JPS5941520B2 - ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
ステンレス鋼の製造方法Info
- Publication number
- JPS5941520B2 JPS5941520B2 JP5598880A JP5598880A JPS5941520B2 JP S5941520 B2 JPS5941520 B2 JP S5941520B2 JP 5598880 A JP5598880 A JP 5598880A JP 5598880 A JP5598880 A JP 5598880A JP S5941520 B2 JPS5941520 B2 JP S5941520B2
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- JP
- Japan
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- stainless steel
- potential
- vibration
- proofing
- acid
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- Expired
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明はステンレス鋼の製造方法に関し、特に粒界ク
ロム炭化物を析出させたオーステナイト系ステンレス鋼
を特定の定電位分極による電気分解に付すことによつて
防振性及び吸音性の高いステンレス鋼を得るステンレス
鋼の製造方法に関する。
ロム炭化物を析出させたオーステナイト系ステンレス鋼
を特定の定電位分極による電気分解に付すことによつて
防振性及び吸音性の高いステンレス鋼を得るステンレス
鋼の製造方法に関する。
機械類の現実的な防振対策として、機械材料自体に振動
減衰能を持つたいわゆる゛防振合金″の開発がさかんで
ある。
減衰能を持つたいわゆる゛防振合金″の開発がさかんで
ある。
しかしステンレス鋼については、そのきわめて大きな剛
性のために、防振性を高めることは難しいとされてきた
。このような事情にもかかわらずこの発明の発明者は鋭
意研究を重ねて、その防振性と共に吸音性を高めること
に成功したものである。
性のために、防振性を高めることは難しいとされてきた
。このような事情にもかかわらずこの発明の発明者は鋭
意研究を重ねて、その防振性と共に吸音性を高めること
に成功したものである。
すなわち、この発明は、溶体化処理及び/又は面積減少
率10〜30%の冷間加工をし、必要によつて時効熱処
理をしたオーステナイト系ステンレス鋼を、硫酸、又は
L−アスコルビン酸(もしくはイソアスコルビン酸)と
塩酸、又は塩化ナトリウムを主成分とする水溶液中で、
設定温度を約10〜40℃、設定電位を不働態化電位と
それより70mV高い電位との範囲で定電位分極による
電気分解に付し、防振性及び吸音性の高いステンレス鋼
を得ることを特徴とするステンレス鋼の製造方法である
。
率10〜30%の冷間加工をし、必要によつて時効熱処
理をしたオーステナイト系ステンレス鋼を、硫酸、又は
L−アスコルビン酸(もしくはイソアスコルビン酸)と
塩酸、又は塩化ナトリウムを主成分とする水溶液中で、
設定温度を約10〜40℃、設定電位を不働態化電位と
それより70mV高い電位との範囲で定電位分極による
電気分解に付し、防振性及び吸音性の高いステンレス鋼
を得ることを特徴とするステンレス鋼の製造方法である
。
要するにこの発明はステンレス鋼を物理的に高い防振性
及び吸音性が期待できる顕微鏡的な多細孔質に変えるわ
けであるが、それをまずステンレス鋼のクロム炭化物を
粒界析出させ、次いで析出されたクロム炭化物及び該炭
化物の周囲を特定の電気分解によつて溶出させるもので
ある。
及び吸音性が期待できる顕微鏡的な多細孔質に変えるわ
けであるが、それをまずステンレス鋼のクロム炭化物を
粒界析出させ、次いで析出されたクロム炭化物及び該炭
化物の周囲を特定の電気分解によつて溶出させるもので
ある。
この発明において使用できるオーステナイト系ステンレ
ス鋼は18%クロム、8%ニッケル鋼をもつて代表され
るもので、特に限定されないが市販されている入手容易
なものを選択使用するのが好ましい。
ス鋼は18%クロム、8%ニッケル鋼をもつて代表され
るもので、特に限定されないが市販されている入手容易
なものを選択使用するのが好ましい。
その好適な具体例としてはJIS記号SUS303、S
US304などが挙げられる。この発明におけるステン
レス鋼は溶体化処理又は/及び面積減少率10〜30%
の冷間加工をし、必要によつて時効熱処理したものが用
いられる。まず溶体化処理は、通常の方法によつて行う
ことができ、具体的にはステンレス鋼を約1000・
℃に保持した後水で急冷することによつて行われる。次
に冷間加工は、面積減少率が10〜30%になるよう塑
性変形させることによつてなされる。具体的には、この
冷間加工は断面積Aのステンレス鋼棒材を冷間引抜きし
、断面積(0.90〜070)Aの棒材とするような加
工を例示できる。以上のような溶体化処理と冷間加工と
を併せ行う場合は、特にSUS3O4については、溶体
化処理後冷間加工を行うのが望ましい。時効熱処理は、
ステンレス鋼の種類によつては例えばSUS3O3は必
要とされず、その処理条件は溶体化処理の場合と冷間加
工の場合で異なる。
US304などが挙げられる。この発明におけるステン
レス鋼は溶体化処理又は/及び面積減少率10〜30%
の冷間加工をし、必要によつて時効熱処理したものが用
いられる。まず溶体化処理は、通常の方法によつて行う
ことができ、具体的にはステンレス鋼を約1000・
℃に保持した後水で急冷することによつて行われる。次
に冷間加工は、面積減少率が10〜30%になるよう塑
性変形させることによつてなされる。具体的には、この
冷間加工は断面積Aのステンレス鋼棒材を冷間引抜きし
、断面積(0.90〜070)Aの棒材とするような加
工を例示できる。以上のような溶体化処理と冷間加工と
を併せ行う場合は、特にSUS3O4については、溶体
化処理後冷間加工を行うのが望ましい。時効熱処理は、
ステンレス鋼の種類によつては例えばSUS3O3は必
要とされず、その処理条件は溶体化処理の場合と冷間加
工の場合で異なる。
例えばSUS3O4ステンレス鋼で溶体化処理されてい
る場合は、600〜750℃で1〜5時間加熱され、冷
間加工が行なわれている場合はそれより若干低い温度で
且つ短時間の加熱でよい。かくして得られたオーステナ
イト系ステンレス鋼(粒界クロム炭化物を析出)は、定
電位分極による電気分解に付されるが、その液は硫酸、
又はL−アスコルビン酸(もしくはイソアスコルビン酸
)と塩酸、又は塩化ナトリウムを主成分とする水溶液中
で行われる。例えばL−アスコルビン酸と塩化ナトリウ
ムの組合せが好適であり、約1%L−アスコルビン酸と
約10%塩化ナトリウムの水溶液とするのが好ましい。
設定温度(液温)は10〜40℃が好ましく設定電位は
材料となるステンレス鋼の使用水溶液中における不働態
化電位(Ea)とそれより70mV貴な電位(Ep)と
の範囲が好ましい。この不働態化電位(Ea)は次のよ
うにして求められる。まず材料となるステンレス鋼を液
中に浸漬して直流電源のアノードに結び、同じ液中に浸
漬した甘永電極をカソードに結んで回路を作る。そして
ステンレス鋼の電位を電流ゼロのときから順次貴な値に
設定し、それに応じる電流を測定して縦軸を電位、横軸
を電流とするアノード分極曲線(例えば実施例で説明す
る第1図参照)を作る。ここで電流のピーク値が不働態
化電位(Ea)であり、この電位(Ea)とこれより7
0mV貴な電位(Ep)との間が好ましい設定電位であ
る。より好ましくは電位(Ea)とこれより40mV貴
な電位(E′p)との間である。なお、電位(Ea)よ
り卑な電位では材料全体が溶出するおそれがあり、更に
電位(Ea)より70mVを越える貴な電位、つまり電
流が極小値より上昇する部分に相当する電位では溶解が
局部的に行なわれるおそれがある(第1図参照)。この
発明に係るステンレス鋼の製造方法によつて得られた防
振性及び吸音性の高いステンレス鋼は、振動又は振動音
を発する機械の構造用材料として好適である。例えば、
モータ・ケース、モータ・シヤフトなどにこの発明の方
法で処理されたステンレス鋼を用いれば、特に複雑な防
振形状に設計することもなく防振及び防音効果が得られ
る。その他の用途としては、内燃機関の各部構造用材、
機械(又は装置)の振動が誤動作に結びつくような、例
えば自動販売機のコイン選別部構造用材などが挙げられ
る。実施例 1 試料のオーステナイト系ステンレス鋼JIS記号SUS
3O4の棒材(外径20pmφ)を長さ方向に5mmに
切断し、これをまず1050℃で20分間保持して後水
冷した(溶体化処理)。
る場合は、600〜750℃で1〜5時間加熱され、冷
間加工が行なわれている場合はそれより若干低い温度で
且つ短時間の加熱でよい。かくして得られたオーステナ
イト系ステンレス鋼(粒界クロム炭化物を析出)は、定
電位分極による電気分解に付されるが、その液は硫酸、
又はL−アスコルビン酸(もしくはイソアスコルビン酸
)と塩酸、又は塩化ナトリウムを主成分とする水溶液中
で行われる。例えばL−アスコルビン酸と塩化ナトリウ
ムの組合せが好適であり、約1%L−アスコルビン酸と
約10%塩化ナトリウムの水溶液とするのが好ましい。
設定温度(液温)は10〜40℃が好ましく設定電位は
材料となるステンレス鋼の使用水溶液中における不働態
化電位(Ea)とそれより70mV貴な電位(Ep)と
の範囲が好ましい。この不働態化電位(Ea)は次のよ
うにして求められる。まず材料となるステンレス鋼を液
中に浸漬して直流電源のアノードに結び、同じ液中に浸
漬した甘永電極をカソードに結んで回路を作る。そして
ステンレス鋼の電位を電流ゼロのときから順次貴な値に
設定し、それに応じる電流を測定して縦軸を電位、横軸
を電流とするアノード分極曲線(例えば実施例で説明す
る第1図参照)を作る。ここで電流のピーク値が不働態
化電位(Ea)であり、この電位(Ea)とこれより7
0mV貴な電位(Ep)との間が好ましい設定電位であ
る。より好ましくは電位(Ea)とこれより40mV貴
な電位(E′p)との間である。なお、電位(Ea)よ
り卑な電位では材料全体が溶出するおそれがあり、更に
電位(Ea)より70mVを越える貴な電位、つまり電
流が極小値より上昇する部分に相当する電位では溶解が
局部的に行なわれるおそれがある(第1図参照)。この
発明に係るステンレス鋼の製造方法によつて得られた防
振性及び吸音性の高いステンレス鋼は、振動又は振動音
を発する機械の構造用材料として好適である。例えば、
モータ・ケース、モータ・シヤフトなどにこの発明の方
法で処理されたステンレス鋼を用いれば、特に複雑な防
振形状に設計することもなく防振及び防音効果が得られ
る。その他の用途としては、内燃機関の各部構造用材、
機械(又は装置)の振動が誤動作に結びつくような、例
えば自動販売機のコイン選別部構造用材などが挙げられ
る。実施例 1 試料のオーステナイト系ステンレス鋼JIS記号SUS
3O4の棒材(外径20pmφ)を長さ方向に5mmに
切断し、これをまず1050℃で20分間保持して後水
冷した(溶体化処理)。
得られた試料を◆0/5のエメリ一紙で研摩後、研磨面
を1d残しシリコン樹脂でコーテイングした。次いでこ
の試料を10%塩化ナトリウムと101)アスコルビン
酸の水溶液(3『C)500mi中に浸漬した。電解液
をよく脱気し、−100μVdで1分間試料をカソード
分極した。カソード分極後、試料の自然電位が安定して
から、自然電位(第1図の電流0に対応する電位)より
貴な方向に掃弓速度60mV/分でアノード分極し、不
働態化電位Ea(−400mV1第1図参照)より+1
0mVの貴な定電位で4時間保持した。得られた試料に
は微細な多数の孔食が生起し防振性及び吸音性を示した
。これを第2図の300倍光学顕微鏡写真によつて示す
。点々と黒く写つている部分が電解部、他の白つぽい部
分がコーテイングによつて電解されなかつた未電解部で
ある。
を1d残しシリコン樹脂でコーテイングした。次いでこ
の試料を10%塩化ナトリウムと101)アスコルビン
酸の水溶液(3『C)500mi中に浸漬した。電解液
をよく脱気し、−100μVdで1分間試料をカソード
分極した。カソード分極後、試料の自然電位が安定して
から、自然電位(第1図の電流0に対応する電位)より
貴な方向に掃弓速度60mV/分でアノード分極し、不
働態化電位Ea(−400mV1第1図参照)より+1
0mVの貴な定電位で4時間保持した。得られた試料に
は微細な多数の孔食が生起し防振性及び吸音性を示した
。これを第2図の300倍光学顕微鏡写真によつて示す
。点々と黒く写つている部分が電解部、他の白つぽい部
分がコーテイングによつて電解されなかつた未電解部で
ある。
第1図はこの発明に係るステンレス鋼の製造方法におけ
る不働態化電位を求めるためのカソード分極曲線図、第
2図は本発明の方法によつて得られたステンレス鋼表面
の顕微鏡写真(300倍)である。
る不働態化電位を求めるためのカソード分極曲線図、第
2図は本発明の方法によつて得られたステンレス鋼表面
の顕微鏡写真(300倍)である。
Claims (1)
- 1 溶体化処理及び/又は面積減少率10〜30%の冷
間加工をし、必要によつて時効熱処理をしたオーステナ
イト系ステンレス鋼を、硫酸、又はL−アスコルビン酸
(もしくはイソアスコルビン酸)と塩酸、又はナトリウ
ムを主成分とする水溶液中で、設定温度を約10〜40
℃、設定電位を不働態化電位とそれより70mV高い電
位との範囲で定電位分極による電気分解に付し、防振性
及び吸音性の高いステンレス鋼を得ることを特徴とする
ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5598880A JPS5941520B2 (ja) | 1980-04-24 | 1980-04-24 | ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5598880A JPS5941520B2 (ja) | 1980-04-24 | 1980-04-24 | ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56153000A JPS56153000A (en) | 1981-11-26 |
JPS5941520B2 true JPS5941520B2 (ja) | 1984-10-08 |
Family
ID=13014460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5598880A Expired JPS5941520B2 (ja) | 1980-04-24 | 1980-04-24 | ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5941520B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100349145B1 (ko) * | 1997-10-16 | 2002-11-18 | 주식회사 포스코 | 몰리브덴함유2상스테인레스강의표면처리방법 |
ATE283552T1 (de) * | 2000-08-05 | 2004-12-15 | Ineos Chlor Entpr Ltd | Behandlung eines substrates aus nichtrostendem stahl |
-
1980
- 1980-04-24 JP JP5598880A patent/JPS5941520B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56153000A (en) | 1981-11-26 |
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