい
ないが、その代り雄部材のシール面８７と雌部材のシー
ル面８８とで形成される内側シールコーン、および雄部
材のシール面８７′と雌部材のシール面８８′とで形成
される外側シール・コーンを含む。

前述の例と同様溝４４は雄部材８１０円筒部４３内に作
られ、この円筒部自体はネジ切り部８３′の先端と円錐
シール面８７との間に含まれる。

同じ（溝４６は雌部材の円筒部４５内に形成され、この
円筒部自体はネジ切り部８４′の先端と円錐シール面８
８との間に含まれる。

弾性リング５０は溝４４と４６の各々に係わる。

更に、もう一つの溝４４ｎ雄部材８１０円錐シール面８
７′内に、溝４６′が雌部材８２０円錐シール面８８′
内に各々形成される。

２つ目の弾性リング５０′が溝４４′と４６′内に入れ
られる。

上記ジヨイントの取付は、２つのリング５０と５０′と
が、雄部材８１の挿入前に、雌部材の溝４６と４６′内
に置かれる場合にのみ、前述のジヨイントのそれと同じ
ように行われる。

リングのラジアル方向の膨張は、雄部材の円錐シール面
８７と８７’とリングとの接触によって得られる。

この型のジヨイントにはストラド面が含まれていないか
ら、過剰の締付はトルクにより、雌部材８２のシール面
８８と８８′の区域に、この部材が永久ひずみを起こす
こともあり得る。

このような欠点は本発明によるリングで除去される。

即ち、リング５０と５０′とが雄部材８１の溝４４と４
４′とに係わると、はんの僅かに回転しただけでリング
５０を、雌部材の溝４６の側面５８と、雄部材の溝４４
の側面５１とに接触させることができる。

同じくリング５０′も雌部材の溝４６′の側面５８′と
、雄部材の溝４４′の側面５１′と接触するようになる
。

第７図に示されたような上記の位置では、ネジ込みトル
クは急激に増大するから、リング５０と５０′を押潰し
てせん断する以外、ネジ込みを継続することができない
だろう。

それ故、上記の配置によって、過剰ネジ込みトルクから
生ずる永久ひずみに対し、ジヨイントが保護されること
がわかる。

勿論、第７図に示されたジヨイントの取外しは、前述の
ジヨイントのそれと同じく、即ち弾性リング５０と５０
′のせん断によって行われる。

上に説明とした全てのジヨイントにおいて、弾性リング
のラジアル方向膨張は、雄部材の円錐シール面によって
行われる。

第８図に示されたジヨイントは変形実施例では、リング
の膨張は、このため特別に置かれた円錐面により与えら
れるから、雄部材のシール面を損傷する危険が避けられ
る。

上記変形実施例では雄部材９１が、補助的なネジ山９３
と９４によって、雌部材に取付けられる。

前述の例と同様溝４４は、雄部材の円筒面４３内に、溝
４６は雌部材の円筒面４５内に各々形成される。

雄部材には雌部材のスラスト面９６に係わるスラスト面
９５が含まれるから、上記両面９５と９６とが押合うと
、溝４４と４６とは向い合う。

その外、雄部材９１は円錐シール面９７を含み、後者は
雌部材９２の対応した円錐シール面９８に係わる。

雄部材の円錐シール面９７は、円筒面９９と第２の円錐
面１００を通し伸びている。

弾性リング１０１の静止状態における最小内径は、雄部
材９１０円筒面９９の直径より大きい。

それ故、雄部材９１が雌部材９２に入り込むと、そのシ
ール面９７はリング１０１と接触することなくこのリン
グを飛越えるから、上記リングは損傷されることがない
。

次に、リング１０１の膨張は、前述のように円錐面１０
０で与えられる。

第９図および第１０図には第５図の変形例が示してあり
、これによれば弾性リング５０は、リング内部のメタル
５０ａから成るバイメタル材と共に作られるが、このメ
タルの膨張係数は、リング５０の外側部分を構成するメ
タル５０にのそれより大きい。

第９図を見ればわかるように、バイメタルリングは第５
図のものと同じ形状で、しかも機能においても同じ役割
を果す。

他方、ジヨイントを充分な温度例えば２００〜３００℃
に加熱すると、メタル５０莢はメタル５０ｂよりも余計
に膨張するから、第１０図が示すようにリング５０は直
径が増大して、溝４６の底部におのずから押当たるよう
になる。

こうすればリング５０をせん断することな（、ジヨイン
トをネジ外しすることができる。

ねじ外しの場合、雄部材に作られた溝の底部をリングが
押当たるようになれば、膨張係数の大きいメタルはリン
グ５０の外側に（ることかわかる。

以上のことから本発明によって、非常に大きなネジ外し
トルクが得られると共に、ネジ込みのオーバートルクに
よる欠点も避けられることが確認される。

更に、本発明によれば、雌部材の中に雄部材を正確に位
置付けることができる。

雄部材と雌部材の溝は、ジヨイントが取付けられると、
通常向い合うことになるが、作動方法によってはこの溝
を多少ずらすことができる。

勿論、上記溝とリングの軸方向断面形が、第５図に参考
例として詳細に示されているが、決してこれに限定され
るものではない。

リングのラジアル方向の膨張を可能にする他の全ゆる形
状も、本発明の枠内に含まれる。

同じ様に、以上に説明されたジヨイントは、円筒もしく
は円錐面に切られた台形ネジ山付きのジヨイントである
が、本発明はその他の型のジヨイントにも適用し得るも
のである。

言う迄も無く弾性リングは、図面に示された場所そのも
のに置かねばならぬものではない。

例えば第７図のリング５８′のように、雌部材の先端近
辺に弾性リングを置いて、利用することもできる。

本発明による弾性リングの利用も、ネジ込みを限定する
スラスト面もしくは肩部の存在、不存在とは関係がない
。

他方、全てのシール面は円錐面であるが、円筒シール面
を備えたジヨイントにも、本発明を利用し得ることは明
らかである。

雄部材と雌部材に関しては、弾性リングを先ず雄部材の
溝に入れ、ネジ込みの時、上記溝内でこのリングを雌部
材面で引込めば、以上に説明したことを逆にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による第１実施例の軸方向断面図である
。 第２図は本発明による第２実施例の軸方向断面図である
。 第３図は本発明によるジヨイントにおいて、弾性リング
を持つ雌部材内に雄部材を挿入する段階を示す拡大断面
図である。 第４図は第３図の後半を示す図である。 第５図は第３図と第４図において雌部材に雄部材を完全
にネジ込んだ後のジヨイントを示す図である。 第６図は本発明の第１実施例におけるジヨイントの軸方
向断面図である（ネジ外しトルクの増大）。 第７図は本発明の別な実施例を第６図と同じように示し
た図である（部材の位置確定、ネジ込みトルクとネジ外
しトルクの増大）。 第８図は本発明の変形実施によるジヨイントの拡大断面
図である。 第９図は第５図の変形実施例でバイメタルジヨイントを
含む。 最後の第１０図はジヨイント加熱後におけるネジ外し位
置でのバイメタルジョインｌ゛を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パイプジヨイントであって、その型式は、ネジ切り
   された雄部材の先端部が、対応したネジ山を持つ雌部材
   内にネジ込まれるもので、雄部材はその外面に円周状の
   溝を持ち、雌部材はその内面のネジ込み位置に、雄部材
   の溝と向い合う円周状の溝を持ち、ネジ込まれた状態で
   上記２つの溝に同時に入り込む弾性リングが取付けられ
   、上記溝の少なくとも１つがラジアル方向に充分深いこ
   とから、雄部材を雌部材に入れる時、上記リングを縮少
   させることを特徴としたパイプジヨイント。 ２ 上記第１項記載のジヨイントにおいて、雌部材の溝
   の深さが、弾性リングのラジアル方向の厚みより大きい
   ことを特徴とするジヨイント。 ３ 上記第１項および第２項のいずれか１つの項に記載
   のジヨイントにおいて、雄部材がその先端に向って細く
   なる円錐面を持ち、雌部材へ雄部材が挿入される時、雌
   部材の溝に予じめ取付げられた弾性リングが、上記円錐
   面によって拡げられることを特徴とするジヨイント。 ４ 上記第３項記載のジヨイントにおいて、雄部材の円
   錐面はシール面であって、ネジ込み位置で雌部材の補足
   面と係り合うことを特徴とするジヨイント。 ５ 上記第１項から第４項迄のいずれか１つの項に記載
   のジヨイントにおいて、弾性リングのラジアル方向内面
   は円錐形で、この内面が雌部材の溝内に置かれ、雄部材
   の挿入側でロート状に拡がり、雄部材挿入の時この部材
   面と係わり、弾性リングに隙間を与えることを特徴とす
   るジヨイント。 ６ 上記第１項から第５項迄のいずれか１つの項に記載
   のジヨイントにおいて、弾性リングの内径が静止状態で
   、雄部材の溝底部の直径よりも小さく、雄部材の溝の深
   さが、弾性リングのラジアル方向厚さよりも小さいこと
   を特徴とするジヨイント。 Ｉ 上記第１項から第６項迄のいずれか１つの項に記載
   のジヨイントにおいて、弾性リングがその周上の１点で
   割れているリングであることを特徴とするジヨイント。 ８ 上記第１項から第７項迄のいずれか１つの項に記載
   のジヨイントにおいて、弾性リングがバイメタル材で構
   成され、ジヨイントが加熱されると、ジヨイントの溝の
   １つの底部をこのバイメタルが押当て、ジヨイントをせ
   ん断することな（、ジヨイントを取外すことができるこ
   とを特徴とするジヨイント。