JPS5941601B2 - 複合部品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、圧電セラミック板と誘電体よりなる薄板とを
一体化した薄板上に、共振子あるいはフィルタとコンデ
ンサとを形成した複合部品に関するものである。

厚みたて振動および厚みすべり振動のいわゆる厚み振動
を利用した圧電共振子および圧電フィルタは、ＩＭＨｚ
以上の高周波領域で動作する無調整の小型回路部品とし
て利用されている。

そして、これらの回路への応用に際して周波数調整、温
度補償、保証減衰量、減衰極周波数の調整などの諸特注
の改善のために、前記圧電共振子または圧電フィルタに
コンデンサを直列に、または並列に接続して使用するこ
とが多い。

圧電共振子あるいは圧電フィルタに、これと別個のコン
デンサを外部から接続していたのでは、回路の小型化に
対して非常に不利である。

そこで、一般には、共振子の場合を例にとると、第１図
に示すように、一枚の圧電セラミック板１上に共振子と
コンデンサとを形成した複合部品を使用されている。

この複合部品は次のようにして作られる。すなわち、一
枚の圧電セラミック板１の表面に間隔をおいて２個の電
極２，３を付設し、これに対向する裏面上に２個の対向
電極４，５を付設する。

分極された強誘電体の圧電共振子に振動損失の大きい物
質を塗布すると、振動が抑圧されて、単なるコンデンサ
となることを利用し、部分電極３゜５の存在する部分の
圧電セラミック板１に振動損失の大きい物質６，７を塗
布して振動を抑圧すれば、部分電極３，５と圧電セラミ
ック板１とでコンデンサが形成される。

このコンデンサを、前記部分電極２，４の存在する部分
の圧電セラミック板１で形成される共振子とを用いて、
第２図のように、共振子１００とコンデンサ２００とを
直列接続して電子機器に使用されることが多い。

しかし、この方法の欠点は、コンデンサを形成させるた
め、部分電極３，５の存在する圧電セラミック板１に、
振動損失の大きい物質６，７を塗布する際に、その振動
抑圧効果が部分電極２，４と圧電セラミック板１とで形
成される共振子にも働らき、共振周波数の変化、共振抵
抗の劣化などの悪影響をおよぼす。

従来の方法で前述のような悪影響を避けるためには、共
振子およびコンデンサとして動作させる２対の部分電極
の間隔を非常に大きくとらなければならなかった。

したがって、複合部品の小型化の面で大きな障害となっ
ていた。

また、一枚の圧電セラミック板で共振子とコンデンサを
形成するために、圧電セラミック板の比誘電率は共振子
の特注にあわせて選定される。

したがって、所要の容量値を得るために、コンデンサ用
の電極寸法が、共振子用の電極寸法に比べて極端に大き
い、あるいは小さい場合があり、小型化の点、あるいは
製造上の点で問題となっていた。

本発明の目的は前述のような欠点をなくし、非常に小型
のものとなすことのできる複合部品を提供しようとする
ものである。

以下、本発明の複合部品について、第３図、第４図、お
よび第５図を参照して説明する。

第３図は本発明の複合部品における一実施例の断面図で
、この部品は第２図の回路図で表わされる共振子とコン
デンサの複合部品である。

圧電セラミック板１１は分極軸１２の方向に分極されて
おり、厚みたて振動が励振される。

この圧電セラミック板１１の表面上に部分電極１３が付
設さね、これに対向する圧電セラミック板１１の裏面上
に部分電極１４が付設され、共振子が形成されている。

１５は誘電体よりなる薄板であり、圧電セラミック板１
１の側面に接着層１６を介して接合されている。

誘電体薄板１５の表面上に電極１７が付設され、その裏
面上に電極１８が付設されて、コンデンサが形成されて
いる。

このようにして作られた本発明による複合部品は、コン
デンサを形成する基板に、誘電体薄板を用いているため
、前述の従来例のような振動損失の大きい物質を用いる
必要がない。

また、圧電セラミック板の比誘電率ε１と異なった比誘
電率ε２を有する誘電体薄ンを用いることによって容量
値の大きいコンデンサを小型にすることができ、また、
非常に微小な容量値のコンデンサにおいても、製造しや
すい寸法の電極で形成することができる。

なお、接着層１６は、圧電セラミック板あるいは誘電体
薄板の表面と裏面との短絡を避けるために、絶縁体を用
いることが望ましい。

次に圧電フィルタにおける複合部品の実施例を示す。

第４図は一般に用いられる圧電フィルタの回路図を示す
。

圧電フィルタ３００，４００は縦続接続され、その中間
に、特注を改善させるためのコンデンサ５００が接続さ
れている。

このフィルタを本発明にもとづいて構成したものが第５
図および第６図に示すフィルタである。

第５図は本発明によるフィルタの斜視図であり、第６図
はその側面図である。

図において同一符号は同じものを示す。

圧電セラミック板２１の表面上に２対の部分電極２３．
２４および同２６，２７が付設されており、これと対向
する圧電セラミック板２１の裏面上に部分電極２５およ
び同２８が付設され、二つの圧電フィルタが形成されて
いる。

２２は分極軸を示し、圧電セラミック板２１に平行な方
向に分極されており、二つの圧電フィルタは厚みすべり
振動を利用したフィルタとなる。

２８は誘電体薄板であり、接着層２９を介して圧電セラ
ミック板２１の側面に接合されており、誘電体薄板２８
の表面および裏面に部分電極３０および同３１が付設さ
れてコンデンサが形成されている。

圧電フィルタとコンデンサによって構成されるフィルタ
は、特に厚みすべり振動を用いた場・合、接着層２９お
よび誘電体薄板２８が一種のダンパーの役割を果たし、
端面での反射によるスプリアスを除去する効果をもつ。

次に本発明の具体例について、圧電フィルタを例にとっ
て示す。

圧電セラミック板として、厚みすべり振動の結１合係数
が４０％、比誘電率が５６０のセラミック材料（松下電
器商標ＰＣＭ）を用いた。

１０ＭＨｚで動作するフィルタを作るために、圧電セラ
ミック板を１２５μｍ７１の厚さに研摩して、外形が０
．７ｇＩ Ｘ ３ｏｉｍ７の音叉形の素子を作った。

この音叉形の素子の表裏面に蒸着によって所定の電極を
付設して、二つのフィルタを形成した。

音叉形素子に、誘電体薄板として、０．７ｍｍ Ｘ ０
．５’ｍｍの比誘電率が３０００のセラミックを、二液
性のエポキシ樹脂の接着剤を用いて、１５０℃、２時間
の条件で接合させた。

この誘電体薄板の表裏面に０．４５ｍｍＸ０．４５ｆｌ
１ｍ、の微小な電極によって５０ ｐＦのコンデンサを
形成して、二つのフィルタの中間に並列接続した。

前述のようにして作られた０、 ７ ｉ＠Ｘ ３．５朋
のきわめて微小な素子によって、保証減衰量が４５ ｄ
Ｂの１０ＭＨｚフィルタを構成することができた。

以上のように本発明の複合部品は小型であり、かつ接着
層および誘電体薄板が一種のダンパーの役割をはたし、
圧電セラミック板の端面での反射によるスプリアスを除
去できる効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の複合部品の一例を示す断面図、第２図は
その等価回路図、第３図は本発明による共振子とコンデ
ンサの複合部品の一実施例の断面図、第４図はフィルタ
の一例を示す回路図、第５図は第４図に示す回路構成の
複合部品の斜視図、第６図はその断面図を示す。 ＩＬ２１・・・・・・圧電セラミック板、１２，２２・
・・・・・分極軸、１３，１４，１７，１８，２３゜２
４．２５，２６，２７，２８，３０，３１・・・・・・
電極、１６，２９・・・・・・接着層、１５，２８・・
・・・・誘電体薄板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧電セラミック板の側面に誘電体よりなる薄板を接
   着層を介して接合させて一体化し、前記圧電セラミック
   板の主面に共振子あるいはフィルタを形成し、かつ前記
   誘電体よりなる薄板にコンデンサを形成してなることを
   特徴となる複合部品。 ２ 接着層が絶縁体であることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の複合部品。 ３ 圧電セラミック板は、厚みたて振動あるいは厚みす
   べり振動が励振することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の複合部品。 ４ 圧電セラミック板に、その比誘電率と異なる比誘電
   率をもつ誘電体よりなる薄板を接合させたことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の複合部品。