JPS5940436Y2

JPS5940436Y2 - 鋼帯焼鈍炉の急速冷却帯

Info

Publication number: JPS5940436Y2
Application number: JP16737879U
Authority: JP
Inventors: 章也柳島; 雄二下山; 幸夫井田; 秀夫角南
Original assignee: 川崎製鉄株式会社
Priority date: 1979-12-03
Filing date: 1979-12-03
Publication date: 1984-11-16
Also published as: JPS5687450U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、加熱均熱された鋼帯な所定の冷却速度で急
冷する鋼帯焼鈍炉の急速冷却帯に関する６近時、高張力
冷延鋼板や絞り用冷延鋼板を、連続焼鈍炉において、そ
れぞれに個有のヒートサイクルに従って連続的に焼鈍処
理し、所定の加工性訃よび絞り性等を付与する焼鈍処理
がなされている。

ここで、高張力冷延鋼板や絞り用冷延鋼板に用いられる
連続焼鈍炉に釦いては、鋼帯な所定の高温状態にまで加
熱均熱する加熱均熱帯の後工程に、加熱均熱された鋼帯
を１０℃／５ｅｃｈいし２００℃／ｓｅｃ程度の冷却速
度で急速冷却を可能とする急速冷却帯が備えられている
。

この急速冷却帯において鋼帯を強制的に冷却する手段と
しては、鋼帯表面に冷却ガスを噴射する方法が採用され
ている。

ここで、鋼帯に与える冷却速度を大きくするためには、
冷却ガス噴射手段と鋼帯表面とのなす間隙を５０〜２０
０１１１と小さくして、冷却ガスの鋼帯表面への衝突速
度を大きくする必要があり、また、非酸化性の炉内雰囲
気ガスを冷却ガスとして効率的に用いるために、このよ
うな急速冷却帯は溶接構造によってガスタイトとする必
要がある。

しかしながら、このような従来の急速冷却帯に訃いては
、鋼帯の両面に対向配置される一対の強制冷却手段の間
隙が小さくなっていることから、銅帯の破断、鋼帯の接
触により破損した強制冷却手段を保守したり、鋼帯を再
通板する際における作業空間を、急速冷却帯の内部空間
に占有することができない。

従って、このような保守作業時に３いては、溶接構造か
ら形成されている急速冷却帯の炉壁を切断し、強制冷却
手段を外部に取り出して修理した後、再び急速冷却帯の
内部に強制冷却手段を配置して、炉壁を再溶接した状態
でリークテストし、ガスタイト化を確認してから再操業
に入る必要があり、多大な作業工数と作業時間とを必要
とするという問題がある。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであ
って、強制冷却手段としてのプレナムチャンバーを急速
冷却帯内に訃いて移動可能とし、保守作業を迅速容易化
することができる銅帯焼鈍炉の急速冷却帯を提供するこ
とを目的とする。

上記目的を達成するために、この考案は、加熱均熱され
た銅帯を所定の冷却速度で急冷する銅帯焼鈍炉の急速冷
却帯に訃いて、鋼帯搬送路に対向配置されて冷却ガスが
強制的に吹出されるプレナムチャンバーを、銅帯搬送路
に対して接離する方向に移動可能としたものである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図および第２図は、この考案に係る銅帯焼鈍炉の急
速冷却帯の一実施例を示す説明図である。

この急速冷却帯１０は、銅帯を所定温度に加熱均熱する
加熱均熱帯に後続配置され、その内部には上下のハース
ロール１１に支持される鋼帯１２がその搬送路を所定の
搬送速度で搬送可能となっている。

鋼帯１２が上下に搬送される各搬送路を臨む両側には、
案内レール１３が炉壁内面から水平に突設され、案内レ
ール１３の上面には車輪１４を介して、強制冷却手段と
してのプレナムチャンバー１５が鋼帯１２の搬送路に対
して接離する方向に移動可能に載置されている。

プレナムチャンバー１５には、炉内の雰囲気ガスとして
のＨＮガスが、循環ダクト１６を介して、モータ１７に
よって駆動される循環ファン１８により、クー２１９に
訃いて間接的に水冷され、ダンパ２０において流量を制
御されて送り込まれている。

な訃、循環ダクト１６の、急速冷却帯の内部に配設され
てプレナムチャンバー１５に接続される部分は、伸縮自
在な蛇腹状の伸縮ダクト２１とされている。

このようにして、プレナムチャンバー１５に圧縮状態で
送り込１れる冷却ガスは、プレナムチャンバー１５０鋼
帯１２を臨む面内に形成されているスリット状の吹出ノ
ズル２２から鋼帯１２の表面に吹出されて、鋼帯１２を
所定の冷却速度で急冷可能となっている。

ここで、プレナムチャンバー１５の背面に対向する炉壁
外面側にはシリンダ装置２３が固定され、シリンダ装置
２３の駆動によって往復移動するピストンロッド２４の
先端部にはプレナムチャンバー１５が連結され、従って
、プレナムチャンバー１５は、シリンダ装置２３の駆動
によるピストンロッド２４の前進状態下で、鋼帯１２を
所定の冷却速度で急冷可能とする位置に停留され、ピス
トンロッド２４の後退位置にお・いて鋼帯１２の表面か
ら大きく離間して鋼帯１２の搬送路内にプレナムチャン
バー１５の保守作業者もしくは鋼帯１２の再通板作業者
のそれぞれに必要な作業空間を形成可能とする位置に停
留するようになっている。

な訃、シリンダ装置２３と急速冷却帯１０の炉壁外面と
の間にはシール２５が装置され、急速冷却帯１０をガス
タイト化するようになっている。

次に、上記実施例の作用について説明する。

鋼帯１２が連続的に焼鈍処理される通常の状態に訃いて
は、第１図に示されるように、シリンダ装置２３のピス
トンロッド２４は前進位置に停留されプレナムチャンバ
ー１５の吹出ノズル２２は鋼帯１２の表面に対して所定
の間隔で対向配置され、循環ファン１８釦よびクーラ１
９を介してプレナムチャンバー１５に送り込まれた冷却
ガスを吹出ノズル２２から鋼帯１２の表面に噴出して、
鋼帯１２を所定の冷却速度で急速冷却する。

このような急速冷却帯１００通常操業状態に対して、鋼
帯１２が破断したり、鋼帯１２のばたつきによってプレ
ナムチャンバー１５もしくはその吹出ノズル２２が破損
した場合には、第２図に示されるように、シリンダ装置
２３の駆動によってピストンロッド２４を必要量だけ後
退させ、鋼帯１２の搬送路の両側において対向配置され
ているプレナムチャンバー１５が相互になす間隙を、作
業者に必要な作業空間を与えるだけ、両プレナムチャン
バー１５を相互に離間する状態で停留する。

この状態において、作業者は急速冷却帯１０の内部に侵
入し、上記のように形成された作業空間内で所定の保守
作業が行なわれる。

このような実施例に係る急速冷却帯１０に釦ける保守作
業に必要とされる作業工程釦よび作業時間を、従来例に
よる場合と比較すれば次のようになる。

すなわち、従来例に３いて、急速冷却帯内に配置されて
いるプレナムチャンバーを保守する場合には、炉温降下
待ち工程３時間、炉壁切断工程７時間、プレナムチャン
バー炉外取出し工程８時間、プレナムチャンバー吹出ノ
ズル修理工程１０時間、プレナムチャンバー炉内搬入工
程８時間、炉壁再溶接工程７時間、リークテスト工程５
時間、炉温上昇工程５時間が必要となり、従って保守作
業の開始から操業の再開に到る１でには上記各工程の合
計である５３時間という長時間が必要とされる。

これに対して、上記実施例に係る急速冷却帯１０に訃い
てそのプレナムチャンバー１５を保守作業する場合には
、炉温降下工程３時間、プレナムチャンバー移動工程１
０分間、炉内に釦けるプレナムチャンバー修理工程１３
時間、炉温上昇工程５時間が必要とされるのみであり、
保守作業の開始から再操業に到るまでの必要時間は上記
各工程の合計としての２１時間１０分という短時間に短
縮化されることが認められる。

第３図および第４図はこの考案に係る銅帯焼鈍炉の急速
冷却帯の他の実施例を示す説明図であり、前記実施例に
釦けると同様な部分は同一の符号を付すことによって説
明を省略する。

この実施例において、前記実施例におけると異なる点は
、シリンダ装置３１を急速冷却帯１０の炉壁から若干離
れた位置に固定し、シリンダ装置３１の駆動によって往
復移動するピストンロッド３２の先端部をプレナムチャ
ンバー１５の背面に連結し、さらに、急速冷却帯１０の
プレナムチャンバー１５を臨む面内にはプレナムチャン
バー１５が出入可能な開口部が形成され、プレナムチャ
ンバー１５の背面側外周部と急速冷却帯１０の上記開口
部とには蛇腹状のシール３３が装着されて、急速冷却帯
１０をガスタイト化するとどもに、シリンダ装置３１の
駆動により、シール３３を伸縮させてプレナムチャンバ
ー１５を第３図に示されるように鋼帯１２に接近させる
位置と第４図に示されるように離間する位置との間を移
動可能としたものである。

なお、循環ダクト１６のプレナムチャンバー１５に接続
される部分は、伸縮自在な蛇腹状の伸縮ダクト３４とさ
れている。

すなわち、上記実施例に係る急速冷却帯１０によれば、
急速冷却帯１０の内部にプレナムチャンバー１５を移動
して作業空間を形成するに足る移動空間を取ることがで
きない場合に訃いても、プレナムチャンバー１５を急速
冷却帯１０の壁面外方部にまで移動可能となる。

従って、急速冷却帯１０の通常作業時には、プレナムチ
ャンバー１５を第３図に示されるような前進位置に停留
して、鋼帯１２を所定の冷却速度で急冷し、プレナムチ
ャンバー１５の保守作業もしくは鋼帯１２の再通板作業
時には、シリンダ装置３１を駆動してプレナムチャンバ
ー１５を第４図に示されるように炉壁外方に１で移動し
て、相互に対向配置されているプレナムチャンバー１５
の間隙を大きな作業空間とすることが可能となる。

以上のように、この考案に係る銅帯焼鈍炉の急速冷却帯
は、銅帯搬送路に対向配置されて冷却ガスが強制的に吹
出されるプレナムチャンバーを、鋼帯搬送路に対して接
離する方向に移動可能としたので、急速冷却帯の内部に
むける保守作業を迅速容易化することができるという効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る銅帯焼鈍炉の急速冷却帯の一実
施例を示す断面図、第２図は第１図の異なる作動状態を
示す断面図、第３図は同梱の実施例の要部を示す断面図
、第４図は第３図の異なる作動状態を示す断面図である
。１０・・・急速冷却帯、１３・・・案内レール、１４・
・・車輪、１５・・・プレナムチャンバー１８・・・
循環ファン、１９・・・クーラ、２１．３４・・・伸縮
ダクト、２２・・・吹出ノズル、２３，３１・・・シリ
ンダ装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

加熱均熱された銅帯を所定の冷却速度で急冷する銅帯焼
鈍炉の急速冷却帯に訃いて、鋼帯搬送路に対向配置され
て冷却ガスが強制的に吹出されるプレナムチャンバーを
、銅帯搬送路に対して接離する方向に移動可能としたこ
とを特徴とする鋼帯焼鈍炉の急速冷却帯。