JPS5942187B2 - 可燃ガスの安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は可燃性ガスの逆流、逆火による管内爆発を防止
する安全装置に関するものである。

金属材料の加熱や溶断作業においては、燃料ガスと酸素
ガスとを混合燃焼させているが、火口の故障や不良等が
生じた際に燃料ガス中に酸素が逆流して管内爆発の起因
となる。

この爆発圧力はガスの種類や混合比によって異なるが、
混合ガスの初圧の数倍から１０数倍となり、配管中にお
いてはその爆発圧力によりガスが圧縮され且つ加速され
て爆轟的に伝達し、燃料ガスの供給装置を破壊して大惨
事を招くことになるものである。

これを防止するために、ガスを水中に通過させたり、熱
伝導性金属粒や焼結金属等を通過させるようにした安全
装置が開発されているが、前者の場合は冬季に凍結して
使用不可能となる欠点があり、後者の場合はガスの通過
距離を長くする必要があるためガスの流導圧力抵抗が大
きくなるばかりでなく製品の均一な製造が困難で不良品
の出る欠点があった。

又、ガスの逆流、逆火時にその逆流圧力によって逆止弁
を作動させ、ガスの流入口を閉止するように構成した安
全装置も開発され、本願発明者もこれまで数多く考案し
たが、種々の実験の結果、爆発圧力の直後に真空が発生
して圧力が震幅しながら伝播する衝撃波となることが判
明し、このような波動的に伝達する逆流、逆火ガスの圧
力変動により、前記逆止弁が上下運動をしてガスの逆流
、逆火を完全に阻止することができないという問題点を
有する。

本発明はこのような欠点を解消するために、ガスの逆流
、逆火が生じた際にその爆発圧力を利用してガスの流入
口を瞬時に弁により閉止させ、且つ震幅圧力に対しても
該弁を開放させることなく確実に閉止状態を保持させる
ように構成したことを特長とする可燃ガスの安全装置を
提供するものである。

実施例を示す図面について説明すると、１は上端にガス
流出口２を設けるさ共に下端にガス流入口３を設けた筒
状本体で、これらのガス流入、流出口２，３を本体１の
内周径よりや＼小径の短筒形状に形成して流出口２の下
端開口部の周縁を弁座４に、又、流入口３の上端部を本
体１内に突出させて該突出上端部周縁を弁座５に形成し
である。

６は本体１の内部適所を内径方向に適宜長さだけ肉厚に
することによって形成したシリンダ一部で、該シリンダ
一部６の上端開口部と前記ガス流出口２の下端間に上部
室７を設けると共に下端開口部とガス流入口３の上端間
に下部室８を設けである。

９はシリンダ一部６の下端内周面に周設した係止側段部
又は周溝である。

１０はシリンダ一部６に嵌合した円筒形のピストン体で
、内部を前記上、下部室７，８に連通すガス通路１１に
形成し、さらにその外周面に１個ないしは数個のピスト
ンリング１２を装着してシリンダ一部６の内周面にその
弾性力によって摺接させである。

又、このピストン体１０の上端部はシリンダ一部６から
僅かに上方に突出させると共に下部適宜長さだけ下部室
８内に突出させ、その突出部の外周基部に周方向の突条
よりなるストッパー１３を突設して該ストッパー１３を
シリンダ一部６の下端口縁に当接させ、ピストン体１０
の上動を阻止しである。

さらに、このピストン体１０の突出下部周面に内部のガ
ス通路１１に連通ずる複数個のガス流通孔１４を穿設し
である。

１５はピストン体１０の下端部で形成した押接部材で、
ガスの逆流、逆火が生じてピストン体１０が下動した際
にその下面を主逆止弁１６の上面に押接させるようにし
である。

この主逆止弁１６はその中心に一体的に固着した中心軸
１７をガス流入口３の上部内周面適宜に内径方向に向け
て突設したガイドフレーム１８に上下摺動自在に支承さ
れ、その外周面に装着したゴム製０１Ｊング１９を弁座
５に着脱自在に密接させである。

なお、主逆止弁１６が弁座５に密接した状態において、
その上面と前記押接部材１５の上面間の寸法を前記ピス
トン体１０に装着した最下部のピストンリング１２とシ
リンダ一部６の下端係止用段部９間の寸法に等しくしで
ある。

２０は支持腕１８の下面と主逆止弁１６の中心軸１７の
下端に固着したスプリング受け２１間に圧設したスプリ
ングである。

２２はその外周面をピストン体１０の開口内周縁の便座
１０ａに着脱自在に密接させた可動逆止弁で、その中心
に固着した軸２３をピストン体１０の上部内周面適所に
突設したガイドフレーム２４の先端部に上下摺動自在に
支承させると共に該中心軸２３の下端面に固着したスプ
リング受け２５とガイドフレーム２４の下面間にスプリ
ング２６を圧設しである。

なお、主逆止弁１６と可動逆止弁２２とを弾圧するこれ
らのスプリング２０．２６は、例えは第４図に示すよう
に、主逆止弁１６の上面と押接部材１５の下面間に圧設
してもよく、可動逆止弁２２の上面とガス流出口２の内
周面適所に装着したスプリング受け（図示せず）間に圧
設することも可能である。

２１は主体１の周面適所に下部室８に連通させて取付け
た安全弁で、常態においてはスプリング２８によってそ
の通孔２９を外側から弁体３０で閉止し、本体１内が異
常に高圧になった場合にはスプリング２８の力に抗して
弁体３０を押し開いて排出孔３１より外部にガスを排出
させるようにしである。

以上のように構成した安全装置の作用を説明すると、ガ
スの流通が正常な場合、流入口３から供給されるガスは
スプリング２０の力に抗して主逆止弁１６を押し開いて
下部室８からピストン体１０の流通孔１４、通路１１に
入り、さらに可動逆止弁２２をスプリング２６の力に抗
して上方へ押し開いて上部室７から流出口２へと流出す
る。

この状態においては第１図に二点鎖線で示すように、主
逆止弁１６は押接部材１５の下面に受止されていると共
に可動逆止弁２２は上部室７内の略々中央部にまで上動
している。

又、流出口２側の配管の破損等により流入口３から過剰
のガスが流入した場合、その圧力によって可動逆止弁２
２がスプリング２６の力に抗して更に上動して流出口２
の下端開口部の弁座４に圧着し、該流出口２を閉止して
ガスの流動を止める。

而して、本体１の内部圧力が異常に高くなった場合、安
全弁２７の弁体３０を押し開いて排出口３１より外部に
ガスを排出するものである。

次に、ガスの逆流、逆火が生じた場合、配管の内部爆発
により急激に圧力が上昇し、その圧力ガスが逆流して可
動逆止弁２２がスプリング２６の力によって瞬時にピス
トン体１０の弁座１０ａに圧着してピストン体１０のガ
ス通路１１を閉止すると同時に可動逆止弁２２の上面に
かかる逆流圧力によってピストン体１０がシリンダ一部
６に沿って下方へ摺動し、第２図に示すように、その下
端部に設けた押接部材１５によって主逆止弁１６を押圧
してカス流入口３の弁座５に圧着させると同時にピスト
ン体１０の外周面に装着したピストンリング１２がシリ
ンダ一部６の係止同段部９に達してその弾力により径か
や５犬となり、係止同段部９に係止するものである。

この状態においては、ピストン体１０はその上動を完全
に阻止されて抑圧部材１５により主逆止弁１６をガス流
入口３の弁座５に圧着させた状態を保持し、ガスの逆流
を確実に阻止し、又、正常なガスの流入をも閉止するも
のである。

以上のように本発明は、上端にガス流出口を、下端にガ
ス流入口を夫々設けた筒状本体内にこれらのガス流入、
流出口に連通ずる通路を有するピストン体を嵌合させ、
このピストン体の前記通路の上端開口部と前記ガス流入
口に常態においてはスプリング力によってピストン体の
通路の上端開口部とガス流入口の開口端を閉止し且つガ
ス流入時においてはこれらの開口端から離間する可動逆
止弁と主逆止弁を夫々配設し、さらに前記ピストン体の
外周面に装着したピストンリングの下方部における筒状
本体の内周面に該ピストンリングの係止部を設けると共
に圧力ガスの逆流によってピストン体が下動して該ピス
トンリングが前記係止部に係合した際に、前記ガス流入
口の主逆止弁をガス流入口に圧着させる押接部材を前記
ピストン体の下端に連設したことを特徴とする可燃ガス
の安全装置に係るものであるから、正常時においては主
逆止弁をスプリングの力に抗して押し上げてピストン体
の通路からさらに可動逆止弁を押し上げながら流入口か
ら流出口へとガスを円滑に供給し得るのは勿論、逆流、
逆火が発生した場合にはその爆発的な圧力によって可動
逆止弁を瞬時にピストン体の開口端に閉止させて流入口
側への逆流を直ちに阻止できるばかりでなく、可動逆止
弁の上面にか＼る圧力ガスによりピストン体が下動して
そのピストンリングをシリンダ一部の下端部に設けた゛
係止部に係合させると同時に押接部材で主逆止弁を押圧
してガス流入口を閉止するので、この状態においては主
逆止弁は完全に上動するのを阻止され、例え、逆流圧力
が波動的に伝播して可動逆止弁が上下動しても主逆止弁
が強固にガス流入口を閉止する状態を保持することがで
き、従ってガス流入口側の管内爆発の防止と共にガス供
給装置の破壊を確実に阻止することができるものである
。

又、本発明によれば、ピストン体の上端部に設けた前記
可動逆止弁をスプリング力に抗してガス流出口に密着さ
せるようにすれば、流出口側の配管破損等によりガスの
多量吹出しが生じた際に、ガスの過剰な流出も防止する
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図はその縦断
正面図、第２図は異常時の縦断正面図、第３図は過流時
における可動逆止弁の作動状態を示す断面図、第４図は
本発明の他の実施例を示す縦断正面図である。 １・・・・筒状本体、２，３・・・・ガス流入、流出口
、６・・・・シリンダ一部、９・・・・係止部、１０・
・・・ピストン体、１１・・・・通路、１２・・・・ピ
ストンリング、１５・・・・押接部材、１６・・・・主
逆止弁、２２・・・・可動逆止弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上端にガス流出口を、下端にガス流入口を夫夫設け
   た筒状本体内にこれらのガス流入、流出口に連通ずる通
   路を有するピストン体を嵌合させ、このピストン体の前
   記通路の上端開口部と前記ガス流入口に常態においては
   スプリング力によってピストン体の通路の上端開口部と
   ガス流入口の開口端を閉止し且つガス流入時においては
   これらの開口端から離間する可動逆止弁と主逆止弁を夫
   々配設し、さらに前記ピストン体の外周面に装着したピ
   ストンリングの下方部における筒状本体の内周面に該ピ
   ストンリングの係止部を設けると共にガスの逆流によっ
   てピストン体が下動して該ピストンリングが前記係止部
   に係合した際に、前記ガス流入口の主逆止弁をガス流入
   口に圧着させる押接部材を前記ピストン体の下端に連設
   したことを特徴とする可燃ガスの安全装置。 ２ ピストン体の上端部に設けた前記可動逆止弁をガス
   の過流入時にスプリング力に抗してガス流出口に密着さ
   せて該流出口を閉止するように構成したことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の可燃ガスの安全装置。