JPS5940896B2 - 耐摩耗性銅一炭素繊維複合摺動部材の製造法 - Google Patents

耐摩耗性銅一炭素繊維複合摺動部材の製造法

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JPS5940896B2
JPS5940896B2 JP595276A JP595276A JPS5940896B2 JP S5940896 B2 JPS5940896 B2 JP S5940896B2 JP 595276 A JP595276 A JP 595276A JP 595276 A JP595276 A JP 595276A JP S5940896 B2 JPS5940896 B2 JP S5940896B2
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英夫 荒川
啓一 国谷
孝 滑川
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な銅−炭素繊維複合摺動部材の製造法に関
する。
金属と繊維を複合化した繊維強化複合材は、金属マトリ
ックスと繊維の特性をあわせもたせることが可能なため
、各種の複合材が開発研究されている。
現在、各種の繊維の中で、炭素(以下単にCとする)繊
維は、高強度、比強度大、耐熱性、低熱膨張、耐摩耗な
ど多くの特注をもつ点で、優れた繊維といえる。
このC繊維と、導電性に優れ安価な銅(以下単にCuと
する)と複合化することにより、種々の特性および応用
が可能となる。
そのCu−C繊維複合材の特性の一つに、Cuの導電性
とCの耐摩耗性より、高導電・耐摩耗があげられる。
これら性質により、回転機の一括動部材、電車用パンタ
グラフスリ板、その他各種の機器などに応用される。
従来より金属マトリックスに黒鉛粉あるいは塊状を介在
させて、耐摩耗性を改善することが知られている。
すなわち、黒鉛自体が潤滑剤(黒鉛の自己潤滑)となっ
て摩耗を減少させるからである。
この考え方から、C繊維を分散させた複合材も、耐摩耗
が良好となることが推測される。
しかし、C繊維は六方晶の結晶構造をもち、しかも繊維
の長手方向に対し結晶配向もつ。
このような層状の六方晶の耐摩耗性は結晶面(方向)に
より耐摩耗性に差があることも知られている。
すなわち、摺動によって、自己潤滑剤となる黒鉛の薄片
(摩耗粉)が容易に生ずる(0001)面(C軸方向)
が摺動面と垂直になることが耐摩耗特性の点で好ましい
C繊維は主としてこの(0001)面が連らなって繊維
を形成している。
したがって、結晶面泥耐摩耗姓の考え方からすれば、C
繊維の側面を摺動面とすることによってCu −C複合
材の耐摩耗注は良好となるはずである。
しかしながら、Cu −C複合材の耐摩耗性は、必ずし
も、この考え方と一致しない。
たとえば、第1図に示すCuマトリックスに一方向にC
繊維を埋込んだCu −50vo1%C繊維複合材を繊
維の側面および断面となる而を摺動面とする7φの耐摩
耗測定片を作製し、相手材545C1摺速0、1 m
/ sec、面圧50kg/CWt、大気中の条件で、
乾式すべり摩耗測定を行なった結果、第2図のごとくと
なり、従来の結晶方位と摩耗量(キ一致しない。
すなわち、C繊維の側面すなわちC軸を摺動面と垂直に
するA1.、A2は、耐摩耗を良好にする方位であるが
、C繊維の断面(長手方向)すなわちa軸方向を摺動面
と垂直にする/I63より摩耗特性が悪い。
本発明の目的は、耐摩耗性の優れた銅−炭素繊維複合摺
動部材の製造法を提供するにある。
本発明は、銅を主成分とし、10〜50体積%の炭素繊
維を含む銅−炭素繊維複合部材の製造法において、前記
録を含む炭素繊維のスケル]・ンを高温加圧(ホットプ
レス)焼成し、該加圧焼成された前記部材の加圧面に平
行な面を摺動面とすることを特徴とする耐摩耗性鋼−炭
素繊維複合部材の製造法にある。
更に、本発明は炭化物形成元素を含む銅−炭素繊維複合
部材の製造法にある。
摩耗に影響する要因は、材料の硬さ、強度、組成、摩耗
条件の摺動速度、面圧、温度、雰囲気、相手材、その他
、潤滑剤の有無などが錯雑する。
一般に黒鉛のごとき潤滑剤は、層状の結晶構造をもち剪
断力の小さいことが望ましい。
つまりC繊維の結晶配向を考えると、既述したようにす
べり面(0001)面が摺動面となることは不可欠の条
件となる。
しかし、第2図の結果を検討した結果、Cu −C繊維
複合材を耐摩耗材として使用するには、次のような条件
を満足することによって、さらに良好な耐摩耗特注が得
られろことがわかった。
すなわち、Cuマトリックスに介在するC繊維は、C繊
維の摩耗さいの剪断力に勝る充分な力で、Cuマトリッ
クスと結合し、C繊維自体の離脱がないことが必要であ
る。
摺動のさいC繊維が離脱すると、マトリックスの接触が
犬となり摩耗量が犬となる。
離脱したC繊維は粗大であるため摺動面から除外される
第2図のC繊維の方向による摩耗特性の差は、このC繊
維の離脱によるものと考えられる。
すなわち、Cu−C複合材におけるCuとCは、全くぬ
れない、あるいは化合物を作らないため、その接着力は
極めて弱いものである。
第1図における扁3のC繊維は、長手方向に深<Cu中
に埋込まれているため摺動によるC繊維の離脱はない。
他方、Ai:1.2は、摺動面にC繊維全体が露出して
いるため、摺動のさいC繊維が離脱し、摩耗量が増大す
る。
したがって、Cu−C繊維複合材の耐摩耗特性は、C繊
維の結晶の配向を考慮し、さらにCuとの結合を強固に
してC繊維の離脱を防止することによって、優れた耐摩
耗特性が得られる。
Cuに対するC繊維の結合は、特開昭49−29217
にあるように、Cと反応するTi 、Zr、Cr 、V
などの添加元素を配合し、C繊維の表面に薄い炭化物の
生成あるいは吸着によってCuとの結合を改善すること
である。
結合したC繊維は、容易に離脱しないため、その耐摩耗
が改善されることが判明した。
本発明者らは、この要求を第3図に示すととくC繊維を
短繊維として繊維を湾曲させ一端をマトリックスに埋込
む方法を見出した。
この具体的な製造方法は、短繊維のCスケルトンをホッ
トプレスすることにより可能であることが判明した。
すなわち、類C繊維をランダムに混合すると、短繊維同
志がからみあった状態となるが、これをプレスすると、
繊維は、圧縮され、湾曲したC繊維の側面がプレス面に
平行となる。
このようなC繊維を摺動面側に対して凸に湾曲させた状
態に介在させれば、C繊維の端末がマトリックスに充分
に埋込まれ、繊維の離脱はなく良好な耐摩耗を得ろもの
である。
なお、繊維の配列方法による耐摩耗特性の差は、繊維の
断面と側面の比較で充分である。
なぜなら、C繊維の結晶配向は、完全ではないからであ
る。
以上のごとく、短繊維の介在のほか、繊維が摺動面側に
対して凸に湾曲し、マトリックスに一部埋込まれるなら
長繊維による網状としても本発明の目的を充分に達し得
る。
また、上記、短繊維および網状の介在状態に、前述した
各種の添加元素を加えることによっても、さらに摺動に
よるC繊維の離脱防止を良好にし得る。
すなわち、C繊維の湾曲による埋込みの効果と、C繊維
とCuマトリックスの金相的な結合効果の二つにより、
さらにC繊維の離脱は防止され、良好な耐摩耗特性が可
能である。
炭素繊維は10体積%未満では十分な耐摩耗性が得られ
ず、逆に50体積%を越えると炭素繊維間の距離間幅が
小さくなるので、炭素繊維を保持するマトリックスの強
度が急激に低下するため好ましくない。
炭化物形成元素の含有量は20体積%以下である。
20体積%を越えろとマトリックスが強化されるが、延
性が急激に低下するので好ましくない。
以下、実施例により説明する。
実施例 1 約0.2〜1μのCuメッキを施した直径約9μのC繊
維を5〜10朋に切断し、繊維がランダムになるよう混
合し、類C繊維のスケルトンを作成した。
これに、Cu粉末(−325メツシユ)とメチルセルロ
ーズからなるスラリを含浸し、Cu −50vo1%C
となるよう成分を調整した。
体積(vol )%は炭素繊維の比重を1.78 ?/
cr/l、Cu粉末の比重8.90 ? /cr/lの
値を用い、それらの重量から計算によって求めた。
次いで、これら類C繊維のスケルトンを黒鉛鋳型に入れ
、加熱温度1000℃、保持時間1時間、雰囲気水素ガ
ス、圧力300に9/crAの条件で、ホットプレスし
、厚さ約7朋の試験片を作製した。
その結果、第4図(倍率100)に示すように、ホット
プレス面に平行な面に対し、その面側に繊維が凸に湾曲
し、一部がCuマトリックスに埋込まれた組織を得た。
C繊維のほとんどがホットプレス面に平行な面に対しそ
の面側に凸に湾曲していた。
次に上記試験片のホットプレス面に平行な面(第4図)
を摺動面とし、直径7φの耐摩耗試験片を作製した。
これを相手材545C1摺動速度0.1m/s、雰囲気
大気中の条件で乾式すべり摩耗試験を行なった。
その結果、第5図に示すように、同一成分比において、
繊維の断面(第1図)を摺動面とするCu−C複合材よ
りも、本発明の繊維の測面(第4図)を摺動面とするこ
とによって著しい耐摩耗性の向上がみられた。
本発明の一実施例によれば、第3図に示すごとく繊維の
介在になって、繊維の離脱を防+hl、耐摩耗特性の向
上のすぐれた効果がある。
実施例 2 実施例1と同じ製造方法および条件により、Cu粉末、
CuメッキしたC繊維5〜10m7IL、Zr粉末(粒
径的40μ)のスラリーを用い、CuマトリックスにZ
r粉を分散させた第4図のとときC繊維を介在させたC
u−11vo1%Zr−40vo1%C複合材を作製し
た。
次いで実施例1と同一の条件でその耐摩耗性を測定した
その結果、実施例1における本発明品と比較し、2km
の摩耗量は、10〜20%の減少があった。
本実施例より、実施例1のC繊維の介在状態に、Zrの
添加により、C繊維の離脱がさらに防止され、耐摩耗性
の改善に一層の効果が認められた。
実施例 3 実施例1と同様な製造方法により、Cu−11vo1%
Ti−40vo1%C(Ti粉末−325メツシユ)、
Cu−20vo1%Nb −40vo1%C(Nb粉末
−325メツシユ)を作製、実施例1と同一の条件で耐
摩耗性を測定した結果、実施例2と同程度の耐摩耗特注
を得た。
以上本発明の摺動部材はCu −C繊維複合材の例をと
って説明したようにC繊維の離脱を顕著に防止できるこ
とが判明し、その結果良好な耐摩耗性を得ることが判明
した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一方向Cu −C繊維複合材の摺動面と摺動
方向との関係図、第2図は、一方向Cu−C繊維複合材
の摩耗減量と摺動距離との関係線図、第3図は、本発明
の金属−C繊維複合摺動部材の構成図、第4図は本発明
のCu −50vo1%C繊維複合摺動部材の顕微鏡組
織図、第5図は従来および本発明のCu−50vo1%
C繊維複合摺動部材の摩耗減量と摺動距離との関係線図
である。 符号の説明、1・・・・・・Cuマトリックス、2・・
・・・・C繊維、3・・・・・・摺動方向、4・・・・
・・摺動面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 銅を主成分とし、10〜50体積%の炭素繊維を含
    む銅−炭素繊維複合摺動部材の製造法において、前記銅
    を有する炭素繊維のスケルトンを高温加圧焼成し、該加
    圧焼成された前記部材の加圧面に平行な面を摺動面とす
    ることを特徴とする耐摩耗性鋼−炭素繊維複合摺動部材
    の製造法。 2 銅を主成分とし、10〜50体積%の炭素繊維及び
    20体積%以下の炭化物形成元素を含む銅−炭素繊維複
    合摺動部材の製造法において、前記銅及び炭化物形成元
    素を有する炭素繊維のスケルトンを高温加圧焼成し、該
    加圧焼成された前記部材の加圧面に平行な面を摺動面と
    することを特徴とする耐摩耗性鋼−炭素繊維複合摺動部
    材の製造法。
JP595276A 1976-01-23 1976-01-23 耐摩耗性銅一炭素繊維複合摺動部材の製造法 Expired JPS5940896B2 (ja)

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JPS5975914U (ja) * 1982-11-12 1984-05-23 日立粉末冶金株式会社 複層軸受
DE19524708C2 (de) * 1995-07-10 2000-01-05 Deutsch Zentr Luft & Raumfahrt Stromabnehmer für ein Fahrzeug, insbesondere für ein Schienenfahrzeug
JP5456995B2 (ja) * 2008-07-11 2014-04-02 公益財団法人鉄道総合技術研究所 パンタグラフ用すり板集電材料

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