JPS5944499B2 - ノズルクロ−ジヤ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、特に、ロケット弾のノズルクロージャに関
する。

先づロケット弾について簡単に説明すれば、第１図にお
いて、１は発射器としての砲２内に装填されたロケット
弾であり、ロケット弾１の後端部には発射薬３が装填さ
れた薬きようが一体に取付けられている。

第２図はロケット弾１の主に後部を示したものであり、
４はロケット弾１のロケットモータである。

ロケットモータ４はケース５を有し、このケース５内に
は内外面燃焼型の推進薬６が装填されている。

ケース５前端にはイグナイタ７が取り付けられており、
このイグナイタ７は慣性力により作動を開始するタイマ
８と主装薬９を装填した本体１０とからなっている。

ケース５後端にはノズル１１が形成されており、このノ
ズル１１は例えば実開昭４８−３４−３００号公報にも
あるようにノズルクロージャ１２によって閉塞されてい
る。

ここで、射手が発射薬３に点火すると、発射薬３の燃焼
ガスで、発射薬の薬きようと、ロケット弾１とが分離し
てロケット弾１が発射される。

この時、発射に際しての慣性力により、タイマ８は作動
を開始し、予め設定した比較的短秒時の経過後にイグナ
イタ７の主装薬９が着火され、これにより推進薬６が点
火され、同時にノズルクロージャ１２が後方へ吹き飛ば
されてロケット弾１は噴進を開始する。

したがって、以上のような構成にあってはロケット弾１
の噴進開始の際、すなわちロケット弾が砲口から少し離
れたところでノズルクロージャ１２がイグナイタ７から
のガス圧を受けて後方へ急速に吹き飛ばされるので砲２
（発射器）近傍の人員に危害を及ぼすおそれがあった。

この発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たもので、ロケット弾のノズルクロージャをノズルスロ
ートよりも後方においてそのスロート部側を閉塞するス
ロート側クロージャ部と、その後端側を閉塞し、スロー
ト側クロージャ部の内面よりも広い内面を有する後端側
クロージャ部と、スロート側クロージャ部と後端側クロ
ージャ部とを連結する連結部と、後端側クロージャ部に
形成され、スロート側クロージャ部、後端側クロージャ
部およびノズル内面によって画成された空間と薬きよう
内とを連通ずる絞り孔と、から構成し、ロケット弾の推
進薬が点火される前に、ノズル面とスロート側クロージ
ャ部と後端側クロージャ部とにより形成された空間に絞
り孔を介して薬きよう内から流入する発射薬の燃焼ガス
のガス圧と大気圧との差により、ロケット弾が発射器を
離れた直後にノズルクロージャがノズルから緩速度で外
れるようにして、上記問題点を解決することを目的とし
ている。

尚、一般にロケットモータのノズルクロージャは、モー
フケース内部を常時は外界から遮へいする役目と、推進
薬に点火する際イグナイタの燃焼ガス圧を所定時間蓄圧
してその着火性能を高める役目とを果すものであるが、
ロケット弾は火勢の強いイグナイタを用いて着火性の確
保を計っているので、そのノズルクロージャは前記蓄圧
の用に供する必要はない。

したがってロケット弾が発射器を離れた直後、すなわち
イグナイタの作動前にノズルクロージャを外しでも支障
を来たさないのである。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。

なお、前述の従来例と同一部分には図面に同一符号を付
して詳細な説明は省略する。

第３図は、この発明の第１実施例を示す図である。

ロケットモータ４の後端に設けられたノズル１１はノズ
ルクロージャ２０により閉塞されており、このノズルク
ロージャ２０はスロート側クロージャ部２１、後端側ク
ロージャ部２２、連結部２３および絞り孔２４により構
成されている。

スロート側クロージャ部２１はノズル１１のスロート部
２５よりもやや後方に嵌装されており、このスロート部
２５後部はスロート側クロージャ部２１により閉塞され
ている。

後端側クロージャ部２２は外縁部に突出部２２ｂを有し
た断面路コ字形をしており、後端側クロージャ部２２は
ノズル１１の外面と突出部２２ｂが係合することにより
ノズル１１の後端２６に嵌着されており、この後端２６
は後端側クロージャ部２２により閉塞されている。

したがって、後端側クロージャ部２２の内面２２ａの面
積は前記スロート側クロージャ部２１の内面２１ａの面
積より大きい。

ここで、後端側クロージャ部２２と前記スロート側クロ
ージャ部２１とノズル１１内面とにより空間２７が形成
されている。

前記連結部２３は空間２７内に位置し、スロート側クロ
ージャ部２１と後端側クロージャ部２２とを連結してい
る。

前記絞り孔２４は小径で後端側クロージャ部２２に形成
されており、この絞り孔２４により空間２７は前記薬き
よう内に連通している。

次に作用を説明する。

まず、発射薬（図示せず）が点火されると高圧高温の燃
焼ガスが発生する。

この燃焼ガスはロケット弾１と発射薬が装填された薬き
ょうを分離するとともに燃焼ガスは絞り孔２４がら空間
２７内へ流入し充満する。

この結果、空間２７内は大気圧よりもかなり高い圧力と
なる。

その後、ロケット弾１は砲から発出される。

この瞬間、ノズル１１は大気中に露出するため、空間２
７と大気との間に圧力差が生じる。

一方、後端側クロージャ部２２の内面２２ａとスロート
側クロージャ部２１の内面２１ａとは前記流入したガス
により押圧されているが、内面２２ａは内面２１ａより
その面積が大きいために後端側クロージャ部２２はスロ
ート側クロージャ部２１より大きな押圧力を受ける。

この結果、ノズルクロージャ２０はノズル１１から外れ
ることとなる。

この間の作用を更に詳しく説明すれば、発射薬の燃焼ガ
スは高温高圧であるために絞り孔２４を流過する燃焼ガ
スの臨界速度が極めて大きく、したがってロケット弾が
砲内にある比較的短時間にも多量のガスが空間２７へ噴
入してここに蓄圧される。

この圧力は発射薬燃焼ガスの雰囲気条件と後に述べるク
エンチング作用とを勘案しつつ絞り孔２７の面積を選定
することにより適圧に設定することができる。

そして一方、前記噴入したガスは断熱的に膨張し、かつ
はげしい乱流となってノズル内壁と接触するので、これ
らにもとずくクエンチング作用によりすみやかに冷却さ
れるので、空間２７には比較的低温かつ低圧（前記の適
圧）の雰囲気が醸成される結果、絞り孔２４を介して空
間２７から大気へ流出するガスの臨界速度が格段と小さ
くなる。

したがってロケット弾の発出後も空間２７には漸時ガス
が蓄圧されてノズルクロージャの放出の作用が前述のよ
うに営まれるのである。

第４図には、この発明の第２実施例を示す。

なお、前述の第１実施例と同一部分には図面に同一符号
を付して詳細な説明は省略する。

この実施例は、後端側クロージャ部２２を発射薬により
発生する燃焼ガスの空間２７へ流入のみを許容するチェ
ックバルブを備えたものとした。

すなわち、後端側クロージャ部２２の内面２２ａにはチ
ェックバルブとしての弾性板３０（例えばゴム板等）を
有している。

この弾性板３０は絞り孔２４の開口部に位置しており、
弾性板３０の一端部が内面２２ａに固着されている。

すなわち、燃焼ガスの空間２７への流入は弾性板３０が
変形して許容され、一方、燃焼ガスの空間２７からの流
出は弾性板３０が絞り孔２４を閉止して制限される。

従って、空間２７内のガス圧をより確実に維持すること
ができるので絞り孔２４の径を拡大することができ、こ
れによって空間２７へのガス流入量を増加させてその内
圧を高めることによりノズルクロージャの放出力を増大
させうる。

したがってこの実施例のものは拡開角が小さなノズルあ
るいは短ノズルのように内面２２ａと同２１ａの面積差
を十分に確保し得ない場合に使用される。

以上説明してきたように、この発明によれば、ノズルク
ロージャはロケット弾の発出直後に緩速度でノズルから
外れるため、ロケット弾が噴進する際、ノズルクロージ
ャが後方に吹き飛ばされて発射器近傍の人員に危害を及
ぼすおそれを解消することができるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のノズルクロージャを備えたロケット弾の
発射器を示す概略図、第２図は従来のノズルクロージャ
を備えたロケット弾の要部断面図、第３図は本発明に係
る第１実施例のノズルクロージャを備えたロケット弾の
要部断面図、第４図は本発明に係る第２実施例のノズル
クロージャを備えたロケット弾の要部断面図である。 １・・・・・・ロケット弾、２２・・・・・・後端側ク
ロージャ部、２０・・・・・・ノズルクロージャ、２３
・・・・・・連結部、２５・・・・・・スロート部、２
４・・・・・・絞り孔、２１・・・・・・スロート側ク
ロージャ部、６・・・・・・推進薬、２６・・・、・・
先端、３０・・・・・・チェックバルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロケット弾のノズルクロージャであって、ノズルの
   スロート側を閉塞するスロート側クロージャ部と、ノズ
   ルの後端側を閉塞し、スロート側クロージャ部の内面よ
   りも広い内面を有する後端側クロージャ部と、スロート
   側クロージャ部と後端側クロージャ部とを連結する連結
   部と、後端側クロージャ部に形成され、スロート側クロ
   ージャ部、後端側クロージャ部およびノズル内面によっ
   て画成された空間と薬きよう内とを連通ずる絞り孔と、
   から構成したことを特徴とするノズルクロージャ。 ２ 前記絞り孔が、ロケット弾発射ガスの流過は許容す
   るチェックバルブをそなえることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のノズルクロージャ。