JPH08503295A - 縮射用弾薬要素の制御分離を備えた送弾筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は副弾丸および該副弾丸上に嵌合する幾つかの取り外し可能な要素から作られる発射筒を含む型の弾薬に関する。発射筒は、その後方部分の中間近傍に、副弾丸（４）の表面に、それを脆くするように、定義された区域のその厚さの減少または溝を有する変形可能なまたは破壊可能な仕切り壁（１２）により推進薬から分離される内部環状室（１３）、および単一壁により内部環状室（１２）から隔離された、三角形のかつ非常に細長い部分を有する外部チヤンネル（９）を形成する壁を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 縮射用弾薬要素の制御分離を備えた送弾筒 技術分野 本発明は、小、中および大口径の火器用弾薬、かつより詳しくは、とくに狩猟 火器用の、縮射用弾丸および発射筒を含む型の弾薬用の、要素の制御された分離 を備えた改良された発射筒に関する。 背景技術 火器の分野において、副弾丸（サブプロジエクタイル）およびその必須機能が 所望速度で副弾丸を推進させる発射筒を結合する縮射用弾薬を有する軍用品が知 られている。 現在使用される発射技術は、しばしば副弾丸を取り囲む２つまたはそれ以上の 要素により形成される発射筒を使用する。安全装置により隣接面とともに嵌合さ れる発射筒要素は金属合金またはプラスチツクから作られ得る。発射後、火器を 脱出するとき弾丸に作用する空気力学的力は発射筒要素を前方から後方へ分離さ せ、かくして副弾丸を発射させる。この発射筒の分離は、発射体が例えば旋条付 き銃身を有する火器の使用から結果として生じる低い回転速度が付与される場合 に加速され得る。発射筒は、分離後、各々それらの固有の弾道に従いかつ火器か ら可変距離で落下する。 例えば、フランス特許第２，５５５，７２８号には安定翼縮射用弾薬を含みか つ稠密合金のテーパ付き弾丸およびプラスチツク発射筒を含む狩猟用火器が記載 されている。 しかしながら、この発射技術は、前方から後方への発射筒の分離により、多く の欠点を有する。まず、発射筒要素の弾道学的特性が制御されず、かつしたがつ て射撃手の近くにいる人間に危険を呈するかも知れない。そのうえ、発射筒要素 の分離は、分離中、副弾丸に関係する、副弾丸の弾道を妨害する可能性があり； これは結果として副弾丸のより大きな弾道分散を生じる。 フランス特許第２，５９９，８２８号および同第２，６０６，５００号には、 それらの特性が改良される、副弾丸および幾つかの取り外し可能な要素から作ら れた発射筒を含む型の狩猟用弾丸が記載されている。かくして、フランス特許第 ２，５９９，８２８号には大きな弾丸の安定性を有しかつそれゆえ良好な射撃確 度を備えるが一定の距離を超えると不安定となる弾丸が記載されている。 フランス特許第２，６０６，５００号は、推進薬の燃焼により発生するガスの 圧力により破壊し得る仕切り壁により推進薬から隔離され、かつ薬莢の壁により 外部に対して単に境界付けられる開放外方環状室を包含する、縮射用弾薬および 火器の口径を有する発射体により構成される、高い初期速度を備えかつ反動衝撃 の凄まじさを制限する弾薬に関する。この装置は射撃手により感じられる反動衝 撃を低減しかつ同一圧力に関して、発射体の初期速度を増加する利点を有する。 しかしながら、この外方環状膨張室は火器を出るとき分離中、発射筒要素の、 前方から後方への、開放の方向を変更することができず、しかも、これに反し、 発射体の分離中、弾道を妨害する危険が増加され得る。 米国特許第５，１８２，４１９号には飛行機に取り付けられた旋条が付けられ た銃身の軍用火器用の１部片発射送弾筒と結合された副弾丸が記載されている。 この装置の目的は副弾丸の分離後の飛行機のジエツトエンジンによる衝撃を防止 するために安定した弾道上に発射送弾筒を保持することである。 発明の開示 本発明の要旨は、反動衝撃を制限しながら高い初期速度を備えるとともに、発 射筒要素の後方から前方への開放を生じ、空気力学的力および推進ガスの膨張の 結合した作用によりその要素の迅速なかつ制御された放出を保証する、副弾丸と 結合して発射筒からなる装置である。 本発明による発射筒は、それゆえ副弾丸、とくに縮射用弾丸、および副弾丸に 嵌合する、幾つかの取り外し可能な要素から作られる発射筒を包含する型の弾薬 に適し、そしてそれは、その後方部分の中間近傍に、副弾丸の表面により、変形 可能なまたは破壊可能な仕切り壁により推進薬から分離される内部環状室を形成 する壁を含むことを特徴とする。 本発明による装置は以下の利点を備える。すなわち： −発射筒要素の分離は、発射筒要素が縮射用弾丸に支持しないので、縮射用弾 薬頭上で事実上妨害を生じない； −縮射用弾丸の弾道分散が低減されかつそれゆえ射撃確度が改善される； −発射筒の分離または放出が管理かつ制御され、それにより安全性を改善する 。 本発明による装置は、狩猟、スポーツまたは軍用火器の分野においてかつ好ま しくは、狩猟火器の分野において、縮射用弾薬、例えば縮射用弾丸、および少な くとも２つの取り外し可能な要素からなる発射筒を包含する型の、小、中および 大口径のすべての弾薬に適用し得る。 この装置は、 −プライマーケース； −推進パウダー薬； −全口径発射筒および縮射用弾丸からなる完成弾薬から構成される実包により 構成される構体に挿入される。 発射筒は幾つかの取り外し可能な要素、かつ好ましくは、少なくとも部分的に 、縮射用弾丸の外形に整合する筒状形状の２つの要素からなる。それらが縮射用 弾丸に嵌合されるとき、これらの要素は相互に隣接しかつその外面の少なくとも １部分によりケースに固定されるシリンダを形成する。発射筒の要素の各々はそ れ自体弾丸の長手方向軸線に沿って幾つかの副要素に分割され得る。 発射筒は、通常の技術を使用して、金属合金または所定の物理的特性を有する プラスチツク、例えばナイロンから作られ得る。 縮射用弾丸は好ましくは公知の型の安定翼付き矢弾丸でありかつ金属または有 機−金属ハイブリツド合金の金属合金または代わりに訓練用弾薬の場合に補強プ ラスチツクから作られる。 発射筒の後方部分において本発明によるり設けられた内部環状室は、好ましく は要素が縮射用弾丸に嵌合されかつ取り付けられるとき閉鎖室である。−実施例 によれば、しかしながら、内部環状室は部分的に開放され、かつ例えば、弾頭の 後方に向けられた開口を包含する。 上記で示されたように、内部環状室はこれを完成弾薬の場合に収容される推進 パウダー薬を隔離する変形可能なまたは破壊可能な仕切り壁によりその後方部分 で境界付けられる。この仕切り壁はパウダーの点火直後に推進ガスの圧力により 変形または破壊するように設計される。この結果は単に定義された区域の仕切り 壁の厚さを低減することにより、または仕切り壁を脆くするように、適切な溝に より獲得され得る。 本発明の一実施例によれば、発射筒の後方部分において、単一壁により内部環 状室から隔離された、三角形のかつ非常に細長い部分を有する外部チヤンネルを 設けるのが好都合であるかも知れない。 他の実施例によれば、本発明による内部環状室は、例えば、フランス特許第２ ，６０６，５００号に記載されたような、公知の型の環状外方室と組み合わされ かつ発射筒の後方部分において、内部環状室のすぐ近くに配置され得る。 かくして、発射段階の間中、推進パウダーの点火後、ガスが完成弾薬の後面全 体にかつとくに内部環状室を隔離する仕切り壁に増加圧力を及ぼす。圧力が値Ｐ に達すると、この仕切り壁は厚さの減少または溝によつて作られる境界に沿って 変形または破壊し、そして推進ガスが次いで内部環状室に通る。 火器の銃身を出るとき、縮射用弾丸および発射筒に作用する力は以下の通りで ある： −後方から前方へ発射筒要素を分離する作用を有する、縮射用弾丸の外面と発 射筒との間で、環状室に捕らえられる推進ガスの膨張力Ｐｂ； −前方から発射筒要素を開放しようとする、弾頭の本体の頭部に作用する空気 力学的圧力Ｐａと関係付けられる力； −その形状がこれらの力が発射筒要素の前方開口を保持しようとする発射筒要 素の前面の空気力学的力Ｆａ。 環状室内のガスの膨張力Ｐｂは空気力学的力Ｆａおよび空気力学的圧力Ｐａに 関連付けられる力の代数和より大きいので、発射筒要素の分離はその場合に後方 から前方に行われる。 好適な実施例によれば、発射筒要素の前方に配置された前方部分は縮射用弾丸 の頭部から僅かに突出するように配置される。これは、縮射用弾丸からの要素の 分離中、発射筒要素の後方部分が後方から前方へ分離するのを容易にする傾斜運 動を結果として生じる。 本発明による装置は公知技術に比して多数の利点を有する。 かくして、火器を脱出する発射筒の「分離」衝撃は発射筒要素がそれらの分離 運動の間中縮射用弾丸上に支持しないので非常に小さい。これは縮射用弾丸が弾 道の開始で経験する最大の不安の減少を可能にする。 そのうえ、本発明の装置は縮射用弾丸の弾道分散を改善する。実施された実験 はこの減少が、フランス特許第２，５５５，７２８号に記載された弾丸のごとき 、 公知の型の発射筒を有する矢弾丸に比して約２０％可能であることを示した。 そのうえ、発射筒要素の分離および／または放出の管理および制御は通常の手 段によるこれらの要素の開放円錐の調整を容易にする。例えば、本発明の装置を 備えた弾丸について実施された実験は、空気力学的圧力Ｐａと関連付けられた力 、空気力学的力Ｆａおよび推進ガスの膨張により発生する力Ｐｂを変化すること により、約１０゜ないし３５゜の間にある発射筒要素の開放円錐の変化が得られ ることを示した。 最後に、本発明による装置は発射筒要素と要素の分離中の翼運動との間の干渉 を導くことなく広範な翼運動の使用を可能にする。 本発明の装置はさらにフランス特許第２，６０６，５００号に記載された開放 外方環状室を有する装置に匹敵する利点を有し、かつこの場合に、前述された利 点に加えて、射撃手により感じられる反動衝撃の顕著な減少が、また、同一圧力 に関して、弾丸の初期速度の増加とともに得られる。 発明の種々の特徴および利点は、添付図面に関連して、好適な実施例に関する 以下の説明においてより明らかになる。 図面の簡単な説明 第１図は、縮射用弾丸および発射筒からなる、本発明による完成弾薬の半分の 断面図である。 第２図は縮射用弾丸に取り付けられた発射筒の位置を示す半分の断面図である 。 第３図は第２図の発射筒の後方部分を示す半分の正面図である。 第４図は、分離中の、縮射用弾丸に対する発射筒の位置を示す半分の側面図で ある。 第５図は発射筒の環状室の他の実施例の部分断面図である。 発明を実施するための最良の形態 第１図に描かれた実包（１）はプライマーケース（２）、推進パウダー薬（３ ）および縮射用弾丸（４）および該弾丸の長手方向軸線に対して対称的に配置さ れかつ長手方向に分離し得る２つの同一の要素から作られる発射筒（５）から構 成される完成弾薬からなる。 その内面で、発射筒（５）は、発射筒を取り付けるのを容易にしかつ発射段階 の間中、火器銃身内の構体の機械的一体性を保証する、縮射用弾丸（４）の表面 に作られる円形溝（７）と相互作用するキー（６）を包含する。 その外面で、発射筒（５）は発射段階の間中、良好な密封を保証すべくなされ た複数の環状チヤンネル（８）を有し、これらは減圧チヤンネルとして作用する 。 これらの環状チヤンネル（８）はまた銃身内の摩擦面を制限しかつ使用されるよ うな非常に閉塞された火器を可能にする。 第２図により明瞭に示されるごとく、発射筒は、その後方部分において、銃身 の閉塞を通過するとき部分（１０）の柔軟性の保証を可能にする、三角形でかつ 非常に細長い部分を有する。 発射筒（５）の後方部分はまた、その後、面（１１）において、部分（１０） の内面および縮射用弾丸（４）の表面により、略台形断面の内部環状室（１３） を境界付ける仕切り壁（１２）を包含する。 仕切り壁（１２）は丸い形状の月形（１４）を形成する減少された厚さの区域 を含み、これらは第３図に描かれている。発射筒（５）の他の部分より弱いこれ らの月形は次いで内部環状室（１３）内に通る推進ガスの圧力の上昇の間中、変 形されかつ破壊される。かくして作られる膨張力は部分（１０）の内面に作用し かつ発射筒全体を外方に押そうとする。 第２図に描かれた、発射筒（５）の前方部分（１５）は弾丸（４）の軸線に対 して略垂直な周面（１６）、外部円錐部分（１７）および弾丸の軸線に対して同 様に垂直な中央面（１８）からなる。 縮射用弾丸（４）は、例えば鉛合金から作られる弾丸本体（１９）、およびプ ラスチツクから作られ得る翼付き部分（２０）からなる。縮射用弾丸の本体（１ ９）は、発射筒（５）のキー（６）と相互に作用する、弾丸（４）の軸線に対し て垂直に形成された、円形溝（７）を包含する。 弾丸本体（１９）の頭部（２１）は略二重円錐形状を有しかつ発射筒（５）の 中央面（１８）から僅かに戻って配置される。 弾丸本体（１９）の後方に固定される翼付き部分（２０）は翼本体（２３）に 形成された４つの翼を備えた翼（２２）からなる。翼本体は月形（１４）を含む 仕切り壁（１２）の内径に等しい外径の筒状リブ（２４）を含み、そのような方 法において発射筒（５）が実包内で縮射用弾丸（４）に取り付けられるとき、良 好な密封が、一方で、発射筒（５）とケース（２）の内壁との間に、かつ他方で 、 仕切り壁（１２）と筒状リブ８２４）との間の中間面の領域において、発射筒（ ５）と縮射用弾丸（４）との間に保証される。 翼本体（２３）のリブ（２４）の前方の外部円形凹所（２５）は、この実施例 において、環状室（１３）の容量の増加を可能にする。そのうえ、翼本体はまた 発射筒（５）の第１外部キー（２８）と相互に作用する肩部（２７）を有する第 ２筒状リブ（２６）を包含する。 第４図に示されるごとく、推進ガスの膨張により後方に押された仕切り壁（１ ２）により、発射筒（５）要素は、火器銃身を脱出するとき、発射筒（５）の前 方部分（１５）に作用する空気力学的力Ｆａおよび弾丸（４）の二重円錐頭部（ ２１）および発射筒（５）の中央面（１８）により形成されるキヤビテイ内に作 用する空気力学的圧力Ｐａと関係付けられる力の合計より大きい環状室（１３） 内の推進ガスの膨張力Ｐｂの作用により、後方から前方への傾斜運動において縮 射用弾丸（４）から分離する。 第５図に描かれた他の実施例は外部環状室（２９）と内部環状室（１３）の組 み合わせを示す。この場合において、仕切り壁（１２）はより低い高さを有しか つ後方部分（１０）の他側で、外部環状室（２９）を境界付ける第２仕切り壁（ ３０）により延長される。この環状室（２９）は外部に開口している。この開口 は、点火前ケースの壁によりかつ次いで第１発射段階において火器銃身の内壁に より隠蔽される。仕切り壁（３０）は推進ガスの圧力の上昇により仕切り壁（１ ２）と同時に破壊される。 発射筒（５）要素の前方部分は、公知の技術に使用して、所望の作用に依存し て、第２図に描かれた形状と異なる形状を有しても良い。 本発明は狩猟用弾丸に関連して記載された。本発明はもちろん、同様な方法に おいて小、中または大口径のあらゆる弾薬に適用される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．副弾丸と該副弾丸に嵌合する、幾つかの取り外し可能な要素から作られる 発射筒とを含む型の弾薬用発射筒において、その後方部分の中間近傍に、前記副 弾丸（４）の表面に、変形可能または破壊可能な仕切り壁（１２）によつて推進 薬から分離される内部環状室（１３）を形成する壁を含むことを特徴とする弾薬 用発射筒。 ２．さらに、その後方部分において、外部環状室（２９）を含むことを特徴と する請求項の範囲第１項に記載の弾薬用発射筒。 ３．発射筒要素の前方に配置された前方部分（１８）は、縮射用弾丸の頭部（ ２１）から僅かに突出するように配置されることを特徴とする請求の範囲第１項 および第２項のいずれかに記載の弾薬用発射筒。 ４．前記環状室を推進薬から隔離する仕切り壁（１２）は、前記仕切り壁を脆 くするように、定義された区域のその厚さの減少、または溝を有することを特徴 とする請求の範囲第１項および第２項のいずれかに記載の弾薬用発射筒。 ５．前記発射筒の後方部分は、単一壁により前記内部環状室（１２）から隔離 された、三角形のかつ非常に細長い部分を有する外部チヤンネル（９）を含むこ とを特徴とする請求の範囲第１項に記載の弾薬用発射筒。 ６．弾丸の軸線に対して対称である２つの要素に長手方向に分割されることを 特徴とする請求の範囲の前項いずれか１項に記載の弾薬用発射筒。 ７．前記内部環状室は前記発射筒が副弾丸上の所定位置にあるとき閉鎖される ことを特徴とする請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載の弾薬用 発射筒。 ８．前記内部環状室が部分的に開放されることを特徴とする請求の範囲第２項 に記載の弾薬用発射筒。